亀山駅 (三重県)

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ファイル:亀山駅.JPG
ホーム(2013年8月)
ファイル:紀勢本線起点.jpg
紀勢本線の起点を示すキロポスト(2007年9月)

亀山駅(かめやまえき)は、三重県亀山市御幸町にある、東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)のである。かつての乗車券面類には飾磨港線の駅と区別するため「(関)亀山」と印字されていた。

概要

名古屋駅名古屋市)とJR難波駅大阪市)を結ぶ関西本線と、当駅を起点とし紀伊半島を海沿いに走り和歌山市駅和歌山市)までを結ぶ紀勢本線の2路線の接続駅となっている。このうち関西本線を当駅の所属線[1]としている。かつては日本国有鉄道(国鉄)のみの管轄であったが、1987年4月の国鉄分割民営化によって当駅は会社間の境界駅となり、関西本線の名古屋方面と紀勢本線(新宮駅まで)がJR東海、関西本線の奈良方面がJR西日本に継承された。

駅構内には、JR東海の亀山運輸区と亀山変電所、JR西日本の亀山鉄道部と亀山指令所(大阪総合指令所の分所扱い)がある。国鉄時代は天王寺鉄道管理局の管轄であった。その後、1987年3月に名古屋鉄道管理局に移管され、民営化により、9つあるJR東海在来線のJR他社境界駅の中で唯一、JR東海の管轄駅となった。JR東海の駅長駅員配置駅(直営駅)で、管理駅として関西本線の南四日市駅 - 井田川駅間の各駅および紀勢本線の下庄駅を管理している。また、JR西日本の亀山鉄道部が駅構内に設置され、関西本線の関駅 - 笠置駅間の各駅を管理しており、当駅(亀山鉄道部)は当該区間の事実上の管理駅となっている。また、保安装置に関しても、JR東海は現在在来線全線でATS-PTを使用しているが、ATS-P車上装置を設置していないJR西日本キハ120形気動車が乗り入れる関係上当駅構内のみATS-STが使用されている。

駅舎は1913年(大正2年)11月3日竣工の二代目[2]で、天窓を付けるなど改修・増築しながら使用している。駅舎には同年の建物財産票が付けられている。駅舎とホームはJR東海の管理であり、本線上の会社境界は関西本線上り場内信号機であるが、構内にJR西日本の亀山鉄道部があるため、建物や車両留置線の一部はJR西日本が所有している。

かつては、機関区や客貨車区などが置かれた三重県内でも鉄道の要衝であり、名古屋方面・京都方面から来る多くの優等列車が、当駅を経由して伊勢南紀方面に向かっていた。しかし四日市 - 津間は当駅経由では大きく迂回するルートであり、また当駅の配線上スイッチバックを強いられるため、短絡ルートである国鉄伊勢線の建設が検討されるようになった。そして1973年に伊勢線が開通すると名古屋方面の優等列車の大半は同線経由となり、モータリゼーションの普及も加わって、徐々にローカル輸送へとシフトしていくことになった。伊勢線開通後も寝台特急「紀伊」は当駅経由で運行されていたが、1984年に廃止され当駅に停車する特急列車が消滅した。さらに京都方面からの急行列車も運賃と速度で勝る近鉄特急に客足を奪われ1987年に消滅した。そして2006年3月18日のダイヤ改正で急行「かすが」が廃止されたのを最後に、当駅に停車する優等列車が全て消滅した。かつて賑わっていたことを示すのが駅構内の広さであり、東西方向に1km以上に渡って続いている。

現在は快速列車普通列車のみの運行となっている。関西本線名古屋方面および奈良方面(現在は加茂駅で乗り換え)・紀勢本線の3方向での運行形態となっており、当駅をまたいで運転される列車は設定されていない。3方向とも日中は1時間に1本のみの運転である。なお、テンプレート:要出典範囲。かつて、奈良方面については線路の保守工事のため第2土曜日の日中に運休する列車があった。

