スプリンターズステークス
テンプレート:競馬の競走 スプリンターズステークスとは日本中央競馬会 (JRA) が中山競馬場の芝1200メートルで施行する中央競馬の重賞 (GI) 競走である。メディアなどでは「電撃の6ハロン戦」という通称が用いられる。
正賞は、日本馬主協会連合会会長賞、グローバル・スプリント・チャレンジ賞。
目次
概要
1967年に日本で初めての短距離重賞競走[1]として創設[2]された。開催は上半期の競馬の最終日で、中山競馬場の芝1200メートルだった。
創設当時はハンデキャップで、第1回スプリンターズステークスには、8頭が出走し、そのうち5頭が重賞勝馬だった。ハンデは48キロから63キロまで揃い、63キロのヒシマサヒデが本命になったが5着、59キロのオンワードヒルが勝っている[3]。
1969年より負担重量を別定に変更し、開催時期を秋季に移動。1984年のグレード制導入によりGIIIに格付けされ時期を3月に移動し、京王杯スプリングカップや安田記念へのステップレースとして位置づけられることになった。また、1987年にはGIIに格上げされた。
マイルGIに続き、スプリントのGIを創設しようとする機運が高まるなか、1990年に本競走はGIに格上げ、さらに時期を年末に移し有馬記念の1週間前に施行されることになった。これとともに負担重量を定量とした。1994年からは国際競走に指定され外国調教馬の出走が可能に、翌1995年には指定競走となり地方競馬所属馬にも出走資格が与えられた。
2000年には1年を通してのスプリント路線の競走体系が整備され、時期を秋の中山開催最終週(9月末から10月初め)に移動。2005年よりグローバル・スプリント・チャレンジの第6戦(2011年は第7戦、2012年からは第8戦)に組み込まれた。
GI格上げ時は1年を締めくくるスプリント王決定戦という位置づけであったが、施行時期の変更後は春の高松宮記念と双璧をなし、日本における下半期のスプリンターNo.1決定戦として位置づけられるほか秋のGIシリーズの初戦として定着している。また、12月に香港の沙田競馬場で施行されている香港スプリント(G1・芝1200m)へのローテーションが確立され、本競走の上位に入った競走馬が多く出走している。2012年には同年の本競走を制したロードカナロアが日本調教馬として初の香港スプリント制覇を達成した。
グローバル・スプリント・チャレンジに組み込まれたこともあって、近年は外国馬の参戦が増加傾向である。このためにサイレントウィットネス、ウルトラファンタジー(香港調教馬)、テイクオーバーターゲット(オーストラリア調教馬)といった外国馬が優勝している。
現在の優勝レイの配色は赤色地に金色文字となっている。近年はこの配色で統一されているが、新潟競馬場開催だった2002年のみ桃色地に銀色文字の配色だった。
出走資格
- 原則サラブレッド系3歳(旧4歳)以上のJRA所属の競走馬および本競走に出走登録した外国調教馬(8頭まで)。出走枠は16頭まで。
- JRA所属競走馬は、以下の順で出走馬を決定する。(地方馬で2歳馬競走を除くGI競走1着に入った馬も含む。)
- レーティング順位の上位5頭に対しては優先出走が認められる。(牡馬・セン馬は110ポンド、牝馬は106ポンド以上であることが条件)
- その他の競走馬は「通算の収得賞金」+「過去1年間の収得賞金」+「過去2年間のGI(JpnI)競走の収得賞金」の総計が多い順に出走できる。
- 地方競馬所属馬は以下の競走のいずれかで所定の成績をあげると本競走に出走できる。
競走名 | 格付 | 施行競馬場 | 施行距離 | 必要な着順 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
キーンランドカップ | テンプレート:Color | テンプレート:Flagicon札幌競馬場 | 芝1200m | 1・2着 | 本競走のステップ競走指定 中央・地方の所属を問わずに、1着で優先出走権を付与(2014年から)※日本国内を対象とした2つの競走のみ |
セントウルステークス | テンプレート:Color | テンプレート:Flagicon阪神競馬場 | 芝1200m | ||
グローバル・スプリント・チャレンジ対象競走 (外国で行われる競走に限る) |
負担重量
- 定量で3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減である。
- 第1~2回はハンデキャップ。第3~23回は別定。第28~29回は南半球産3歳馬2kg減だった。
賞金
- GIに格上げされた第24回(1990年)以降
回(施行年) | 総額賞金 | 1着 | 2着 | 3着 | 4着 | 5着 |
---|---|---|---|---|---|---|
第24回(1990年) | 1億5,200万円 | 8,000万円 | 3,200万円 | 2,000万円 | 1,200万円 | 800万円 |
第25回(1991年) | 1億6,570万円 | 8,700万円 | 3,500万円 | 2,200万円 | 1,300万円 | 870万円 |
第26回(1992年) | 1億7,630万円 | 9,300万円 | 3,700万円 | 2,300万円 | 1,400万円 | 930万円 |
