ひらり (テレビドラマ)
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『ひらり』は、1992年10月5日から1993年4月3日まで放送された、NHK連続テレビ小説第48作目の作品である。
概要
東京・両国を舞台に、相撲好きなヒロイン・ひらりと相撲部屋の面々の交流や、部屋に出入りする嘱託医との恋を描いている。
主人公を演じるのは石田ひかり。原作・脚本は好角家として知られ、2000年から2010年まで横綱審議委員会審議委員も務めた内館牧子。要領が良いひらりと、要領が悪い姉・みのりが恋のライバルになったり、ひらりの父方の祖父・小三郎と母方の祖父・金太郎が犬猿の仲だったり、ひらりの叔父・銀次郎がいつもキャベツを食べていたりなど、内館牧子作品の特徴が織り交ぜられている。
放送当時、民放のいわゆるトレンディドラマと呼ばれた、ドラマとタイアップした主題歌がヒット曲を連発した影響を受けて、主題歌が使われた。本作の主題歌となった「晴れたらいいね」(ドリームズ・カム・トゥルー)が大ヒットした[1]。
1992〜93年の平均視聴率は36.9%、最高視聴率は42.9%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)[2]。全151回。若貴ブームに沸く相撲人気も追い風となった。
1990年代前半以前の作品では珍しく、総集編が製作されており、NHKで公開されている。
スタッフ
- 脚本:内館牧子
- 音楽:中村正人(「ひらり」 オリジナル ドラマ・トラックスも参照)
- 主題歌:「晴れたらいいね」
- 作詞・作曲:吉田美和、歌:ドリームズ・カム・トゥルー
- 語り:倍賞千恵子
- 副音声解説:関根信昭
- 協力:日本相撲協会、東京都墨田区、江東区、台東区、秋田県秋田市
- 医師指導:土屋正光
- 相撲実技指導:2代目若ノ海正照(本作にも出演)
- 資料提供:墨東質業協同組合、永代一番組、星川末吉
- 擬斗:林邦史朗
- 制作統括:金澤宏次
- 制作:秋山茂樹
- 美術:足立正美、石井剛、丸山純也
- 技術:渡辺秀男、佐藤博
- 音響効果:山本浩、中村真一、小林光
- 撮影:浪川喜一、鈴木英次郎、横山義行、佐々木達之介
- 照明:竹内信博、阿倍周一、中村正則、大地祥嗣
- 音声:田島敬三、寺島重雄、大塚茂夫、永井孝夫
- 映像技術:菊池正佳、岩岡良和、庄村勝雄、山村恵一
- 記録・編集:田中美砂、石川真紀子
- 演出:富沢正幸、諏訪部章夫、若泉久朗、笠浦友愛、金井勉、高橋陽一郎
あらすじ
舞台は東京都台東区両国。薮沢ひらりは簿記の専門学校へ通っているが、大好きな大相撲に関わる仕事をすることを夢見ていた。専門学校を退学し夢を叶えるべく仕事を探すが、女人禁制の世界ゆえに受け入れてもらえず壁にぶつかり、力士も多く来店する大型サイズの洋品店にアルバイトで働く。そんな中、相撲部屋の嘱託医である両国診療所の町医者・竜太に恋をしていることに気づき、積極的にアピールするが、子供扱いされてばかり。姉のみのりも竜太に想いを寄せ三角関係となるが、竜太はみのりを選び失恋する。 その後、竜太と関わるうちに栄養学に興味を持ち、更に近所で馴染みの相撲部屋である梅若部屋の親方夫婦の申し出から、栄養士として力士を支える仕事を目指すことになる。
キャスト
- 藪沢ひらり:石田ひかり
- 江戸っ子気質で行動的且つさっぱりした性格の20歳。税理士を目指して専門学校に通っていたが、子供の頃からあこがれていた相撲の世界に関わりたくて退学。その後、力士専門の洋品店の店員を経て「梅若部屋」の手伝いに入り、部屋の専属栄養士を目指すため、栄養士の勉強を始める。竜太に恋をし、積極的に関わっていく。
- 気が強く勝気な性格だが血を見るのが苦手で、ちゃんこを作ろうとして指を切ってしまった時には失神してしまった。
- 藪沢みのり:鍵本景子
- ひらりの姉で25歳。丸の内にある「双陽物産」でOLをしている。ひらりとは対称的に消極的で心配性な性格。竜太に恋をし、ひらりと三角関係になる。情熱で竜太の心を奪い交際を始めるが違和感を覚えるようになり、自分に思いを寄せる小林に心変わりして結婚する。
- 「ハイミス(婚期を逃した独身女性)になる練習」をする描写があるなど、当時の結婚できない女性の心理状態を表したような描写が少なくない。