歴史

テンプレート:出典の明記

ファイル:Kameyama Station old.jpg
大正初期の駅舎。現在も使用している
  • 1890年明治23年)12月25日 - 関西鉄道柘植 - 四日市間の開通にあわせて、同社の駅として開業する。(一般駅
  • 1891年(明治24年)8月21日 - 関西鉄道津支線が一身田駅まで開通する。
  • 1907年(明治40年)10月1日 - 関西鉄道が国有化され、国有鉄道の駅となる。
  • 1909年(明治42年)10月12日 - 線路名称が制定され、関西本線所属となる。また、旧・津支線は参宮線の一部となる。
  • 1910年(明治43年)11月16日 - 皇太子(後の大正天皇)が女子師範学校に行啓し、当駅にて下車する。
  • 1913年(大正2年)11月3日 - 二代目駅舎(現在のもの)竣工[2]
  • 1928年昭和3年)5月25日 - 駅構内に操車場(亀山操車場)が完成する。
  • 1932年(昭和7年)
    • 3月25日 - 省営バスが当駅と三雲駅との間で運行を開始する。
    • 12月25日 - 省営バスが当駅と草津駅との間で運行を開始する。
  • 1945年(昭和20年)8月 - 参宮線列車が当駅と下庄駅間にある阿野田トンネル付近で米軍艦載機の機銃掃射を受け、当駅に多数の遺体が安置される。
  • 1948年(昭和23年)7月9日 - 省営バスが当駅と関駅の間(白木経由)で運行を開始する。
  • 1951年(昭和26年)11月20日 - 昭和天皇が三重県内を巡幸し、郡民が駅前奉迎場にて奉迎する。
  • 1952年(昭和27年)4月1日 - 三重交通バスが亀山駅と白子間で運行を開始する。
  • 1956年(昭和31年)3月 - 国鉄バスが当駅と住山線の間で運行を開始する。
  • 1959年(昭和34年)
    • 5月1日 - 三重交通が亀山駅と草津の間に急行バスの運行を開始する。
    • 7月 - 紀勢本線が当駅と和歌山駅間で全通(同時に参宮線多気以北が紀勢本線に編入)に伴い、当駅構内にディーゼル機関車の車両基地が設置される。
  • 1961年(昭和36年)7月 - 亀山駅前広場拡張計画の一環として、駅前西丸線の駅前と国道1号間が開通する。
  • 1962年(昭和37年)7月 - 駅構内操車場地下道に蛍光灯が設置される。
  • 1965年(昭和40年)
    • 3月 - 駅前広場拡張・整備工事が竣工し、駅前広場が以前の3倍の広さとなる。
    • 8月 - 駅前広場が指定駐車場以外駐車禁止となる。
  • 1969年(昭和44年)10月1日 - 当駅から石薬師を経由して国鉄四日市駅までの区間で、ワンマンバスの運転が開始される。
  • 1972年(昭和47年)10月14日 - 国鉄100年記念イベントの一環として、国鉄OB会亀山支部主催で機関車の公開展示、機関区見学、写真即売会が実施される。
  • 1973年(昭和48年)
  • 1975年(昭和50年)3月10日 - 急行「紀伊」が特急に格上げされる。
  • 1977年(昭和52年)8月 - みどりの窓口を設置する。
  • 1979年(昭和54年)10月10日 - 駅前美化と交通安全のため、タクシー待避所横や陸橋下などへの自転車・単車の放置が全面禁止となる。
  • 1982年(昭和57年)5月17日 - 関西本線の八田駅と当駅の間が電化される。
  • 1984年(昭和59年)2月1日 - 特急「紀伊」が廃止され、当駅に停車する特急列車が消滅する。車扱貨物の取扱いを廃止する。
  • 1985年(昭和60年)3月14日 - 荷物の取扱いを廃止する。
  • 1986年(昭和61年)5月2日 - 県道建設に伴い、能褒野神社の鳥居が駅前ロータリーに移転。
  • 1987年(昭和62年)3月1日 - 国鉄分割民営化を控え、天王寺鉄道管理局から名古屋鉄道管理局に移管される。
  • 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化により、東海旅客鉄道(JR東海)・西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となり、駅業務はJR東海が継承する。
  • 1998年平成10年)3月 - 亀山駅物資部(亀山ストア)を廃止する。
  • 1999年(平成11年)11月23日 - JR東海亀山CTCセンターが東海総合指令所に統合される(JR西日本の亀山CTCセンターは存置)。
  • 2003年(平成15年)11月4日 - 三重交通が当駅とシャープ亀山工場の間で「亀山関工業団地線」の運行を開始する。
  • 2006年(平成18年)3月18日 - 急行「かすが」が廃止され、当駅に停車する優等列車が消滅する。また、これにより両社を直通する定期列車が消滅する。
  • 2007年(平成19年)4月15日 - 三重県中部を震源とする地震にともなう伊勢鉄道での運転見合わせにより、快速「みえ」や特急「南紀」が臨時に当駅経由で運行されたほか、当駅発着の列車にも、徐行運転や運転見合わせが相次ぐ。駅前ロータリーの能褒野神社の鳥居の一部が破損する。
  • 2009年(平成21年)
  • 2010年(平成22年)
    • 2月 - バリアフリー化の初年度工事が竣工し、1番線エレベータが稼働を開始する[3]
    • 9月19日 - 快速「亀山駅開業120周年記念号」が当駅と名古屋駅との間で運行される。
  • 2011年(平成23年)1月18日 - バリアフリー化の工事が完了し、残り2基のエレベーターおよび多機能トイレが稼動を開始する[3]

