新宮駅

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新宮駅(しんぐうえき)は、和歌山県新宮市徐福二丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)紀勢本線である。JRの境界駅の一つで、東海旅客鉄道(JR東海)の列車も乗り入れる。

概要

紀勢本線の運行上重要な役割を持つ駅で、紀勢本線は当駅を境にJR西日本の管轄(愛称:きのくに線)とJR東海の管轄に分かれており(当駅の管轄はJR西日本)、両会社の境界駅となっている。またJR東海が管轄する亀山駅方は非電化、JR西日本が管轄する和歌山市駅方が電化となっているので、その境目ともなっている。会社境界は、下り場内信号機である[1]

JR東海の運行する特急「南紀」のうち一部のみが名古屋駅から当駅を越えて紀伊勝浦駅まで運行されるが、その他の列車は当駅をまたいで運行される列車は設定されていない。

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の、あわせて2面3線を有する地上駅で、そのほかに側線も多く持っている。2つのホームは1本の地下道により結ばれており、単式ホームに接して大きな駅舎がある。駅舎内部の待合所と単式ホームにまたがって立ち食いうどん屋があった。この店舗のカウンターは改札の内外両方に設けられており、駅弁も販売していた。

駅の3番線側には側線があり紀勢本線を走るJR西日本やJR東海のさまざまな列車が留置される。この駅の1番線、一番三輪崎駅よりの脇にはJR西日本の新宮鉄道部があったが平成22年6月1日付けにて新宮列車区と部署名が改称され支社直轄となった。 駅舎は昭和27年(1952年)竣功、鉄筋コンクリート造り886平方メートルの建築物である。この駅舎は3代目で、前年に2代目の駅舎が火災により焼失したため、新しく建てられたものとなっている。駅舎は二階建てであるが、待合所や改札の部分などほとんどが吹き抜けとなっており、二階部分はごくわずかである。二階の、待合所すみの螺旋階段から上ったところには喫茶店がある。また駅舎の一階の自動切符売り場脇には駅舎に入居する新宮市観光協会の観光案内所への入口がある。

みどりの窓口が設置されており、駅レンタカー業務も行う。自動改札はないが近距離きっぷ自動券売機が3台設置されている。この3台の自動券売機にはJR西日本区間とJR東海区間を区別する機能は付いていないが、1・2号機発行の券面には「旅客会社線」と表示され、3号機発行の券面には「西日本会社線」と表示される。また、万一の急病人発生に備え自動体外式除細動器(AED)が1台設置されている。AEDに関しては迅速かつ適切に対応できるよう係員全員が講習と訓練を受けている。近年、子供を狙った犯罪から守るため「こども110番の駅」にも指定されている。

当駅は管理駅長が配置された直営駅であり、管理駅として当駅 - 見老津駅間の各駅を管轄している。トイレは、改札内・外に、設置されている。

新宮駅プラットホーム
ホーム 路線 行先 備考
1 テンプレート:Colorきのくに線 紀伊勝浦和歌山新大阪京都方面 「くろしお」は主にこのホーム
2・3 テンプレート:Colorきのくに線 紀伊勝浦・和歌山・新大阪・京都方面 一部の特急含む
テンプレート:Color紀勢本線 熊野市松阪名古屋方面

上表の路線名は旅客案内上の名称(「きのくに線」は愛称)で表記している。

駅弁

2014年6月時点では駅弁の取扱はない。以下は営業当時のデータである。

新宮駅構内では丸新(まるしん)が営業を行っている。この丸新は立ち食いそば屋と売店を兼ねた売店を新宮駅内に設けており、駅弁を購入することができる。この売店の店舗は、駅舎のホームと待合所にまたがる場所にある。改札内側では、1番線ホームから他のホームへ通じる地下道出入り口の脇、改札外側では待合所の隅に、それぞれカウンターがあるので、改札の内側と外側の両方にサービスを提供できるようになっている。

主な駅弁は下記の通り[2]

立ち食いそば屋はかつて天王寺駅発の夜行列車(いわゆる新宮夜行)が運行されていた頃はその到着時刻にあわせて5時から営業をしていたが、新宮夜行廃止後は一般的な時刻からの営業となっており、13時くらいに店を閉めてしまうこともある。

利用状況

1日の平均乗車人員は以下の通りである。[3]

乗車人員推移
年度 1日平均人数
1998 2,007
1999 1,963
2000 1,755
2001 1,700
2002 1,541
2003 1,447
2004 1,393
2005 1,382
2006 1,355
2007 1,285
2008 1,213
2009 1,115
2010 1,097
2011 958
2012 1,046

駅周辺

駅周辺は新宮の中心部で市役所なども近い。当駅を中心として新宮の市街地が広がっており、熊野速玉大社浮島の森など新宮の主な観光地も当駅から徒歩圏内に位置する。又、熊野本宮大社など、新宮駅からバスで行く観光地も多く存在しており、観光でも紀伊半島南部の拠点となる駅である。

