アドマイヤグルーヴ

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テンプレート:Infobox アドマイヤグルーヴとは、日本競走馬繁殖牝馬である。2003・2004年のエリザベス女王杯連覇など活躍した。母エアグルーヴ優駿牝馬天皇賞(秋)(共にGI)を勝った名馬(1997年年度代表馬)で、その母のダイナカールも優駿牝馬を勝っており、母子3代での大レース制覇となった。半弟にフォゲッタブルステイヤーズステークスダイヤモンドステークス)、ルーラーシップクイーンエリザベス2世カップ)、半妹にグルヴェイグマーメイドステークス)がいる。主戦騎手は母のエアグルーヴの主戦騎手でもあった武豊で、全21戦中19戦に騎乗した。

デビュー前

2000年夏のセレクトセールでは、お台の7000万円からたちまち高騰し、最終的には日本の牝馬としては当時の最高額となる2億3000万円で近藤利一に落札された。近藤はこの馬の名前を一般公募し、その中で最も多かったのが冠名と母の名前を合わせたこのアドマイヤグルーヴである。

セレクトセールでは母エアグルーヴの馬主もこの馬を購入の筆頭候補に挙げ、さらに購入がかなったらエアグルーヴと同じく伊藤雄二調教師に預けることまで決めていたが、あまりに価格が高騰したので購入断念を余儀なくされたという。伊藤は後年、自著の中で「『自分がこの馬を管理していたらここをこう直したのに』と思うことがある」という趣旨の発言をしている。

競走馬時代

2歳・3歳時代

2002年、11月のデビュー戦は単勝1.2倍という圧倒的な1番人気で初勝利を挙げ、次走は阪神ジュベナイルフィリーズに出走登録をするも抽選に漏れ除外されてしまう。しかしその翌週のエリカ賞(500万下)を勝利した。

年が明けて2003年、牝馬限定で3着までに優先出走権が与えられるチューリップ賞などのトライアル競走ではなく、皐月賞トライアルの若葉ステークスに出走。この時点では2勝馬に過ぎず2着以下では賞金が足りず桜花賞に出走できなかったが、牡馬相手に勝利。1番人気で桜花賞に挑んだがスタートで出遅れ、外側から懸命に追い込むもスティルインラブの3着と惜敗。続く優駿牝馬でも単勝支持率1.7倍の圧倒的1番人気に支持されるが、またしても出遅れが響いてスティルインラブの7着と惨敗。

秋はローズステークスから始動し、ここでもスティルインラブと顔合わせとなり1番人気を譲ったものの、ここでは出遅れることなく勝利している。この結果もあって、秋華賞ではスティルインラブを抑えて1番人気に支持されるが、レースではまたしてもスティルインラブをとらえ切ることが出来ずに2着と惜敗。結局牝馬三冠競走では、全て1番人気の支持を集めたが、その全てでスティルインラブに敗れている。しかし、迎えたエリザベス女王杯ではスティルインラブとの激闘を制し、GI初勝利を挙げた。

古馬時代

2004年は牡馬相手の競馬になり、大阪杯金鯱賞(共にGII)はそれぞれ7着、5着とちぐはぐなレースが続き、春の目標であった宝塚記念(GI)を回避。続くマーメイドステークス(GIII)では牝馬相手でもあり、ここは貫禄を見せて圧勝した。秋シーズン緒戦の京都大賞典(GII)はナリタセンチュリーの4着から、次走は急遽出走することになった天皇賞(秋)となった。ここではゼンノロブロイダンスインザムードに次ぐ3着と健闘。そして連覇を狙ったエリザベス女王杯で見事優勝し、鞍上の武豊も同レース4連覇を果たした。また、古馬に開放されてからのエリザベス女王杯連覇はメジロドーベル以来2頭目である。同年JRA賞最優秀4歳以上牝馬を受賞。

2005年も、牡馬相手のレースに出走を続け、大阪杯、天皇賞(春)、金鯱賞と敗れ、宝塚記念では年下の牝馬、スイープトウショウに敗れてしまう。さらに天皇賞(秋)を同世代牝馬のヘヴンリーロマンスの17着と大敗し、同一GI3連覇を狙ったエリザベス女王杯では、スイープトウショウから3馬身差の3着と敗れ、牝馬相手にも敗れるレースが続いた。そして迎えた引退レースの阪神牝馬ステークスでは、1番人気をその年の桜花賞NHKマイルカップラインクラフトに譲る。桜花賞以来のマイル戦であったが近走の不振を一掃するかのように優勝し、有終の美を飾った。また当日はウイナーズサークルで引退式が行われた。近藤オーナーは1999年東京優駿以来の涙を見せ、アドマイヤベガが勝ったダービーより嬉しいと語った。

