日野・ブルーリボン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:BusModelImage ブルーリボンBlue Ribbon )は、日野自動車が販売していた大型バスの名称。1951年 - 1975年1982年 - 2000年まで製造された(ハイブリッド車は除く)。

2000年6月には、「ブルーリボンシティ」に大幅なマイナーチェンジをされ、さらに、ハイブリッドバス以外は、2005年1月から2005年9月にかけて、いすゞ・エルガとの統合車種「ブルーリボンII」へと移行した。本記事では、それらを含め、日野が発売してきた大型路線バス・9m大型路線バスを一括して扱う。

生産会社は、かつて日野車体工業であったが、現在は、2002年10月に日野自動車・いすゞ自動車が合弁で設立した会社、ジェイ・バスである。「ブルーリボンシティ」は、旧日野車体工業の事業所である小松事業所で、「ブルーリボンII」は、旧いすゞバス製造の事業所である宇都宮事業所で製造されている。

なお、RU60・63系観光バスについては日野・セレガを参照。

センターアンダーフロアエンジンバス

ファイル:BT11 Osaka City Bus.jpg
BT11(金産) 大阪市営バス
ファイル:BT100-Gumma-Chuo.jpg
BT100(帝国) 群馬中央バス

1953年昭和28年)にセンターアンダーフロアエンジンバスBD系に日野自動車がブルーリボンと名付けたのが始まりである。センターアンダーフロアエンジンバスとは車両中央部(ミッドシップ)の床下に水平シリンダーのエンジンを配置する方式のことで、戦後国産車では日野のみが製造していた[1]。エンジンを床下に置く事で、車内の床を最後尾までフラットにする(ひな壇を廃す)事が可能となる為、前後2扉の扉配置とする場合は、後部扉を最後部に配置することができるのが特徴である(右の画像を参照)。

BD系は、RB/RC系が登場する1961年昭和36年)まで製造され、全国各地に納入された。混雑の激しい路線を多く持つ東京都交通局では、このレイアウト特有のエンジンの熱とブローバイガスが車内にこもることを嫌い、特別に天井ベンチレーターを増設していた。

BT系は、RB/RC系の登場と同時に、BD系をモデルチェンジする形で登場した。当初はBT51とBT71の2型式が登場し、ホイールベースはともに4.3mであるが、BT51が前扉の設置が可能なフロントオーバーハングを持つのに対し、BT71は中扉専用車である。ともにBD系同様、各地に納入された。

1969年昭和44年)にBT71の製造を終了、BT51はホイールベースを4.8mに延長してBT51改にモデルチェンジするとともに、都市部の事業者向けにフロア高さを下げたBT100(DS60型・155ps)が登場した。この時点で、BT51改・BT100共に前後扉車が中心となったが、この頃には収容能力がほぼ同じRE系が登場しており、整備のしやすさでも一日の長があるリアエンジン車が主流になるのに従い、両型式ともに1975年昭和50年)に生産を終了した。なおBT系は、移動採血車など一部の車種で存続した。

BT100系の主な導入事業者は、生産終了まで指定型式として納入していた大阪市営バスをはじめ、近畿日本鉄道(現・近鉄バス。なお、近鉄ではBT100よりホイールベースの長いBT100改を特注で購入していた)や南海電気鉄道(現・南海バス)など後乗り・前降り方式で運行される地域が過半数を占めている。BT系はリアエンジンの前後扉車と逆に、戸袋が前位に設置されているのが特徴であった。

BT51は、信南交通1980年代まで活躍していた。そのうちの1台は、引退後「日本バス友の会」で保存されている。2006年平成18年)、足回りの復元がなされ再度車検を取得し、映画「フラガール」に登場した。また、大阪市営バスで営業運転に就いていた、1964年昭和39年)式のBT11が、大阪市交通局で現在も保存されている。

ブルーリボンの名称は1960年昭和35年)頃まで使われていたが、それ以降あまり使われていない。

テンプレート:-

RE/RC系

RB10/RC100系

現在のブルーリボンHT/HU系の直系の前身である、RB10-P型(ホイールベース4.8m・エアサス)が1960年に登場する。翌1961年、リーフサス仕様のRB10型が追加されている。エンジンは予燃焼室式のDS80型 (160ps) である。国産初で世界的に見ても最初期のリアアンダーフロアーエンジンバスである。また、日野自動車初のフレームレス構造を採用した。

リアアンダーフロアーエンジンは、エンジンを水平式にして直上まで座席を設けることが出来る方式で、直列6気筒エンジンを用いた大型バスでは、2000年頃まで主流となる方式である。

1961年にはRB系の高出力版としてRC10-P型(ホイールベース5.5m・エアサス)が登場する。エンジンは195psのDK20型である。RC10-P型は1962年にRC100-P型となった。その後、ホイールベース4.8m仕様のRC120 (-P) 型や、5.5mのホイールベースのRB120 (-P) 型が追加されている。さらに、1966年にはRC140-P型(ホイールベース5.0m)が追加されたが、翌年にはRE100/RC300系へモデルチェンジされたため生産実績は多くない。

RC系にはエンジンに過給器を取り付け230psとした高速仕様車(RC100PT型)も存在する。

RB/RC系とも観光用路線用双方の車体を架装している。車体メーカーは帝国自動車工業、金沢産業→金産(きんさん)自動車工業がメインだが、富士重工業西日本車体工業川崎航空機→川崎重工業製のボディー架装実績もある。

RE100/RC300系

1967年にRB系はモデルチェンジしRE系となる。エンジンは新開発の予燃焼室水平式EB200型 (175ps) で、ホイルベースはRE100 (4.8m)、RE120 (5.2m)、RE140 (5.67m) の3種類が用意され、エアサスは型式末尾に-Pが付く。RC系も同時にモデルチェンジを行い、DK20型エンジンの出力アップが行われ、205psとなった。また、ターボエンジン(DK20-T型)も出力アップされ260psとなった。

ホイールベースはRC300 (5.2m)、RC320 (5.67m) の2種類が用意され、エアサスは型式末尾に-Pが付く。また、山間部など全長10m、ホイルベース4.8mで高出力エンジンを望むユーザー向けに改造扱いでRE100と同じボディにDK20型エンジンを搭載した(言い換えるとRC300型のホイールベースを4.8mに短縮した)RC300 (-P) 改型が設定されている。また運転操作にはダブルクラッチを要し、事業者により4速仕様または5速仕様と用途が多岐に渡った。運転席周りの特徴としては、扇形のメータパネルが採用されている。

