電車とバスの博物館

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

テンプレート:博物館

電車とバスの博物館(でんしゃとバスのはくぶつかん)は、東京急行電鉄が運営する鉄道保存展示施設神奈川県川崎市宮前区にある。最寄駅は東急田園都市線宮崎台駅で、田園都市線高架下に建物があり、入口のひとつは改札前にある。

バス関連の保存・展示もあり、それに加えて、電車モハ5108090系)やバスの運転、飛行機 (YS-11) の操縦をそれぞれ体験できるシミュレータが設置されている。

入館料・休館日

  • 入館料:大人(高校生以上)100円 子供(小中学生)50円 6歳未満無料
  • 団体(25名以上):大人50円 中学生以下無料
  • 開館時間:平日・土曜日10:00~17:00 日曜日・祝日9:30~17:00(いずれも入館は16:10まで)
  • 休館日:毎週月曜日(ただし、祝日の場合は翌平日)、年末年始(12/29~1/3)入場券乗車券を模したものになっており、自動券売機で入場券を購入し、入出場するときは自動改札機を通る。なお、当日の再入場が可能で、館外へ出るときに入場券を改札機に入れると入場券が出てくるので、再入場時はその券を再び自動改札機に通すと入場できる。しかし、出場の際に入場券を取り忘れて改札を抜けると警告を発し、数秒後に自動的に回収されてしまう。

歴史

  • 1982年昭和57年)4月3日 - 東急創立60年を記念して川崎市高津区高津駅高架下に開館。入場料は大人・子供ともに10円。
  • 1991年平成3年)- 二子玉川寄りに3号館を開設しホール・図書室・売店を移設。東急コーチとYS-11のフライトシミュレータを新設、高津駅前に展示されていたデハ204を休憩所として開放。8090系シミュレータと背中合わせに配置されていたモハ517号車カットボディの向きを変え運転シミュレータ化。
  • 2002年(平成14年)9月1日 - 田園都市線複々線化工事に伴う移転のため休館。
  • 2003年(平成15年)3月21日 - 現在地に移転し再開、財団法人東急弘潤会(当時)の建物の一部をイベント館として使用。リニューアルオープン。キャラクターの数も増えた。同時に入場料を値上げ。8090系シミュレータの映像を更新。
  • 2009年(平成21年)2月24日 - 8090系シミュレータの映像を再度更新。
  • 2012年(平成24年)8月20日 - 高架橋の耐震補強工事のため2013年4月末まで東出入口と博物館の一部を閉鎖[1]

展示物

電車

屋内に展示されており、休憩室として開放されている。同車は廃車後多摩川園で保存されていたが同遊園地の廃止に伴い高津駅の高架下改札前に移設(当時は電車とバスの博物館開館前)、下記のモハ510展示に際し館内3号館に移設された。
デハ3450を1989年に復元、イベント館に展示されている。高津時代は改札前(元々デハ204が展示されていた箇所)に展示され、車内非公開であったが移転後車内も公開されるようになった。
制御装置と台車とのセットで展示されており、マスコンハンドルを動かすとモーターが回り、ブレーキハンドルを動かすとブレーキシリンダーが作動する。
また、パンタグラフの上下操作ができるほか、車内放送マイクが設置されており車掌体験もできる。
  • モハ510形モハ517運転シミュレータ(カットボディ)
上記デハ3456をカットボディにした際に余剰となった後部を復元したもの(モハ517はデハ3456の製造時の車両番号)である。田園都市線つきみ野鷺沼間が収録されており、落成当時の内装を再現したため運転席に速度計がない。収録映像は1989年頃のもの。
開館当初はシミュレータではなく、高津時代のリニューアルに際しシミュレータに変更された。
  • 8090系クハ8090運転シミュレータ(レプリカ)
2009年2月24日音楽館によってリニューアルされた。
田園都市線中央林間二子玉川間が収録されている。映像は2008年7月に大井町線8500系にて収録。
方向幕は二子玉川の旧称である「二子玉川園」が表示されている。
実車に合わせCS-ATCを模擬しているが、シミュレータ運転台は落成当時のままとし、前方右側にキャブシグナル付き速度計をモニタで表示させている。また、マスコンから手を離すとデッドマン装置が作動し、非常ブレーキがかかる。
※以下はリニューアル前の説明
田園都市線長津田二子玉川間が収録されていた。映像は東武線直通運転開始直前(平成14年11月)に田園都市線8500系にて収録。
方向幕は二子玉川の旧称である「二子玉川園」が表示されていた。
高津時代には東横線も収録されていて、定期的に田園都市線と東横線を切り替えていた。またこのシミュレータを使用して現職の運転士が運転技術を審査する運転コンテストも開催されていた。
実車はATC搭載のため計器類が変更されているが、シミュレータは落成当時のままであった。

バス

ファイル:Tokyu Bus K6501 Tokyu Coach 1st fleet.jpg
東急コーチ(シミュレータ)
後部の床が透明になっていて、エンジンや足回りの構造が見られるようになっている。また、方向幕や放送装置、降車ブザーおよび降車口ドア(安全のためそこからの乗り降りはできない)を操作することができる。
1975年(昭和50年)の自由が丘線開設時に導入された車。運転シミュレータとして活用されており、地元の鷺沼線(宮崎台駅鷺沼駅間)が収録されている。運転結果はコンピュータで診断の上採点される。

2007年7月にゲーム的な採点方式へ変更されたが、映像は以前と同じのまま。

フリー乗降区間用のバスポールも展示されている。

これらの2台は高津から展示物を移設する際に仮ナンバーを取得して自力走行で移動しており、図書室のビデオでその記録映像が鑑賞できる。

飛行機

ファイル:Denshatobus ys11.jpg
YS-11(シミュレータ)
飛行機が展示されているのは、東京急行電鉄が日本エアシステム(現・日本航空)の親会社であったことに由来する。
イベント館に展示されており、東亜国内航空時代の白地に赤と緑の塗装が再現されている。1988年1月10日米子空港にてオーバーラン事故を起こし登録を抹消された機体である。高津時代はリニューアルによって3号館に設置された。

その他

HOゲージ模型電車の運転

ワンハンドルマスコン式とツーハンドルマスコン式の2つがあり、車両(1000系がモデル)の先端にカメラが設置され、モニターを通して運転台からの走行風景を見ることができる。高津時代は東横線を模していたが、移転後は田園都市線になった。駅は渋谷、梶が谷、長津田(高津時代は渋谷、元住吉、桜木町)の3駅で構成され、ダイヤによっては梶が谷(高津時代は元住吉)で急行通過待避を伴う場合がある。 ※現在はリニューアルされ、HOゲージ化・東横線の復活(運転できるのは田園都市線のみ)・駅の増設(宮崎台)・急行も運転可能(一部曜日は運転中止)となった。

高津駅旧駅舎の出札・改札の再現

昭和30~40年代の駅舎を再現。出札窓口の内部まで細かく再現されている。

踏切

入口前に設置されており、付近を田園都市線の急行電車が通過するときに警報が鳴動し遮断機が下りる。なお高津時代は屋内展示で、全列車に対し動作していた。

図書室

イベント館にあり、鉄道雑誌のバックナンバーや1970年代~80年代に刊行された鉄道関係の単行本、ビデオソフトが置かれており自由に閲覧できる。日祝日のみ開館。

出典

テンプレート:Reflist

外部リンク

  1. テンプレート:Cite web