羽場久美子

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羽場 久美子または羽場 久(はば くみこ)は、神戸市生まれの日本の政治学者国際政治学者青山学院大学国際政治経済学部、大学院国際政治学研究科 教授。学術博士(国際関係学)。日本学術会議]]第1部会員(政治学)[1]。青山学院大学大学院専攻主任。

専門は、国際政治学国際関係学国際社会学EUNATOの拡大、グローバル時代のアジア地域統合、ナショナリズム研究、冷戦史研究、中欧研究。21世紀にはいって10年間は、東アジア共同体とEUの比較研究、移民・ジェンダー研究も行っている。
ハーバード大学客員研究員。ロンドン大学客員研究員。ソルボンヌ大学,ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所客員研究員。欧州、アメリカ、アジアを中心に活躍。国内の学会では、日本政治学会理事、日本国際政治学会理事、日本EU学会理事、JSSEES(日本スラブ東欧学会)理事、ロシア・東欧学会事務局長、理事を歴任。

東アジア共同体評議会副議長[2]、国際アジア共同体学会副理事長. ジャン・モネ・チェア(欧州連合)[3],世界国際政治学会(ISA)Governing Council 元理事。AUI(アジア大学研究所)理事。 ICCEES日本幕張大会(2015)副委員長。 公益財団法人日本国際フォーラム有識者政策委員[4]

経歴

戦後の独仏和解により急速な復興を遂げ、地域統合と拡大EUによりアメリカに並ぶ「規範と平和」のパワーであり続けている欧州連合(EU)における「独仏和解」の教訓を基礎に、アジアにおける和解、とりわけ日中韓の和解と安定が、日本、アジア、世界に利益と繁栄をもたらすと説く。「日中韓の共同は、アメリカとの日米同盟を阻害しない」、TPPはアメリカにとって重荷の可能性もあり、中国にとっては参加メリットありうる、日本は米中のブリッジになるべき、という主張が、ハーバード大学での研究(2011-12年)で得たユニークで現実的な判断。海外・国内の多くの講演会や学会のKeynote Speechで、アジア欧州の地域統合について検討している。

国際関係における:「小国」研究の百瀬宏、国際関係を日本に最初にもたらした江口朴郎らに師事。矢内原忠雄やE.H.カーの国際関係研究、アンソニー・ギデンズ第3の道, アーレンド・レイプハルト多極共存型民主主義、コンソシエーショナル・デモクラシー論に影響を受ける。

中・東欧のナショナリズム研究、中欧コシュートのドナウ連邦構想やヤーシのドナウ合衆国構想、中欧地域統合論,多元主義から研究を始め、グローバリゼーション下のヨーロッパの地域統合・拡大EU、近年は東アジア地域統合アメリカ合衆国の地域「間」主義への関与とについて積極的に提言を行っている。

ジャン・モネ・チェア:としてヨーロッパ研究所を立ち上げ、欧州連合代表部やハーバード大学とともに、冷戦終焉20年や、欧州・アジアと地域統合を検討する国際会議を開催、また各国大使館や外務省文部科学省学術会議などとともに、アジアの地域統合や、シンクタンク形成、共同大学院を模索、提唱している。「アジア地域統合を考える」と題する特別講座を企画、鳩山由紀夫元総理や藤崎一郎前駐米大使、韓国大使申珏秀や、中国大使程永華を大学に招聘し、アジア地域共同を担う若者リーダー養成とネットワーク形成をEUの エラスムス計画と連動して行っている。2013年12月にはベルリンでSAISの主催するドイツ・ポーランド和解、日中韓の和解に関するシンポジウムに招聘され報告するなど世界の学会・国際会議で報告。
1981年: 津田塾大学大学院国際関係学研究科博士課程修了。学術博士(国際関係学)
1983年: 東京大学教養学部後期課程講師、学習院大学法学部講師。
1985年: 法政大学社会学部講師、助教授を経て、1994年より法政大学教授。
その間、東京大学大学院、一橋大学大学院、京都大学大学院、慶応大学早稲田大学などで講師を歴任。京都大学COE、一橋大学COE、EUIJの客員研究員。
外務省欧州関係共同研究委員会委員、財務省欧州通貨統合検討委員会、文部科学省大学設置基準審査委員会委員、科学研究費審査委員などを歴任。
国外での研究:
1994 - 1995年: ハンガリー科学アカデミー歴史学研究所にて、新渡戸稲造国際社会科学フェロー・客員研究員。
1995 - 1996年: イギリスロンドン大学SSEESにて、新渡戸稲造国際社会科学フェロー・客員研究員。
2004年: フランスソルボンヌ大学国際関係研究所にて、客員研究員。
2005年: 欧州委員会よりジャン・モネ・チェア授与。
2005年: 法政大学大学院 ヨーロッパ研究所 所長。
2007年: 青山学院大学国際政治経済学部、大学院国際政治研究科 教授。
2008 - 2011年: 青山学院大学総合研究所 欧州とアジア研究代表。文部科学省・科学研究費基盤研究(A)「国際政治に見る欧州と東アジアの地域統合の比較研究-規範、安全保障、国境、人の移動-」の研究代表。
2008年: イタリア・フィレンツェ欧州大学研究所(EUI)にて、フェロー、客員研究員。
2011年:日本学術会議22期第1部会員(19期より連携会員)
2011-12年: アメリカハーバード大学国際問題研究所にて、フェロー、客員研究員。
2012年:ソルボンヌ大学にてアジアの地域統合Keynote Speech, 2013年ベルリンにて「日中韓和解」に関する招聘報告。