RE系は路線バスに主に使われたが、RC系は路線バス以外にも観光バスにも広く使われ、帝国、金産以外にも富士重工製(以下富士)、西日本車体工業(以下西工)、川重車体工業(以下川崎、1972年まで)なども車体を架装している。帝国、金産は1969年以降共通の設計でバスを製造しており、細部のわずかな違い(代表的な違いは後部の三角窓の形状)以外のデザインはほぼ同じである。

なお、帝国、金産の両社は1975年4月に合併し、日野車体工業となり、合併後RE/RC系などの大型バスは旧帝国の横浜工場で生産されている。

RE101/RC301系

1977年秋にRE/RC系はエンジンの出力アップを中心としたモデルチェンジが行われた。RE系はEB400型 (190ps) となり、RC系は直噴式ER200型 (225ps) となった。従来のサブエンジン式の冷房から、直結冷房(エンジンに冷房の動力を送るためのコンプレッサーを設置する方式)搭載を考慮して、これらのエンジン出力アップが行われた。

ホイールベースはRE101・RC381 (4.8m)、RE121・RC301 (5.2m)、RE141・RC321 (5.67m) の3種類が用意され、エアサス車には型式末尾に従来と同様にPが付く。なお、ホイールベース4.8mのRC系は当初設定されておらず1978年に追加された(しかし、エアサス車は型式認定を取得せず1982年まで改造扱いとなり、RE101P改型もしくはRC381改型となった。実質的にはRC381P型)。なおRE101系の登場で、4速仕様または5速仕様の選択は残ったものの、運転操作でダブルクラッチをする必要はなくなり、運転席周りの特徴として長方形一つを基本としたものに変更された。

テンプレート:BusModelImage2 また、全長11.7m・ホイールベース6mの都市用3扉低床車のRE161型(リーフサス車のみ)が同時に登場した。しかし、混雑した道路での機動性に欠けるなどの問題で、納入事業者は極端に少なく1980年には発売は中止されている。なお、実際の発注・納入は1978年以降無いと思われる。これとは別に、1982年に近畿日本鉄道(現: 近鉄バス)が、RE161型都市型低床シャーシをベースとした2階建てバスを試作し、RE161改型と呼ばれている(試作車のため正式な型式は持たない)。試作2階建てバスは路線用の設計であったが路線バスとしての認可が得られず実際には貸切車として使われた。本格的な2階建てバスについてはその後グランビューに譲ることになった。

全長11m級のRE141・RC321 (P) の発注・納入事業者はこのころから大都市圏に代わり、ニュータウン輸送や北海道の事業者(特に北海道中央バス旭川電気軌道などには多く納入された)が主力となっていった。

1979年にはターボ車に代わる高出力車として、RC701P (5.2m) ・721P (5.67m) 系が登場した。エンジンはEK200型 (270ps) を搭載しており、エアサス車の設定のみだった(ただし、国鉄バスなど、ごく一部の事業者ではリーフサスのRC701が導入されたことがある)。なお、RC7系の路線ボディは純正の日野車体の場合、RE/RC系と同じボディを架装しており外観に変化はない。また、高出力エンジンを搭載しているため、観光バスや長距離バスとして使われるケースも多く、観光バス専用のハイデッカーボディを架装した例もある。

1980年に昭和54年排出ガス規制適合車となりK-RE/RC系となった。排ガス対応以外での変化は少なく、側面に方向指示器を設けたこと以外に外観の変化はほとんど無い。 またこの頃から海外輸出が盛んでシンガポールラオスなどに当車が輸出された。シンガポール輸出用にはRK176という12メートル級のロング車も存在した。現在は全車廃車となっている。後者の方は右側通行仕様の短尺車で、日本には存在しないキャブオーバーバスとなっている。

車体は純正の日野車体製以外に、富士と西工が存在した。富士は3Eと5Eで架装例(北海道中央バス東武鉄道小湊鉄道富山地方鉄道遠州鉄道京都バス等)がある。西工ではモノコックの53MCでの架装例以外に、末期にはスケルトンボディの58MCでの架装例がわずかに存在する。

RE/RC系は本格的なスケルトンボディのRT/RU22系の登場以後もモノコックボディのまま並行して製造されたが、スケルトンボディを持つリアアンダーフロアエンジンのHT/HU22系の登場により1984年に製造を終了した。

RD系

RD100系

テンプレート:節stub 1967年、都市部や地方の狭隘路線向けに、全長9mクラスのリアアンダーフロアエンジン車として登場したのがRD100系である。

当初はRD100のみであったが、このクラスの車両はいすゞ自動車のBA系や、三菱ふそう製MR510・MR520などが先行していた事から、BD/BTシリーズほどには一般的にならなかった。

その後、ホイールベースを拡張したRD120も登場したが、尼崎市交通局など、ごく一部の事業者のみ採用するに留まった。

RD300 (K-RD301) 系

テンプレート:節stub 1975年、エンジンを中型バスRL100系のモデルチェンジ版であるRL300系と共通化したうえで、それまでの水平型から縦置きに変更して登場したのがRD300系である。

ブルーリボンRU60・RU63・RY63系観光

日野・セレガを参照

ブルーリボンRT/RU、HT/HU

ノンステップバスは#ノンステップバスを、ワンステップバスは#リフト付超低床バス・京急型ワンステップバスを参照。

K- (P-) RT/RU22、P-HT/HU22系

テンプレート:BusModelImage2 1982年に、観光バスRS系で採用されていたスケルトンボディを、路線バスにも採用し、RU6系観光バスと同じブルーリボンの名称が与えられた。

RT/RU22系と呼ばれるこのシリーズは、従来のRE/RC系に変わる都市型路線車両として登場したが、垂直搭載された小排気量エンジンのEM100型が嫌われ、RE/RC系が並行生産されていた関係で販売が伸びず、1985年のHT/HUマイナーチェンジに際して製造打ち切りとなっている。RT/RU22系で問題になったEM100型は、RC3系のER200型11.6L (225ps) に対し、省燃費を目指し9.4L (225ps) という小排気量(RE系のEB400型9.8L (190ps) よりも排気量が少ない)であったが、小排気量ゆえ回さないとパワーが出ず、そのため騒音が大きく実用燃費が悪いという問題があった。また、従来のRE/RC系は水平式エンジン(リアアンダーフロアーエンジン)を採用していたが、水平式エンジンはバス専用部品が多く、コスト削減を目指しトラックと共通の垂直式エンジンを採用したが、車内後部にデッドスペースが発生し、エンジン直上、車体最後端まで座席を設けることが出来ず、保守面からも水平エンジンに慣れた現場からは不評であった。

