パパはニュースキャスター
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『パパはニュースキャスター』は、1987年(昭和62年)1月9日から同年3月27日までTBS系列で放映されたテレビドラマ。放送時間は、金曜日21時から21時54分(JST)。
目次
概要
酒を飲むと記憶が飛ぶ、独身主義のニュースキャスター・鏡竜太郎の元に、12年前に酒の席で口説いた3人の女との間に出来た娘が現れ、いきなり3人の父親になるというコメディドラマである。レギュラー終了後も1994年(平成6年)までスペシャル版が3本制作された。TBSを舞台としている。
『うちの子にかぎって…』(1984年・1985年)でコメディ路線に転向した田村正和が同作の脚本を手掛けた伴一彦、プロデュースを手掛けた八木康夫らと再びタッグを組んで制作された作品である。
3人の娘の名前がすべて「愛(めぐみ)」である。鏡竜太郎は酒に酔って女性を口説く時、“そろそろ身を固めようと思っている。娘が出来たら名前は決めてある、「愛情の『愛』と書いて『めぐみ』、愛に恵まれるように」”と口説くことから。後のお正月スペシャルで、「愛(めぐみ)」は竜太郎が幼い頃生き別れた(竜太郎は死別だと思っていた)母親の名前であることが判明する。
鏡竜太郎、40歳、独身。職業、ニュースキャスター。ジャーナリストとして正義感に燃える彼にも、欠点がある。唯一と言っていい彼の欠点は、酒。飲むと記憶をなくすほど酔っ払い、女を口説くのである。12年前、彼は三人の女を口説いた。そのことが、やがて思いがけない悲劇となって、彼の身に襲いかかろうとは夢にも思わずに…。このドラマは、ある日突然三人の娘の父親になった、独身主義者の悲劇…ではなく、喜劇である。(冒頭ナレーション)
翌1988年(昭和63年)には、『パパは年中苦労する』という類似ドラマが制作された。
登場人物
主人公とその家族
主人公
- 鏡 竜太郎 - 田村正和
- 1946年3月8日生まれ。
- TBSテレビ「ニュースチャンネル」のメインキャスター(アンカーマン)。マンションの6階に住んでいる[1]。
- 生涯独身を宣言。無口で酒癖と女癖が非常に悪く、それが災いし自分が知らないうちに子供を作ってしまう。子供と甘いものが嫌いな上に気難しい性格。毎回、3人の愛(めぐみ)の無神経さには苛立っている。
- 愛車はポルシェ 928からボンゴワゴンになる(第7話)。
- 仕事に対する思いは人一倍だが、新聞のテレビ評では久米宏や逸見政孝などと比較され「しゃべりが硬く、感情を露にするのは見苦しい」と酷評されている。
- 『毎度おさわがせします』のことを快く思っておらず、田代冬彦に対して苦情を言う(第8話)。
- 血液型はA型。趣味は音楽鑑賞(ただし、ハード系は嫌い)で目覚まし時計代わりとしている位。身長174㎝。大の巨人ファン。
3人の愛(めぐみ)
- 1987年の明け頃に急遽、同時期に竜太郎の家へ押し入り住まいした3人の異母姉妹娘。彼女達の無神経ぶりに竜太郎に敬遠されながらも、毎回父親への愛情を求めている。カッと向きになるところは父親の竜太郎似である。
- 西尾 愛(めぐみ) - 西尾麻里
- 竜太郎が伊豆半島沖地震の取材で下田市を訪れたときに知り合った女性との間に生まれた娘。
- 一緒に暮らしていた義父や実母から敬遠されたのがきっかけで、竜太郎の家に住みつく。
- 3人の愛の中で特に生意気な性格で、竜太郎に対して特に反抗トラブルを起こす。
- 将来アイドルを目指したい事もあり(第5話)、子役デビュー(第9話)もした。しかし、大塚愛からは顔が良くないこと酷評される。
- 本編終了時に母親の元に戻るが、スペシャル編で母親が夫と共に蒸発、再び竜太郎の元へ。
- 成人後は芸能リポーターになったが、竜太郎は快く思っていない。
- 血液型はAB型。
- 大塚 愛 - 大塚ちか子
- 西尾愛と同じく、竜太郎が伊豆半島沖地震の取材の際に知り合った女性との間に生まれた娘。1975年生まれ(早生まれ)。
- 母子家庭で育ち、板橋区にある木造アパートの一室に母と2人で暮らしていたが判明(第2話)。母が別な男を作り蒸発したきっかけで、竜太郎の家に住みつく。