著書・論文

単著

『グローバル時代のアジア地域統合ー日米中関係とTPPのゆくえ』岩波書店、2012年ISBN 9784002708287
『拡大ヨーロッパの挑戦ーグローバル・パワーとしてのEU』( 中央公論新社,2014年増補版)ISBN978-4-12-191751-5
『拡大ヨーロッパの挑戦――アメリカに並ぶ多元的パワーとなるか』(中央公論新社中公新書]、2004年2刷) ISBN 412101751X
『グローバリゼーションと欧州拡大――ナショナリズム・地域の成長か』(御茶ノ水書房、2002年2刷)ISBN 4275019008
『拡大するヨーロッパ――中欧の模索』(岩波書店、1998年4刷) ISBN 4000028308
『統合ヨーロッパの民族問題』(講談社講談社現代新書]、1994年7刷)ISBN 4061492187
『ハンガリー革命史研究――東欧におけるナショナリズム社会主義』(勁草書房、1989年) ISBN 4326300612

編著

『EU(欧州連合)を知るための63章』明石書店、2013年。3刷。ISBN 978-4-7503-3900-9
The Euro Crisis and European Political Economy, ---France, Germany and Central Europe---, Ed. by Robert Boyer, Ivan T. Berend, and Kumiko Haba, Aoyama Gakuin University, Tokyo, 2013.
Great Power Politics and the Future of Asian Regionalism, at Harvard University, Ed. by Kumiko Haba, Aoyama Gakuin University Tokyo, 2013.
『国際政治から考える東アジア共同体山本吉宣羽場久美子押村高,ミネルヴァ書房、2012年。ISBN 978-4-623-06316-1
Asian Economic Development and the Collaborative Relations among EU, Asia and Japan, Ed. by Kumiko Haba, Szerdahelyi Istvan, Brij Tankha & Wang Min, 2012.
Regional Integration and Institutionalization comparing Asia and Europe, Ed by G.John Ikenberry, Yoshinobu Yamamoto & Kumiko Haba, Research Institute, Aoyama Gakuin University, Shoukadoh, 2012. ISBN978-4-87974-685-8
『ロシアと拡大EU』羽場久美子・溝端佐登史編、世界政治叢書、ミネルヴァ書房、2011年。ISBN 978-4623059881
The Regional Integration in Asia and Europe, Theoretical and Institutional Comparative Studies and Analysis, Ed. by G.John Ikenberry, Yoshinobu Yamamoto & Kumiko Haba, Aoyama Gakuin University, 2011.
The End of the Cold War and the Regional Integration in Europe and Asia,Ed. by Robert Frank, Kumiko Haba & Hiroshi Momose,Aoyama Gakuin University, 2010.
『ヨーロッパの東方拡大』羽場久美子・小森田秋夫・田中素香編、岩波書店、2006年2刷
『新しいヨーロッパ――拡大EUの諸相』(羽場久美子編)、日本国際政治学会、2005年。
『21世紀国際社会への招待』羽場 久子・増田正人編、有斐閣、2006年3刷。
『ハンガリーを知る47章 ドナウの宝石』羽場 久子編、明石書店、2002、2003年3刷
『ヨーロッパ統合のゆくえ』宮島喬・羽場 久子編、人文書院、2001, 2005年3刷
『ロシア革命と東欧』羽場 久子編、彩流社、1990年。200p