RT/RU22系のボディーは日野車体製が圧倒的に多かったが、西工製が西日本鉄道大阪市交通局長崎県交通局など西日本の一部事業者に納入されている。多くがスケルトンボディの58MCだが、初期にはモノコックボディの53MCに架装された例も存在する。富士重工製の架装は数えるほどしかなく、小湊鉄道向けの2台が唯一の例と推測される。

また、日野車体製ボディにはRU60/63系と同様の観光形フロントマスクも設定されていた(KC-車の途中まで)。

その後、1984年にRE/RC系の後継車両として、従来RC3系が搭載していたER200型エンジンを、そのままRT/RU22系のスケルトンボディに搭載したリアアンダーフロアーエンジンのHT/HU22系が登場し、販売のメインはこちらに移るが、RT/RU系との兼ね合いからか、製造期間は短い。車体は日野車体以外に、富士製と西工製が存在する。

P-HT/HU23、HT/HU27系

テンプレート:BusModelImage2

ファイル:Diesel-Engine-Hino-M10U.jpg
M10U型9.9Lエンジン (230ps)

1985年、RT/RU22系とHT/HU22系を統合する形でHT/HU23系が登場する。エンジンはRT/RU系のエンジン、EM100型を改良し水平式にしたM10U型9.9L (230ps) である。このエンジンは改良されたとはいえ、小排気量で回さないとパワーが出ないエンジンであった。純正の日野車体製のボディはリアスタイルの変更が行われ、角張った形状から丸みを帯びた形状となる。ホイールベースは、短尺(末尾が3、4.8m)、中間尺(末尾が5、5.2m)、長尺(末尾が6、5.67m)の3種類[2]、サスペンションがHT(リーフサス)とHU(エアサス)の2種類、路線用は床の高さが3種類(標準、一般低床、都市低床)、エンジンは前述のM10U型のHT/HU23系と、高出力エンジンの、RC7系のEK200型エンジン13.3L (270ps) を搭載したHT/HU27系の2種類が設定された。ほぼ同時に、電気と空気圧を使用したフィンガーシフトの「FFシフト」が設定され、その軽いシフトチェンジ操作で運転者の負担軽減につなげた。特にシフトチェンジ時のエアー音がその後の日野製バスの特徴ともなった。

さらに、イージードライブ化をめざし、電子機械式オートマチックの「EEドライブ」を1986年から追加し、近畿日本鉄道を皮切りに、京王帝都電鉄関東バス東京都交通局横浜市交通局大阪市交通局などに投入された。トルクコンバーター式のオートマチックとは異なり、マニュアルシフトをベースにシフトチェンジを自動化したもので、高トルク仕様のみの設定であった。実際には運転者の意図するシフトチェンジが行われないなどの欠点も多く、上記の事業者を除けば京都バス奈良交通西日本鉄道京都市交通局神戸市交通局仙台市交通局などで少数の採用にとどまる程度で普及はしなかった。また、採用事業者でも通常はHOLD段に入れておいて、手動でシフトチェンジを行うことが一般化し、その際にショックが起きるなど、経年変化による乗り心地の悪化も招いた。なお、KC-HT/HU2M系にもEEドライブを搭載されている車両が存在するが、こちらは横浜市営および大阪市営に数台が在籍しているのみだと思われる。そして1998年、KC-HT/HU2M系の小改良時に、EEドライブの設定は抹消された。

また1980年代は海外輸出が盛んでシンガポールラオスに当車が輸出された。まずシンガポールにはHT228KとHT238が輸出されこちらは日本仕様には存在しない12m級というロング仕様だった。またリアライトは米粒型ライトで中央の位置ではなくバンパーの上に設置されていた。前中扉仕様で当初は非冷房仕様+黒ゴム付きの車両だったが、後に冷房+後期仕様車が導入し1989年頃まで導入された。2013年現在は全廃となっている。後者のラオスでは日野ブルーリボンの右側通行対応版として輸出された。扉は前後扉で非冷房。屋根には荷物を載せる荷台が付いてある。また先代のRC同様、キャブオーバーバス仕様となっている。

U-HT/HU2M、HT/HU3K系

テンプレート:BusModelImage2 1990年、平成元年排出ガス規制に適合し、U-HT/HU2M系となる。日野車体のボディーの場合、U-以降は前面方向幕部分両端の形状が前絞りになった。

EK200型エンジンは呼称がK13U型に変更され、HT/HU3K系となったが、出力には変化はない。エンジンワンキー操作が標準設定された。

KC-HT/HU2M,HT/HU3K系

テンプレート:BusModelImage2 1995年平成6年排出ガス規制に適合し、KC-HT/HU系となる。ヘッドライトが角型4灯に統一された。

1998年に衝撃吸収式ステアリングホイールが装備された。これ以前の車では日野自動車のコーポレートマークが一新された後であってもそれまでのロゴが入ったステアリングホイールが継続していた。また、一部でセレガ初期車と同じデザインのステアリングホイールが採用された車もあった。

またKC-車の途中から観光形のフロントマスクはブルーリボン観光形(RU60/63系)タイプからセレガタイプに変更された。

リフト付超低床バス・京急型ワンステップバス

テンプレート:BusModelImage2 1991年東京都交通局向けに初めてワンステップ超低床車が組立自動車として登場する。後部までワンステップ低床で、3ドアが最大の特徴であった。

1992年製からは2ドア化され、中ドアには車いす用のリフトが取り付けられる。いわゆるリフト付超低床バスと呼ばれる車両である。特注の高価な車両のため、都営以外の納入例は大阪市交通局(前・後扉車、現在は関東自動車へ譲渡)と熊本市交通局のみである。1996年まで製造された。

車体の構造が通常のツーステップバスと大幅に異なり、エンジンを右側にオフセット。駆動系の動力部分も右側に寄せ、スペースがなくなったラジエーターはファンを電動2基にして左側に移設。リヤサスペンションを小型ベローズ4個のワイドエアサスにすることでドロップアクスルとし、後部までの低床に対応している。よくエンジンを「直立にした」と言われているがこれは誤りで、横倒しのままである。組立自動車扱いのため排ガス規制記号が付かず、型式は「HU2ML」。