- 安藤竜太:渡辺いっけい
- 両国診療所医師で相撲部屋の嘱託医。ひらりたちから、いつも履いている物から「便所サンダル」とあだ名をつけられている。後に世田谷の病院に異動。自らを慕い懐くひらりを子供扱いする。同じく自らに想いを寄せるみのりの情熱に感動し、みのりを選んだものの、みのりが小林に心変わりしたため、結果的に失恋する。
- 当初は乱暴な性格で力士に対して配慮のない言動が多かったが、最終的には両国に愛着を持つようまでなっていた。
- ひらりとの初対面は公衆電話の使用をめぐって争いになったのに対し、みのりとの初対面はハイヒールが壊れて転倒したみのりに下駄を貸す親切心を見せたため、初対面時の姉妹の印象は正反対のものとなってしまった。
- 藪沢洋一:伊武雅刀
- ひらりの父で48歳。父である小三郎の代まで先祖代々質屋を経営してきたが、本人は店を継がず都市銀行に就職し支店長を務める。ストーリー後半で「本店の部長部で第一部長」をするという名目の基、事実上左遷され、心に傷を負う。その後、夫婦関係の倦怠などから不機嫌になることも多かったが、最終話では周囲との関係も改善した模様。
- 藪沢ゆき子:伊東ゆかり
- ひらりの母。心の隙間を埋めるために、92年9月より家族に内緒でマンションの1室を借り自分だけの世界に浸るが、93年3月に夫の洋一に発覚し叱責される。その後、舅の小三郎の勧めで質屋を継ぐための修行を始め、充実した日々を過ごす。
- 藪沢小三郎:島田正吾
- 洋一の父で、ひらりの祖父。先祖代々続く質屋を経営している。
- 深川金太郎:花沢徳衛
- ゆき子の父で、ひらりの祖父。町鳶の鳶頭をしている。小三郎とは幼なじみだが、互いに素直になれず反発し合っている。
- 小三郎が入院した際にはかさぶたをプレゼントした。
- 深川銀次:石倉三郎
- ゆき子の弟で、ひらりの叔父。43歳。明子を密かに慕っている。ひらりからは「銀ちゃん」と呼ばれる。キャベツが好物で、横になりながら食べることが多い。
- 設定上、洋一・ゆき子夫妻より年少だが、演者の石倉は伊武雅刀・伊東ゆかりよりも年長である。
- 梅若夫人・明子:池内淳子
- 薮沢家の近所の相撲部屋「梅若部屋」の女将。夫よりも年上。
- 梅若虎男:伊東四朗
- 「梅若部屋」の親方。
- 蛭田明夫:三遊亭楽太郎
- ひらりがアルバイトした、力士専門の洋品店の店長。梅響の断髪式では司会を務めた。
- 小林雅人:橋本潤
- 竜太の異動後に、両国診療所を引き継いだ医師。大阪出身で阪神タイガースファンのため、ひらり達から「六甲小林」とあだ名をつけられる。みのりに恋をし、猛烈なアタックの末に彼女の交際相手である竜太から奪い結婚する。
- 寒風山:小林健
- ひらりの従兄弟で梅若部屋の力士。本名は「加賀谷久男」。
- 梅響:松田勝
- 梅若部屋の部屋頭。15歳で入門し以後10年に渡り部屋を支えてきた。93年初頭に十両への昇進が決定するが、同時期より腰の不調を訴え始める。それから間もなく大怪我をし、十両力士として本場所の土俵に上がることなく引退。その後、梅若親方の伝手で就職し、兼ねてから極秘で交際していたすみれと結婚した。
- 椰子の海:マーシー
- 梅若部屋に寒風山と同期に入門した、ハワイ出身の力士。本名は「エディ」。
- 小川すみれ:阿知波悟美
- 洋品店の店員。37歳のハイミス。暗い性格で、ひらりに床と間違われたことがある。
- 基本的に、無口且つ地味な性格だが、ひらりが下着の発送で失敗した際には毒舌家の一面も見せた。
- 緑風立五郎:出羽錦忠雄
- 木原剛:毒蝮三太夫
- 根本邦夫:綿引勝彦
- 中村喜代子:大路三千緒
- 礼子:田島令子
- 芳美:吉宮君子
- 恵子:井上明美
- 春子:一谷伸江
- 町子:立石涼子
- 板川光
- 成瀬富久
- 小和田貢平
- 紅梅山:NARUKO
- 秋田宗好
- 石橋秀樹
- 金浜政武
- 玉置篤規
- 冨家規政
- でんでん
他に、準レギュラーとして年寄大嶽を廃業して間もない元幕内・若ノ海正照もコーチ役で出演。
使用楽曲
劇中ではBGMとして既成楽曲が使用された。
- リチャード・クレイダーマン:渚のアデリーヌ
- WANDS:もっと強く抱きしめたなら
- ブラザース・フォア:グリーンフィールズ
脚註
外部リンク
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