筑波山口

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テンプレート:Redirect テンプレート:Mbox 筑波山口(つくばさんぐち)は、茨城県つくば市沼田に所在する関東鉄道などの路線バスバスターミナルである。筑波山南麓に位置する。

1987年廃止された筑波鉄道筑波線筑波駅(つくばえき)の駅舎と構内バスターミナルを引き続き使用しており、当バスターミナルには関東鉄道つくば北営業所(つくばきたえいぎょうしょ)を併設している。営業所略記はTsuKubaのTK

本稿では関東鉄道つくば北営業所及び鉄道駅時代についても記述する。

概要

ファイル:Kantetsubus-newtsukubane.jpg
1999年8月、当時運転されていた「ニューつくばね号」と、下館駅行きの一般路線バス

筑波山南西麓の沼田地区に位置する。路線バスのターミナルと同時に筑波山観光の拠点の一つとして、また自転車道「つくばりんりんロード」の休憩所として鉄道駅廃止後も機能している。茨城県道42号笠間つくば線経由で中腹の筑波山神社筑波山ケーブルカー宮脇駅まで約3km、筑波山ロープウェイの駅があるつつじヶ丘まで約8km離れている。

つくばエクスプレスつくば駅つくばセンター)へはつくば市のコミュニティバスつくバス」が、常磐線土浦駅へは関東鉄道の路線バスが運行されている。

かつては鉄道と、筑波山へ向かう路線バスの結節点であった。路線バスはつくばエクスプレス開業から3ヶ月ほど、高速バスニューつくばね号は開業から廃止まで一貫して、停留所名を「筑波山」としていた。しかし、つくば駅から中腹に直行する「筑波山シャトルバス」も「筑波山行」と案内されるため観光客などの混乱を招き、すぐに「筑波山口」に改称された。

つくばエクスプレス開業前は、自家用車で乗りつけが容易なつつじヶ丘の方が賑わっていた。開業後は筑波山の観光客が増加したものの、「筑波山シャトルバス」の運行が2005年10月に開始されたため、当バスターミナルの利用状況に大きな変化は無い。

ターミナル構造

駅舎および駅構内バス乗り場の部分は、鉄道駅時代のものを引き続き使用し、駅舎はそのまま関東鉄道のバス営業所事務所(定期券回数券売場)になり、屋外型の構内バス乗り場は、バス乗り場及びバス留置場所となったが、近年一部改修が成され、元駅舎内は、事務所部分の拡張及び待合所部分のベンチを取り外し、出入口もバス乗り場側に広く取るなどの構造に変更されている。

もっとも、元駅舎の待合所ベンチがあったころは、バスレーンから若干離れていることもあってあまり利用されず、バス乗り場など屋外で待つ客の方が多かった。この改修の際に、ベンチはタクシー乗り場付近に設置されている(簡易な物はバス乗り場前にもある)。また、バスレーンまで伸びていた屋根が短くなり、駅舎前のタクシー乗り場付近までとなった。同時に屋根から吊るすタイプの案内サインは、ベンチ頭上の路線図と一般路線バスの時刻表(時刻表は各乗り場標識(ポール)にもある)のみとなり、各バス乗り場のものはなくなった。

改修前は各方面ごとに乗り場があったが、現在は歩行者通路に並行してバスが並列停車しており、乗り場番号の意味を成していない。バス停車位置の内、歩行者通路に接していない場所に止まるバスに乗る際は、旅客はバスレーンを横切ることになる。

バスのりば
  • つくバス[N][1][2]
  • 土浦駅行
以上の2つの乗り場があるが、既述の通り番号は記載しない。

その他鉄道駅時代から構内タクシーのりばがあり、目的地までの凡その運賃がわかる表を掲示していた。現在は、仮設のタクシー事務所(関鉄土浦タクシー 筑波営業所)が置かれ、運賃表は簡易な印刷物を貼り付けている。

バス路線

一般路線バスは、土浦市および筑波山神社への路線が乗り入れている。かつては下妻駅下館駅岩瀬駅真壁駅、つつじヶ丘方面の路線も運行されていた。つくばセンター方面の路線も廃止され、現在は「つくバス」のみが運行されている。

種別 主要経由地 行先 運行会社
一般路線 北条・小田・藤沢・土浦一高 土浦駅 関鉄(つくば北)
梅林入口 筑波山神社入口

つくば市のコミュニティバス「つくバス」は、関東鉄道が受託運行している。筑波庁舎大穂庁舎などに停車してつくばセンターつくば駅)へ向かうシャトルバスが乗り入れる。つくバスの再編に伴い、地域循環は2011年3月で廃止された。