なお、1988年京浜急行電鉄(現: 京浜急行バス)向けに、都市型低床車をベースにした前中扉間のワンステップバスを改造車扱いで納入している。いわゆる京急型ワンステップバスと呼ばれる車両である。当初は改造扱いで型式末尾に「改」が入っていたが、1993年からは正式発売された(当初はHT系のみ、HU系は1996年に追加され、KC-HU2MLCSとなった)。

ノンステップバス

テンプレート:BusModelImage2

1997年の東京モーターショーに日野自動車初のノンステップバスが出品される。当初は組立自動車扱いで一部事業者に販売される。この当時の形式名はHU2PM/HU2PP(規制記号なし)。その後、1998年10月排ガス規制に適合し、正式に型式証明を取得し発売された。

車体構造は前年に登場した日産ディーゼルUAノンステップに近く、エンジンを最後部に垂直横置き、リヤオーバーハング部分を短縮、かつホイールベースを延ばすことでホイールベース間のノンステップエリアを拡大しているが、その影響で中扉より後ろは3列13席しか配置できず、前後の間隔を詰めて4列にすることもできない設計が災いし、他のノンステップバスに比べるとあまり普及していなかった。型式はKC-HU2PMCEが全長10.52m(ホイールベース5.11m)、KC-HU2PPCEが全長10.98m(ホイールベース5.57m)である。エンジンはそれまでトラック専用であったP11C-TI (250ps) を搭載、トランスミッションはZF製オートマチックトランスミッション"ECOMAT"を採用している。なお、先行販売されたロットは側面後部の非常口窓周り(右側)と冷却水給水口周り(左側)が樹脂製パーツでブラックアウトされていない点で識別できる[3]

また、車体後部にドアを設けた3ドア仕様も存在しており、神戸市バス南海バスに導入された。

CNGノンステップバス

テンプレート:節stub このノンステップバスで初めて設定されたCNG車(KC-HU2PMCE改)は東京都交通局に1台だけ導入された(局番N-F463→S-F463)。2000年3月、北営業所に新製配置され、2011年2月に深川営業所に転籍。2012年12月に除籍となり、消滅した。

HIMR

1991年に本格的な電気ディーゼルハイブリッドバスとして、HIMR(ハイエムアール)が試作される。公営交通などで試験運行が行われ、1994年からは正式発売された。エンジンは通常のHT/HU2M系と同じM10U型を用いていた。当初改造扱いのため、「U-HT2MLA改」と型式末尾に「改」の文字が入り、型式指定を受けた後はU-HT2MLAHとなった。

1995年にHIMRは平成6年排出ガス規制適合に併せ第二世代へ移行し、中型用エンジンを用いたバスに変更された。従来の大型車と共通のM10U型エンジンから、中型車用のJ08C型 (240ps) に過給器を取り付け使用している。そのため、エンジンは垂直シリンダー型となり、型式もKC-RU1JLCH(ホイールベース4.8m)/RU1JMCH(同5.2m)/RU1JPCH(同5.67m。足利工業大学のスクールバス用として1999年に1台のみ納入)となった。

なお、関東バスでは全国で唯一、富士重工7Eの車体を架装したHIMRを2台所有していた(2008年7月までに除籍、1台が岩手県交通に移籍後2010年12月廃車済)。また、阪急バスでは全国で唯一、HIMRに西日本車体工業製の車体(58MCおよび96MC)を架装している。

9m大型バス

テンプレート:BusModelImage2ブルーリボンシリーズの全長9m、車体幅2.5mの9m大型バスは1984年にRD系の後継としてRK系(型式: P-RK172AA)が登場する。RK系は中型車レインボーRJ系のシャーシ(車輪やサスペンションなど)を広げて用い、9m大型バスというより2.5m幅中型バスという方が正しいバスであった。RU17系登場後も、1990年まで設定された。エンジンは中型車用のH07C型 (175ps) を用いている。

1986年にRT/RU17系(型式: P-RT174AA/P-RU174AA)が登場する。シャーシは通常の大型車の物を使い、エンジンはRK系と同じ中型車用のH07C型 (180ps) を用いている。RT/RU17系は平成元年排出ガス規制 (U-) にあわせて1990年にRU3H系(型式: U-RU3HJAA)に変更される。リーフサスの設定が無くなり、エアサスのみの設定になる。エンジンは中型車と共通のH07D型 (195ps) を用いている。

さらに、RU3H系は1995年に平成6年排ガス規制にあわせ、RU1J系(型式: KC-RU1JJCA)に変更される。エンジンは排ガス規制に適合したJ08C〈j-ii〉型 (215ps) に変更された。この世代に作られたRU1J系で、1996年秋に北海道中央バスに納入された車両には、富士製路線ボディー(17E系)を架装した車両が1台のみ存在している。

2000年の平成11年排ガス規制適合に際しては、大型車に併せてボディスタイルの変更が行われ、ブルーリボンシティの車体デザインとなった。型式はKL-HU1JJEAとなり、エンジンはそのままJ08C型が搭載され垂直配置にもかかわらずHUとなった。ツーステップ車のみの設定で交通バリアフリー法への適合が行われず、自家用も含め2002年で製造中止となった。路線車向けの車両も、北海道中央バスが十数台程導入した程度である。

輸出先での使用例

タイでは、HU3系シャーシに国内車体メーカー製のバスボディ(冷房付き・非ワンマン仕様)を架装し、バンコク大量輸送公社BMTA)によりバンコク都市圏で路線バスとして使用されている。

ブルーリボンシティ

ブルーリボンシティ (Blue Ribbon City) は、2000年6月にブルーリボンHT/HU2M系とHT/HU3K系に平成11年排ガス規制適合を行い、1985年に続いて二度目となる大幅なマイナーチェンジをする形で登場。バス愛好家などからは省略して、BRCやブルシチなどと呼ばれている。ここでは、どのモデルにも共通する事項、及び初期に路線車としてもごくわずか製造されたツーステップモデルについてのみ述べ、ノンステップモデル・ワンステップモデルについては#フルノンステップバス#ワンステップバスにて述べる。

