フリーアナウンサー

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フリーアナウンサーとは、放送局に直接雇用されていないアナウンサーのことである。

概要

社員・職員として放送局に所属せずに、アナウンサーの仕事をする人のこと。この場合の「フリー」は、放送局と直接の雇用関係がないことを指す。完全なフリーランスでなく、人材派遣事務所や芸能事務所などに所属している者もこう呼ばれる。個人で活動する人もいるが、多くは芸能事務所制作プロダクションに所属する。社員・職員として所属するアナウンサー(通称:局アナ)と区別するため、(フリー)キャスターリポーターとも呼ばれる。

局アナと違い出演する放送局が限られずCM出演も可能となる一方、仕事の量は人気・所属事務所の力量次第のため雇用・仕事量が不安定である。特に2009年平成21年)に入ってからは、各局がテレビデジタル化によるコスト増、不況・多メディア化による広告収入減で、キー局ですら赤字を計上しているため、その対策として人件費削減に乗り出しており、それまでフリーアナウンサーを使っていたところを社員・職員に置き換える動きが目立っている。局によっては長年の功績に対して配慮をするケースがある一方、降板を巡って“喧嘩別れ”となるケースもある。

だが、放送局によっては社員・職員の給料や昇進を巡って扱いが悪くなっているところもあるとされ、この不況下においてもフリー転身を決める者もいる。『週刊実話』2011年10月23日号 特大号によれば、局アナはフリーになれば利益還元率が非常に高いタレントでもあるとされ、人気がなくなっても、芸能事務所にとっては結婚式の司会などを地味にこなさせれば年間数1000万円の売上げが見込める存在でもあるという。また、放送局側からは安く使える局アナを避けて、あえてフリーアナウンサーを番組のメインに起用することについて、「番組内で不祥事があった時にそのメインであるフリーアナウンサーの責任にして局側は上手く逃げやすい」というメリットがあるとされる。

一方で、フリーアナウンサーとなる人物が増加し、特にそれらの人物のほとんどは東京を目指すケースが多くなっており、競争も激しくなった。このため名が知れた人物であっても長く人気を保持することが難しくなっている。例えば、信越放送社員から転身し、フジテレビの朝の顔として活躍していた杉崎美香は、番組降板後東京で新たに仕事を得ることが難しくなり、大阪や地元九州に活路を求めている。それ以前には、青森放送夕方の顔・秋山博子が一旦フリーになって上京したものの、出演番組終了後新たな仕事を中々獲得できず、結局古巣に戻ったというケースもある。ただ秋山のケースはまだ恵まれている方であり、大半は放送以外の司会業やナレーションなどをこなしたりアナウンサー志望者への教育を担うなどして生活の糧を得るのが現状である。また結果的に生活のため転職を迫られるケースも少なくない。

フリーアナウンサーになる経緯

大別して3種類ある。

  • 局アナが放送局を退職して、フリーアナウンサーになる。
    • 男性の場合は主に30代後半から40代にかけて転じることが多い(理由としても管理職になることで現場から遠ざかることを良しとしない場合や自局では成功しているが他局でも挑戦してみたいといった上昇志向といった場合など)が、定年(または定年後一定期間の嘱託職・役員待遇を2~3年勤めた後も含め)退職後にフリーとなる者もいる。
    • 女性の場合は結婚に伴い夫の仕事上での転勤や、出産、育児に専念する時間を確保するため等の理由が多い。地方局の局アナを退職後、フリーアナウンサーを経験してから、別の放送局の局アナ・キャスター・記者に転職するケースも見られる(例:丸岡いずみ)。その他、局の男性プロデューサーから受けるセクシャルハラスメントが原因との向きもある[1]
放送局退職の場合、古巣局への義理立ての意味もあり、フリー転身直後は一定期間(通常は半年から1年)他局への出演を控えるという慣例がある(明確に一定期間他局に出演しないと古巣局と取り決めを持つ場合もある。系列局制作番組や企業のコマーシャルへの出演はフリー転身直後でも可能の場合あり)。その一方で、大塚範一露木茂羽鳥慎一のようにフリー転身の翌月から他局でレギュラー番組を持つという例外もあり、特に羽鳥は日本テレビ退職の数日後にテレビ朝日でレギュラーでの冠番組を開始させる形であった(この時は日本テレビ・テレビ朝日両社上層部との話し合いがあったという)。羽鳥のこの離れ業でフリー転身後の身でも他局からの仕事を請けやすくなったという向きもある[2]
また、フリー転身後も他局ではほとんど仕事をせず、古巣局制作番組しかほぼ出演しないという人物も存在する(例:三雲孝江小宮悦子など)。
  • 他の職業から転職して、フリーアナウンサーになる。
  • 最初から、フリーアナウンサーになる。

男性、女性アナウンサーを問わず、フリーになる時期も様々だが、得意、専門分野での活動ができなくなったり、放送局内での人員配置転換などで管理職待遇となりアナウンサーとは別の部署への異動、キー局でのアナウンサー志願をしていたが、結果、地方局のアナウンサーとなり仕事をしていたりなど、自身のアナウンサーとしての職業意識のモチベーションなどにより、芸能事務所や制作プロダクションなどに自らオファーをしたり、ヘッドハンティング的にスカウトされたりしてフリーアナウンサーになる場合も少なくない。

現在活躍しているフリーアナウンサー

男性

女性

引退(転職)したフリーアナウンサー

男性
女性

故人

放送局在職中に死去した人などは除く。

男性
女性

主なフリーアナウンサー事務所

脚注

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関連項目

  • 週刊ポスト』2013年6月21日号
  • 『週刊実話』2011年10月13日 特大号