アイドル伝説えり子
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Cast テンプレート:Infobox animanga/Footer 『アイドル伝説えり子』(アイドルでんせつえりこ)は、葦プロダクション(現・プロダクション リード)・テレビせとうち制作のテレビアニメ(全日帯アニメ)。テレビ東京(TXN)系列で1989年4月3日から1990年3月26日まで放映された。全51話。
目次
概要
芸能界を舞台にアイドル歌手としてデビューした少女のサクセスストーリーを描く。実在のタレント田村英里子とタイアップして制作されたオリジナルアニメである。本作品はテレビせとうち自社制作アニメ第1号でもある。
関連商品の売上は80億円に達した[1]。この成功により、後番組として『アイドル天使ようこそようこ』が製作されることとなる。 大げさな芝居、主人公に次々と襲い掛かる不幸、泥沼化して行くストーリー、それらを盛り立てる滝沢久美子のシリアス溢れたナレーションなど、大映ドラマシリーズの作風を踏襲した作風に大きな独自性が見られる。シリアスで真面目なストーリーだったが、そのクサさは大映ドラマと同様にギャグと紙一重でもあった[2][3]。
アイドルとのタイアップを活かし全話に渡って田村英里子の楽曲がふんだんに使用されていた。使用回数が非常に多く、使用された楽曲数も多数にのぼる。多くの曲が使用できたことにより、シーンの盛り上げに役立っていた上に、芸能界物のアニメーションとしてリアリティを出す効果をもたらしていた。使用された楽曲は、多くは田村英里子がリリースしたオリジナル音源によるものだが、芝居の都合で田村えり子役の矢島晶子による歌であることも多かった。
elilinコーナー
本放送時、本編後のCMと予告編との間に「elilinコーナー」と名付けられた1分間のコーナーが設けられ、田村英里子本人が出演してPRを行っていた[4]。予告編につなぐ際には、田村英里子本人により「来週のアイドル伝説えり子はどうなっちゃうんでしょう?」というセリフが、毎週使用されていた。
このコーナーが挿入されていた分だけ、本編の尺数は他のアニメ番組よりも短くなっている。著作権や肖像権などの版権の関係でVHSビデオ・DVD-BOX及びBlu-ray BOXには未収録になっている。2000年代にテレビ東京で再放送された際もこのコーナー部分のみカットされていた。
ストーリー
芸能プロダクション・タムラプロ社長の娘として幸せに暮らしていた中学3年生の少女・田村えり子は、両親の突然の事故で過酷な運命の渦に巻き込まれる。心ならずもアイドルとしての道を進む事になる彼女だったが、やがて歌を通して自らの人生を切り開いていく。
登場キャラクター・声の出演
- 田村 えり子 - 主人公。
- 朝霧 麗 - 主人公のライバルの歌手。
- 声 - 飯塚昭三
- 田村 雄介 - えり子の父で芸能プロのタムラプロ社長。交通事故で死去。
- 声 - 土師孝也
- 田村 美奈子 - 旧姓・星。えり子の母で元歌手。事故で昏睡状態に。
- 声 - 滝沢久美子
- 阿木 星吾 - STEAのボーカル。
- 内田 真也
- 声 - 西村知道
- 朝霧 良子 - 麗の母。女優。
- 声 - 榊原良子
- アーサー・ハワード
- 声 - 田中信夫
- 大沢 洋
- 声 - 柴本浩行 / 歌 - 片山諭
- 仲田 靖子 - えり子を応援する学校の先輩。
- 声 - 鷹森淑乃
- 声 - 本多知恵子
- 内田 一樹
- 声 - 中原茂
- 西条
- 声 - 青森伸
- 平田 堅三
- 声 - 水鳥鉄夫
- 桂木 ユキ
- 声 - さとうあい
- 唐沢 英二郎
- 声 - 滝雅也
- ロックマン上条
- 声 - 堀内賢雄
- 伊集院
- 声 - 鈴木勝美
- 綱野
- 声 - 中村大樹
- 声 - 菅原淳一
- 親衛隊隊長
- 声 - 高木渉
- 小中 比呂
- 声 - 菊池正美
- 山口 カオリ
- 声 - 水谷優子
- 保科 朗
- 声 - 小杉十郎太
- 桜木 哲也
- 声 - 速水奨
