進藤榮一
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進藤 榮一(栄一)(しんどう えいいち、1939年8月6日 - )は、日本の政治学者。筑波大学名誉教授。北海道出身。
経歴
北海道帯広市生まれ。北海道帯広柏葉高等学校を経て、1963年京都大学法学部卒業。1965年同法学研究科修士課程、1968年同博士課程単位取得退学。1976年法学博士の学位取得。筑波大学教授、江戸川大学教授を経て、現在早稲田大学アジア研究機構客員教授、東アジア共同体評議会副議長、日本新技術促進機構会長、日本国際フォーラム参与[1]・政策委員[2]、国際アジア共同体学会代表。
専門は、アメリカ外交、国際政治経済学、アジア地域統合。
人物
テンプレート:出典の明記 テンプレート:宣伝 京大法学部にて猪木正道、田畑茂二郎、高坂正堯の指導を受ける。1979年米国から帰国後、沖縄分割に関する天皇メッセージ電文を発掘掲載した論文「分割された領土」(『世界』1979年4月号)で論壇にデビュー(『分割された領土―もうひとつの戦後史』所収)。以来、ソ連脅威論批判、平和紛争論、核軍縮論の政策理論を次々に発表、鴨武彦らと平和主義的な戦後第二世代国際政治学を形成し新聞雑誌、テレビに出る。冷戦終結を予測、芦田均日記の編纂や、岡倉天心論もある。 90年代以降、政策研究への関心を強め、日本国際問題研究協会、日本公共政策学会、21世紀政策構想フォーラムの設立を主導。94年設立の東アジア共同体評議会に参画。トラック2機関・国際アジア共同体学会代表として、東アジア地域統合の構築に向け、東アジアを代表するリベラル派論客。故郷で「とかち創生塾」も主宰。
略歴
- 1969年 ジョンズ・ホプキンズ大学高等国際問題研究大学院(SAIS)留学(-71年)
- 1970年 プリンストン大学歴史学部客席研究員(-71年)
- 1971年 鹿児島大学法文学部助教授(-74年)
- 1975年 筑波大学社会科学系助教授(-90年)
- 1976年1月 京都大学 法学博士 論文の題は 「現代アメリカ外交序説 : ウッドロー・ウイルソンと国際秩序」。[3]
- 1976年 プリンストン大学歴史学部客席研究員(-77年)
- 1977年 ハーヴァード大学アメリカ研究所シニア・フェロー(-78)
- 1985年 日本平和学会副会長(-87年)
- 1987年 ハーヴァード大学アメリカ研究所シニア・フェロー
- 1988年 テキサス大学オースティン校客員教授、日本国際問題研究協会代表理事(-02年)
- 1990年 筑波大学社会科学系教授(-2003年)
- 1991年 メキシコ大学院大学客員教授
- 1993年 サイモン・フレイザー大学客員教授
- 1996年 ウッドロー・ウィルソン国際学術センターシニア・フェロー、日本公共政策学会副会長(-00年)、1世紀政策構想フォーラム理事長(-05年)
- 1998年 21世紀政策構想フォーラム理事長
- 1999年 コペンハーゲン大学客席研究員
- 2000年 ウッドロー・ウィルソン国際学術センターシニア・フェロー
- 2002年 オックスフォード大学研究員、香港中文大学客員教授、延世大学訪問研究員
- 2003年 江戸川大学社会学部教授(-08年)、アメリカ平和研究所シニアフェロー
- 2006年 国際アジア共同体学会代表
- 2008年 早稲田大学アジア研究機構客員教授、東アジア共同体評議会副議長、日本新技術促進機構会長
著作
単著
- 『現代アメリカ外交序説――ウッドロー・ウィルソンと国際秩序』(創文社, 1974年)(75年吉田茂賞受賞)
- 『現代紛争の構造――非極モデルの構築のために』(岩波書店, 1987年)
- 『非極の世界像――国際政治の読み解き方』(筑摩書房, 1988年)
- 『現代の軍拡構造』(岩波書店, 1988年)
- 『地殻変動の世界像――新たな国際秩序を読み解く』(時事通信社, 1990年)
- 『ポスト・ペレストロイカの世界像――「帝国」はなぜ崩壊したのか』(筑摩書房, 1992年)
- 『アメリカ――黄昏の帝国』(岩波書店[岩波新書], 1994年)
- 『敗戦の逆説――戦後日本はどうつくられたか』(筑摩書房[ちくま新書], 1999年)
- 『戦後の原像――ヒロシマからオキナワへ』(岩波書店, 1999年)
- 『現代国際関係学――歴史・思想・理論』(有斐閣, 2001年)
- 『分割された領土――もうひとつの戦後史』(岩波書店[岩波現代文庫], 2002年)
- 『脱グローバリズムの世界像――同時代史を読み解く』(日本経済評論社, 2003年)
- 『東アジア共同体をどうつくるか』(筑摩書房[ちくま新書], 2007年)
- 『国際公共政策――「新しい社会」へ』、日本経済評論社, 2010.
- 『アジア力の世紀――どう生き抜くのか』 岩波新書、2013年 ISBN 4004314321
編著
- 『平和戦略の構図――グランド・デザインを求めて』(日本評論社, 1986年)
- 『ポスト冷戦とアジア太平洋の平和』(岩波書店[岩波ブックレット], 1992年)
- 『アジア経済危機を読み解く――雁は飛んでいるか』(日本経済評論社, 1999年)
- 『公共政策への招待』(日本経済評論社, 2003年)
共編著
- (下斗米伸夫)『ユーラシア激動――独立国家共同体のゆくえ』(社会評論社, 1992年)
- (山口定・宝田善・住沢博紀)『市民自立の政治戦略――これからの日本をどう考えるか』(朝日新聞社, 1992年)
- (吉田康彦)『動き出した朝鮮半島――南北統一と日本の選択』(日本評論社, 2000年)
- (平川均)『東アジア共同体を設計する』(日本経済評論社, 2006年)
- (豊田隆・鈴木宣弘)『農が拓く東アジア共同体』(日本経済評論社, 2007年)
- (水戸考道)『戦後日本政治と平和外交――21世紀アジア共生時代の視座』(法律文化社, 2007年)
訳書
- ルイス・フィッシャー(猪木正道共訳)『レーニン(上・下)』(筑摩書房, 1967年)
- アーネスト・メイ『歴史の教訓――戦後アメリカ外交分析』(中央公論社, 1977年/岩波書店[岩波現代文庫], 2004年)
- チャールズ・ベイツ『国際秩序と正義』(岩波書店, 1989年)
- J・アン・ティックナー『国際関係論とジェンダー――安全保障のフェミニズムの見方』(岩波書店, 2005年)
編纂史料(共編)
関連団体
- 国際アジア共同体学会(ISAC)
- 東アジア共同体評議会(CEAC)
- Japan Promotion Center for Advanced Technology(JPAT)
脚注
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- ↑ 博士論文書誌データベース