ラジオライフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
2014年8月12日 (火) 14:23時点における210.165.89.234 (トーク)による版
(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
移動先: 案内検索

テンプレート:基礎情報 雑誌ラジオライフ』とは、株式会社三才ブックスが発行する月刊誌。発売は毎月25日。アマチュア無線業務無線などの受信や、アングラ情報などを掲載している。通称「RL」。

雑誌の内容

創刊後の数ヶ月は、各地域毎のラジオ番組表やパーソナリティ紹介、全国民放テレビ局のテストパターン、海外放送番組表、ラジオディレクターによるコラム、ラジカセ・無線機新製品紹介など普通のラジオ雑誌であったが、創刊号の警察無線特集(警察無線の周波数を掲載)が評価され[1]、後々業務無線(特に警察無線)受信に特化した。当時アマチュア無線機では改造しなくては警察無線が聞けなかったために、伊東稔明が無線機の改造を紹介した記事が人気になった。

三才ブックス初代社長・創業者は自由国民社出身の和田洋一。また自由国民社で『ランラジオ』誌などラジオ本の編集を担当し、BCLの大家と言われる山田耕嗣とも親交があった伊藤英俊が『ラジオライフ』の初代編集長になった。その後、三才ブックスの広告部門が独立し株式会社ラジオハウスを設立、伊藤はその代表取締役となった。1987年、伊藤は八王子市の無線販売店・パックスラジオの支援により、マガジンランドを設立。その後永らく対抗誌と位置付けられた『アクションバンド』(2005年10月号をもって休刊)を創刊する事になる。

現在の三才ブックス社長は、塩見正孝が務めており、ラジオライフ編集長は小野浩章が務めている。

  • アマチュア無線機や受信機の新製品レビュー
  • 業務無線の周波数・受信紹介
  • 各種セキュリティの検証とハッキング実験(近年はこちらにウェイトが移りつつある様に見える)

もともとは、“誰が聞いてもいい警察無線”というような、無線受信全般を扱った雑誌だったが、覆面パトカーを、車種まで同じモデルを購入してレプリカを自作するなど警察マニアという人種を生む結果になった。

アマチュア無線関連の記事においては、1980年代後半から編集長・桑原一博の下で、日本アマチュア無線連盟(JARL)執行部に対し野党的存在での記事を掲載し、ラジオライフアマチュア無線クラブ(呼出符号:JJ1YQF)は、同連盟の総会において執行部に対する批判的な委任状の受け皿となってきた。しかし、アマチュア無線の衰退により本ジャンル関連の記事は大幅に減少した。

1990年代に入ると、編集長・坂部光俊により、盗聴テレホンカード他セキュリティやIT犯罪関連記事などを扱うようになり、テレビや雑誌にも取り上げられる機会が増え、その守備範囲を広げていった。さらにその後は“危ない雑誌”というような図式ではなく、“色々な常識のウソを教える”という雑誌になっている。最近では偽造クレジットカードキャッシュカードなどの社会問題も取り扱うようになった。また一時期「裏モノ」を扱うムック〈裏モノの本〉シリーズが発売されたが、これは休刊となった『ラジオパラダイス』の編集者、尾形誠規らが企画したものであった。後に尾形をはじめとする「裏モノ」関係編集者および取締役営業部長だった稲村貴は退社、稲村を代表取締役とする鉄人社を設立し『裏モノJAPAN』を発行する。

2000年代に入ると通信という事情が変化し、インターネット関連の情報などが多くなる。当初からの“ちょっとお得な”情報、他人の知らないような情報が特集化されているが、中には「研究用です・本書に書かれているテクニックを実行すると法律に触れる場合があります。絶対に真似しないでください」と(責任回避のための)注意書きを記載した上で詳細な検証データを掲載するため、それを真似た行為を行った購読者が検挙されたケースもあった(偽札の模造技術を採り上げた2001年9月号が警察庁の指導を受けて回収されている)。

