洛星中学校・高等学校

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テンプレート:混同 テンプレート:日本の高等学校 洛星中学校・高等学校(らくせいちゅうがっこう・こうとうがっこう)は、京都府京都市北区に所在し、中高一貫教育を提供する私立男子中学校高等学校カトリック系ミッションスクール。高等学校では生徒を募集しない完全中高一貫校[1]

概要

1831年、ルイ・ケルブ神父が、カトリック精神による青少年教育を目的とし、4世紀頃にいたとされる教育者聖ヴィアトールを守護者としてフランスリヨン市に創立した聖ヴィアトール修道会が母体である。第二次世界大戦前、この修道会がアジアにおけるカトリック教育の拠点として、当時の満洲国政府の認可を得て四平街に設立した暁東中学が前身となっている。戦後、中華人民共和国成立に伴って宗教教育を行う学校が維持できなくなったため、これに代わり、台湾と日本に、ヴィアトール修道会の学校が設立された。京都では、1952年中学校が、そして1955年には高等学校が創立されている。キリスト教精神(カトリック)に基づく「全人教育」を行いつつ、京都で最も長い歴史を有している。日本では唯一のヴィアトール学園で、神父および修道士が現在も教職員と共に活動している。2010年、中高学校法人として初めて、国連グローバル・コンパクトに加盟した。

校風は他の私立に比べると比較的緩く自由である。

  • ~1960年 中高一貫による3クラス体制
  • 1961年~1982年 中高一貫による4クラス体制(欠員補充のため高校入試を実施したこともある)
  • 1983年 高校入試の実施による、中学4クラス、高校5クラス体制(経過措置)
  • 1984年~2003年 中学4クラス、高校6クラス体制
  • 2004年~ 中高一貫による5クラス体制(高校入試は欠員補充のみ実施)
  • 2013年~ 高等学校での生徒募集をせず、完全中高一貫校化。

進学傾向・合格実績

京都大学医学部医学科への進学希望を持つ生徒が多い。以前は一学年のうち半数の100名以上が進学していた。

2011年度大学合格実績は、京都大学63名(うち現役43名、医学部医学科現役1名)、東京大学12名(現役7名)、大阪大学16名(現役6名、医学部医学科現役1名)、神戸大学14名(現役6名、医学部医学科3名、うち現役1名)、京都府立医科大学10名(現役6名)、滋賀医科大学4名(現役1名)、京都工芸繊維大学13名(現役4名)、早稲田大学21名(現役1名)、慶應義塾大学23名(現役2名)となっている。

制服

京都市の公立高校は、かつてそのほとんどが制服を定めず、私服で自由な校風が特徴的であったが、洛星中学校・高等学校では、カトリックの教育理念に基づき、創立以来制服が定められ、その着用が厳しく指導された。型は、創立以来基本的には不変で、校章が刻まれた5個の金ボタンで前を留める紺色の詰襟学生服である。ただし標準型とは異なって、上着の襟・打ち合わせ・脇ポケットの蓋などにオールステッチが入り、胸ポケットと袖ボタンが無い。ズボンは上着と共布でツータック、尻ポケットは雨蓋つきとされている。詰襟は、内側にプラスチック製の白いカラー、左襟に校章、右襟に金文字の学年章を装着する(中学が1,2,3、高校はI,II,III)。かつては完全オーダーメイドで、詰襟が標準より若干高く、きつめに仕立てられていて、その襟元を常時留めることが求められた。現在は既製品となり、襟が低くなり首回りも緩くなった他、服装基準が緩和され、セーターベストも定められて、夏服期間の涼しい時に着用可能となった。

5月初旬から11月中旬は夏服期間であり、学校指定の赤みがかった茶色、両胸に蓋つきポケットのカッターシャツ(長袖と半袖を設定)、冬と同型・同色で生地が薄い夏服用ズボンを着用する。1982年頃まではカッターシャツの胸ポケットの蓋に冬服の襟章を装着したが、現在は校章が刺繍されている。なお、夏期は、学年章を装着しない。