- ナレーション
- 声 - 滝沢久美子
えり子の愛犬
- フォルテシモ
- 声 -鷹森淑乃
- えり子の飼い犬。犬種はポメラニアン[5]。性別オス?(ネクタイ)アニメでは、寝るシーンが多いが、動いているシーンがある。
- ピアニシモ
- 声 - 本多知恵子
- えり子の飼い犬。犬種はマルチーズ[5]。性別メス(リボン)お気に入りのお出かけバッグに入るのが大好き。
スタッフ
- 企画:逸見渉(テレビせとうち)、梅原勝(葦プロダクション)
- シリーズ構成:小山高生
- 原案:ぶらざあのっぽ
- 音楽:渡辺俊幸
- キャラクターデザイン:山内則康、スタジオライブ
- 美術監督:宮前光春、本田修
- 音響監督:田中英行
- 撮影監督:福田岳志
- 制作担当:下地志直
- 設定担当:村上憲治
- 音響担当制作:芝木直幸
- 監督:アミノテツロー
- プロデューサー:三好雅彦(テレビせとうち)、田口智幸(ビックウエスト)
- タイトル:マキ・プロ
- 音響制作:葦プロダクション
- 音響効果:庄司雅弘(フィズサウンドクリエイション)
- 整音:大塚晴寿
- 録音スタジオ:整音スタジオ
- 編集:辺見俊夫
- 制作管理:佐藤訓史
- 制作事務:古林明子
- 現像:東京現像所
- 協力:サンミュージックプロダクション
- 制作:テレビせとうち、ビックウエスト、葦プロダクション
キャラクターデザイン
キャラクターデザインはメインキャラクターを担当した山内則康を中心としたスタジオライブの合作である。担当は次のとおり[6][5]。
- 山内則康 - 田村えり子、朝霧麗、内田一樹、フォルテシモ、ピアニシモ
- 芦田豊雄 - 仲田靖子、田村項介
- 富永真理(現・とみながまり) - 田村美奈子、阿木星吾、コスチュームデザイン
- こうじなひろし(現・神志那弘志) - 田村雄介
- 小林早苗(現・近永早苗) - 山形麻美、朝霧良子
- 近永健一 - 柿本、ラーメン屋、ペンションオーナー
主題歌
- エンディングテーマ
各話リスト
物語は、デビューから受賞までの1話〜40話、単発エピソードの41話〜48話、えり子の失踪エピソードの49話〜51話の3部構成になっている[7]。
話数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
第1部 | ||||||
1 | 1989年 4月3日 |
悲しみの前奏曲(プレリュード) | 小山高生 | アミノテツロー | 山内則康 | |
2 | 4月10日 | 運命の序曲(オーバーチュア) | アミノテツロー | 内田祐司 | 梶谷光春 | |
3 | 4月17日 | パパに捧げる鎮魂歌(レクイエム) | 荒川稔久 | 吉田健次郎 | 近永健一 | |
4 | 4月24日 | 明日への追走曲(カノン) | 影山由美 | 大庭寿太郎 | 井上修 | 加藤興治 |
5 | 5月1日 | 光と闇の二重奏(アンサンブル) | 川崎裕之 | アミノテツロー | 鈴木敏明 | 佐藤道雄 |
6 | 5月8日 | デビューへの断奏(スタッカート) | 小山高生 | 小林真理 | 畑良子 | |
7 | 5月15日 | 父の形見の生誕曲(デビューきょく) | 影山由美 | うえだひでひと | 中村喜則 | 工藤裕加 平岡正幸 |
8 | 5月22日 | 新たなる旅立ちの奏鳴曲(ソナタ) | 荒川稔久 | アミノテツロー | 大庭寿太郎 | 山内則康 |
9 | 5月29日 | 炎の予感の練習曲(エチュード) | 吉田健次郎 | 関野昌弘 | ||
10 | 6月5日 | 愛と憎しみの三重奏(テルツェット) | 川崎裕之 | 小林真理 | 三島道夫 | 畑良子 |
11 | 6月12日 | 雨あがりの二重唱(デュエット) | 鈴木敏明 | 佐藤道雄 | ||
12 | 6月19日 | 仕組まれた不協和音(ディスコード) | 影山由美 | 吉田健次郎 | 近永健一 | |
13 | 6月26日 | 絶望の分散和音(アルペジオ) | 森一浩 | 村田美樹子 | ||