競走成績

年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量 距離馬場 タイム
上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2002. 11. 10 京都 2歳新馬 14 8 13 1.2 (1人) テンプレート:Color 武豊 53 芝1800m(良) 1.51.8(33.9) -0.2 (エイシンイイデサン)
12. 7 阪神 エリカ賞 7 2 2 1.1 (1人) テンプレート:Color 武豊 53 芝2000m(良) 2.03.0(34.7) -0.2 (モンパルナス)
2003. 3. 22 阪神 若葉S OP 10 8 9 1.7 (1人) テンプレート:Color 武豊 54 芝2000m(良) 2.03.1(34.0) 0.0 (ビッグコング)
4. 13 阪神 桜花賞 テンプレート:Color 17 7 14 3.5 (1人) 3着 武豊 55 芝1600m(良) 1.34.2(34.5) 0.3 スティルインラブ
5. 25 東京 優駿牝馬 テンプレート:Color 17 1 2 1.7 (1人) 7着 武豊 55 芝2400m(良) 2.28.2(33.7) 0.7 スティルインラブ
9. 21 阪神 ローズS テンプレート:Color 12 1 1 3.0 (2人) テンプレート:Color 武豊 54 芝2000m(良) 2.01.5(34.5) -0.2 ヤマカツリリー
10. 19 京都 秋華賞 テンプレート:Color 18 5 10 2.5 (1人) 2着 武豊 55 芝2000m(良) 1.59.2(34.8) -0.1 スティルインラブ
11. 16 京都 エリザベス女王杯 テンプレート:Color 15 4 7 3.6 (2人) テンプレート:Color 武豊 54 芝2200m(良) 2.11.8(34.8) 0.0 (スティルインラブ)
2004. 4. 4 阪神 産経大阪杯 テンプレート:Color 11 7 8 6.4 (3人) 7着 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.1(35.5) 0.5 ネオユニヴァース
5. 28 中京 金鯱賞 テンプレート:Color 12 4 4 6.1 (4人) 5着 武豊 57 芝2000m(良) 1.58.1(35.1) 0.6 タップダンスシチー
7. 11 阪神 マーメイドS テンプレート:Color 10 8 9 1.5 (1人) テンプレート:Color 武豊 57 芝2000m(良) 2.00.0(34.3) -0.5 (チアズメッセージ)
10. 10 京都 京都大賞典 テンプレート:Color 10 8 9 5.1 (2人) 4着 武豊 57 芝2400m(良) 2.25.9(34.6) 0.4 ナリタセンチュリー
10. 31 東京 天皇賞(秋) テンプレート:Color 17 4 8 17.0 (9人) 3着 武豊 56 芝2000m(稍) 1.59.3(34.9) 0.4 ゼンノロブロイ
11. 14 京都 エリザベス女王杯 テンプレート:Color 18 6 12 3.3 (2人) テンプレート:Color 武豊 56 芝2200m(良) 2.13.6(33.8) -0.1 オースミハルカ
2005. 4. 3 阪神 産経大阪杯 テンプレート:Color 9 3 3 3.9 (2人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.4(34.5) 0.4 サンライズペガサス
5. 1 京都 天皇賞(春) テンプレート:Color 18 2 3 10.8 (6人) 11着 武豊 56 芝3200m(良) 3.17.7(35.2) 1.2 スズカマンボ
5. 28 中京 金鯱賞 テンプレート:Color 10 1 1 5.2 (3人) 4着 武豊 57 芝2000m(良) 1.59.5(33.8) 0.6 タップダンスシチー
6. 26 阪神 宝塚記念 テンプレート:Color 15 7 12 31.2 (8人) 8着 武豊 56 芝2200m(良) 2.12.7(36.5) 1.2 スイープトウショウ
10. 30 東京 天皇賞(秋) テンプレート:Color 18 8 17 96.0 (17人) 17着 上村洋行 56 芝2000m(良) 2.01.1(33.3) 1.0 ヘヴンリーロマンス
11. 13 京都 エリザベス女王杯 テンプレート:Color 18 2 3 11.1 (4人) 3着 上村洋行 56 芝2200m(良) 2.13.0(33.9) 0.5 スイープトウショウ
12. 18 阪神 阪神牝馬S テンプレート:Color 11 5 5 4.5 (2人) テンプレート:Color 武豊 57 芝1600m(良) 1.34.5(35.0) 0.1 マイネサマンサ

繁殖牝馬時代

2006年よりノーザンファームで繁殖牝馬となっていたが、2012年10月15日に胸部出血のため急死したことが、翌10月16日にノーザンファームから発表された。

生年 馬名 毛色 馬主 厩舎 戦績
2007 アドマイヤテンバ 芦毛 *クロフネ 近藤利一 栗東・橋田満 22戦4勝(引退・繁殖)
2008 アドマイヤセプター 栗毛 キングカメハメハ 27戦5勝(引退・繁殖)
札幌2歳S3着、フェアリーS3着
2009 アドマイヤトライ 黒鹿毛 *シンボリクリスエス 12戦2勝
2011 ボージェスト 鹿毛 キングカメハメハ 吉田勝己 栗東・友道康夫 1戦0勝
2012 ドゥラメンテ 鹿毛 キングカメハメハ サンデーレーシング 美浦堀宣行 -

評価

母子共に騎乗した武豊は、乗り味はよく似ていたという母と対照的に 牡馬相手のレースだとなぜか萎縮してしまい、能力が出し切れないところがあると語った。また、2004年当時の現役馬の中では屈指の瞬発力を持つと評価している。

2003年のクラシックを争ったスティルインラブには同年2勝3敗と負け越したが、古馬になってからは2004年の金鯱賞・エリザベス女王杯、2005年の金鯱賞・宝塚記念とすべて先着している。ただし、混合戦での着差はほとんどない。

血統表

アドマイヤグルーヴ血統サンデーサイレンス系ヘイルトゥリーズン系)/アウトブリード

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

エアグルーヴ
1993 鹿毛
*トニービン
Tony Bin
1983 鹿毛
*カンパラ
Kampala
Kalamoun
State Pension
Severn Bridge Hornbeam
Priddy Fair
ダイナカール
1980 鹿毛
*ノーザンテースト
Northern Taste
Northern Dancer
Lady Victoria
シャダイフェザー *ガーサント
*パロクサイド F-No.8-f

外部リンク

テンプレート:JRA賞最優秀4歳以上牝馬 テンプレート:エリザベス女王杯勝ち馬