種別 系統 系統番号 主要経由地 行先 運行会社
つくバス 北部シャトル NB 筑波庁舎・大穂庁舎 つくばセンター(つくば駅) 関鉄(つくば北)

ターミナル周辺

当バスターミナルが位置する沼田集落は、筑波鉄道筑波駅が開業したことで筑波山の玄関口となり、観光客向けの商店などが並ぶようになった。当ターミナル正面方向に筑波山がそびえ、駅前通りは山に向かって上り坂となる。1987年の廃線を経て現在に至るが、かつて観光客で賑わった駅前としての名残は、その町並みの建物に偲ばれる。現在、観光客向けに営業している店は少なく、商店街に観光地としての賑わいは見られず、周辺は静かな環境である。駅前で営業していたコンビニエンスストアホットスパー筑波駅前店」は既に閉店している。バスターミナル周辺で特筆できるものとしては、名物の和菓子店2店が現在でも営業しているが、それは筑波山神社拝殿方面に伸びる道路沿い、丁度旧駅前通りを直進した方向にあり、当バスターミナルに背を向けている立地である。このことからも当集落の観光客向けの商業が自家用車来訪客向けに事実上シフトしている現状が伺える。

  • 商店街 - 鉄道駅時代からの商店街だが、規模は小さい
  • 竹内養蜂場 - 蜂蜜ローヤルゼリー製造
  • 稲葉酒造場 - 徒歩7分。地酒1867年 - )清酒「男女川」(みなのがわ)製造元。蔵見学は要事前連絡
  • つくば市働く婦人の家
  • つくば市筑波文化センター
  • つくば市教育委員会教育相談センター
  • セーブオン(コンビニエンスストア)
  • つくばわんわんランド - 徒歩約10分(つくバス北部シャトルや真壁・筑波山神社入口方面からの終着便では当バスターミナルが最寄となる)、またはバス「郡道橋南」「つくばわんわんランド」下車
  • 八幡塚古墳(全長約90mの前方後円墳

関東鉄道つくば北営業所

関東鉄道つくば北営業所は、「筑波営業所」から後に改称した「つくば北営業所」が「つくば中央営業所つくば北車庫」に格下げされたが、再度昇格したものである。所属車両の略号は「筑波」および「つくば北」からTsuKubaのTKと車体に表記される。

バスターミナルに併設されるのは旧駅舎を利用した事務所で、車庫そのものは少し離れた場所にあるが、度重なる発着系統減少によりターミナル内も停泊施設として使用されており、給油設備がある。

現行路線

土浦を結ぶ筑波土浦線と筑波山シャトル、つくバス北部シャトルの生活・観光あわせて3路線を有し、いずれも幹線格である。筑波山シャトルは当営業所の単独ではなく、関鉄パープルバス関鉄グリーンバスとの共同運行となっている。他に筑波山中腹発着の非観光近距離路線を持つ。

土浦 - 筑波山口

  • 筑波山口 - 北条 - 小田 - 高岡 - 藤沢 - 中並木 - 土浦一高 - 土浦駅

筑波山口 - 土浦駅間の運行が主体である。筑波山口 - 土浦間の沿線には大学・高校を多数含んでいて(茨城県立筑波高等学校茨城県立土浦工業高等学校つくば国際短期大学など)、1990年後半頃から顕著になったバス離れの中にありながら、一定の利用客と本数を保っている。他の営業所管轄路線や他社路線と重複する区間がある。2005年のつくばエクスプレス開業までの筑波山口 - 土浦間は、鉄道駅からの筑波山アクセス手段において最も多く利用されていたバス路線でもあった。

かつては一部便が筑波山口 - 真壁駅間も運行していたが、2011年3月31日で終了し、以後は筑波山口 - 土浦駅間のみの運行となる[1]。これにより、筑西市に続き桜川市も路線バスが1路線もない市となった。なお、真壁方面は高校生の通学が主な客層となっていて、筑波山口 - 真壁駅間は朝夕の1日に2.5往復のみとなっていた。

筑波山シャトル

  • つくばセンター - 沼田 - 筑波山神社入口 - つつじヶ丘 (筑波山シャトルバス)

ほぼ年間を通して利用客が多く、特に梅まつりの時期や紅葉まつりの時期などで利用客が多い時には各営業所から増車対応をした事もある。通常でも、前述のとおり関鉄グリーンバス・関鉄パープルバスとの共同運行を行っている。筑波山アクセス手段として使われる路線バスの内、現在最も利用されている路線である。2005年8月のつくばエクスプレス開業時点では同線駅から筑波山中腹に直通する定期バスを設けなかったが、関東鉄道等の予想を上回って観光客が増加したため、会員制の貸切バスの時期を経て運行開始された路線である。