共著

『ハプスブルク史入門』昭和堂、2013年。
『移民・マイノリティと変容する世界』宮島喬・吉村真子編、法政大学出版局、2012年。ISBN978-4-588-60257-3
『安全保障・戦略文化の比較研究』『国際政治』167号、2012年。ISBN 978-4-641-29941-2
『世界政治を読み解く』押村高・中山俊宏編、ミネルヴァ書房、2011年。
『東アジア共同体と日本の戦略』国際アジア共同体学会編、進藤榮一・中川十郎、桜美林大学北東アジア総合研究所、2011年。
『歴史教育とジェンダー』長野ひろ子、姫岡とし子編、青弓社、2011年。
『日本政治学年報、ジェンダーと政治過程』、日本政治学会編、木鐸社、2010年。
『ヨーロッパのフロンティア』山内進編、国際書院、2008年
50 Years Rome Treaty and EU-Asia Relations, Ed. by Chong-ko Peter Tzou, Tamkang University, Taiwan, July 2008.
Melting Boundaries, Institutional Transformation in the Wider Europe, Kiichiro Yagi and Satoshi Mizobata eds., Kyoto University Press, 2008.
Intercultural Dialogue and Citizenship, Translating Values into Actions, A Common Project for Europeans and Their Partners, Ed. by Leonce Bekemans, Maria Karasinska-Fendler, Marco Mascia, Antonio Papisca, Constantine A. Stephanou, Peter G. Xuereb, Marsilio, Venice, 2006.
『衝突と和解のヨーロッパーユーロ・グローバリズムの挑戦』山内進大芝亮編、ミネルヴァ書房、2006年。
『ヨーロッパの軌跡とベクトル』田中俊郎庄司克宏編、慶応大学出版会、2006年。
Globalization, Regionalization and the History of International Relations, Eds. By Joan Beaumont, Alfredo Canavero, Commission of History of International Relations, Edizioni Unicopli, Deakin University, Milano, Victoria, Austria, 2005
『21世紀の安全保障と日本』菅英輝・石田正治編、ミネルヴァ書房、2005年7月。
『国際関係の中の拡大EU』森井裕一編、信山社、2005年2月。
Russia and NATO: New Areas for Partnership, The papers of the International Conference, February 6-7, 2004. St. Petersburg State University Press, 2004.
『EUの東方拡大』日本EU学会年報、日本EU学会編、2004年第24号
『歴史としてのヨーロッパ・アイデンティティ』谷川稔編、山川出版社、2003年2刷。
『EUの中の国民国家:デモクラシーの変容』日本比較政治学会編、早稲田大学出版部、2003。
EU Enlargement towards Central Europe and the Role of Japanese Economy, ed. by Kumiko Haba, Palankai, Tibor, and Janos Hoos, Aula, Budapest, Hungary, 2002.
『占領改革の国際比較:日本・アジア・ヨーロッパ』中村政則油井大三郎豊下楢彦編、三省堂、1994年。
『講座国際政治』第3巻『現代世界の分離と統合』木戸蓊編、東京大学出版会、1989、1990年3刷。

翻訳

ジョゼフ・ロスチャイルド著、羽場久子・水谷驍訳『現代東欧史 多様性への回帰』共同通信社、1999年。
アントニー・ポロンスキ著、羽場久子監訳『小独裁者たち―東欧における民主主義体制の崩壊―』法政大学出版局、1993年。
ジョゼフ・ロスチャイルド著、大津留厚監訳『大戦間期の東欧』刀水書房、1996年。
『世界のマイノリティ事典』(東欧の項監訳)、明石書店、1995年。
ルカーチ・テーケイ他著、羽場久子、家田修、南塚信吾他訳『ルカーチとハンガリー』、未来社、1989年。
シュガー=レデラー編、東欧史研究会訳、『東欧のナショナリズム』刀水書房、1981年。

近年の論文

(150本以上ー公式ホームページ)

  • 「アジア「知」のネットワーク形成」『国際貿易』2013.7.9.
  • 「アジアにおける日中関係とアメリカー日本は米とアジアの懸け橋に」『国際貿易』2013.4.16.
  • 「『固有の領土』論の危うさ」ーヨーロッパの国際政治から」『世界』、岩波書店、2013年2月号。
  •  「EUの21世紀ーユーロ危機から統合の未来へー」『神奈川大学評論』2012.73.
  • 「国家超え、「知」結集の場をーアジアの連携」『朝日新聞』2012年9月24日。
  •  Great Power Politics of Asian Regionalism and Japan's Role, article at Harvard University (2012)
  •  Democracy and Xenophobia �in trans-border Global Society �in Western and Central �Europe (PPT), CES(Center for European Studies), Harvard University(2012)
  • Hungarian Borders & Minorities after the Collapse of the Cold War and Joining the European Union:�---Border of the EU, �Border of the Schengen---(PPT) , AHEA(New York), 2012.

脚注

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外部リンク

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