駿河湾
駿河湾(するがわん)は伊豆半島先端にある石廊崎と御前崎を結ぶ線より北側の海域[1]。最深部は水深2500mに達し、日本で最も深い湾である[2][3]。
概要
駿河湾は湾口幅が56km、奥行が約60kmあり、 表面積は約2,300km2[3][1]。約60万年前にフィリピン海プレートに載った火山島であった伊豆半島が本州に衝突して駿河湾ができた[4]。湾はフィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界、その北端部である駿河トラフが湾の南北に通るために深度が深い。富士川河口部にあたる湾の最奥部では、海岸からわずか2km地点で水深500mに達する[5]。
伊豆半島や伊豆諸島から沖縄県の各諸島までは、太平洋の一海域であるフィリピン海であり、駿河湾もその一海域に含まれる。
湾の西側は大井川、安倍川、富士川などの一級水系が多く、河川水の影響を強く受けている[1]。また、海底地形が複雑で多くの海底谷を有する[1]。これに対し、湾の東側は伊豆半島の中央を流れる一級水系の狩野川の河口が、湾奥にあるため流入河川が少なく表層水が比較的、澄んでいる[1]。また、西側と異なり海底谷は少なく[1]、海食崖や、島嶼が多くなる。
湾南西域には水深平均100m、最浅部32mの石花海(せのうみ、または石花海堆)と呼ばれる台地が存在し、好漁場となっている[1]。この石花海は2つの高まりからなり、北側を石花海北堆([[[:テンプレート:座標URL]]34_44_0_N_138_30_0_E_region:JP&title=%E7%9F%B3%E8%8A%B1%E6%B5%B7%E5%8C%97%E5%A0%86 地図])、南側を石花海南堆([[[:テンプレート:座標URL]]34_38_44_N_138_27_43_E_region:JP&title=%E7%9F%B3%E8%8A%B1%E6%B5%B7%E5%8D%97%E5%A0%86 地図])と呼ぶ[6]。
駿河湾の一海域として、湾奥の沼津市沖のごく小さい海域が、内浦湾([[[:テンプレート:座標URL]]35_1_20_N_138_53_30_E_region:JP&title=%E5%86%85%E6%B5%A6%E6%B9%BE 地図])と江浦湾([[[:テンプレート:座標URL]]35_2_30_N_138_53_40_E_region:JP&title=%E6%B1%9F%E6%B5%A6%E6%B9%BE 地図])と名づけられている。また、湾の東側にある三保半島で分けられた海域が折戸湾([[[:テンプレート:座標URL]]35_0_0_N_138_30_0_E_region:JP&title=%E6%8A%98%E6%88%B8%E6%B9%BE 地図])と呼ばれている。
なお、先述の駿河トラフが湾に通るため、これが巨大地震とされる東海地震を起こすと一般的に考えられている。2009年(平成21年)8月11日にはマグニチュード6.5の駿河湾地震が起きたが、気象庁などの発表ではこの地震と東海地震の関連性について直接的には関係ないとした[7]。
海岸地形
公の機関では、御前崎から大瀬崎までの163kmを駿河湾沿岸[8]、大瀬崎から石廊崎を経て、静岡県と神奈川県の境界までの273kmを伊豆半島沿岸[9]として用語を使用している。
- Osezaki cape Aerial Photograph.jpg
大瀬崎 国土交通省 国土画像情報(カラー空中写真)を基に作成
- Sanshirojima 20121019.jpg
- Nishiizu 20121019.jpg
伊豆西南海岸
駿河湾沿岸
- 三保半島および三保の松原(静岡市清水区)
富士山を望む白砂青松の砂洲(日本の白砂青松100選の一つ)。 - 富士海岸(沼津市~富士市) - 約23kmにわたる海岸。砂州として発達したものであり、その北側には浮島沼という湿地帯があった。この湿地帯は古くは潟湖である。千本松原の松林が10km以上に亘って海岸沿いに続く(日本の白砂青松100選の一つ)。
- 大瀬崎(沼津市) 陸繋島と陸繋砂州。
伊豆半島沿岸
- 御浜岬(沼津市) 砂嘴。
- 堂ヶ島海岸(西伊豆町) - 伊豆半島が海底火山時代だった頃の痕跡を持つ海食崖の海岸。三四郎島で陸繋島およびトンボロ現象が見られる。
- 伊豆西南海岸 - (松崎町・西伊豆町・南伊豆町)半島南西部の3町に亘る海岸が、国の名勝天然記念物として指定されている[10]。これはあくまで登録上の名称であって、この名の海岸は存在していない。上記の堂ヶ島海岸も指定範囲に含む。
生物
日本の魚類は淡水魚を含め約2,300種であり、駿河湾内にはこの内の約1,000種の魚類が生息している[3]。かつて、深海部で撮影された巨大なオンデンザメ科のサメの映像がテレビ番組上で放送され、話題になったこともあったテンプレート:要出典。
港湾
以下は主要な港湾である。ただし、2種未満の漁港は除く[13][14]。
定期航路
脚注
- ↑ 以下の位置に戻る: 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 1.5 1.6 出典 : 伊勢湾環境データベース 『駿河湾流域の概要』 - 国土交通省中部地方整備局 名古屋港湾空港技術調査事務所、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 2位は相模湾の1,500m、3位は富山湾の900m
- ↑ 以下の位置に戻る: 3.0 3.1 3.2 出典 : 日本一深い湾 駿河湾 - 静岡県、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 伊豆半島ジオパークのテーマ - 伊豆半島ジオパーク、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 古地理調査 「狩野川・安倍川・大井川 川の流れと歴史のあゆみ」 -国土地理院、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 各種論文より
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 駿河湾地震 (2009年)2012年10月11日10:54版より引用
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : テンプレート:PDF - 国土交通省中部地方整備局 沼津河川国道事務所 静岡河川事務所、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : テンプレート:PDF、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 文化遺産オンライン - 文化庁、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 静岡県、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : テンプレート:PDF、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 静岡県の港湾一覧 - 第三管区海上保安本部海洋情報部、2012年11月1日閲覧
- 元の位置に戻る ↑ 出典 : 静岡県/漁港一覧 - 静岡県建設部港湾局漁港整備室、2012年11月1日閲覧
関連項目
外部リンク
- 伊勢湾環境データベース 『駿河湾流域の概要』 - 国土交通省中部地方整備局 名古屋港湾空港技術調査事務所
- テンプレート:PDF - 静岡県
- 駿河湾 知られざる深海の世界 ナショナル ジオグラフィック