はつかり (列車)
テンプレート:列車名 はつかりは、かつて日本国有鉄道(国鉄)が上野駅 - 青森駅間を常磐線、東北本線等経由で運行していた特急列車の愛称である。
東北新幹線開業後は運行区間を盛岡駅以北に短縮し、国鉄分割民営化後は運行が東日本旅客鉄道(JR東日本)等に引き継がれ、海峡線開通後は北海道旅客鉄道(JR北海道)も運行を担当し津軽線、海峡線、江差線、函館本線(津軽海峡線)経由で函館駅まで乗り入れていた。
目次
概要
特別急行列車「はつかり」は、東京方面と北東北および北海道間の連絡列車の一翼を担う東京以北初の特急列車として1958年10月1日に上野駅 - 青森駅間で運転を開始した。
当初は常磐線経由で、車両もC61形またはC62形蒸気機関車と43系客車等が使用され、その後キハ81系(後のキハ80系)気動車に切り替えられたが、1968年9月の東北本線の全線電化および上野駅 - 仙台駅間複線化に伴い、使用車両が583系電車となり、ダイヤ改正の10月より全線東北本線経由となる。その後、1982年には東北新幹線が盛岡駅まで開業したため、運行区間は盛岡駅 - 青森駅間に短縮された。2002年12月1日の東北新幹線の八戸延伸に伴い、その役割および車両は特急「白鳥」・「スーパー白鳥」および「つがる」に引き継がれ、前日限りで廃止となった[1]。
名称の由来は、秋に東北地方などに飛来する雁の群れをさす初雁である。廃止後しばらくたった現在も列車愛称として人気があり、東北新幹線八戸延伸時の新列車名、新青森延伸時の新型車両を使った新列車名の募集時に、どちらでも一位を獲得している(最終的に前者は「はやて」、後者は「はやぶさ」となった)。
廃止当時の運行概況
「はつかり」は盛岡駅 - 青森駅間に下り5本と上り6本、盛岡駅 - 函館駅間に下り3本と上り4本、青森駅 → 函館駅間に下り1本が、「スーパーはつかり」が盛岡駅 - 青森駅間に5往復運転されていた。なお、「スーパーはつかり」は使用列車(E751系電車)が青函トンネルを走行可能な対応工事を行わなかったため函館駅まで乗り入れることはなかった。
停車駅
盛岡駅 -(一戸駅)-(二戸駅)-(金田一温泉駅)-(三戸駅)- 八戸駅 - 三沢駅 - 野辺地駅 -(小湊駅)-(浅虫温泉駅)- 青森駅 -(蟹田駅)-(木古内駅)- 五稜郭駅 - 函館駅
使用車両
1958年からC61、C62蒸気機関車+客車。 1960年からキハ81系(→キハ80系)気動車。 1968年9月から昼夜兼用の583系電車。 加えて1973年から485系電車。
1996年3月から485系3000番台。 加えて2000年3月11日からE751系。 「はつかり」には485系を、「スーパーはつかり」にはE751系を充当。 テンプレート:-
沿革
東京対北海道間の連絡輸送列車として
はつかり | ||||||||||||||||||||||||||
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- 1958年(昭和33年)10月1日:ダイヤ改正により上野駅 - 青森駅間(常磐線経由)で「はつかり」(1・2列車)が運転開始。しかし、台風の影響で実際の運行開始は10日からとなった。
- 1960年(昭和35年)12月10日:「はつかり」使用車両を新開発のキハ81系気動車に置換え。日本初の気動車特急列車となったが、当初は習熟運転と称し客車時代のダイヤで運転された。しかし、十分な試験走行を行わずに運転を開始したため初期故障が続発。新聞には「はつかりがっかり事故ばっかり」などと書き立てられた。
- 1961年(昭和36年)3月1日:「はつかり」は所要時間を10時間45分に短縮し、同年10月にはさらに短縮し所要時間は10時間25分になる。
- 1963年(昭和38年)4月20日 「はつかり」が10両編成になる。
- 1968年(昭和43年)
- 9月9日:ダイヤ改正に先立ち、下り上野発「はつかり」から青森運転所(現在の青森車両センター)の583系電車に置き換え。上り「はつかり」は翌10日に置き換え。
- 10月1日:東北本線全線の電化にあわせたヨンサントオのダイヤ改正により、「はつかり」は東北本線経由に変更し所要時間が8時間30分に短縮。増発して2往復になる。
- 1M「はつかり2号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 宇都宮駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 青森駅
- 2021M「はつかり1号」青森行、2022M「はつかり2号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 大宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 尻内駅 - 青森駅
- 1M「はつかり2号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 1970年(昭和45年)
- 8月:旧盆時期の急増する帰省客へ対応するための臨時列車として、「はつかり」51号が常磐線経由で運転される[3]
- 10月:ダイヤ改正により、「八甲田」の1往復が「はつかり」に格上げ。「はつかり」は1往復増発されて3往復になる。
- 1M「はつかり3号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 宇都宮駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 青森駅
- 2021M「はつかり1号」青森行、2024M「はつかり3号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 一ノ関駅 - 花巻駅 - 盛岡駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 2023M「はつかり2号」青森行、2022M「はつかり2号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 八戸駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 1M「はつかり3号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 1972年(昭和47年)3月:1往復が東京駅に乗入れ開始。
- 1M「はつかり3号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 宇都宮駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 青森駅
- 21M「はつかり1号」青森行、24M「はつかり3号」東京行 の停車駅
- (東京駅 ←)上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 一ノ関駅 - 盛岡駅 - 北福岡駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 23M「はつかり2号」青森行、22M「はつかり2号」上野行 の停車駅