その後、高校生時代に『ラジオの製作』に記事を書いていたこともある羽根田新が編集長として就任、三上洋のような同誌で活躍していたライターなども起用したが後に羽根田も退社、相前後して退社した編集者と、イラストレーターや一部ライターでソフトバンクパブリッシングの『お遊びインターネット完全マニュアル』『突撃インターネットPC』『ケータイBEST』の編集をしていた。また主力の技術系ライターである細田時弘は、インターネット関連の事件が起こるたびにTVでラジオライフを紹介し、同誌の広告塔的役割を担っている。

更に「元祖アキバ系の女王」で有名な声優の桃井はるこも『ラジオライフ』の読者であり、2006年6月11日の東京渋谷でのファンクラブイベントでは「ラジオライフはバイブルだ」と公言し、彼女のエッセイ本『アキハバLOVE』の中でラジオライフの読者である事や200回ペディションに当る1998年12月23日の東京ペディションに来ていた事を書いてあり、その3年後の2001年12月23日の「東京ペディション」ではジャンクハンター吉田とのトークショーでゲスト参加した過去もあり、最近では、2008年6月号から「モモーイアンテナ」というコラムを連載開始している。

近年は、アマチュア無線や他の無線従事者免許保持者や、他の無線雑誌でライターをしていた者などの無線知識に長けた編集者が少なくなり、それどころか、アマチュア無線技士取得者も編集部員のうち2人だけという状態になり、これが無線知識の視点からの記事は少ない原因となっている。本誌で無線関連の記事の減少を補うように、2011年には兄弟誌『ラジオライフDX』を創刊した。更に「おぐりゆかの無線界征服」コーナーは担当編集部員が当初アマチュア無線の免許も取得していない状態(後にアマチュア無線免許はおぐり共々取得する)からのスタート。

内容の変化

創刊当時は、“ラジオライフ”という雑誌名のようにAMラジオの番組やパーソナリティーを扱うリスナー向け雑誌として創刊したわけだが、創刊号に組まれた警察無線の特集記事の反応がよく、その後は無線関連の記事が強くなる。ラジオ関係の話題は、同社の『ラジオパラダイス』が引き継ぐ形になった(『ラジオパラダイス』はのちに休刊したため、『ラジオ番組表速報版』、『ラジオマニア』が継承)。“誰でも聴ける警察無線”という内容でかなりアウトローイメージが付いてしまったために今でも、“危ない雑誌”というイメージがあるのは確か。しかし1990年代に警察無線はデジタル化し、一般人が直接受信することができなくなってしまったため、裏ワザなどの方向へシフト。読者層の変化などもくわわりPCネタなどに走るようになる。またIT犯罪などの話題が多くなるにつれ、扱う話題もどんどん広くなってきている。昨今では、鉄道関連や、AKB48(ただし、2010年12月号まで)についての記事も比重を増してきている。

また、マンガを用いた出張取材記「ヨコヤマが行く!」の作画担当・横山公一が、“坊ちゃん刈り・下膨れ顔の眼鏡キャラクター[2]を取材スタッフとしてストーリー中に登場させたために、無線愛好家=おたく盗聴マニアという世間での印象を定着させる原因を作った。

読者との交流・ラジオライフペディション

「ペディション」と称する[3]読者との交流会を月に1回行なっており、全国各地へ出張をしていた。このペディションに参加すると、参加の記念に帽子(過去)やタオル(現在)が配られる。2006年は青色タオル、2007年は赤色タオル、2008年は緑色タオル、2009年はオレンジ色のタオルであった。

このペディションは終盤にジャンケン大会が行われており(毎年1 - 11月の地方ペディションのみ。毎年12月の「東京ペディション」では「10円オークション」に差し替っている)、ジャンケンに勝ち残れば受信機などの希少な景品を入手できる。また、参加者からの好意による出展もあり、マニアならではのレアグッズや参加者が自作した鉄道同人誌等などペディションならではの交流も見られるのである。

その年の1月から12月のペディションに全参加でかつその証明として「ラジオライフ手帳」にスタンプを漏れなく押して貰う事で「パーフェクト皆勤賞」が授与され、12月の東京ペディションで表彰を受けるが、元々「パーフェクト皆勤賞」制度は1997年から開始。