14 | 7月3日 | 希望への変奏曲(パルティータ) | 荒川稔久 | 倉井さとし | 関野昌弘 | |
15 | 7月10日 | 束の間の無伴奏(ア・カペラ) | 川崎裕之 | アミノテツロー | 内藤孝 | 工藤裕加 杉浦悦子 |
16 | 7月17日 | 復活の詠唱(アリア) | 影山由美 | 吉田健次郎 | 山内則康 | |
17 | 7月24日 | 砕かれた喜遊曲(ディベルティメント) | 荒川稔久 | 三島道夫 | 畑良子 | |
18 | 7月31日 | 25メートルの幻想曲(ファンタジー) | 小山高生 | 鈴木敏明 | 中島五郎 | |
19 | 8月7日 | 絶望への転調(モデュレイション) | 川崎裕之 | 倉井さとし | 関野昌弘 | |
20 | 8月14日 | 潮風の交響曲(シンフォニー) | 影山由美 | 森一浩 | 近永健一 | |
21 | 8月21日 | 初恋の小夜曲(セレナーデ) | 渡辺誓子 | 吉田健次郎 | 村田美樹子 | |
22 | 8月28日 | 夕陽の受難曲(パッショーネ) | 影山由美 | 吉田健次郎 | 鈴木敏明 | 中島五郎 |
23 | 9月4日 | 二つの星のための協奏曲(コンチェルト) | 荒川稔久 | アミノテツロー | 村山靖 | 山内則康 |
24 | 9月11日 | 心をつなぐ輪舞曲(ロンド) | 影山由美 | 米谷良知 三島道夫 |
米谷良知 | 武内啓 |
25 | 9月18日 | 時迫る運命の助奏(オブリガード) | 川崎裕之 | 倉井さとし | 関野昌弘 | |
26 | 9月25日 | 衝撃の即興曲(トッカータ) | 小山高生 | 吉田健次郎 | 近永健一 | |
27 | 10月2日 | ガラスの枯葉の哀歌(エレジー) | 荒川稔久 | 寒竹清隆 | 鈴木敏明 | 林委千夫 |
28 | 10月9日 | 破局への序奏(イントロダクション) | 渡辺誓子 | アミノテツロー | 伊藤久美子 | |
29 | 10月16日 | 迷宮の輪唱(ラウンド) | 影山由美 | 米谷良知 | 武内啓 | |
30 | 10月23日 | 心の雨に子守歌(ララバイ) | 荒川稔久 | 吉田健次郎 | 山内則康 | |
31 | 10月30日 | 嵐の中の間奏曲(インテルメッツオ) | 影山由美 | 倉井さとし | 羽生頼仙 | 伊藤久美子 |
32 | 11月6日 | 終りなき情熱の舞曲(ダンス) | 川崎裕之 | 鈴木敏明 | 林委千夫 | |
33 | 11月13日 | あぶない物語曲(レジェンド) | 影山由美 | 村山靖 | 村田美樹子 | |
34 | 11月20日 | それぞれの夜想曲(ノクターン) | 小山高生 | 吉田健次郎 | 山内則康 | |
35 | 11月27日 | 翼をくれた賛歌(グローリア) | 川崎裕之 | ますなりこうじ | 畑良子 | |
36 | 12月4日 | 摩天楼に響く交声曲(カンタータ) | 渡辺誓子 | 森一浩 | 堀澤聡志 | |
37 | 12月11日 | 愛と優しさの多重音楽(ポリフォニー) | 川崎裕之 | アミノテツロー | 鈴木敏明 | 林委千夫 |
38 | 12月18日 | うたかたの聖歌(キャロル) | 影山由美 | 倉井さとし | 羽生頼仙 | 関野昌弘 |
39 | 12月25日 | 栄光への行進曲(マーチ) | 小山高生 | アミノテツロー | 吉田健次郎 | 山内則康 |
40 | 1990年 1月8日 |
ささやかな交響組曲(シンフォニックスーツ) | アミノテツロー | 羽生頼仙 | 伊藤久美子 | |
第2部 | ||||||
41 | 1月15日 | 不死鳥の旋律(メロディー) | 影山由美 | 垂永士 | 栗山美秀 | 畑良子 |
42 | 1月22日 | 恋に恋して田園曲(パストラル) | 荒川稔久 | 福多潤 | 岡田聡 | 林委千夫 |
43 | 1月29日 | 未来へ続く諧謔曲(スケルツォ) | 渡辺誓子 | 鈴木敏明 | 山内則康 | |