第27回(1993年) | ||||||
第28回(1994年) | ||||||
第29回(1995年) | 1億7,940万円 | 9,400万円 | 3,800万円 | 2,400万円 | 940万円 | |
第30回(1996年) | ||||||
第31回(1997年) | ||||||
第32回(1998年) | ||||||
第33回(1999年) | ||||||
第34回(2000年) | ||||||
第35回(2001年) | ||||||
第36回(2002年) | ||||||
第37回(2003年) | ||||||
第38回(2004年) | ||||||
第39回(2005年) | ||||||
第40回(2006年) | 1億8,050万円 | 9,500万円 | 950万円 | |||
第41回(2007年) | ||||||
第42回(2008年) | ||||||
第43回(2009年) | ||||||
第44回(2010年) | ||||||
第45回(2011年) | ||||||
第46回(2012年) | ||||||
第47回(2013年) |
歴史
- 1967年 - 4歳(現3歳)以上の競走馬によるハンデキャップの重賞競走・スプリンターズステークスが創設され、中山競馬場・芝1200mで施行された。
- 1968年 - 出走条件が5歳(現4歳)以上に変更。
- 1969年
- この年のみ、名称を英国フェア開催記念に変更して施行。
- 負担重量を別定に変更。
- 出走条件が4歳(現3歳)以上に変更。
- 1970年 - 当日中山競馬場内で発生した騒動(ハスラー事件)の影響で発走時刻が25分遅れた[4]。
- 1974年 - 読売新聞社から寄贈杯を受けて名称を「読売杯スプリンターズステークス」に変更。
- 1975年
- 1978年
- メイワキミコが史上2頭目の連覇を達成。
- 鈴木勝太郎が調教師として2人目の連覇を達成。
- 増沢末夫が騎手として2人目の連覇を達成。
- 1980年 - 名称を「読売スプリンターズステークス」に変更。
- 1981年 - 出走条件が5歳(現4歳)以上に変更。
- 1983年 - 読売新聞社が寄贈杯を取り止め「スプリンターズステークス」に名称変更。
- 1984年
- グレード制施行によりGIIIに指定。
- 飯田明弘が騎手として3人目の連覇を達成。
- 1987年
- 格付けをGIIに昇格。
- 田村正光が騎手として4人目の連覇を達成。
- 1988年 - 中山競馬場のスタンド改築工事に伴う振替開催により、東京競馬場・芝1400mで施行。
- 1989年 - 混合競走に指定。
- 1990年
- 格付けをGIIからGIに昇格。
- 負担重量を定量に変更。
- 開催時期が第5回中山6日目(基本)に移動する。
- 出走条件が4歳(現3歳)以上に変更。
- 1991年 - 1番人気のケイエスミラクルが直線で故障、競走中止。
- 1992年 - 河内洋が騎手として5人目の連覇を達成。
- 1994年
- 1995年 - 特別指定交流競走に指定。
- 2000年 - 開催時期が第4回中山8日目(基本)に移動する。
- 2001年
- 2002年
- 東京競馬場の改修工事による振替開催により、新潟競馬場・芝内回り1200mで施行。
- この年のみ、外国調教馬の出走可能枠は5頭までとなる。
- 2004年 - 「日本中央競馬会創立50周年記念 スプリンターズステークス」の名称で施行。
- 2005年
- グローバル・スプリント・チャレンジに参加。
- 香港のサイレントウィットネスが外国調教馬として初制覇。
- 2006年
- 国際GIに指定。
- 外国調教馬の出走枠を8頭に拡大。
- オーストラリアのテイクオーバーターゲットが外国調教馬として2頭目の制覇。
- 2009年 - F1日本グランプリの開催が重複したため、発走時刻を15時45分に変更。
- 2010年
- 香港のウルトラファンタジーが外国調教馬として史上3頭目の制覇。なお、8歳での平地GI制覇はカンパニーと並ぶ史上最高齢タイ。
- 2位入線のダッシャーゴーゴーが進路妨害により4着に降着。
- 2011年
- 2012年
- 2013年
- ロードカナロアが競走馬として4頭目となる連覇を達成。
- 岩田康誠が騎手として6人目となる連覇を達成。
- 安田隆行が調教師として初となる3連覇を達成。
- 2014年 - 中山競馬場のスタンド改築工事に伴う振替開催により、新潟競馬場・芝1200mで開催予定[5]。
歴代優勝馬
国際競走となった1994年以降は優勝馬の国旗を表記する。
創設からGII時まで
回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 勝時計 | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主テンプレート:要出典 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
第1回 | 1967年[[7月9日|テンプレート:07月テンプレート:09日]] | オンワードヒル | 牡4 | 1:12.1 | 牧野三雄 | 中村広 | 樫山純三 |
