モリエール
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モリエール(Molière、1622年1月15日 - 1673年2月17日)は17世紀フランスの劇作家で、コルネイユ、ラシーヌとともに古典主義の三大作家の一人とされる。
本名はジャン=バティスト・ポクラン(Jean-Baptiste Poquelin)で、パリの裕福な家庭に生まれる。オルレアンの大学で法律を学んだ後、俳優となるが芽が出ず、売れない劇団の座長として地方の旅回りを続けた。その中で喜劇作品を書き始めた。
1658年、パリに戻り次々に作品を上演し、『女房学校』(1662年)が大評判となって劇作家として認められた。モリエールの劇作は宮廷でも支持を得て、喜劇に対する人気、評価を高めた。喜劇作品『人間嫌い』『ドン・ジュアン』『町人貴族』『病は気から』『いやいやながら医者にされ』『スカパンの悪だくみ』などがある。モリエールの死後、コメディ・フランセーズが創設された(1680年)。
著作
- トンデモ医者 (トンデモいしゃ)(Le Médecin volant、1645年)
- バルブイエの嫉妬(バルブイエのしっと)(La Jalousie du barbouillé、1650年)
- 粗忽な男 (そこつなおとこ)(L'Étourdi ou les Contretemps、1653年)
- 恋人の喧嘩 (こいびとのけんか)(Le Dépit amoureux、1656年)
- 恋する医者 (こいするいしゃ)(Le Docteur amoureux、1658年。テキスト現存せず)
- 滑稽な才女たち (こっけいなさいじょたち)(Les Précieuses ridicules、1659年)
- スガナレル:あるいはコキュにされたと思った男 (スガナレル:あるいはコキュにされたとおもったおとこ)(Sganarelle ou le Cocu imaginaire、1660年)
- ドム・ガルシ・ド・ナヴァール:あるいは嫉妬深い王子(ドム・ガルシ・ド・ナヴァール:あるいはしっとふかいおうじ)(Dom Gracie de Navarre ou le Prince Jaloux、1661年)
- お婿さんの学校(おむこさんのがっこう)(L'École des maris、1661年)
- はた迷惑な人たち (はためいわくなひとたち)(Les Fâcheux、1661年)
- 女房学校 (にょうぼうがっこう)(L'École des femmes、1662年)
- グロ=ルネの嫉妬(グロ=ルネのしっと)(La Jalousie du Gros-René、1663年。テキスト現存せず)
- 女房学校批判(にょうぼうがっこうひはん)(La Critique de l'école des femmes、1663年)
- ベルサイユ即興劇(ベルサイユそっきょうげき)(L'Impromptu de Versailles、1663年)
- 強制結婚(きょうせいけっこん)(Le Mariage forcé、1664年)
- ぼうやのグロ=ルネ (Gros-René, petit enfant、1664年。テキスト現存せず)
- エリード姫(エリードひめ)(La Princesse d'Élide、1664年)
- タルチュフ:あるいはペテン師(タルチュフ:あるいはペテンし)(Tartuffe ou l'Imposteur、1664年)
- ドム・ジュアン:あるいは石像の宴(ドム・ジュアン:あるいはせきぞうのうたげ)(Dom Juan ou le Festin de pierre、1665年)
- 恋こそ名医 (こいこそめいい)(L'Amour médecin、1665年)
- 人間嫌い (にんげんぎらい)(Le Misanthrope ou l'Atrabilaire amoureux、1666年)
- いやいやながら医者にされ (いやいやながらいしゃにされ)(Le Médecin malgré lui、1666年)
- メリセルト(Mélicerte、1666年)
- パストラル・コミック(Pastorale comique、1667年)
- シチリア人:あるいは恋する絵描き (シチリア人:あるいはこいする えかき)(Le Sicilien ou l'Amour peintre、1667年)
- アムフィトリヨン(Amphitryon、1668年)
- ジョルジュ・ダンダン:あるいは、やり込められた夫 (ジョルジュ・ダンダン:あるいは、やりこめられたおっと)(George Dandin ou le Mari confondu、1668年)
- 守銭奴(しゅせんど)(L'Avare ou L'École du mensonge、1668年)
- プルソーニャク氏 (プルソーニャクし)(Monsieur de Pourceaugnac、1669年)
- 豪勢な恋人たち (ごうせいなこいびとたち)(Les Amants magnifiques、1670年)
- 町人貴族 (ちょうにん きぞく)(Le Bourgeois gentilhomme、1670年)
- プシシェ (Psyché、1671年)
- スカパンの悪だくみ (スカパンのあくだくみ)(Les Fourberies de Scapin、1671年)
- エスカルバニャス伯爵夫人 (エスカルバニャスはくしゃくふじん)(La Comtesse d'Escarbagnas、1671年)
- 学者きどりの女たち (がくしゃきどりのおんなたち)(Les Femmes savantes、1672年)
- 病は気から (やまいはきから)(Le Malade imaginaire、1673年)
日本語訳
- (1) ISBN 978-4-653-03711-8
- (2) ISBN 978-4-653-03712-5
- (3) ISBN 978-4-653-03713-2
- (4) ISBN 978-4-653-03714-9
- (5) ISBN 978-4-653-03715-6
- (6) ISBN 978-4-653-03716-3
- (7) ISBN 978-4-653-03717-0
- (8) ISBN 978-4-653-03718-7
- (9) ISBN 978-4-653-03719-4
- (10) ISBN 978-4-653-03720-0
映像化
- モリエール 恋こそ喜劇 (Molière) - 2007年のフランス映画。若き日のモリエールをロマン・デュリスが演じた。
関連項目
外部リンク
- 伝記。書誌学(フランス語)