ちなみに筑波線廃止後でつくばエクスプレス開業前には、土浦駅 - つつじヶ丘間で運行された筑波山直行臨時バスと、つつじヶ丘→土浦駅間で1便のみ直通定期便がそれぞれ運行された時期があった。これらの各バスは当路線が開業した後には運行されていない。

梅まつりの時期(概ね2月-3月)には、筑波梅林近くの梅林入口停留所に期間限定で停車する(つくばセンター行きの帰りの便のみ)。

2011年4月1日、筑波山口 - つつじヶ丘線廃止と同時に「沼田」停留所(筑波山口停留所との間約200m)にも停車するようになり、各停留所相互間の乗車が可能となった。改正以前は筑波山神社入口 - つつじヶ丘相互間の乗車を認めないクローズドドアシステムであった。

筑波山口 - 筑波山神社入口

  • 筑波山口 - 筑波山神社入口

2011年4月に廃止、2012年4月6日に朝夕(休校日を除く)それぞれ1往復のみ再開することになった。

2011年3月まではつつじが丘まで路線が存在していた。当時は筑波山口 - 筑波山神社入口間の折り返し区間便と通し便があり、最大毎時2本運行で、つつじヶ丘発着は日中に毎時1本程度運行。以前は筑波山神社入口より分岐する筑波山神社前の枝線があり、現在で言う筑波山口と筑波山神社前間の系統に比重が置かれていて、つつじヶ丘まで運行する系統は季節運行1往復のみの時期もあった。筑波山神社前停留所は、筑波山神社拝殿境内に近い土産物店「はつね」に併設されたガレージ内であった。枝線は2006年までに廃止されている。

以前は満席(立席)になることも多かったが、筑波山シャトル運行開始後はピークを下回る。かつての高速バスニューつくばね号は、筑波山神社前系統に乗り継ぐ事を想定しており、東京駅で配布していた時刻表にも当路線の神社前系統の時刻が併記されていた。

廃止路線

以前は下館・真壁・岩瀬・下妻方面のローカル線も多数有したが、2008年までに全廃されている。なお、かつてのつくばセンター - 真壁・岩瀬間の急行バスは、開始から最終運行日まで一貫して関鉄グリーンバスが運行しており、当営業所は担当していない。

筑波山口 - つくばセンター

  • [61] 筑波山口 - 北条 - 小田 - 筑波大学西 - つくばセンター - 学園並木 ※2007年(平成19年)9月30日限り

北部工業団地入口経由で運行されていたが、2005年のつくばエクスプレス開業と同時に小田経由に経路変更。その後筑波山シャトル開業や、2006年4月のつくバス開業を境に乗客が減り、2007年10月1日のつくバス時刻改定と同時に廃止された。つくばエクスプレス開業後の一時期は当時の停留所名であった「筑波山」の方向幕を掲げていて、観光客にも多く利用された。

関鉄パープルバスが下妻駅 - つくばセンター間の路線を開業させるまでは、つくばセンターと高エネルギー加速器研究機構や作岡地区方面の移動にも当路線が利用されていた。

筑波大学構内を走行し、同構内に停留所がある路線の一つでもあった。

岩瀬 - 真壁駅

  • 岩瀬中央公民館 - 岩瀬駅 - 真壁駅( - 上大島 - 筑波山口)

旧筑波線廃止に伴い岩瀬駅 - 現・筑波山口間で運行開始されたが、2008年4月1日に岩瀬中央公民館 - 真壁駅間の路線廃止(最終運行は前日)。岩瀬 - 筑波山口と真壁 - 筑波山口の2つの運行系統が廃止された。岩瀬 - 土浦直通便は運行されなかった。筑波線廃止当時は筑波線跡に沿う形で岩瀬駅南側にあった岩瀬駅停留所発着であったが、1990年代に経路変更と岩瀬駅停留所の北側道路上移設の上、中央公民館へ延伸した。

岩瀬中央公民館行きの方向幕は「岩瀬駅」と大書され、下部に「(中央公民館)」が小さく付記されていた。

岩瀬発着系統の末期は土曜日・休日全便運休であった。この路線の廃止により、旧筑波線の北部が代替路線交通が無い状態となる。沿線の桜川市では乗合タクシーを筑波山口バスターミナル発着が可能とし同市内住民限定(事前登録制)の代替交通としている。