以下に、新宮駅周辺の主な施設や観光地を列挙する。

名所・観光施設等

官公庁・公共施設

教育施設

その他施設等

バス路線

駅前広場が整備されており、バスなどが発着する。駅と道路を挟んだ向かい側には熊野交通の建物がある。駅前広場の一角には日本で最初に口語の唱歌を作詞した、新宮市出身の東くめの『鳩ぽっぽ』歌碑がある。

奈良交通
熊野交通
  • 特急バス 勝浦・本宮線(熊野古道アクセスバス)- 勝浦駅 行 / 本宮大社前 行
  • 新宮・潮岬線 - 串本駅潮岬
  • 新勝線 - 黒潮公園経由 / 市立医療センター経由 / 新翔高校前経由 勝浦駅 行
  • 川丈線 - 熊野本宮経由 本宮大社前・土河屋 行
  • 川丈線 - 川湯・湯の峰温泉経由 本宮大社前 行
  • 高田線 - 高田 行
  • 新宮小口線 - 小口 行
  • 市立医療センター線 - 近大新宮高校前 行 / 市立医療センター 行
  • 新宮市内線(こみゅにてぃばす)
  • 新宮市内線(ふれあいばす)
三重交通
明光バス
  • 熊野古道特急バス - 本宮大社前・白浜駅方面 古賀浦 行
紀宝町町民バス
  • 相野谷線 - 上桐原 行

西日本ジェイアールバスが五新線(新宮 - 熊野本宮 - 七色、奈良交通・熊野交通と一部乗車券共通扱い)を運行していたが、2002年3月廃止された。

歴史

ファイル:Shingu Station opening.jpg
開業風景 沿線住民が日の丸の旗を振っている
  • 1913年(大正 2年) 3月1日 - 新宮鉄道の駅(一般駅)として開業。当時路線は熊野地駅を経由し三輪崎駅へ至っていた。そのため当時は今とは位置が異なっており、今の位置より40mほど北方の熊野交通の事務所付近であったと推定されている。また、終着駅であった。
  • 1934年(昭和 9年) 7月1日 - 新宮鉄道が国有化、国有鉄道紀勢中線の駅となる。
  • 1938年(昭和13年)5月20日 - 現在地へ移転。それに伴い、熊野地駅を経由しない新線が開業。旧線の一部は当駅と熊野地駅を結ぶ貨物支線に転用された。
  • 1940年(昭和15年)8月8日 - 紀勢西線所属に変更。紀勢西線が紀伊木本駅まで開通。
  • 1951年(昭和26年)1月21日 - 2代目駅舎が焼失。[4]
  • 1952年(昭和27年)3月5日 - 3代目駅舎工事着工。[5]
  • 1952年(昭和27年)12月12日 - 3代目駅舎(現在のもの)が竣工。[5]
  • 1959年(昭和34年)7月15日 - 現行の紀勢本線の成立により、紀勢本線所属に変更。
  • 1982年(昭和57年)11月15日 - 熊野地駅までの貨物支線が廃止。
  • 1986年(昭和61年)11月1日 - 貨物営業廃止(旅客駅となる)。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、西日本旅客鉄道・東海旅客鉄道の駅となり、駅業務は西日本旅客鉄道に引継ぎ。
  • 2010年(平成22年)6月1日 - これまで新宮鉄道部の管轄駅であったが支社直轄に伴い管理駅となる。(管理範囲:新宮~見老津)

隣の駅

※特急「くろしお」「南紀」(「くろしお」は三輪崎方のみの運転)の隣の停車駅は各列車記事を参照のこと。

西日本旅客鉄道
テンプレート:Colorきのくに線(紀勢本線)
新宮駅 - 三輪崎駅
東海旅客鉄道
紀勢本線
鵜殿駅 - 新宮駅

かつて存在した路線

日本国有鉄道
紀勢本線貨物支線(1938年までの紀勢中線旧線)
新宮駅 - 熊野地駅

その他

  • かつて和歌山線五条駅と当駅を鉄道で結ぶ構想があった。テンプレート:Main
  • 特急利用すると1日目の駐車料金が無料になるパーク&ライドを実施中(限定3台)
  • 2011年3月11日までは和歌山方面の始発は5時半、終電は0時過ぎであった。当該列車は東北地方太平洋沖地震の津波警報で見合わせになったため、実際には終電は10日までの運行であった。現在は6時46分始発、23時28分が終着である。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

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  1. 熊野川橋梁と丹鶴トンネルの間が線路上の境界で分界標識が立っている。
  2. JR時刻表2010年8月号(交通新聞社刊)228ページ
  3. 『和歌山県統計年鑑』及び『和歌山県公共交通機関等資料集』
  4. 天王寺鉄道管理局三十年写真史P66に写真掲載
  5. 5.0 5.1 天王寺鉄道管理局三十年写真史P189(年表)