以後も皆勤者は増えて来ており、現在の皆勤者の最年長はギフノヒゲノオジサンであり、2010年時点の最多皆勤者は「和歌山は大都会」で、連続ペディション最後の2009年12月時点(東京ペディ)で122回連続参加している。なお皆勤賞の受賞者は関東・中京・関西エリアが中心だったが、2003年で九州エリア(それも鹿児島)からトラベラーが皆勤賞の受賞者に加わった事により、初めての地方エリアからの皆勤賞の受賞者が出た。

2008年は7月の3連休の北海道、10月に沖縄県があるため皆勤者が激減するとみられたが、例年と同程度の5人の皆勤賞が出た。ただ、どう言う訳か通常同じ都道府県の開催は東京を除いて概ね4年毎の開催だが、北海道のみ近年では2002、2004、2006、2008年の2年毎の開催となっている。

ラジオライフのペディションは1982年4月名古屋から開始したが、参加者は0人であった。後に1982年5月奈良から参加者が来た。

当初は、無線機で受信等がペディの内容で野外で開催されたが、次第に参加人数が増え、また警察官等のコスプレをする参加者も出てきたことから、混乱防止の見地から屋内の会場を借りて開催する方式に変更した。

1998年12月23日は東京国際フォーラムを会場にして200回記念の東京ペディションが開催された。この東京ペディションは姉妹誌『ゲームラボ』と共同で企画し、更にフリーマーケット(284回目の2005年は中止[4])や「10円オークション」と大規模な内容であり、以後毎年12月23日(但し、2000年12月24日)に東京ペディションが行われる事となった。

2007年4月の滋賀県ペディションで通算300回となった。また近年は参加者が2002年2月24日の名古屋ペディションの200名をピークに以後の1 - 11月の地方ペディション参加者が減少傾向となった。

更に、2005年5月1日というゴールデンウィークの最中に企画・開催するという前代未聞の山形県ペディションなど企画した編集部員のレベルダウンや[5]、参加者の中には「グッズ自慢」の取材中に割り込んで邪魔をする…などの進行妨害やジャンケン大会での遅出しの不正が指摘されており、元々あまり規制を受けないフリーダムな場になってしまっている事も有ってか協調性に欠ける参加者が増えているのも事実である[6]

そうした中で2009年10月号において2010年度が本誌が同年6月号で創刊30周年となったので、その記念として7月大阪で大規模なペディションが開催される事になった。

しかし、その反面に2010年度の1~6月、8~11月で開催予定の地方ペディションの開催中止が発表され、2010年度の開催するペディションは、前述の7月大阪と12月東京の大規模なペディションのみとなる。

2009年10月号で代替企画を検討するとの記述もあったが、以後の2011年度以降の地方ペディションの再開は白紙であり、2013年3月現在行なわれていない。

おもな連載記事

特集
毎月異なった内容での話題が特集される。近年では複数の特集を組むことが多い
工作チャレンジ
中学生・高校生を対象にカンタンにできる電子工作の紹介
投稿ワールド
読者が撮影した官公庁系イベントの写真、リポート
パトカー必撮指南塾
大井松田吾郎ペンネーム。由来は大井松田インターチェンジから)による、パトカーの撮影テクニック、最新のパトカー写真の紹介。読者が撮影したパトカー写真の解説 大井松田の技術は一読者当時から抜きん出ており、“師匠”のあだ名を奉られている
消防車名鑑
新製品ピックアップ
今月の公ギャル
女性警察官・女性消防官・女性自衛官(外国軍の女性軍人)等の写真の投稿コーナー
徹底使用リポート
“大井松田吾郎”の受信機、無線機の利用レポート。実際に編集部で購入した機器を利用しているため、辛口なコメントも読める
おぐりゆかの無線界征服→おぐりゆかのこんげつの無線ビギナーズ
過去の2005年東京ペディションにもゲスト出演していたおぐりがアマチュア無線の道を目指す企画だが、いきなり初回(2006年8月号)から受信機に触らせる等ステップアップ型の企画とは全く一線を画す物で、余りにも本誌らしからぬアバンギャルドな企画であり、当然ながら後にアマチュア無線経験者の編集部員石川来夢と関口岳彦(ここでは悪ネコとされている)が協力して軌道修正されている模様。なお、担当は2005年5月1日というゴールデンウィークの最中に山形市でペディションの企画開催や「ラジオパラダイス」も担当し、近年では2007年9月号で桃井はるこの秋葉原企画を担当した「ハニワ」こと元編集部員・豊田拓臣が第1回から第30回を担当。現在は宮崎崇が第31回以降最終回(2009年12月号)まで担当。後に2010年1月号から同じコンセプトで「おぐりゆかのこんげつの無線ビギナーズ」にリニューアルされた。なお、イラスト担当はおぐりと同じ劇団員の「ツチダマミ(土田真巳)」が担当

