井上章一

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井上 章一(いのうえ しょういち、1955年1月13日 - )は、日本の建築史家、風俗史研究者、国際日本文化研究センター教授・副所長。

来歴・人物

京都市出身。洛星高校京都大学工学部建築学科卒業、同大学院修士課程修了。

京都大学人文科学研究所助手の後、国際日本文化研究センター助教授となり、現在、教授。2013年副所長。1986年『つくられた桂離宮神話』でサントリー学芸賞、99年『南蛮幻想』で芸術選奨文部大臣賞を受賞。社団法人現代風俗研究会の中心的存在である。

建築史・意匠論が専門だが、一般には『美人論』で広く名を知られるようになり、一時はよくテレビにも出ていた。『パンツが見える。』上梓後は「風俗史に転向した」とも発言している(ただし、建築にまつわる著作はその後も出されている)。ユニークな視点で広く日本文化について発言している。著書は建築・美人論・男性論・関西文化論・日本文化論・人形論ほか多くのジャンルにまたがる。

面食いを公言しており、美人論では面食いの正しさを主張。阪神タイガースのファンとしても知られる。趣味は41歳からはじめたピアノ。スマートフォンもパソコンも持たない主義であると公言している。

学歴

1978年 京都大学工学部建築学科卒業
1980年 京都大学大学院工学研究科建築学専攻修士課程修了

職歴

1980年4月 京都大学人文科学研究所助手
1987年5月 国際日本文化研究センター助教授
2002年10月 国際日本文化研究センター教授
2013年 同副所長 

著書

単著

  • 『霊柩車の誕生』(朝日新聞社 1984年/新版 1990年)
  • 『つくられた桂離宮神話』(弘文堂 1986年/講談社学術文庫 1997年)
  • 『アート・キッチュ・ジャパネスク―大東亜のポストモダン』(青土社 1987年『戦時下日本の建築家――アート・キッチュ・ジャパネスク』と改題、朝日選書 1995年)
  • 『邪推する、たのしみ―アートから風俗まで』(福武ブックス 1989年2月)
  • 『ノスタルジック・アイドル 二宮金次郎 ―モダン・イコノロジー』(新宿書房 1989年3月)
  • 『美人論』(リブロポート 1991年/朝日文芸文庫 1996年)
  • 『美人研究―女にとって容貌とは何か』(河出書房新社 1991年)
  • 『美人コンテスト百年史―芸妓の時代から美少女まで』(新潮社 1992年/朝日文芸文庫、1997年)
  • 『おんな学事始』(文藝春秋、1992年/『美人の時代』と改題して文春文庫、1995年)
  • 『法隆寺への精神史』(弘文堂 1994年)
  • 『狂気と王権』(紀伊國屋書店 1995年/講談社学術文庫 2008年)
  • 『関西人の正体』(小学館、1995年/小学館文庫 2003年)
  • 『グロテスク・ジャパン』(洋泉社、1996年)
  • 『南蛮幻想――ユリシーズ伝説と安土城』(文藝春秋 1998年)
  • 『人形の誘惑-招き猫からカーネル・サンダースまで』(三省堂、1998年)
  • 『愛の空間』(角川選書 1999年)
  • 『キリスト教と日本人』(講談社現代新書 2001年/『日本人とキリスト教』へ改題、角川ソフィア文庫、2013年)
  • 『阪神タイガースの正体』(太田出版 2001年)
  • 『パンツが見える。―羞恥心の現代史』(朝日選書 2002年)
  • 『「あと一球っ!」の精神史-阪神ファンとして生きる意味』(太田出版 2003年)
  • 『アダルト・ピアノ―おじさん、ジャズにいどむ』(PHP新書 2004年)
  • 『名古屋と金シャチ』(NTT出版 2005年)
  • 『夢と魅惑の全体主義』(文春新書、2006年)
  • 『日本の女が好きである。』(PHP研究所、2008年)
  • 『日本に古代はあったのか』(角川選書、2008年)
  • 『伊勢神宮』(講談社、2009年)「伊勢神宮と日本美」学術文庫  
  • 『ハゲとビキニとサンバの国 ブラジル邪推紀行』(新潮新書、2010年) 
  • 『妄想かもしれない日本の歴史』(角川学芸出版、2011年) 

共著

  • 高田公理野田正彰上野千鶴子奥野卓司)『現代世相探検学』(朝日選書 1987年)
  • 森岡正博)『男は世界を救えるか』(筑摩書房、1995年)
  • 永井豪)『けっこう仮面が顔を隠す理由』(メディアファクトリー、1996年)
  • 鹿島茂原武史)『ぼくたち、Hを勉強しています』(朝日新聞社、2003年)のち文庫
  • (関西性欲研究会)『性の用語集』講談社現代新書 2004年)

編著

  • 『性欲の文化史(1・2)』(講談社[講談社選書メチエ] 2008年)
  • 『性欲の研究 エロティック・アジア』平凡社、2013 

共編著

  • セップ・リンハルト)『日本人の労働と遊び・歴史と現状』(国際日本文化研究センター, 1998年)
  • 井波律子)『文学における近代――転換期の諸相』(国際日本文化研究センター, 2001年)
  • (井波律子)『幸田露伴の世界』(思文閣出版, 2009年)

単独論文

  • 「『干蘭』か『高床』か ―日中建築比較論のこころみ」、 『江南文化と日本 ―資料・人的交流の再発掘(海外シンポジウム報告書18)』、 2012年

受賞

主な出演番組

など、在阪準キー局や地元KBS京都の番組にゲスト解説で出演することが多い。

主な連載

外部リンク