スティルインラブ
テンプレート:Infobox スティルインラブとは、日本の競走馬、繁殖牝馬である。2003年に中央競馬の牝馬三冠を達成した。半兄に1996年のラジオたんぱ賞に優勝したビッグバイアモンがいる。
戦績
2・3歳時
2002年11月30日、阪神競馬場第3競走の牝馬限定新馬戦でデビュー。2着のキタノスザクに3馬身1/2差をつけて勝利。このデビュー戦には、後に秋の天皇賞を制したヘヴンリーロマンスも出走していた。
翌2003年の初戦、紅梅ステークスは直線半ばから鋭く延びて2勝目を挙げ、一躍クラシック候補に。しかし、次走桜花賞トライアルのチューリップ賞では直線行き場を失って失速、残り100mで追い上げるが2着。
そして迎えた桜花賞では、エアグルーヴの仔・アドマイヤグルーヴと並ぶ単勝オッズ3.5倍になったが支持率の差で2番人気。鞍上の幸英明はチューリップ賞の失敗を踏まえ積極策でレースを展開し、2着のシーイズトウショウに1馬身1/4差をつけて勝利する。続く優駿牝馬でも、またもアドマイヤグルーヴの2番人気になるが、2着のクイーンカップ優勝馬チューニーに1馬身1/4差をつけ優勝。
秋初戦、ローズステークスでアドマイヤグルーヴの5着と大敗し、本番の秋華賞では3度アドマイヤグルーヴの2番人気となる。しかしここでもアドマイヤグルーヴの猛追を振り切り、メジロラモーヌ以来の牝馬三冠を達成した。続くエリザベス女王杯では宿敵アドマイヤグルーヴにハナ差で敗れるも、同年のJRA賞では最優秀3歳牝馬を受賞。
4歳以降
4歳は金鯱賞から始動。半年ぶりの実戦の上、初の牡馬相手、さらに負担斤量57キロと様々な不利もあって8着に敗れる。続く宝塚記念は出走馬中唯一の牝馬として出走するも、見せ場なく8着と敗れた。その後、北九州記念では生涯初の負担斤量58キロが響いいたのか、まさかの12着。休養を挟んで臨んだ府中牝馬ステークスでは先行馬を捕らえきれずに3着に敗れたものの、久々に優勝争いに食い込んだ。しかし続く大一番のエリザベス女王杯ではまたしても見せ場なく9着に敗れる。
5歳になっても現役を続け、前年と同様に金鯱賞より始動するも6着。続く宝塚記念では後方から追い込み、同じ牝馬で1つ年下のスイープトウショウの9着に敗れた。なお、ライバルのアドマイヤグルーヴはクビ差の8着であった。その後、府中牝馬ステークスでは出遅れにより17頭立ての17着の最下位に敗れた。これが決定打となり、エリザベス女王杯という大一番も控えていたが、陣営はその前に引退を決意。現役を退くこととなり、2006年1月7日に京都競馬場で引退式が行われた。
結局、古馬になってからは、勝つことどころか掲示板に載ったのは4歳時の府中牝馬ステークスの3着のみだった。現在もなお古馬牝馬GIタイトルは2つと少ないが、この当時はさらにエリザベス女王杯の1つと少なく[1]、獲得賞金と負担斤量の問題から、使えるレースが少なかったのは同馬にとって不幸であった。
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤量 | 距離(馬場) | タイム (上り3F) |
タイム 差 |
勝ち馬/(2着馬) | |||
2002. | 11. | 30 | 阪神 | 2歳新馬 | 16 | 8 | 15 | 1.7 | (1人) | テンプレート:Color | 幸英明 | 53 | 芝1400m(良) | 1.22.2 (35.3) | -0.6 | (キタノスザク) | |
2003. | 1. | 19 | 京都 | 紅梅S | 15 | 3 | 5 | 4.1 | (2人) | テンプレート:Color | 幸英明 | 54 | 芝1400m(良) | 1.22.1 (34.3) | -0.1 | (モンパルナス) | |
3. | 8 | 阪神 | チューリップ賞 | テンプレート:Color | 16 | 3 | 6 | 1.7 | (1人) | 2着 | 幸英明 | 54 | 芝1600m(稍) | 1.36.0 (35.9) | 0.1 | オースミハルカ | |
4. | 13 | 阪神 | 桜花賞 | テンプレート:Color | 17 | 5 | 9 | 3.5 | (2人) | テンプレート:Color | 幸英明 | 55 | 芝1600m(良) | 1.33.9 (35.1) | -0.2 | (シーイズトウショウ) | |
5. | 25 | 東京 | 優駿牝馬 | テンプレート:Color | 17 | 2 | 3 | 5.6 | (2人) | テンプレート:Color | 幸英明 | 55 | 芝2400m(良) | 2.27.5 (33.5) | -0.2 | (チューニー) | |
9. | 21 | 阪神 | ローズS | テンプレート:Color | 12 | 8 | 11 | 1.9 | (1人) | 5着 | 幸英明 | 54 | 芝2000m(良) | 2.02.0 (35.1) | 0.5 | アドマイヤグルーヴ | |
10. | 19 | 京都 | 秋華賞 | テンプレート:Color | 18 | 8 | 17 | 3.2 | (2人) | テンプレート:Color | 幸英明 | 55 | 芝2000m(良) | 1.59.1 (34.9) | -0.1 | (アドマイヤグルーヴ) | |