過去の連載記事

ヨコヤマが行く!
本誌のイラスト担当の漫画家横山公一が、担当編集部員と共に鉄道・ミリタリーなど本誌に関連する施設等を取材する漫画で、2003年1月号から連載開始、2009年12月号の第84回で終了。
鈴木明のコラム。
放送時評
放送業界の話題を取り上げたコラムで、朝日新聞天声人語読売新聞編集手帳などの体裁を真似ていたが、横組みで目次に掲載されていた。現在は『ラジオライフDX』に掲載。

付録

年に数回付録がつけられるが、毎年つけられるのは以下の通り。

ラジオライフ手帳(2月号付録)
主要なジャンルの周波数を都道府県別に収録。周波数帳の簡易版として、携帯する読者も多い。なお、1997年版までは「アクションバンド手帳」と呼んでいた。

注釈

テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

  • 1980年8月7日付け毎日新聞夕刊において、『警察無線の周波数を雑誌が全公開―警察庁は悪用を心配するが…』なる記事が掲載された。記事では名指しこそしていないが、「東京で発行された趣味の無線雑誌」の「六月に発売した創刊号」が、『だれが聞いてもよい“警察無線”』という派手な見出しで警察無線の周波数一覧表を7ページにわたり特集・掲載したと伝えたうえで、こうした形での周波数の公開が電波法109条違反に当たらないかという、悪用を懸念する警視庁防犯部の疑念を紹介する一方、同部に対しての電波監理局法規課からの回答として「(結論としては)電波法違反にはならない」という見解も明らかにしていた。
    本誌第3号の編集後記によれば、こういった新聞記事を頼りに、本誌創刊号を探し求めた末、三才ブックスに直接来社した人もいたという。
  • 横山の自画像とも言われる。
  • アマチュア無線の「DXペディション」のパクリ。そもそも「DXペディション」自体がDXとexpedition(冒険)をつなぎ合わせた造語であり、「ペディション」だけでは意味が通らない
  • その影響で入場者400人と歴代の東京ペディションでは一番少ない入場者に加えて陳腐な内容で「最低最悪のペディション」と2006年3月号でこの東京ペディション特集の「いいたい放題」で入場者から酷評された。
  • 開催中に参加者の一人から開催の意図を質問されたが、企画した編集部員は説得力に欠ける意味不明な言動で誤魔化していた。更にこの同編集部員は、同年12月23日開催の2005年東京ペディションでも自分が企画したフリーマーケットの代用企画の「読者オークション」でも打ち合わせの不備で出展者と司会の唐沢俊一とおぐりゆかとの間でかみ合わないトラブルが発生し、その際にその尻拭いを関口岳彦にさせる形で収めてしまった。
  • それ以外に参加者に撮影許可を取らずに無断で撮影したり集合写真の場所を巡って暴れる参加者や飲酒で不可解な言動で周囲に迷惑掛けている参加者や2006年東京ペディションでフリーマーケットの売り子の女性に卑猥な暴言を吐いたり、2009年6月28日の高崎市ペディションのジャンケン大会で健常者なのに立たずに遅出しの不正を行った参加者など…「自分さえ良ければ他はどうでもいい!」という極めて自己中心的な参加者による悪質極まりない悪行も目立っている。特に古参参加者の一部に見られてた。