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム2面4線、合計3面5線のホームを持つ地上駅。通常は北側の2面3線を関西本線、南側の1面2線を紀勢本線が使用する。各ホームはエレベーター完備の跨線橋で連絡している。1番線と2番線の間に電車留置用の側線が1線ある他、構内に多くの側線がある。

駅舎は構内北側、単式ホーム(1番線)に隣接しておかれている。駅舎内には自動改札機TOICAICOCA非対応)や自動券売機みどりの窓口、売店、待合所などが設置されている。自動券売機には東海区間と西日本区間を区別する機能は付いておらず(往復券と回数券は除く)、片道普通乗車券の券面はすべて「東海会社線」と表示される。

亀山駅プラットホーム
ホーム 路線 方向 行先 備考
1・2 テンプレート:Color関西本線 上り 四日市名古屋方面[4] 通常は1番線を使用、まれに3番線発着
3 テンプレート:Color関西本線 下り 柘植加茂方面 一部列車は4・5番線
4・5 テンプレート:Color紀勢本線 - 伊勢市方面[4] 通常は5番線から発車

利用状況

「三重県統計書」によると、1日の平均乗車人員は以下の通りである。この数字には各線の乗り換え客は含まれていない。

年度 一日平均
乗車人員
1998年 2,444
1999年 2,387
2000年 2,348
2001年 2,302
2002年 2,213
2003年 1,732
2004年 2,184
2005年 2,191
2006年 2,209
2007年 2,171
2008年 2,170
2009年 2,108
2010年 2,120
2011年 2,137
2012年 2,120

駅周辺

路線バス

亀山駅前バス停

一般路線バス
  • 三重交通
    • 30系統 : 平田町駅 行き(みずほ台経由)
    • 55系統 : 椋本 行き
    • 71系統 : 平田町駅・鈴鹿中央病院 行き(国府経由)
    • 91系統 : シャープ亀山工場 行き
コミュニティバス
  • さわやか号(亀山市が運営[5]
    • Aライン・Bライン : 亀山駅前 - 東町 - 市役所前 - 野村団地 - 亀田 - 市役所前 - 亀山駅前
      • ※同一経路だが、運行方向により各ライン名を呼称している。
    • 東部ルート : 原四ツ辻 行き
      • ※経路は複数あり。試験運行中。
    • 南部ルート : 下庄駅・弘法寺 行き
  • 野登・白川地区自主運行バス
    • 野登ルート : アイリス西経由、池山西 行き
      • 期間限定で石水渓まで運行する。
    • 野登 白川ルート : 小川経由、池山西 行き
    • 白川ルート:小川 行き

駅案内について

  • 駅設備
    • 当駅はJR東海の管轄駅であるため、駅に掲示されている時刻表などの案内表示は、JR西日本に所属している「関西本線下り」を含めてJR東海標準の様式となっている(但し「関西本線下り」の時刻表は、通常は右側に記載されている停車駅一覧が省かれている)。
  • インターネットでの駅時刻表の閲覧
    • JR東海の公式サイトでは各駅の発車時刻表がダウンロードできるようになっているが、「関西本線下り」の時刻表はダウンロードできない[6]。JR西日本が運営するサイト「JRおでかけネット」では発駅を亀山にして検索すれば検索結果に表示される「区間時刻表」から亀山駅の関西本線下り発車時刻を見る事が出来る。

隣の駅

東海旅客鉄道
関西本線
テンプレート:Color快速・テンプレート:Color区間快速・テンプレート:Color普通(快速は四日市駅まで、区間快速は桑名駅まで各駅に停車)
井田川駅 - 亀山駅
紀勢本線(亀山駅 - 津駅間は普通列車のみ運転)
亀山駅 - 下庄駅
西日本旅客鉄道
関西本線(普通列車のみ運転)
亀山駅 - 関駅

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

関連項目

外部リンク

テンプレート:Sister

  • 亀山駅(主な駅のご案内) - JR東海

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  1. 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編』JTB 1998年
  2. 2.0 2.1 『国鉄建築のあゆみ―1870-1970』(鉄道建築協会、1970年)P91
  3. 3.0 3.1 関西本線 亀山駅、東海道本線 笠寺駅エレベーター等使用開始について(ニュースリリース) - JR東海(2011年1月14日付、同年9月17日閲覧)
  4. 4.0 4.1 駅掲示用時刻表の案内表記。これらはJR東海公式サイトの各駅の時刻表で参照可能(2011年1月現在)。
  5. 市内の公共交通 - 亀山市
  6. 2009年1月現在