車種は路線車としてはノンステップバスワンステップバスが設定されている。ツーステップバス名古屋ガイドウェイバスちばフラワーバス阪神電鉄(阪神の車両は板バネ、前後扉)、南国交通など向けに初期に路線車として製造されたが、2002年以降は自家用および高速用にのみ納入されている。なお、名古屋ガイドウェイバスはリフト付も導入。

HT/HU2M系からのモデルチェンジ内容は前面形状およびエンジンの変更である。

車体の前面下部のドア側に今までオプション扱いだった小窓(視野拡大窓・セイフティウィンドウ)が標準装備され、今までの直線的な形状からセレガRを連想させる曲線の多い形状になったため、バンパーとヘッドライトが一体化され、外部ドアコックがナンバープレートの裏に設置されている。前面下部以外の変化はHT/HU2M系から、ほとんどされていない。

フルノンステップバス

テンプレート:BusModelImage2 ブルーリボンノンステップの登場から2年あまりの2000年に排ガス規制に併せて改良が行われた。登場から2年あまりのため、駆動系などの構造面では大きな変更は行われず車体の一部の改良にとどまり、他のブルーリボンのワンステップバスモデルなどと共通で前面下部の変更が行われ、セイフティウインドウが標準装備となった。型式はKL-HU2PMEEがホイールベース5.11m、KL-HU2PPEEがホイールベース5.57mで、エンジンは排ガス規制対応以外は前モデルから変化無く、P11C-TI〈pt-i〉 (250PS) を車体の最後部に垂直横置きで搭載している。なお、トランスミッションも変更はなされずZF製オートマチックトランスミッション"ECOMAT"の採用となっている他、面後部の非常口窓周り(右側)と冷却水給水口周り(左側)も引き続き樹脂製パーツでブラックアウトされている[3]

燃料電池車"FCHV-BUS"や、2005年日本国際博覧会協会IMTS-00系気動車のベース車にもなっている。

ワンステップバス

テンプレート:BusModelImage2 エンジンは従来のM10U型とK13U型が排ガス規制に対応できなくなったため、従来ノンステップバスに使われていたP11C型が、垂直縦置き搭載されている。P11C-TI〈PT-I〉型は排気量10.5L、出力250psの過給器付きエンジンである。

垂直搭載されたため、車体後部にデッドスペースが生じているが、エンジンの小型化により、車内へのエンジンの張り出しはそれほど大きくない。日野自動車としては低床化が進んだため、水平式のリアアンダーフロアエンジンのメリットが薄れたとして、垂直式エンジンをRT/RU系以来久々に路線バスに採用した。

なお、HT/HU3K系に対応する高出力エンジンとして、過給圧を変更した最高出力300psのP11C-TI〈pt-v〉型が用意されている。

型式はKL-HU2P*EAとなり、エンジンが垂直配置にもかかわらずHT/HU系となった。また、ホイルベースはHT/HU2M系から変わり、HU2PLが4.8m、HU2PMが5.2m、HU2PRが5.915mとなった。

2005年1月のブルーリボンIIの設定後も生産されていたが、新短期排出ガス規制より2005年8月に次節で記述するハイブリッド車を除き製造を終了した。これはブルーリボンIIに高出力車、自家用車、教習車が2005年9月1日まで設定されていなかったためである。

CNG

テンプレート:節stub

CNG車(KL-HU2P*EE改)は、近鉄バス京阪バス名古屋市交通局南海バスに導入された。

HIMR/ハイブリッドシリーズ

HM-HU1J系

テンプレート:BusModelImage2 ブルーリボンシティへの移行から1年3ヶ月後の2001年9月、HIMR車もラインアップされた。エンジンは前モデル (KC-) に引き続きJ08C-1M型(TI付、240PS)を搭載するが、型式が再びHUに戻された。本モデルよりワンステップバス化(フロア高555mm)され、さらに、内板色、シート配置、室内灯、握り棒等にノンステップバス標準化仕様がいち早く採用された。

型式はWB4.8m車がHM-HU1JLEP、WB5.2m車がHM-HU1JMEPである。 テンプレート:-

ACG/BJG-HU8J系

テンプレート:BusModelImage2 2005年1月、ブルーリボンシティHIMRはノンステップバスへと進化し、セレガRとともにHIMRから「ハイブリッドバス」へと名称変更した(現在は「ブルーリボンシティ ハイブリッドシリーズ」となっている)。バッテリーをトヨタ・プリウスニッケル水素電池(4基)に変更、インバータユニットを小型化し、これらを屋根上へ搭載することにより、前輪から中扉間のノンステップ化が実現、CNGノンステップ車がヒントに屋根上にバッテリーを搭載した。エンジンは7,700ccのJ08E-1M型(TI付、240PS)に変更され、平成17年新長期排出ガス規制に適合している。ハイブリッド車以外のブルーリボンシティが生産中止となった現在でも、ジェイ・バス小松事業所で引き続き継続生産されている。なお、2006年生産分から国土交通省2005年以降標準仕様ノンステップバス認定制度に適合(標準仕様ノンステップバス認定ステッカーが緑色になっている)し、さらに、灯火器具の保安基準の変更によりボディ側面に反射器が取り付けられ、リアコンビネーションランプの位置がバンパー直上に変更されている。車内は後部を段上げとしてワンステップ車同様中ドアより後ろは5列を確保、ACG-車とBJG-車では最後列の座席中央に大型の肘掛けが備わって4席となる(通常は5席)。

また、2007年7月18日には、平成27年重量車燃費基準に適合した車種へとマイナーチェンジされた。

型式は重量車燃費基準達成以前のWB4.8m車がACG-HU8JLFP、WB5.2m車がACG-HU8JMFP、重量車燃費基準達成以降のWB4.8m車がBJG-HU8JLFP、WB5.2m車がBJG-HU8JMFPである。

テンプレート:-

LJG-HU8J系

テンプレート:BusModelImage2 2010年6月15日から平成21年排出ガス規制に適合させるためマイナーチェンジが施され、型式はHU8J*GPで発売。エンジンはJ08E-1Mのままだが、同時期に改良されたレンジャー(LKG-車)同様エアループ技術を採用、各部の改良が施されて最高出力は206kW(280PS)に引き上げられる。外見では冷房コンプレッサーが電動式に改められて屋根上の本体に組み込まれたことで冷房の筐体が大型化、ホイールが8スタッドボルトからISO対応10スタッドボルトに変更される。また車内は最後部の座席が2+2人掛けから5人掛けに変更される[4]