高速バス(ニューつくばね号)

車両

一般路線車はいすゞ車が多く在籍する。また、以前乗り入れていた筑波神社前バス停(現在は廃止)付近が狭隘であり、バス停そのものが土産物店・食堂「はつね」に造られた狭いガレージにあった[2]ので入れる車両が限られていたため、中型車の比率が高い。

2001年に関鉄パープルバスへの一部路線移管に伴い、在籍両数が減少したが、近年は「つくバス」の運行開始等に伴い、増加傾向である。

他事業者からの移籍車は西武バスからの1両導入を嚆矢として、2002年に経年の高い中型車・日野RJの置き換えを目的に京成電鉄(現・京成バス)からの移籍車が配置されるようになり、2006年時点では3両が在籍する。

2006年春には大阪市交通局大阪市営バス)からの移籍車である前後扉ワンステップバスが導入された。他の例では関東自動車の1台のみである。

筑波鉄道筑波駅

テンプレート:駅情報

ファイル:TsukubaRail-Tsukuba-Sta.jpg
土浦方のホーム風休憩所は長らく残された島式ホームを活用しているが、末端部分である上、改修されている。
ファイル:整備前の旧筑波鉄道筑波駅構内.jpg
サイクリングロードとして改修前の筑波駅構内。旧2・3番線ホームはしばらく残されていた(1997年7月13日)

茨城県土浦市と岩瀬町(現・桜川市)を結んでいた筑波鉄道筑波線の主要駅の一つであった。筑波山の玄関口として観光客で賑わったが、1987年昭和62年)の同鉄道廃止と同時に廃駅。

構内配線は、駅舎側の片面ホームの1番線と、島式ホームの2、3番線。旅客は駅舎側から構内踏切で島式ホームへ渡る。

廃止後、長い間ホームと上屋はそのまま残されたが取り壊された後、土浦方の場所に筑波鉄道廃線跡を利用したサイクリングロード「つくばりんりんロード」(茨城県道501号桜川土浦自転車道線)の休憩所が設置され、ベンチ公衆便所駐輪場駐車場がある。旧島式ホームを活用しているが、旧構内踏切よりも土浦方の末端部分であり、普通列車の乗車位置ではなかった部分で、改修されているため当時の面影はない。

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歴史

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鉄道駅時代

  • 1918年4月 土浦 - 筑波間開業
  • 1918年6月 筑波 - 真壁間開業
  • 1987年 鉄道「筑波」駅廃止。バスのみ乗り入れとなる(停留所名は「筑波駅」のまま)。

鉄道駅廃止後

  • 1991年4月 東京を結ぶ高速バス「ニューつくばね号」運行開始。停留所名は「筑波山」とした。
  • 2001年 関東鉄道、一部バス路線を関鉄パープルバスに移管
  • 2005年8月24日 一般路線バスの停留所名を「筑波山」に改称。真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バスの乗り入れ開始(関鉄グリーンバス)。
  • 2005年12月10日 一般路線バスのバス停留所名を「筑波山口」に改称
  • 2006年4月1日 「のりのりバス」を廃して「つくバス」運行開始、停留所名「筑波山口」に改称。
  • 2006年9月 「ニューつくばね号」運行終了。
  • 2006年11月 紅葉渋滞対策で同月の休日に自治体によりパーク&バスライド事業実施、駐車場を無料で貸す。臨時レンタサイクル実施。
  • 2007年4月1日 真壁・岩瀬とつくば駅を結ぶ急行バス廃止。レンタサイクル定期営業開始(ただし4月1日 - 11月30日の季節営業)。
  • 2008年4月1日 関東鉄道の岩瀬系統・筑波真壁系統(実質の区間便)と関鉄パープルバス筑波下館線廃止、筑波線廃止後初めてJR水戸線との接続が無くなる

隣の駅

筑波鉄道
筑波線
常陸北条駅 - 筑波駅 - 上大島駅

関連項目

脚注

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外部リンク

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改修前の様子
  • 鉄道のある風景 筑波駅 - 鉄道駅廃止後、鉄道ホームが残された時期の、改修前の元駅舎の様子と、改修後の様子を比較できる。
  • 列車の来ない筑波駅 - 鉄道駅廃止後、鉄道ホームが残された時期の、改修前の元駅舎の様子がわかる
鉄道駅時代の様子

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テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ
  1. 一部路線バスの運行終了について - 関東鉄道ホームページ、2011年2月24日
  2. http://blog.goo.ne.jp/yoichiro1221_train223kei/e/da75c8e7f1fb12837fe77f0bbfc7fe7d