大野雄二

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テンプレート:Infobox Musician 大野 雄二(おおの ゆうじ、1941年5月30日 - )は日本の、作曲家編曲家ジャズピアニスト。『ルパン三世』などのテレビアニメ・映画のテーマ音楽を数多く手がけている。実家は『おもひでぽろぽろ』や『ラブプラス+』にも登場する「ホテル大野屋」(静岡県熱海市)。日本テレビ音楽専属、フリーを経て、現在はバップ専属。

経歴

デビュー以後

慶應義塾高等学校時代、同級生だった明石勇クラリネット担当、後にNHKアナウンサーとなる)らと「ジュニア・ライト・ミュージック」を結成。その後、慶應義塾大学法学部に入学し、在学中は名門ビッグバンド「慶應義塾大学ライトミュージックソサエティ」に所属、鈴木"コルゲン"宏昌佐藤允彦らと共に「慶應のピアノ三羽烏」と呼ばれた。卒業後、藤家虹二白木秀雄(大野のアルバム・デビューは、東芝から発売された白木秀雄クインテットでのLP『HIDEO SHIRAKI MEETS YUZO KAYAMA』)のバックを経て、自らのバンドを結成する。

1970年代から、テレビドラマや映画の劇伴やCM音楽を手がけ始めるが、その頃と時期を同じくして、当時は「ジャズロック」「クロスオーバー」の名称で呼ばれていたフュージョンのスタイルで楽曲を発表し始める。

なお、明石勇や佐藤允彦のほか、石坂浩二も慶應の同級生であり、『音楽と幻想』というアルバムをリリースしている(「犬神家の一族」の劇場公開時のパンフレットでは、石坂が大野のレコーディングスタジオを訪ねた記事が掲載されている)。なお、「犬神家の一族」以降、東宝が石坂主演、市川崑監督で製作した金田一シリーズ映画には大野はタッチせず、2006年に同監督同主演で「犬神家の一族」がリメイクされた際も音楽監督は市川子飼いの谷川賢作であったが、特に主題曲のみは前作と同じものが提供されている。これは日本映画のインストゥルメンタルの主題曲としては、「ゴジラ」など非常に少数の例しかなく、曲のインパクトの強さを物語っている。

You & Explosion Band

松木恒秀(G)、長岡道夫(Bass/SHOGUNミッチー長岡)、数原晋(Tp)、渡嘉敷祐一(Dr)、市原康(Dr)などと結成した「ユー&エクスプロージョン・バンド」で手がけた作品には『ルパン三世』、『海底超特急マリンエクスプレス』などのテレビアニメ、『大追跡』、『大激闘マッドポリス'80』などのテレビドラマ、映画『最も危険な遊戯』に始まる松田優作主演の遊戯シリーズの劇伴、バックバンドとして参加した松田優作のアルバム『Uターン』、後述の『24時間テレビ』のサントラ(クレジットは「大野雄二とユー&エクスプロージョン・バンド」)などがある。また、『犬神家の一族』に始まる初期角川映画3作品、テレビアニメ『キャプテンフューチャー』『ルパン三世 PartIII』も、原盤権が日本テレビ音楽(後述)ではないためバンドのクレジットこそ異なるが、メンバーは「ユー&エクスプロージョン・バンド」のレギュラー陣である。

「ユー&エクスプロージョン・バンド」は大野の所属事務所であった日本テレビ音楽がプロデュースした作品で便宜的に使用される名義であり、制作作品に合わせて大野がセクションごとにミュージシャンをチョイスしているため、恒久的なメンバーはいない。このバンド名義で、オリジナルアルバム『SPACE KID』(2007年にCD化)・『FULL COURSE』などもリリース。近年の『ルパン三世』TVスペシャルのサウンドトラック録音でもこの名義を用いており、数原晋(Tp)、杉本喜代志(G)ら、1970年代当時のメンバーも多い。

音楽性と功績

大野の音楽は、当時日本でも最高水準にあったミュージシャンを惜しげもなく登用し、自身の鍵盤(主にフェンダー・ローズによるものだったが)を加えたバンド編成のリズムセクションに、ジャズ出身ならではのホーンセクション・ストリングセクションのアレンジを加えるという、70年代日本音楽の総力戦とも言えるものであった。従来の日本のフォークにない複雑な調性和音リズムを導入した音楽にポピュラリティを与えたものとして、大野の功績は甚大なものがあるといえよう。

劇伴の世界で名をはせた大野であるが、しばたはつみ弘田三枝子ソニア・ローザといった歌手のプロデュースも手がけ、成功を収めている。これらの作品は1990年代にレアグルーヴとして再評価され、一時期はDJやコレクター達の間で中古盤の価格が高騰していた。