ファイル:Tobus L-T279 and V-V303 BRC-Hybrid.jpg
BJG-車(前)とLJG-車(後ろ)の比較
LJG-車は冷房の筐体が大型化されている

車両本体価格は10.9m(ホイールベース5.2m)車で2949万円まで引き下げられ、2010年6月時点で450台以上が販売されている[4]。2012年4月に名古屋ガイドウェイバスにリフト付きツーステップ仕様が納入された。

型式はWB4.8m車がLJG-HU8JLGP、WB5.2m車がLJG-HU8JMGPである。

LNG-HU8J系(現行車種)

テンプレート:BusModelImage2 2012年5月10日に一部マイナーチェンジが施された。変更点は、燃費基準を+5%達成した他、2012年7月のシートおよびシートベルトに関する保安基準の改正や新ワンマンバス構造要件に適合などの変更がされている。LJG代との識別は非常に困難であるため、リアウィンドウの「平成27年度燃費基準+5%達成車」のステッカーの有無でしか識別できない。なお、いすゞ側はエルガハイブリッドが発売されているため、この車種は販売されていない。車両本体価格は10.9m(ホイールベース5.2m)車で2970万円で21万円値上げされている[5]。このモデルには、案内輪などを装備するため、構造上ノンステップ化が不可能とされている名古屋ガイドウェイバスの専用車両としてリフト付ツーステップ化を施した車両が製造されている。

型式はWB4.8m車がLNG-HU8JLGP、WB5.2m車がLNG-HU8JMGPである。

IPTハイブリッドバス(非接触給電システム)

IPTハイブリッドバスはあらかじめ路面に供給コイルを備え付け、その上に停車した車両が車両床下に搭載した車載コイルを通じて給電を行う方式のハイブリッドバスである。IPTはInductive Power Transferの略で日本語では「非接触大電力充電」や「非接触給電システム」などと訳される。

国土交通省の推進する「次世代低公害車開発・実用化促進プロジェクト」の一環であり、同システムを用いた大型観光バス・セレガ2004年の第38回東京モーターショーに出品されているが[6]停留所の間隔が短く、かつ決まった場所に停車する市街地の路線バスに適したシステムであり、現在は路線バス中心で開発が進められている。実際には走行に必要なエネルギーを全て電気でまかなうことを目標とし、排出ガスの大幅な低減が期待されている。

2008年の洞爺湖サミットを控え、データリサーチおよび低公害車への取り組みを各国へアピールすることを目的に、日本空港ビルデング羽田京急バスに委託して運行する羽田空港ターミナル間無料連絡バスにおいて2008年2月15日から同年2月29日まで試験走行が行われた[7][8]。2008年7月の洞爺湖サミットでは国際メディアセンターのシャトルバスとして活躍、10月16・17日には国土交通省主催で上高地での試験走行を行った。

2009年には2016年夏季オリンピック招致活動の一環として、東京都交通局に貸与して都営バス深川営業所の都05系統「グリーンアローズ」(東京駅 - 銀座4丁目 - 晴海埠頭)で4月13日から4月27日まで試験走行を行った[9]

また6月6日・7日には横浜赤レンガ倉庫で開催された低公害車のイベント「エコカーワールド」に出展、桜木町駅からのシャトルバスを兼ねた試乗車を務めた[10]

2011年には車体側面にも車載コイルを装着した試作車が登場、こちらも都営バスに貸与され、深川営業所の都05系統で1月31日から2月14日の平日に実証運行を行い、東京駅と晴海埠頭に給電コイルを仮設した[11]。2011年12月2日から12月18日には内外装を改めた車両が登場、三度都営バス深川営業所に貸与されて貸切扱いで豊洲駅から東京ビッグサイトの間で実証運行を行い、東京ビッグサイトに給電コイルを仮設した[12]。今後は他の場所での運行も検討されている[13]

羽田空港および都営バスで試験走行に供されていた車両では、モーターで走行する領域を広げるべく、屋根上の二次電池をニッケル水素電池からリチウムイオン電池(512ボルト・容量80Ah)に、エンジンはJ08E型177kw(240PS)からリエッセのJ05D型132kW(180PS)に変更されている。また客室に機器を増設したため後部の座席が6席減少している。

燃料電池バス

テンプレート:Main テンプレート:BusModelImage KL-HU2PMをベースに親会社であるトヨタ自動車と共同開発したもの。 試作型・初期型・現行型と三種類の仕様があり現行型は2005年日本国際博覧会(愛・地球博)の長久手会場と瀬戸会場を結ぶシャトルバスとして8台(実際には何らかの事情で9台)が製作された。万博閉幕後の現在も、使用されている。また、前面や客室は日野・セレガ(2代目)に似た形状の車両も制作されている。

ブルーリボンII

テンプレート:BusModelImage2 ブルーリボンII (Blue Ribbon II) は、日野自動車いすゞ自動車の合弁会社・ジェイ・バスが製造し、日野自動車が販売している路線用・自家用の大型路線バス。設計・開発はいすゞ側が行っており、同社のエルガとの統合車種となっている。

これは、両社のバス事業製造事業が統合されたことに伴うもので、バスの製造は一部の例外を除き、いすゞ・日野の合同資本であるジェイバスの宇都宮事業所(旧いすゞバス製造)で行われている。

エルガとは細かな仕様の違いはあるものの、ほとんど同一の車種であることから、シリーズそのものの詳しい説明や車種ごとにおける共通の変更点(エンジン・トランスミッションなど)はいすゞ・エルガに任せ、ここではブルーリボンIIとしての記述に特化させることにする。

なお、これまでエルガのCNGノンステップバスのみ供給されたことがない[14]

KL-KV280系

詳しい車種説明は、いすゞ・エルガ#KL-LV280/380系を参照。 テンプレート:BusModelImage2 2004年8月より供給が開始された、いすゞ・エルガ・KL-LV280系のOEM供給車。この車種の時点では、供給はディーゼル車のノンステップバスのみにとどまった。また、この時点ではエルガとの統合車種ではなく、エルガのOEM供給車という扱いになる。

このノンステップバスは、前扉から中扉のみをノンステップとし、ワンステップバスと構造を共通化してコストを削減したモデル(エルガでのtype-A)であり、日野自動車には同様の車種が存在していなかったことから、OEM供給が行われた。