44 | 2月5日 | 揺れ動く心の詩曲(ポエム) | 川崎裕之 | 倉井さとし | 羽生頼仙 | 小森高博 |
45 | 2月12日 | 真冬の恋歌(ラブソング) | 小山高生 | 吉田健次郎 | 関根昌弘 | |
46 | 2月19日 | かきみだされた斉唱(ユニゾン) | 影山由美 | 栗山美秀 | 畑良子 | |
47 | 2月26日 | きらめきの祝福曲(ソリュージョン) | 荒川稔久 | 倉井さとし | 岡田聡 | 林委千夫 |
48 | 3月5日 | 感謝をこめた卒業曲(ほたるのひかり) | 小山高生 | 鈴木敏明 | 山内則康 | |
第3部 | ||||||
49 | 3月12日 | さまよいの装飾曲(アラベスク) | 荒川稔久 | 村上憲治 | 伊藤久美子 | |
50 | 3月19日 | 風がはこんだ衆賛歌(コラール) | 影山由美 | 栗山美秀 | 村山靖 | 小森高博 |
51 | 3月26日 | そよ風の前奏曲(プロローグ) | 荒川稔久 | 吉田健次郎 | 山内則康 |
ネット局
- 同時ネット:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビ北海道(10月1日からネット開始)、テレビせとうち
- 時差ネット:青森テレビ[8]、IBC岩手放送、仙台放送、秋田テレビ(半年で打ち切り)、山形テレビ、福島放送、新潟総合テレビ、長野放送、石川テレビ(4クール途中で打ち切り)、静岡第一テレビ、岐阜放送、三重テレビ、びわ湖放送、奈良テレビ、テレビ和歌山、テレビ新広島、テレビ愛媛、九州朝日放送(半年で打ち切り)、テレビくまもと、鹿児島テレビ
- 本放送終了後に放送:サンテレビなど
漫画化作品
小学館の『小学四年生』に北島洋子による漫画が連載され、全1巻の単行本が出版された。
角川書店の『ASUKA』でも河原歩による漫画が1989年5月号から1990年1月号まで連載され、全3巻の単行本が出版された。
ビデオグラム
1989年から1990年にかけて全話を収録した全13巻のVHSが発売。1996年にはレーザーディスクのLD-BOXが、2003年にはDVD-BOXが、2013年にはオリジナルネガフィルムからHDリマスタリングを行って高画質化した「レジェンドBlu-ray BOX」が発売。
関連商品
メインスポンサーのユタカやアガツマが人形など各種玩具を発売した他、ショウワノートからはぬりえ・きせかえなどの文具関連商品が発売されている。
脚注
- ↑ マーチャンダイジングライツレポート1990年1月号
- ↑ 小黒祐一郎『この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001』飛鳥新社、2006年、p.203。企画書を執筆したあかほりさとるインタビューより
- ↑ 「アニメファンが求めるアイドルを探せ!」『別冊宝島330 アニメの見方が変わる本』宝島社、1997年、p.195
- ↑ 「田村英里子 アイドル伝説を歩き始めた英里子の心の歌は『魔女っ子メグちゃん』の主題歌」『アニメージュ』1989年5月号、p.181
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 「設定資料見聞録 第5回 アイドル伝説えり子」『アニメージュ』1989年5月号、pp.102-105
- ↑ 小黒祐一郎「この人に話を聞きたい 第八十六回 芦田豊雄[後編]」『アニメージュ』2006年4月号
- ↑ 小黒祐一郎『この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001』飛鳥新社、2006年、p.454。アミノテツローインタビュー
- ↑ 当番組再放送、後番組の時差放送は青森放送が実施。
外部リンク
- アイドル伝説 えり子 - プロダクション リード
- 「アイドル伝説えり子」レジェンドBlu-ray BOX 商品詳細 - メディアファクトリー(現・KADOKAWA・メディアファクトリーブランド)
- 作品一覧 - ビックウエスト・アド(2008年9月21日時点のアーカイブ)