- 3人の愛の中では一番可愛いく、燐人の松本家やかつて住んでいたアパートの隣人からも彼女の美貌が評価される(第2話)。西尾愛ほどではないが少々生意気な所があり、西尾愛や竜太郎と口論をしばしばする。
- 本編終了時に母親と、その夫と共にアメリカに移住するも、アメリカでの暮らしに耐えられなくなり、スペシャル編で、竜太郎の元へ戻ってくる。
- 成人後は美術大学に通いながらクラブでホステスとして働いている。
- 鈴木 愛 - 鈴木美恵子
- 竜太郎が大洋デパート火災の取材で熊本市を訪れたときに知り合った女性との間に生まれた娘。ふっくらとした体型。3人の愛の中では唯一竜太郎のことを「お父さん」と呼んでおり、母親は他界している。
- 熊本で実母と2人で暮らしていた事が判明(第2話)。母が亡くなったのがきっかけで竜太郎の家へ住みつく。
- 3人の愛(めぐみ)の中では素直な性格だが少々鈍感な所があり、他の姉妹である2人の愛(めぐみ)に注意されることがある。
- 本編終了時に里子となり、竜太郎の元を去るが、里親(五十嵐:小坂一也)先の家庭の暮らしに耐えられなくなり、スペシャル編で戻ってくる。
- 成人後は幼稚園で働いている。
- 血液型はAB型。
松本家
- 松本 保 - 所ジョージ
- 主夫で竜太郎の隣人。
- かつては外で働いていたが、失業したことに加え客室乗務員である妻のサポートを兼ねて主夫になったのだという。竜太郎とは対照的に下戸である。
- 後述のドラマのシリーズの中では唯一、所が既婚男性を演じており、家事もまともに出来る人間として描かれている。
- 3人の愛に対しては父親である竜太郎以上に面倒見が良く、介護したり料理も教えている(第4話)。
- 松本 文子 - 松本留美
- 国際線の客室乗務員。竜太郎同様『毎度おさわがせします』のことを快く思っていない。
- 夫のことを好きだと思う一方で、竜太郎のことも気になっている。
- 松本 悠作 - 石堂穣
- 保と文子の息子。少々生意気な性格。
- 愛たちのことを好きだと思っているが、前述の理由もあって竜太郎や3人の愛からは快く思われていない。
- 松本 サヤカ
- 保と文子の娘で悠作の妹。乳児。松田聖子の娘の沙也加にちなんで命名。
テレビ局関係者
- 米崎 みゆき - 浅野温子
- 「ニュースチャンネル」のサブキャスター(アシスタント)。竜太郎とは恋人以上婚約者未満のような関係。
- 愛たちのことを竜太郎の親戚だと考えていたが、第5話で事実を知ってからは陰で支え続けている(第8話終盤で雛人形を送るなど)。第10話終盤にて、愛たちとの関係を竜太郎に明かす。
- 1994年のスペシャルは1シーンのみの登場でノンクレジット。
- 大多記者 - 松澤一之
- TBS記者。2児の父親(第6話より)。
- スペシャルではポストを移動し名前は大多亮と設定された。モデルは当時フジテレビのドラマプロデューサーだった大多亮(現・フジテレビ常務取締役)[2]。
- 局長 - 藤岡重慶
- 小林繁
- 「ニュースチャンネル」スポーツキャスター
- 相沢早苗
- 「ニュースチャンネル」お天気キャスター
愛の母親たち
- 西尾 麻里(西尾愛の母) - 田島令子
- 家庭内不和で娘(西尾愛)が邪魔になり、竜太郎に押しつける。
- さらに西尾愛の妹、千恵子を置いて、夫と共に蒸発してしまう。
- 旧姓は前原。
- 大塚 ちか子(大塚愛の母) - きたむらあきこ
- 1950年10月6日生まれ。身長158cm。体重45kg。血液型B型。
- 娘(大塚愛)を置いて蒸発してしまうが、日向勝也:(目黒祐樹)と、結婚。一旦は娘を引き取り、アメリカに移住する。
- 鈴木 美恵子(鈴木愛の母)
- 保険会社の外交員をしながら、娘である愛を女手一つで育てていた。父親が竜太郎であることを告げて他界する。
- 写真のみの登場。
その他
- 宮前 真知枝 - 舟倉由佑子
- 警視庁の婦人警官。
- 竜太郎とは恋人以上で婚約者未満であり、米崎みゆきとは恋敵な存在であるが、3人の愛達の存在を知りさらに竜太郎の娘だと知ると竜太郎の関係を断ち切る。
- 今西先生 - 室井滋
- 3人の愛の担任。竜太郎のファン。
