エアシャカール
テンプレート:Infobox エアシャカール (テンプレート:Lang-en) とは日本の競走馬、種牡馬である。おもな勝鞍は、皐月賞・菊花賞で2000年の中央競馬クラシック二冠馬である。2000年JRA賞最優秀4歳牡馬(部門名は当時)。また、東京優駿(日本ダービー)をハナ差わずか7センチメートル差で逸していることから「準三冠馬」と呼ばれていた時期もあった。半姉に優駿牝馬(オークス)2着のエアデジャヴー、秋華賞優勝馬エアメサイアは姪にあたる。馬名の由来は冠名の「エア」とアメリカ合衆国のヒップホップMCである2パックの本名から。
戦績
デビューは1999年10月12日東京競馬場の新馬戦。ここは5着に敗れるが、2戦目の未勝利戦で初勝利を挙げる。その後ホープフルステークスを勝ち2歳時は4戦2勝。
3歳になり弥生賞2着を経て皐月賞に出走。ダイタクリーヴァにクビ差競り勝ち、初GI制覇。皐月賞後には東京優駿後はキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスへ出走するプランが発表される[1]。
東京優駿(日本ダービー)ではアグネスフライトの前にわずか7cmの差で惜敗。東京優駿で敗れはしたものの、アスコット競馬場で行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドステークスに予定通り出走。モンジューの5着に敗れる。
秋は神戸新聞杯を経由して菊花賞に出走。神戸新聞杯では内に突っ込み直線で追うことも出来ない状況で3着に敗れ、武豊は「気性面で成長が見られない」とコメントをするも、菊花賞ではリングハミを装着するなど内によれる癖を出さないようさまざまな試みがおこなわれ、レース中も内ラチ沿いを走り内によれないようにすることで、トーホウシデンをクビ差退け、見事に皐月賞・菊花賞の二冠馬となる[1]。次走はジャパンカップとなり、テイエムオペラオーとの対決が注目されたが14着と敗退。また、このレースでは同世代のダービー馬アグネスフライト(13着)、NHKマイルC馬イーグルカフェ(15着)、オークス馬シルクプリマドンナ(16着・最下位)が揃って敗退したため、世代の弱さを指摘する声が挙がった[2]。
4歳古馬となり、産経大阪杯では蛯名正義が主戦を務めた(この年は武豊が海外へ騎乗拠点を移したため)。トーホウドリームの2着と上々の滑り出しとなるが、次走の天皇賞春が8着、続く宝塚記念も5着と敗退。秋に輸送肺炎を患うも大事には至らず、翌年も現役を続行した。
5歳となり、産経大阪杯では2着と復調の気配があり、続く金鯱賞では久しぶりに1番人気となるがツルマルボーイの2着。再び宝塚記念へ挑戦し、ダンツフレームと人気を分け合うが4着と敗退。秋に入り天皇賞秋は4着となるが、ジャパンカップが12着、有馬記念9着を最後に引退した。
成績表
年月日 | 開催 | 競走名 | 格 | 枠&馬番 | オッズ(人気) | 着順 | 距離 | タイム(上り3F) | 着差 | 騎手 | 勝ち馬/2着馬 | ||
1999 | 10. | 31 | 東京 | 2歳新馬 | 2枠2番 | 3.4(2人) | 5着 | 芝2000m(良) | 1:50.5(35.2) | 0.6秒 | 武豊 | ユーワシーザー | |
11. | 21 | 京都 | 未勝利戦 | 2枠2番 | 3.2(1人) | テンプレート:Color | 芝1600m(良) | 1.36.4(36.5) | 0.1秒 | 武豊 | エイシンモモタロー | ||
12. | 11 | 阪神 | 3歳500万下 | 4枠4番 | 2.9(1人) | 2着 | 芝1800m(良) | 1.36.7(35.6) | 0.1秒 | M.デムーロ | パープルエビス | ||
12. | 26 | 中山 | ホープフルS | OP | 3枠4番 | 3.2(1人) | テンプレート:Color | 芝2000m(良) | 2.02.5(35.3) | 0.1秒 | 武豊 | マイネルファラオ | |
2000 | 3. | 23 | 中山 | 弥生賞 | テンプレート:Color | 8枠16番 | 7.3(4人) | 2着 | 芝2000m(良) | 2.02.5(35.3) | 0.2秒 | 武豊 | フサイチゼノン |
4. | 16 | 中山 | 皐月賞 | テンプレート:Color | 8枠16番 | 3.4(2人) | テンプレート:Color | 芝2000m(稍) | 2.01.8(35.0) | 0.0秒 | 武豊 | ダイタクリーヴァ | |
5. | 28 | 東京 | 東京優駿 | テンプレート:Color | 1枠2番 | 2.0(1人) | 2着 | 芝2400m(良) | 2.26.2(35.6) | 0.0秒 | 武豊 | アグネスフライト | |
7. | 29 | アスコット | KGVI&QEDS | テンプレート:Color | 不明(3人) | 5着 | 芝12f(良) | 2.31.3(不明) | 1.3秒 | 武豊 | Montjeu | ||
9. | 24 | 阪神 | 神戸新聞杯 | テンプレート:Color | 7枠15番 | 1.7(1人) | 3着 | 芝2000m(良) | 2.02.0(34.9) | 0.7秒 | 武豊 | フサイチソニック | |
10. | 22 | 京都 | 菊花賞 | テンプレート:Color | 8枠17番 | 2.3(1人) | テンプレート:Color | 芝3000m(良) | 3.04.7(35.7) | 0.0秒 | 武豊 | トーホウシデン | |
11. | 26 | 東京 | ジャパンC | テンプレート:Color | 5枠9番 | 9.5(3人) | 14着 | 芝2400m(良) | 2.28.2(37.2) | 2.1秒 | 武豊 | テイエムオペラオー | |