エルガとは外観や仕様はほぼ同一であり、エンブレムの取付がされていない場合は外観のみでの判別は困難である。また、車内の銘板も「ISUZU」になっている。

PJ-KV234系が発売された後も2005年8月31日まで発売されていた。

型式は以下のとおり。すべてエアサス車である。

WB4.8m WB5.3m
KL-KV280L1改 KL-KV280N1改

PJ-KV234系

詳しい車種説明は、いすゞ・エルガ#PJ-LV234系を参照。 テンプレート:BusModelImage2 2004年12月21日にいすゞからPJ-LV234系が発売されたが、やや遅れて日野からも2005年1月14日にPJ-KV系が発売された。この代からブルーリボンIIはエルガとの統合車種という位置づけになり、CNGノンステップバスを除いたノンステップバス・ワンステップバス・ツーステップバス[15]が供給されるようになった。また、エルガに設定されている高出力車や教習車のラインナップも後日新たに設定されている。

外観・仕様に関してはやはりエルガとほぼ同一であり判別が困難であるが、ステアリングのロゴ[16]で判別できるほか、このモデルより車内の銘板が「日野自動車」になっている。新短期規制(平成16年排出ガス規制)に適合しており、平成12年排出ガス規制に対して粒子状物質75%低減レベル車となっていて、超低PM車(☆☆☆適合)となっている。

型式は以下のとおり。すべてエアサス車である。 テンプレート:-

  WB4.8m WB5.3m WB5.8m
ノンステップ PJ-KV234L1 PJ-KV234N1
ワンステップ
ツーステップ
PJ-KV234L1 PJ-KV234N1 PJ-KV234Q1

PKG-/PDG-KV234系

詳しい車種説明は、いすゞ・エルガ#PKG-/PDG-LV234系を参照。 テンプレート:BusModelImage2 2007年2月22日より、いすゞ・エルガのPKG-/PDG-LV234系とともに新長期規制(平成17年排出ガス規制)適合車、PKG-/PDG-KV234系の発売が開始された。一部の車種は平成27年燃費基準に適合しており、自動車取得税の控除を受けることができる。同年8月29日には、高出力車とツーステップ(自家用・教習車のみ)の設定が追加された。

発売はされたものの、PJ-KV234系が同年8月31日まで発売可能であったことから、それ以後に多く生産が行われ、実際に当型式の導入第1号は8月初頭から運行を開始した、都営バスのL-R595 (PKG-KV234L2) となった[17]。しかし、都営バスは同時期にこのPKG-KV234L2を102台投入し[18]、短期間で大量に製造が行われた。

ラインナップが多く、燃費が各々異なるため、燃費基準達成車と非達成車が混在している。これらはホイールベースのほか、トランスミッション (5MT・6MT・5AT) や仕様の違い(路線仕様および自家用仕様)等により決定される。

基本的な部分はエルガに準じているが、今回は2008年実施の灯火器保安基準改正および2009年適用予定のECE基準に適合されるべく、ヘッドランプ・フォグランプ・コーナリングランプのデザインを変更した。特に、ヘッドランプは、従来の縦2段の角型4灯から、角型2灯に変更され見た目が変わった。いすゞ・エルガは従来通りの縦2段角型4灯を継続しているため、従来と異なり外観での区別もしやすくなった。

南海バスには改造によるCNGノンステップバスが存在する。同車はいすゞ・エルガのCNGノンステップバスと異なり、CNGタンクが車両後方の屋根(エルガは車両前方)に設置されているのが外観上の特徴である。

型式は以下のとおり。すべてエアサス車で、燃費基準達成車が「PKG-」、非達成車が「PDG-」となる。

  WB4.8m WB5.3m WB5.8m
ノンステップ PKG-KV234L2
PDG-KV234L2
PKG-KV234N2
PDG-KV234N2
ワンステップ
ツーステップ
PKG-KV234L2
PDG-KV234L2
PKG-KV234N2
PDG-KV234N2
PKG-KV234Q2
PDG-KV234Q2

LKG-/LDG-KV234系

詳しい車種説明は、いすゞ・エルガ#LKG-/LDG-LV234系を参照。 テンプレート:BusModelImage2 2010年8月5日発売開始。エルガ同様、排気ガス浄化装置の改良と尿素SCRシステムの採用により、平成21年排出ガス規制(ポスト新長期規制)適合し、併せてエンジンとトランスミッションの改良により燃費性能を改良し、平成27年燃費基準達成車の設定を拡大させている。また今回のマイナーチェンジよりABSが路線系全車に標準装備されている[19]

なお、エンジンがいすゞ製であるため、セレガやブルーリボンシティハイブリッドなど他の日野車で用いられている環境技術「Air Loop」の名称は用いられていない。

型式は以下のとおり。すべてエアサス車で、燃費基準達成車が「LKG-」、非達成車が「LDG-」となる。

  WB4.8m WB5.3m WB5.8m
ノンステップ LKG-KV234L3
LDG-KV234L3
LKG-KV234N3
LDG-KV234N3
ワンステップ
ツーステップ
LKG-KV234L3
LDG-KV234L3
LKG-KV234N3
LDG-KV234N3
LKG-KV234Q3
LDG-KV234Q3

QPG-/QKG-/QDG-KV234系(現行車種)

詳しい車種説明は、いすゞ・エルガ#QPG-/QKG-/QDG-LV234系(現行車種)を参照。 テンプレート:BusModelImage2 2012年4月発売開始。新エコカー減税対応により、排出ガス規制記号を変更。 2012年6月、新保安基準・新ワンマンバス構造要件に対応し発売。MT車は平成27年燃費基準より5%向上した他、平成21年基準低排出ガス車認定を取得している。また、2012年7月から適用される新ワンマンバス構造要件(中扉開時の動力伝達カット装置標準装備など)にも適合している[20]。今回のマイナーチェンジでは、開発を担当しているいすゞが発売しているいすゞ・エルガよりも先行発売されることになった。このモデルよりエルガ同様、教習車の設定がなくなった。

型式は以下のとおり。すべてエアサス車で、燃費基準達成車が「QPG-」または「QKG-」、非達成車が「QDG-」となる。

  WB4.8m WB5.3m WB5.8m
ノンステップ QPG-KV234L3
QKG-KV234L3
QDG-KV234L3
QPG-KV234N3
QKG-KV234N3
QDG-KV234N3
ワンステップ
ツーステップ
QPG-KV234L3
QKG-KV234L3
QDG-KV234L3
QPG-KV234N3
QKG-KV234N3
QDG-KV234N3
QPG-KV234Q3
QKG-KV234Q3
QDG-KV234Q3