11. | 16 | 京都 | エリザベス女王杯 | テンプレート:Color | 15 | 3 | 5 | 3.0 | (1人) | 2着 | 幸英明 | 54 | 芝2200m(良) | 2.11.8 (35.3) | 0.0 | アドマイヤグルーヴ | |
2004. | 5. | 29 | 中京 | 金鯱賞 | テンプレート:Color | 12 | 7 | 10 | 9.2 | (5人) | 8着 | 幸英明 | 57 | 芝2000m(良) | 1.59.1 (36.2) | 1.6 | タップダンスシチー |
6. | 27 | 阪神 | 宝塚記念 | テンプレート:Color | 15 | 6 | 11 | 42.3 | (10人) | 8着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.12.6 (35.9) | 1.5 | タップダンスシチー | |
7. | 18 | 小倉 | 北九州記念 | テンプレート:Color | 13 | 5 | 6 | 6.8 | (4人) | 12着 | 幸英明 | 58 | 芝1800m(良) | 1.45.3 (36.1) | 1.2 | ダイタクバートラム | |
10. | 17 | 東京 | 府中牝馬S | テンプレート:Color | 16 | 3 | 5 | 2.9 | (1人) | 3着 | 幸英明 | 57 | 芝1800m(良) | 1.46.4 (33.9) | 0.2 | オースミハルカ | |
11. | 14 | 京都 | エリザベス女王杯 | テンプレート:Color | 18 | 7 | 15 | 5.1 | (3人) | 9着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.14.3 (34.6) | 0.7 | アドマイヤグルーヴ | |
2005. | 5. | 28 | 中京 | 金鯱賞 | テンプレート:Color | 10 | 6 | 6 | 28.6 | (4人) | 6着 | 幸英明 | 56 | 芝2000m(良) | 1.59.5 (33.8) | 0.6 | タップダンスシチー |
6. | 26 | 阪神 | 宝塚記念 | テンプレート:Color | 15 | 8 | 14 | 160.0 | (14人) | 9着 | 幸英明 | 56 | 芝2200m(良) | 2.12.7 (36.3) | 1.2 | スイープトウショウ | |
10. | 16 | 東京 | 府中牝馬S | テンプレート:Color | 17 | 3 | 5 | 10.0 | (5人) | 17着 | 幸英明 | 57 | 芝1800m(良) | 1.48.2 (33.9) | 1.5 | ヤマニンアラバスタ |
繁殖牝馬として
競走馬引退後は北海道・下河辺牧場にて繁殖牝馬として生活を送っていた。2007年2月19日、初年度の配合相手であるキングカメハメハを父とする牡馬を出産。
2007年の種付けでは再びキングカメハメハを配合されていたが、7月25日、急激な腹痛を発症し、その後2回の開腹手術をするも同年8月1日に3度目の腹痛を起こし、翌8月2日の朝に死亡した。死因は、小腸の一部が腸の中に滑り込み、腸が二重になってしまい腸閉塞を引き起こす「腸重積」という病気によるものであった。8月12日には、当時騎乗停止中だった幸が牧場を訪れ、祭壇に手を合わせた。
産駒は結果として上記の牡馬1頭のみとなり、牝系は残せなかった。唯一の産駒となった「スティルインラブの2007」は「ジューダ」という競走馬名で2010年3月にデビュー。9戦2勝の成績の後に競走馬登録を抹消され、2012年からは相馬野馬追で活躍している。
産駒
生年 | 馬名 | 性 | 毛色 | 父 | 厩舎 | 馬主 | 戦績 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2007 | ジューダ | 牡 | 栗毛 | キングカメハメハ | 栗東・松元茂樹 →大井・堀千亜樹 →美浦・田中剛 |
前田幸治 | 9戦2勝(うち地方5戦2勝) |
単勝人気
通算5勝したが、1番人気で勝ったのは新馬戦のみ。逆に、その他の1番人気になったレースは全て敗れている。桜花賞・オークス・秋華賞は、いずれも2番人気であった(1番人気はいずれもアドマイヤグルーヴ)。
血統表
スティルインラブの血統(サンデーサイレンス系 / Hail to Reason3×3=25.00% Almahmoud4×5=9.38%) | |||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wihing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母 *ブラダマンテ Bradamante 1986 栗毛 |
Roberto 1969 鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Bramalea | Nashua | ||
Rarelea | |||
Sulemeif 1980 栗毛 |
Northern Dancer | Nearctic | |
Natalma | |||
Barely Even | Creme Dela Creme | ||
Dodge Me F-No.10-d |
脚注
外部リンク
テンプレート:中央競馬の三冠馬- ↑ 2006年から春の牝馬限定GIであるヴィクトリアマイルが施行された。