蚤の市
蚤の市(のみのいち、flea market)は、ヨーロッパの大都市の各地で春から夏にかけて、教会や市庁舎前の広場などで開かれる古物市。パリの蚤の市が有名。北米では大規模な倉庫や体育館など屋内で開催されるものもある。出店者は一般家庭や仲間で集まったグループから、古物商や雑貨商の様な事業者まで幅広い。
概要
「蚤の市」flea marketは、フランス語marché aux pucesの訳であり、もともとノミのわいたような古着が主な商品として扱われていたことに由来するとか、ノミのようにどこからともなく人や物がわき出てくる様子を表現したなど言われているが、語源は定かではない。もっとも現在のイギリスやフランスでは身体の血を吸うノミとは関係なく、汚らしい、みすぼらしいといった意味に捉えられている。
同種の市は、日本でも最近はあちこちで催されているが、蚤の市という呼び名は、「蚤」の持っている不潔なイメージから、歴史のある古物市ではガラクタ市、ボロ市(世田谷区など)といった名称が使われ、最近の若者・ファミリー向けの大規模イベントとして開催されるものは、フリーマーケットというケースが多い。
特に掘り出し物の中には、古美術などが含まれることが多く、出品者がそれと知らずに所有していた有名画家の絵画が発見されることもある。
アメリカ西海岸では「スワップ・ミート(Swap Meet)」と呼ばれることも多い。
フリーマーケット
日本各地で行われる蚤の市やガラクタ市は、1990年代以降若者・ファミリー向けの「フリーマーケット」と呼ばれるものが多くなった。従来の「蚤の市」は、神社などの境内で縁日に併せて行われることが多いが、フリーマーケットと称する催しは、主に、競馬場やサッカー場などの駐車場、大規模公園などの一角で行われることが多い。東京都内の場合は明治公園や代々木公園、大井競馬場などで行われるものが規模が大きいといわれる。
日本の場合、a flea marketではなく、自由参加出来ることからfree marketという意味の単語として使用される場合が多い。free marketとは、本来「蚤の市」と全く別の意味の経済学用語(自由市場のこと)なので注意が必要である[1]。
尚、日本で同種の市を開催する場合、形態によっては主催者に古物商取引の許可(鑑札取得)が必要な場合がある、
近年、インターネット上でもフリーマーケットが開催される場合が多くなってきている。 主に、古くなった生活用品を出すケースが多く、幼児服など短期間しか身につけられなかったものを出品するケースが多い。これらの衣類、生活用品の中にはキャラクター商品なども含まれ、特に人気のあったキャラクター商品の場合、製造元がすでに生産を終了している場合が多く、販売価格も高騰し、新品購入時とほぼ変わらないかそれ以上の値段で取引されるものも多い。
脚注
- ↑ テンプレート:要出典主催者によっては「蚤の市」と「自由市場」の違いを認識しつつ、自由参加を強調するため、あえて和製英語的にfree marketと表記することがある。