2001 | 4. | 1 | 阪神 | 大阪杯 | テンプレート:Color | 3枠3番 | 13.2(4人) | 2着 | 芝2000m(良) | 1.58.5(35.2) | 0.1秒 | 蛯名正義 | トーホウドリーム |
4. | 29 | 京都 | 天皇賞(春) | テンプレート:Color | 7枠10番 | 7.2(4人) | 7着 | 芝3200m(良) | 3.17.9(37.0) | 1.7秒 | 蛯名正義 | テイエムオペラオー | |
6. | 24 | 阪神 | 宝塚記念 | テンプレート:Color | 6枠8番 | 13.4(5人) | 5着 | 芝2200m(良) | 2.12.3(35.3) | 0.6秒 | 蛯名正義 | メイショウドトウ | |
2002 | 3. | 31 | 阪神 | 大阪杯 | テンプレート:Color | 1枠1番 | 4.4(3人) | 2着 | 芝2000m(良) | 1.58.5(35.2) | 0.4秒 | M.デムーロ | サンライズペガサス |
5. | 25 | 中京 | 金鯱賞 | テンプレート:Color | 8枠18番 | 1.8(1人) | 2着 | 芝2000m(良) | 1.58.5(35.5) | 0.2秒 | 武豊 | ツルマルボーイ | |
6. | 23 | 阪神 | 宝塚記念 | テンプレート:Color | 4枠4番 | 2.9(2人) | 4着 | 芝2200m(良) | 2.12.3(35.3) | 0.6秒 | K.デザーモ | ダンツフレーム | |
10. | 27 | 中山 | 天皇賞(秋) | テンプレート:Color | 7枠14番 | 8.6(6人) | 4着 | 芝2000m(良) | 2.12.3(35.3) | 0.3秒 | 武豊 | シンボリクリスエス | |
11. | 26 | 中山 | ジャパンC | テンプレート:Color | 8枠16番 | 19.7(7人) | 12着 | 芝2200m(稍) | 2.13.4(36.2) | 1.2秒 | 田中勝春 | ファルブラヴ | |
12. | 22 | 中山 | 有馬記念 | テンプレート:Color | 3枠4番 | 21.1(7人) | 9着 | 芝2500m(良) | 2.34.1(36.0) | 1.2秒 | 横山典弘 | シンボリクリスエス |
引退後
競走馬引退後は種牡馬となりブリーダーズ・スタリオン・ステーションに繋養されていたが、引退間もない2003年3月13日、放牧中の事故により左後脚を骨折し、安楽死の処置が取られた。
残された産駒は4頭(4頭共に牝馬)、その内3頭が中央競馬入りした。2006年10月24日、その残された4頭のうちの1頭、エアーミラクルがホッカイドウ競馬で勝ち鞍を挙げ、エアシャカール産駒の初勝利となり、2007年7月28日に函館競馬場で行われた未勝利戦をエアファーギーが制し産駒がJRA初勝利を挙げた。しかし中央入りした3頭はエアファーギー以外は勝利を挙げられず、4頭とも大成しないまま競走馬登録を抹消された。牡馬の産駒が1頭もいないためサイアーラインは伸びなかったが、4頭中2頭が繁殖入りして仔を出産しており、母系には名前が残っている。
結局出世した馬は出なかったが、何しろわずか4頭しか産駒がいないため、エアシャカールの種牡馬としての能力は永遠の謎となっている。
特徴・エピソード
- 早くからクラシック候補として注目はされていた存在ではあったが、その激し過ぎる気性に難点があったうえに、右へ右へとササる癖もあり乗り手から見れば大変乗り難しい馬であったようである。菊花賞は鞍上の武豊の手腕による所が大きかった。武は同馬のあまりの気性の激しさについて、「頭の中を見てみたい」と発言したこともあるほどであった。
- デビュー当時はエアシャガールと名前を間違えられることが多かった(当初はエアスクデットという馬名で登録されたが、後にエアシャカールに変更)。
血統表
エアシャカールの血統(サンデーサイレンス系/5代内アウトブリード) | |||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 アメリカ |
Halo 1969 黒鹿毛 アメリカ |
Hail to Reason 1958 | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah 1953 | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 アメリカ |
Understanding 1963 | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower 1964 | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母 *アイドリームドアドリーム I Dreamed a Dream 1987 鹿毛 アメリカ |
Well Decorated 1978 黒鹿毛 アメリカ |
Raja Baba 1968 | Bold Ruler |
Missy Baba | |||
Paris Breeze 1971 | Majestic Prince | ||
Tobor Jet | |||
Hidden Trail 1975 鹿毛 アメリカ |
Gleaming 1968 | Herbager | |
A Gleam | |||
Tobacco Trail 1969 | Ribot | ||
On the Trail F-No.4-r |
脚注
外部リンク
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