また、電子音楽のレーベル「トランソニック」主宰の永田一直によるドラムンベース・プロジェクト「FANTASTIC EXPLOSION」は、1970 - 80年代のTVCMなどの音ネタと共に、大野やYou & Explosion Bandが手がけた作品の多くをサンプリングして使用し、1990年代後半に話題となった。ルパン三世のリミックスアルバム「PUNCH THE MONKEY!」では「非常線突破」のリミックスを(YOU & FANTASTIC EXPLOSION MIX)と題し手がけている。

ルパン三世

ルパン三世を通じて山田康雄小林清志納谷悟朗らレギュラー声優陣とも交流があり、特に山田康雄とは親しく自身の自宅兼スタジオSTUDIO YOUに呼んで共に酒を酌み交わす仲ともなっていた。山田の晩年であった1992年には、山田自身のCDアルバム作成などで自宅のスタジオを使い、劇中の台詞にもアドリブとして大野雄二を呼ぶ台詞がある。山田が亡くなった翌年の1996年には、その年のGWに公開された劇場映画第六作『ルパン三世 DEAD OR ALIVE』並びに毎年恒例となっているTVスペシャルの第八弾『ルパン三世 トワイライト☆ジェミニの秘密』の音楽担当を辞したが、翌1997年には復帰している。PS2専用ソフト『ルパン三世 ルパンには死を、銭形には恋を』では劇中やクリア特典にポリゴンモデルとしてカメオ出演している。

その他作品

テレビ音楽では主に日本テレビとNHKでの仕事が多い。『ルパン三世』の他には、SFアニメ『キャプテン・フューチャー』、『おひかえあそばせ』にはじまる石立鉄男ドラマ、NHKの紀行番組『小さな旅』、特撮ヒーロー『星雲仮面マシンマン』、『学園戦記ムリョウ』、テレビドラマ『俺はご先祖さま』、『外科医 有森冴子』、NHK報道番組「ニュースセンター9時」(2代目テーマソング)なども担当。フジテレビでは時代劇『戦国ロック はぐれ牙』、テレビアニメ『スペースコブラ』の主題歌(劇中音楽は羽田健太郎)を手がけた。映画音楽では『犬神家の一族』のほか、劇場版『義務と演技』、にっかつ映画『おさな妻』などがある。映像作品における共同作業者のひとりとして、音楽演出家・プロデューサーの鈴木清司がいる。

毎年夏恒例の日本テレビ24時間テレビ 「愛は地球を救う」の第1回放送(1978年)では、ピンクレディーの曲を除き、テーマ曲「LOVE SAVES THE EARTH」からコーラス曲、手塚治虫のアニメに至るまで、音楽監督的な立場で参加。第2回以降も大野の音楽は使用され、第14回まで携わった。

きのこの山」・「たけのこの里」(以上、明治製菓)・「レディーボーデン」(明治乳業、のちにロッテ)・「アイリス」(大正製薬)・エアコン「楽園」(松下電器)といったCM音楽も、数え上げれば枚挙に暇が無い。CM音楽では、日産自動車グループの「世界の恋人」(作曲は芥川也寸志、歌はシンガーズ・スリー)のアレンジも有名である。またファミリーレストランロイヤルホスト店内で、毎正時などに流れるオリジナル曲も担当、長年にわたって使用されている。イベントへの音楽提供としては1981年の「ポートピア'81」において神戸館の「神戸プラネタリウムシアター」の音楽も担当した(アルバム『COSMOS』)。

近年

現在は作曲活動を極力セーブし、井上陽介(Bass)、江藤良人(Dr)(Bassは2010年4月まで俵山昌之、Drは2007年3月まで村田憲一郎)とともに大野雄二トリオとして、また、2006年にはトリオに加え、若手ミュージシャン3名を含む計6名でYuji Ohno & Lupintic Fiveを結成し、都内を中心にライブ活動を行っている。

2005年に発売されたアルバム「Made In Y.O.」は、大野のこれまでの曲を収録したものであるが、全て再アレンジの上で新規録音された。大野は同アルバムの制作に集中するため、ライブ活動を3ヶ月休止していた。

楽曲提供アーティスト

主な作品

リーダーアルバム

劇場作品

テレビ作品

テレビドラマ

テレビアニメ・特撮

その他

ビデオ作品

イメージ作品

ドラマCD

ゲーム音楽

著書

  • ルパン三世 ジャズノート&DVD 講談社 ISBN 4062124971

受賞歴

関連項目

外部リンク