教習車

テンプレート:See

西日本車体工業架装車

ほとんどの車両は、ジェイ・バス宇都宮事業所で製造されていて、純正ボディーとなっているが、一部には西日本車体工業で架装されている車両が存在する。

日野自動車は、ジェイ・バスいすゞバス製造日野車体工業を吸収合併した2004年頃から西日本車体工業への架装を取りやめているが、当車種はいすゞ側が開発・設計を行っているためか、エルガでも西日本車体工業ボディの架装が再開された2006年頃からブルーリボンでの西日本車体工業架装車が登場し、2010年に西日本車体工業が解散するまで製造された。架装されている車種に関しては、西日本車体工業#2003年4月以降に日産ディーゼル以外にボディ架装を行った例を参照のこと。

型式

ここでは、K-RT223AA P-HT235BA U-HU2MPAAのような、型式つけ方について説明する。なお、ブルーリボンIIはいすゞの型式のつけ方を踏襲しているので、本項の解説の対象外である。(詳細はいすゞ・エルガを参照)

  • 排気ガス規制 P-HT235BA
    K-
    昭和54年排出ガス規制
    P-
    昭和58年排出ガス規制
    U-
    平成元年排出ガス規制
    KC-
    平成6年排出ガス規制
    KL-
    平成11年排出ガス規制
    HM-
    平成11年排出ガス規制(ハイブリッド車)
    ACG-
    平成17年排出ガス規制(低排出ガス認定無し・重量車燃費基準未達成ハイブリッド車)
    BJG-
    平成17年排出ガス規制(NOx10+PM10認定・重量車燃費基準達成ハイブリッド車)
  • エンジン配置 P-HT235BA
    RT/RU
    垂直配置
    HT/HU
    水平配置
  • サスペンション P-HT235BA
    HT/RT
    リーフサス(板バネ)
    HU/RU
    エアサス
  • エンジン P-HT235BA
    RT22
    EM100型
    HT22
    ER200型
    HT27
    EK200型
    HT23/2M
    M10U型
    HT3K
    K13U型
    RU1J
    J08C〈jt-iii〉型 (HIMR)
    RU1J
    J08C〈j-ii〉型(ショート車)
    RU17/RK17
    H07C型(ショート車)
    RU3H
    H07D型(ショート車)
    HU1J
    J08C-1M型 (HIMR)
    HU8J
    J08E-1M型(ハイブリッド)
  • ホイルベース P-HT235BA U-HU2MPAA
    • RT/RU22系・HT/HU22系・HT/HU23系・HT/HU27系
      2
      4.2m(ショート車)
      4
      4.4m(ショート車)
      3
      4.8m
      5
      5.2m
      7
      5.67m
    • HT/HU2M系・HT/HU3K系・RU1J系
      J
      4.4m(ショート車)
      L
      4.8m
      M
      5.2m
      P
      5.67m
  • ブレーキ・前輪サスペンション(すべて前輪車軸懸架) P-HT235BA
    • RT/RU22系・HT/HU22系・HT/HU23系・HT/HU27系
      AA
      初期生産型・フルエアブレーキ
      BA
      改良生産型・エアオーバーブレーキ
    • HT/HU2M系・HT/HU3K系・RU1J系
      AA
      平成元年排出ガス規制適合車・エアオーバーブレーキ
      CA
      平成6年排出ガス規制適合車・エアオーバーブレーキ
      AH
      HT/HU2M系HIMR
      CH
      RU1J系HIMR
      EP
      ハイブリッド・空気油圧複合式
      FP
      ハイブリッド・空気式

注: リフト付き超低床バスを除く

ブルーリボンカラー

センターアンダーフロアエンジンバスのデモストレーションカラー(メーカーのカタログ撮影車塗装)が、各地のバス事業者で採用され、ブルーリボンカラーなどと呼ばれている。

白にしま模様の青帯が描かれている塗装で、現在でも国際興業グループのバス事業者(岩手県交通山梨交通秋北バスなど)の高速・貸切色で採用されている[21]。また、ブルーリボンカラーをアレンジした塗装も、十勝バス仙台市交通局などで見られる。

また、富山地方鉄道(旧色、在籍車有り)、北海道北見バス斜里バス網走交通茨城観光自動車(廃業)などでもかつてブルーリボンカラーが採用されていた。

関連項目

テンプレート:Sister

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク


テンプレート:Car-stub テンプレート:自動車
  1. 国内の戦前の例ではトレーラーバス用のスミダ・BT型トラクタがある。
  2. 当初は高出力の短尺車と低出力のHU長尺車の設定はなかった。
  3. 3.0 3.1 遠州鉄道では、ブルーリボン(量産車)・ブルーリボンシティともにブラックアウトではなく、金属パーツでシルバーアウトされている。そのため同社のブルーリボン試作車(すでに廃車)とブルーリボン量産車は似た外観となっている。
  4. 4.0 4.1 テンプレート:Cite press release
  5. テンプレート:Cite press release
  6. 第38回東京モーターショー・日野スペシャルサイト
  7. 日刊自動車新聞2007年11月19日付け
  8. 国土交通省による、IPTハイブリッドバス試験運行のプレスリリース
  9. 東京都交通局「非接触給電ハイブリッドバスが都営バスとして走行します」2009年4月6日付け
  10. 環境再生保全機構・エコカーワールド公式サイト 出展車両紹介/電気自動車
  11. 東京都交通局「非接触給電ハイブリッドバスの実証運行概要について」2011年1月24日付け
  12. 日野自動車「非接触給電ハイブリッドバス実証運行実施のお知らせ」2011年11月30日付け
  13. 日刊自動車新聞2008年1月17日付け
  14. ただし、ブルーリボンIIを改造したCNGノンステップバスは存在する。
  15. ツーステップバスに限り後日発売開始
  16. エルガは「ISUZU」になっているのに対し当モデルは「HINO」になっている。
  17. 都バスの新車導入が始まります(平成19年度分)
  18. ぽると出版「年鑑バスラマ2007→2008」P16より
  19. テンプレート:Cite press release
  20. テンプレート:Cite press release
  21. 国際興業で採用されているカラーリングは買収した神戸タクシーが採用していたカラーリングを社長が気に入ってグループ全体で採用された。国際興業ではグループ会社の関係上一部を除きいすゞ自動車製のが導入されている。