井笠鉄道

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井笠鉄道株式会社(いかさてつどう、通称井笠バス、英文社名Ikasa Tetsudo)は、岡山県笠岡市に本社を置き、かつて鉄道とバスを中心に事業を展開していた会社。2012年10月31日限りで事業を停止し、会社自体も破産手続に移行している。

井笠鉄道の事業を継承して、2012年11月1日より2013年9月30日まで暫定運行を行った中国バス・井笠バスカンパニー井笠バス福山カンパニー、井笠バス福山.C)および、2013年4月1日より同社井笠バスカンパニーが暫定運行を行った路線のうち、福山市内で完結する路線、および「カブトガニ号」以外の運行を担当し、同年10月1日から福山市内完結路線も運行する井笠バスカンパニー井笠バス.C)については「井笠バスカンパニー」を参照。

概要

井笠鉄道は主に岡山県西南部の井笠地方(笠岡市、井原市等)と広島県福山市を営業エリアとしていた。そのため、岡山県バス協会広島県バス協会の双方に加盟していた。かつては鉄道路線を有していたが、1971年に廃止されたため、路線バス貸切バスのみの営業となった。また、1991年まで福山市赤坂にて、赤坂遊園という遊園地も経営していた。

コミュニティバスの一部をのぞき岡山県共通バスカード(井笠鉄道発行分)・井笠バス専用バスカード(販売終了)が使用できた。また、福山自動車営業所管轄路線の一部ではPASPYが利用できた(PASPY定期券は鞆鉄道発行分を使用。また鞆鉄道のPASPYを福山駅前案内所やPASPYリーダー装備車の車内で委託販売していた[注 1])。

2012年10月31日をもって沿線の過疎化や規制緩和などによる経営悪化のため井笠鉄道はバス事業も撤退し、会社は清算される予定[1][2]。バス事業については井原市と浅口市の循環バスは北振バスが一部引き継ぐほか、主要路線について当面は道路運送法に基づく臨時措置として中国バスが引き継ぐことを要請した[3][4][5]

2012年10月17日に笠岡市役所で岡山・広島両県と7市町などで廃止対策会議が開かれ、代替運行を要請している中国バスに路線・系統の代替について、対策会議としての意見をまとめ、それに基づいて中国バスが代替運行の申請を中国運輸局に行った。代替運行に際し、運行本数の削減や一部系統の廃止が行われることになった。寄島 - 里庄間の路線は、里庄町浅口市が共同で代替無償バスを運行する[6][7][8]

なお、従業員はいったん解雇された後で中国バスや北振バス、日の丸タクシーなどが大部分を雇用したが、定期券・回数券・バスカードは使えなくなった(PASPYは他の利用会社で使用可能)[9]

2013年4月1日以降、中国バス・井笠バスカンパニーが引き継いだ路線のうち、福山市内で完結する路線以外については、中国バスの100%出資による新会社である「井笠バスカンパニー(井笠バス.C)」に運行が引き継がれることが2013年1月に決定した。新会社への引き継ぎに際し、笠岡市内と矢掛町内へ車庫が新設されることになり、それに伴い2路線が新設されることになった。笠岡市美の浜にバスセンターと新会社の営業所が設置される。美の浜地区はバス路線の空白地帯になっており、路線新設により利便性の向上が図られる。このバスターミナルは笠岡市が市有地に建設をする。また、矢掛町内への車庫設置により、矢掛駅においての井原鉄道との乗り継ぎが改善される。福山市内で完結する路線は2013年9月30日まで中国バス・井笠バス福山.C(同社井笠バス.Cを改組)による暫定運行を実施し、それ以降の扱いについては今後検討を行う[10]としていたが、2013年10月1日から、一部路線を廃止・デマンドタクシーに移行の上で井笠バスカンバニーが運行することになった。

関連会社だった北振バス・井笠観光・井笠自動車整備・井笠郵便輸送・井笠商事は井笠鉄道の破産後も独立系企業として存続している。また同じく関連会社だった笠岡タクシーはアサヒタクシー(本社:広島県福山市)の傘下となった。

歴史

ファイル:Ikasa Railway Type 1.jpg
井笠鉄道記念館の1号機関車

本社・営業所などの所在地

  • 本社、観光課本部
    • 岡山県笠岡市笠岡5595番地1

営業所・車庫

  • 笠岡自動車営業所
    • 岡山県笠岡市茂平291番地15
      • 2013年3月に閉鎖。笠岡市美の浜へ移転。
  • 笠岡自動車営業所寄島車庫
  • 笠岡自動車営業所矢掛車庫(北振バス内・元矢掛自動車営業所、旧井笠鉄道矢掛駅)
    • 岡山県小田郡矢掛町東川面950番地8
      • 2013年3月に閉鎖(北振バスは引き続き使用)。矢掛町小林へ移転。
  • 福山自動車営業所
    • 広島県福山市明神町2丁目1番20号
      • 2013年3月に閉鎖。福山市多治米町6丁目(中国バス本社敷地内)へ移転。