第2回 | 1968年[[5月3日|テンプレート:05月テンプレート:03日]] | スズハヤテ | 牡4 | 1:11.3 | 増田久 | 佐藤正二 | ワイ・エス・エス |
第3回 | 1969年[[9月28日|テンプレート:09月28日]] | タケシバオー | 牡4 | 1:10.4 | 吉永正人 | 三井末太郎 | 小畑正雄 |
第4回 | 1970年10月11日 | タマミ | 牝3 | 1:10.8 | 中島啓之 | 坂本栄三郎 | 坂本栄蔵 |
第5回 | 1971年[[9月26日|テンプレート:09月26日]] | ケンサチオー | 牡5 | 1:11.5 | 藤本勝彦 | 藤本冨良 | 長山善建 |
第6回 | 1972年[[10月8日|10月テンプレート:08日]] | ノボルトウコウ | 牡3 | 1:09.8 | 森安重勝 | 加藤朝治郎 | 渡辺喜八郎 |
第7回 | 1973年[[9月30日|テンプレート:09月30日]] | キョウエイグリーン | 牝4 | 1:09.6 | 東信二 | 境勝太郎 | 松岡正雄 |
第8回 | 1974年[[10月6日|10月テンプレート:06日]] | サクライワイ | 牝3 | 1:08.4 | 小島太 | 高木良三 | (株)さくらコマース |
第9回 | 1975年[[9月27日|テンプレート:09月27日]] | サクライワイ | 牝4 | 1:09.0 | 小島太 | 高木良三 | (株)さくらコマース |
第10回 | 1976年10月10日 | ジャンボキング | 牡3 | 1:10.5 | 的場均 | 久保田金造 | 醍醐幸右衛門 |
第11回 | 1977年[[10月9日|10月テンプレート:09日]] | メイワキミコ | 牝3 | 1:09.8 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 鬼嶋力也 |
第12回 | 1978年10月テンプレート:08日 | メイワキミコ | 牝4 | 1:09.0 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 鬼嶋力也 |
第13回 | 1979年[[10月7日|10月テンプレート:07日]] | サニーフラワー | 牝4 | 1:12.8 | 岡部幸雄 | 伊藤雄二 | 山本慎一 |
第14回 | 1980年テンプレート:09月27日 | サクラゴッド | 牝5 | 1:11.8 | 小島太 | 久保田彦之 | (株)さくらコマース |
第15回 | 1981年[[2月22日|テンプレート:02月22日]] | サクラシンゲキ | 牡4 | 1:09.5 | 東信二 | 境勝太郎 | (株)さくらコマース |
第16回 | 1982年[[2月28日|テンプレート:02月28日]] | ブロケード | 牝4 | 1:09.0 | 柴田政人 | 高松邦男 | 伊達秀和 |
第17回 | 1983年[[2月27日|テンプレート:02月27日]] | シンウルフ | 牡4 | 1:09.5 | 飯田明弘 | 松元省一 | 林幸雄 |
第18回 | 1984年[[3月18日|テンプレート:03月18日]] | ハッピープログレス | 牡6 | 1:10.3 | 飯田明弘 | 山本正司 | 藤田晋 |
第19回 | 1985年[[3月17日|テンプレート:03月17日]] | マルタカストーム | 牡4 | 1:11.1 | 菅原泰夫 | 本郷一彦 | 鈴木隆雄 |
第20回 | 1986年[[3月16日|テンプレート:03月16日]] | ドウカンテスコ | 牡4 | 1:10.2 | 田村正光 | 田中朋次郎 | 新井興業(株) |
第21回 | 1987年[[3月22日|テンプレート:03月22日]] | キングフローリック | 牡4 | 1:09.5 | 田村正光 | 久保田敏夫 | 青木啓二朗 |
第22回 | 1988年[[3月20日|テンプレート:03月20日]] | ダイナアクトレス | 牝5 | 1:21.9 | 的場均 | 矢野進 | (有)社台レースホース |
第23回 | 1989年[[3月19日|テンプレート:03月19日]] | ウィニングスマイル | 牡6 | 1:09.3 | 田村正光 | 矢野照正 | 白井フサ |
GI昇格後
スプリンターズステークスの記録
- レースレコード - 1:06.7(第46回優勝馬ロードカナロア(コースレコード))
- 2着との最大着差 - 6馬身(第15回優勝馬サクラシンゲキ)
- 2着との最小着差 - ハナ(1cm 第30回優勝馬フラワーパーク - 2着エイシンワシントン、第43回優勝馬ローレルゲレイロ - 2着ビービーガルダン)
- 最高齢勝利 - 8歳(第44回優勝馬ウルトラファンタジー)
- 最多勝騎手 - 小島太 5勝(第8、9、14、27、28回)
- 最多勝調教師 - 境勝太郎 4勝(第7、15、27、28回)
脚注
関連項目
- 香港スプリント - 香港国際競走で行われる重賞の1つ
- マイルチャンピオンシップ
- スワンステークス
- セントウルステークス
- CBC賞
外部リンク
- 今週の注目レース-スプリンターズステークス - JRAホームページ