紺色の生地に校章を付けた独特の型の制帽もあったが、現在は着用が自由化されている。

クラブ活動

文化系と体育系を合わせ、学校がクラブ(部)や同好会での活発な活動を推奨しており、高校2年まではクラブもしくは同好会への入部が義務付けられている。兼部もクラブ・同好会合わせて3つまで認められている。

クラブ・同好会は活動内容には大きな違いはないが、クラブは生徒会組織として予算や活動場所の面で優遇される。

同好会は、5人以上の生徒と顧問教師が集まれば生徒部の許可を得て作ることができる。同好会は活動実績と校内規定(生徒会会則)による手続きを経てクラブへの昇格が認められる。最近では高校料理同好会が高校料理研究部に昇格した例がある。

文化系

囲碁将棋部は全国高等学校総合文化祭において幾度か準優勝しており、全国的に知名度が高い。また高校ロボット同好会は、2006年ロボカップジュニア世界大会(ドイツ)において準優勝した。

体育系

1978年にバスケットボール部が全国中学校バスケットボール大会にて準優勝した。中学弓道部は武道館で行われる全日本少年少女武道錬成大会と明治神宮で行われる全国中学生弓道大会に毎年必ず出場している。2010年は第7回全国中学生弓道大会において団体全国準優勝の結果を残した。水泳部もほぼ毎年全国大会に出場している。2008年の京都市中学春季総体で陸上部員が100メートル走で優勝し、予選では11秒31の大会新記録を出した。また2011年には中学硬式テニス部が団体で全国大会に出場を果たし、ベスト16という結果を残している[2]

クリスマス・タブロー

アルファベット表記は Christmas Tableaux。主イエス・キリストの御降誕をお祝いする行事である。預言に始まり、受胎告知、天使の羊飼いに対するお告げ、ヘロデ王天使の導き、そして馬小屋での謁見などの8幕、約2時間を、メシア・救い主の誕生までを活人画劇と聖歌やハンドベル演奏を交ぜながら描く。

1966年に始まり、2012年で第47回目を迎えた。一般にも公開されており、ここ数年は天皇誕生日の23日(祝)午後4時より行われている。前日のリハーサル(22日午後2時より)も公開される。例年の来場者数はリハーサルと本番併せて約1800人〜2000人程度。

中学1年生全員と約300名の中学2年生から高校生の有志の生徒によって実施されている。中学1年生はキャストもしくは聖歌隊として出演する。他の学年の中学生はキャストもしくはスタッフ、高校生はスタッフとして参加する。中学1年生以外はすべて有志参加である。

2008年には準備からリハーサルまでをまとめた特別番組がKBS京都で本番翌日24日の午後7時より放映された。また2009年12月24日、2010年12月24日にも同内容・同時間で放映された。

入試制度

現在は中学入試のみ実施されている。前期日程と後期日程があり、実質倍率は前期日程で2倍、後期日程で5倍程度である。現在は前期日程・後期日程ともに、4教科型(国語・算数・理科・社会)と3教科型(国語・算数・理科)を選択することができ、出願時に決定しなければならない。過去に実施されていた面接は現在は実施されていない。

歴代校長

  1. フランシス・ホワイト(ヴィアトール会司祭
  2. ヨゼフ・ナドウ(ヴィアトール会司祭)
  3. フランソワ・アラール(ヴィアトール会司祭)
  4. 村田源次(ヴィアトール会司祭)
  5. ゲエタン・ラバディ(ヴィアトール会司祭)
  6. 阿南孝也

著名な出身者

アクセス

関連項目

引用文献

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 洛星中学校-中学受験スタディの冒頭に「2013年度から高校募集実施なし(完全中高6年一貫)」と記載されている。
  2. http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2008050400126&genre=L1&area=K00 京都新聞 2008年5月4日 洛星・辻が男子100M制す 京都市中学春季総体・陸上(2009年4月閲覧)
  3. 3.0 3.1 3.2 とぅりおんふ Vol.28

外部リンク

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