案内窓口

  • 井原バスセンター内案内所
    • 岡山県井原市井原700番地
  • 笠岡駅前乗車券販売所
    • 岡山県笠岡市中央町144番地
  • 福山駅前案内所
    • 広島県福山市三之丸町30番1号(1・2番窓口で中国バスと兼務。井笠鉄道時代に使用していた4番窓口は閉鎖)

破産以前に廃止されていた拠点

  • 井原自動車営業所
    • 岡山県井原市
  • 鴨方窓口案内所
    • 岡山県浅口郡鴨方町六条院中2922

旅行センター

旧・井笠鉄道子会社の井笠観光株式会社により運営(井笠鉄道破産後も独立系として現存)。第二種旅行業に登録している(登録番号・岡山県2-85)。

  • 笠岡旅行センター
    • 岡山県笠岡市中央36番1号井笠ビル1階
  • 井原旅行センター(井原バスセンター内)
    • 岡山県井原市井原700番地
  • 福山旅行センター
    • 広島県福山市南手城町4丁目7番7号

移転・廃止された拠点

  • 鴨方旅行センター
    • 岡山県浅口郡鴨方町六条院中2922
  • 矢掛旅行センター
    • 岡山県小田郡矢掛町矢掛3179番地1
  • 福山旅行センター
    • 広島県福山市三之丸町1-3 (明神町へ移転)
    • 広島県福山市明神町2丁目1番20号(福山自動車営業所閉鎖に伴い南手城町へ移転)

主なターミナル

乗り入れている主要駅、バスのりば

広島県福山市
  • 福山駅前バスターミナル
    最も路線数の多い当社の事実上の中心ターミナル。
  • 藪路住宅前
  • フジグラン神辺
  • 岡山県笠岡市
    • 笠岡駅
      笠岡バスセンターから集約された。
    岡山県井原市
    • 井原バスセンター
      旧井笠鉄道・井原駅、井笠鉄道が自社で最後まで保有していたターミナル。現在は井原市が保有している。かつて井笠鉄道の子会社だった北振バスと備北バスの一部路線も乗り入れる。また、路線数の減少によりのりばの一部はバスの待機場に使われている。
  • 井原鉄道井原駅
  • 岡山県小田郡矢掛町
    • 矢掛バスセンター
      旧井笠鉄道・矢掛駅。井原鉄道矢掛駅とは離れた位置にあるが、現在でも「矢掛駅」の看板を掲示してあり、地元ではこちらをその呼称を使う人がいる。
    井笠バスカンパニー発足後、同社運行便は「東川面」の名称でバス停扱いで乗り入れている。
  • 井原鉄道矢掛駅
  • 岡山県倉敷市
    • 新倉敷駅
    • 玉島中央町(旧・玉島バスセンター)

    過去に乗り入れていた主要駅、バス乗り場

    • 笠岡バスセンター
      笠岡バスセンターは笠岡駅前に集約されて廃止になり、現在は笠岡ヤングボウル(休業中のボウリング場、旧井笠ボウル)の駐車場になっているが、路面には昔の乗り場の痕跡が残っている。
    • 岡山駅
    • 天満屋バスセンター
    • 川崎医科大学
    • 倉敷駅南口
      1997年7月に倉敷駅北口へ乗り場移転。
    • 金光駅
    • 備中高梁駅
      「矢掛 - 備中高梁線」は系列の北振バスに路線を移管したが、北振バスも2004年9月30日で路線廃止した[注 2]
    • 岡山空港
      ももっちライナーが乗り入れていた。

    路線

    ファイル:Igasa Bus.JPG
    一般路線バス

    <>内は共同運行会社

    高速バス

    最終期まで運行された路線

    2011年以前まで運行されていた路線

    一般

    • この情報は特記なき場合をのぞいて2012年10月31日のバス事業最終日現在のものである。
    • (停留所名)は一部の便のみ停車。<停留所名/停留所名>はどちらかを経由。

    広域

    大門 - 茂平工業団地線
    • 大門 - 宮の前 - 茂平工業団地
      • 日曜日運休。
    福山 - 国道 - 茂平車庫・コムプラザ笠岡線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門駅口 - 茂平入口 - 茂平車庫
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門駅口 - 茂平入口 - 笠岡市民病院前 - 笠岡港 - 富岡 - コムプラザ笠岡
    福山 - 笠岡・篠坂線
    • 福山駅前 - 奈良津 - 広尾 - (日吉台団地) - 培遠中学校前 - (春日池ニュータウン) - (東陽台上) - 坪生 - 篠坂 - 金浦中学校入口 - 笠岡市民病院前 - 笠岡駅
      • 日吉台団地・春日池ニュータウン・東陽台上は篠坂発着便のみ経由。
    福山 - 御領 - 井原線