- F・D - 真鍋敏
- 受付 - 松田かほり
- 編集長 - 宮田光
- 運転手 - 中島元
- ホステス - 森田水絵、円城寺あや、川俣しのぶ
- ナレーション - 芥川隆行
ゲスト出演者
- 第1話
- 第2話
- 第3話
- 店員 - 天久美智子
- 雑誌記者(ザテレビジョン) - 水上直人
- 雑誌記者(週刊読売) - 木村博美
- 雑誌記者(テレビガイド) - 富安修
- オジさん - 武川信介
- オバさん - 早川亜友子
- 電話の女(声のみ) - 鈴木三枝
- 第4話
- 佐藤 ひとみ - 中村れい子
- 竜太郎の家に来た家政婦。「めぐみ」という名前の娘がいる。
- 池田 裕子(後の絵門ゆう子)
- 肉屋の店員 - 石黒正男
- 女教師 - 坂井寿美江
- めぐみ[5] - 上田愛美
- 佐藤ひとみの娘。園児。
- 第5話
- 第6話
- 中学生 - 山口剛史
- 第7話
- 第8話
- 人形店の主人 - 佐戸井けん太
- みゆきに対して下心を持っている。
- 田代冬彦(当時TBSディレクター)
- ドラマの中では『毎度おさわがせします』担当ディレクターという設定だったが、実際は異なる。
- 放送当時、秋野暢子の夫であったためそのことが字幕で表示された。
- 配送員 - 後藤康夫
- 第9話
- 第10話
- 工藤 今日子 - 蜷川有紀
- 文子の同僚の客室乗務員。竜太郎の婚約者という誤った情報が報道されてしまう。
- レポーター - 小川みどり、竹内靖、谷村慶子
- スチュワーデス - 安藤瑞乃、片山淳子、星谷沙貴子
- 第11話
- 最終話
- 石田 奈々美 - 鈴木保奈美
- 竹田 静子 - 風吹ジュン
- 竹田 トオル - 高橋良明
- 雑誌記者 - 佐戸井けん太
- レティシア - LISA HART
- 金子真美
- 向井薫
- 後藤康夫
- 森本毅郎(特別出演)[6]
- 中山美穂(特別出演)
※当時、中山のバックバンドをしていた、現DREAMS COME TRUE 中村正人の姿が確認できる。
- 安達 康子 - 研ナオコ
- 安達 愛 - 安達美加
- 古賀 愛 - 白川由美
- 逸見政孝[7]
- 吉川美代子(当時TBSアナウンサー)
- 海老一染之助
- 海老一染太郎
- 須藤慶
- 伊藤祐未
- 後藤康夫
- 田原アルノ
- 橋本るり子
- 芳野亜梨沙
- 細井順子
- 南雲由記子
- 栗原清美
- 樋川裕子
- 稲川佳奈子
- Kenise Leoug
- 美空ひばり(特別出演)
- 草薙 吾郎 - 風間トオル
- 竜太郎の同僚で鈴木愛の婚約者。
- 小暮 秀夫 - 橋爪功
- 中原 みどり - 常盤貴子
- 竜太郎が日本に戻ってきた際キャスターになっていた。竜太郎と愛人関係になるが、途中で3人の愛の同級生と判明する。
- 報道局長 - 伊東四朗
- 亀山 哲夫 - 浜田雅功(ダウンタウン)
- ナレーター - 鈴木史朗(当時TBSアナウンサー)
スタッフ
主題歌
- Oneway Generation(本田美奈子)
- 第1話には本田が本人役でゲスト出演し、当曲を歌う場面もあった。
サブタイトル
各回 | 放送日 | サブタイトル | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|
第1回 | 1987年1月9日 | こんばんわ、田村正和です | 吉田秋生 | |
第2回 | 1987年1月16日 | 親の顔が見たい! | ||
第3回 | 1987年1月23日 | 親子ゲーム | 近藤邦勝 | |
第4回 | 1987年1月30日 | おかしなおかしなお手伝いさん | ||
第5回 | 1987年2月6日 | 独占!衝撃の告白 | 吉田秋生 | |
第6回 | 1987年2月13日 | 涙の義理チョコ | ||
第7回 | 1987年2月20日 | 昼下がりの情事と夜ふけの家出 | ||
第8回 | 1987年2月27日 | わたし、オンナになっちゃった! | 24.8% | |
第9回 | 1987年3月6日 | 湯けむり情話 | ||
第10回 | 1987年3月13日 | パパの結婚物語 | ||
