OL
OL(おーえる、和製英語: office lady の略)とは、「女性の会社員(事務員)」を意味する和製英語である。
かつて働く若い女性に対する呼称として広く使用されていたBG(business girl)などに代わる呼び名を1964年(昭和39年)に、週刊雑誌『女性自身』が公募し、読者投票の結果誕生した造語である[1][2]。
英語本来の表現としては office worker(オフィス従業員)や company employee(会社員)がこれにあたるが、通常これらには female を付けて「女性のオフィス従業員」という表現はしない[3]。
呼称
「女性会社員」を表す言葉としては、大正時代には「職業婦人」、昭和中期以降は “business girl” の頭文字を取った「BG」[4]というもの単語が有った。しかし「英語で BG は Bar Girl の略称で、これは売春婦という意味」という噂[5]が東京オリンピックを翌年に控えた1963年(昭和38年)に広まった為、NHKは9月にこの単語の使用を止めた。この機運に伴い週刊誌『女性自身』が「東京オリンピックで来日する外国人の誤解を防ぐため」この単語を使わないようにする事を提案し、代替語の誌上公募を行った結果、11月には候補の中から「OL」を選出したと発表した。
この「OL(オフィスレディー)」は『約30000通の投書の内最多の4256票を獲得した』と発表されていたが本来は7位であり、実際の1位は「OG(オフィスガール)」だった事実が後に明かされた。当時の編集長である櫻井秀勲が『「職場の女の子」という意味の様で個人的に気に入らない』という私情から「オフィスレディー」が1位になったかの様に捏造したという[6]。
皮肉なことに、英語ではこの lady の方が「怪しげな魅惑の女」といった意味合いを含む単語であり、実際に「売春婦」を表す表現の中にも lady of easy virtue、lady of pleasure、lady of the night 等が有る。今でこそ「OL」は英語圏でもちょっと知られた “Engrish” となっているが、これが使われ始めた1960年代中頃にアメリカやイギリスから日本駐在に来た会社員の中には「ではこれからうちのオフィスレディーを紹介しましょう」と言われて困惑する者が少なくなく、中には不謹慎だと怒りだす者もいたというテンプレート:要出典。
「OL」と決まったものの世間一般へ浸透するまでには長い時間を要する事となる。1970年の時点では、雑誌や映画そしてTVドラマなどにおいて「BG」がまだ普通に使用されていたが、1973年から1975年の間には完全に定着したようである。
元々は日本で作られた言葉であるが、日本文化の影響を受けている香港や台湾においても使われることがある。
OLの定義
OLとは、企業の補助的な業務を担当する一般職の女性社員もしくは女性事務員のみを指す語である。したがって同じ会社員でも総合職であったり、役職が付いたりするとOLとはもう言わない。女性警察官、女性自衛官、消防官(救急隊や警防部門のみ。ポンプ隊やはしご隊、特別救助隊には女性はいない)、医師(女医)、看護師、機長、船員、弁護士、公認会計士などといった高度に責任を有するまたは高度な国家資格を要する職業は、OLの中には含まれないことが多い。ただし最近では、職種に関わらず「オフィスで働く女性」全般を指す言葉として利用されることも多い[7]。
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