- (東京駅 →)上野駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 花巻駅 - 盛岡駅 - 八戸駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 1M「はつかり3号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 1973年(昭和48年)
- 3月:臨時列車の「はつかり」が1往復増発されて4往復になる。青森運転所の485系電車が使用開始。
- 1M「はつかり4号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 宇都宮駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 青森駅
- 21M「はつかり1号」青森行、24M「はつかり4号」上野行 の停車駅
- (東京駅 ←)上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 一ノ関駅 - 盛岡駅 - 北福岡駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 23M「はつかり2号」青森行、22M「はつかり2号」上野行 の停車駅
- (東京駅 →)上野駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 花巻駅 - 盛岡駅 - 八戸駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 8001M「はつかり3号」青森行、8002M「はつかり3号」上野行(485系使用) の停車駅
- 上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 一ノ関駅 - 水沢駅 - 盛岡駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 1M「はつかり4号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 4月:東北・上越新幹線建設工事に伴う東京駅 - 上野駅間の回送線使用停止措置により、東京乗入れが中止。
- 10月:「はつかり」が1往復増発され、臨時列車も定期列車化されて、5往復になる。
- 1M「はつかり5号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 宇都宮駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 盛岡駅 - 青森駅
- 21-28M「はつかり1 - 4号」青森行、24M「はつかり2 - 5号」上野行 の停車駅
- 上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 一ノ関駅 - 水沢駅 - 北上駅 - 花巻駅 - 盛岡駅 - 北福岡駅 - 三戸駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 1M「はつかり5号」青森行、2M「はつかり1号」上野行 の停車駅
- 3月:臨時列車の「はつかり」が1往復増発されて4往復になる。青森運転所の485系電車が使用開始。
- 1978年(昭和53年)10月:「はつかり」が「やまびこ」を青森まで延長する形で1往復増発され、6往復になる。普通車自由席を設置し、「はつかり」はエル特急に指定される。
- 停車駅
- 上野駅 - 大宮駅 - 宇都宮駅 - 郡山駅 - 福島駅 - 仙台駅 - 小牛田駅 - 一ノ関駅 - 水沢駅 - 北上駅 - 花巻駅 - 盛岡駅 - 一戸駅 - 北福岡駅(現在の二戸駅) - 三戸駅 - 八戸駅 - 三沢駅 - 野辺地駅 - 浅虫駅 - 青森駅
- 停車駅
東北新幹線連絡列車として
- 1982年(昭和57年)11月15日:ダイヤ改正により、盛岡駅 - 青森駅間に運行区間が短縮。
- 1985年(昭和60年)3月14日:583系から食堂車を外して13両から12両に減車。485系使用列車は青森運転所モノクラス6両編成に統一。
- 1986年(昭和61年)11月1日:2往復増発。583系使用列車が12両から9両に減車(ただし、繁忙期は12両で運転)。
- 1987年(昭和62年)10月6日:485系使用列車に半室グリーン車を連結開始、モノクラス編成を順次解消。
- 1988年(昭和63年)3月13日:青函トンネルの開業により、「はつかり」2往復が函館駅まで延長される。
- 1990年(平成2年)3月1日:「たざわ」の間合いで、盛岡駅 - 青森駅間1往復(27・28号)に南秋田運転所所属の485系3両編成が充当される。
- 1992年(平成4年)7月1日:南秋田運転所所属の485系3両を5両に増結(慢性的な混雑から実際にはこれ以前から増結が日常化していた)。
- 1993年(平成5年)
- 1996年(平成8年)3月:「はつかり」にリニューアル工事を施した485系3000番台の使用を開始。
- 2000年(平成12年)3月11日:速達型列車「スーパーはつかり」の運転開始。新しく開発されたE751系電車を使用。盛岡 - 青森間が最速1時間58分となり、10分短縮される(途中停車駅は八戸・三沢のみ)。また、「はつかり」のエル特急の指定を解除する。
- 2002年(平成14年)12月1日:東北新幹線八戸延伸により廃止[1]。
廃止後の復活運転
- 2001年(平成13年)4月:青森駅 - 上野駅間で臨時特急「思い出の583系はつかり号」(583系電車12両)が運転される。
- 2002年(平成14年)
- 2009年(平成21年)
- 2010年(平成22年)10月18日:上野駅 - 青森駅間(宮城野貨物線経由)で「宮城野貨物線踏破 青森行き特急はつかりの旅」号が583系6両で運転される。
- 2011年(平成23年)12月3日:東北本線開業120周年記念の一環として、上野駅 - 青森駅間で「『特急はつかり号』で行く みちのく青森の旅」ツアー列車が583系6両で運転される。
特急「はつかり」が登場する作品
脚注
テンプレート:JR北海道の優等列車- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 テンプレート:Cite journal
- ↑ 2.0 2.1 クハネ581は1970年以降順次クハネ583に置換え。
- ↑ 仙台駅 - 青森駅間の臨時特急「とうほく」を上野駅まで延長する形で運行されたが、多数の奥羽本線直通臨時列車が設定された東北本線経由ではなく、ダイヤに余裕があった常磐線経由で運行された。さらに定期列車の「はつかり」は東北本線経由で運行されていたことから、乗車後に福島駅・郡山駅などの東北本線各駅に停車しないことが判明する誤乗が相次いだため、同年末から1971年(昭和46年)1月の年末年始輸送時には「常磐はつかり」に列車名が変更され、1971年夏期からは東北本線経由となった。