第11回 | 1987年3月20日 | さよならパパ | ||
最終回 | 1987年3月27日 | 泣かないでパパ |
平均視聴率 22.0%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)
エピソード
- 脚本家の伴一彦の紹介で、逸見政孝が田村正和にテレビキャスター役のアドバイスをした[8]。
- 『パパは年中苦労する』の第11話にて、本作の登場人物のうち鏡竜太郎・米崎みゆき・太多の3人がワンシーンのみではあるが登場する。
- 製作の流れとしては、『うちの子にかぎって…』『うちの子にかぎって…2』『子供が見てるでしょ!』に続くものであり、本作を経て『パパは年中苦労する』で完結するようになっている。伴一彦が脚本を担当し、田村正和が主演、所ジョージがレギュラー出演している点も他の作品と共通しているところである。ただし、『パパは年中苦労する』以外の作品はストーリー上のつながりはなく登場人物同士が絡むシーンもない。なお、本作は前述の流れで制作されたドラマの中では唯一DVDが発売されている[9]。また、松本留美はこの流れで製作されたすべての作品に出演しているが、レギュラー出演は本作のみ。
- DVDでは第7話でゲスト出演していた南野陽子のシーンがカットされている。
お遊び
上記の『うちの子にかぎって…』同様、要所要所に「お遊び」が入れられていたのも特徴である。代表例として以下のものがある。
- 3人の"愛"の名字は実際にそれを演ずる子役の姓からつけられ、かつ母親たちの役名は子役達の本名がつけられている。
- 大部分の放送回で共通して行われたこととして、実在の店や出版社、著名人が登場したことが挙げられる(名前のみのものも含む)。
- 登場人物が、視聴者に対して語りかけるという場面も散見される。
- 竜太郎がCMに入る旨を伝えた直後、実際にCMが流れるということもあった。
- 第1話ではテーマ音楽を歌った、本田美奈子が西尾愛に対して「今度始まるドラマのテーマ」として『Oneway Generation』を歌い、「ドラマがヒットするといい」と会話する場面があった。
- 第11話の「おたよりコーナー」における出演者のやり取りの中では、悠作役の石堂穰が『うちの子にかぎって…』で演じた岡田和人の真似(『子どもホットライン』)をした。なお、このコーナーはシナリオ段階では田村、西尾、大塚、鈴木の4人のみの登場予定だったが、実際の放送ではレギュラー陣全員で最終話について予想するというものに変更された。
フジテレビによる盗作騒動
テンプレート:Main 2012年4月よりフジテレビ系列で放送のドラマ『家族のうた』(ドラマチック・サンデー枠)について、本作とストーリーの類似性が多いため、盗作であるという疑惑が生まれている。脚本家の伴一彦は、自身のTwitterで「仮にリメイクを求められても許可しない」こと、及び「八木(康夫)さんに対応を任せている」旨のツイートをしている。
脚注
外部リンク
- パパはニュースキャスター(TBSチャンネルの番組詳細情報)
- 伴一彦オフィシャルサイト(脚本家)
テンプレート:前後番組 テンプレート:TBS金曜9時枠の連続ドラマ
テンプレート:Asbox- ↑ 住所:東京都渋谷区代々木5-7-3-サザン代々木607
- ↑ 伴一彦@sacaban - Twitter
- ↑ 本放送当時は『ザ・ベストテン』の司会を担当していた。
- ↑ OPクレジットでは、「オバさん」と表示
- ↑ OPクレジットでは「女の子」と表示。
- ↑ 本人役。『JNNニュース22プライムタイム』の宣伝を兼ね「ニュースチャンネル」にゲスト出演するという設定。
- ↑ 本人役で、ドラマ内でも逸見が当時務めていた『FNNスーパータイム』のキャスターという設定。当時はフリーになった直後。
- ↑ 『逸見政孝魔法のまじめがね―ブラウン管は思いやり発信局』(逸見著 1989年 ネスコ ISBN 978-4890367658 pp.244)
- ↑ 『うちの子にかぎって…』はVHSのみ、『子供が見てるでしょ!』と『パパは年中苦労する』はソフト化されていない。