    岡山県

    新倉敷駅 - 玉島中央町 - 沙美 - 寄島線
    • 新倉敷駅 - 玉島中央町 - 玉島西中入口 - 沙美 - 寄島
      • 共同運行ではないが、新倉敷駅 - 玉島中央町間には両備バスも並行して走っている。
    鴨方 - 仁故循環線
    • 鴨方駅前 - 天草 - 緑ヶ丘団地 - 指田 - 仁故 - 長谷上 - 鴨方本町 - 天草 - 鴨方駅前
      • 平日のみ運行。上記は右回り。左回りは文末方向から順番にとまる。
    寄島 - 鴨方循環線
    • 寄島車庫 - 西六 - 山陽高校前 - (天満屋鴨方店) - 鴨方駅前 - 天草 - (天満屋鴨方店) - 鴨方駅南口 - 四条原 - 寄島車庫
      • 上記は右回り。左回りは文末方向から順番にとまる。
    里庄 - 寄島線
    里庄 - 分庁舎線
    • 里庄駅前 - 富岡 - 分庁舎前
      • 平日一日一往復のみ運行。
    笠岡 - 乗時・寄島線
    • 笠岡駅前 - 笠岡港 - 富岡 - 大島小学校前 - 竹田 - 乗時 - 寄島
      • 日曜日・祝日運休。
    • 笠岡駅前 → 笠岡港 → 笠岡市民会館前 → 大島小学校前 → 竹田 → 乗時 → 正頭 → 大島小学校前 → 笠岡市民会館前 → 笠岡港 → 笠岡駅前
      • 日曜日・祝日運休。右回りのみ運行。
    笠岡 - 今井循環線
    • 笠岡駅前 - 笠高入口 - 今井小学校 - 富岡 - 笠岡港 - 笠岡駅前
      • 上記は西回り。東回りは文末方向から順番にとまる。西回りは日曜日・祝日運休。東回りは平日のみ運行。
    笠岡 - 大井ハイランド・尾坂・矢掛線
    • 笠岡駅前 - 追分 - (大井ハイランド) - 吉田 - 尾坂上
    • (笠岡市民病院前 -) 笠岡駅前 - 追分 - 吉田 - 新山 - 小田中 - 矢掛(- 矢掛駅
    笠岡 - 井原線
    • (笠岡市民病院前 -) 笠岡駅前 - 追分 - <七日市/山王口> - 井原駅 - 井原バスセンター (- 興譲館高校
    笠岡 - 広東線
    • 笠岡駅前 - 笠岡市民病院前 - 大井ハイランド西口 - 入田入口 - 上篠坂 - 広東
    笠岡 - 総合スポーツ公園 - 城見台団地 - 笠岡線
    • 笠岡駅前 - 笠岡市民病院前 - 総合スポーツ公園前 - 茂平東 - 城見台団地 - 生江浜 - 笠岡市民病院前 - 笠岡駅前
      • 上記は右回り。左回りは文末方向から順番にとまる。
    笠岡 - 市民会館 - 外浦 - 寺間 - 笠岡線
    • 笠岡駅前 - 笠岡港 - 笠岡市民会館前 - カブトガニ博物館前 - 中村口 - 外浦 - 寺間排水機場 - 中村口 - カブトガニ博物館前 - 笠岡市民会館前 - 笠岡港 - 笠岡駅前
    笠岡 - 市民会館 - 見崎 - 外浦 - 笠岡線
    • 笠岡駅前 - 笠岡港 - 笠岡市民会館前 - カブトガニ博物館前 - 中村口 - 寺間排水機場 - 見崎 - 寺間排水機場 - 外浦 - 中村口 - カブトガニ博物館前 - 笠岡市民会館前 - 笠岡港 - 笠岡駅前
    矢掛 - 清音駅 - 倉敷駅北口線
    • 矢掛(やかげ) - 矢掛東町 - 呉妹(くれせ) - 備中箭田(びっちゅうやた) - 清音駅 - 古地 - 備中黒田 - 酒津口 - 倉敷駅北口
      • この路線、元々は井原 - 矢掛 - 清音駅 - 倉敷駅 - 岡山(天満屋バスステーション)間の特急バス路線であったが、[注 3]路線再編で、矢掛 - 清音駅 - 倉敷駅北口間(旧中国JRバス両備線の区間)のみの運行になった。

    広島県

    福山自動車営業所担当便でバスカードが利用可能となるのは、笠岡自動車営業所担当路線より遅れた。このため、福山車の導入前は、福山・笠岡(統合前の井原・寄島営業所を含む)の両方が担当する路線だと、福山担当便だけバスカードが利用できないという現象が生じていた。

    福山市北方の山野地区については、福山駅との直通運転を取り止め、途中停留所(中国中央病院ほか)で乗り換えるゾーンバス制度が導入された。

    福山 - 中条 - 三谷線
    新橋 - 福山 - 横尾 - 中国中央病院線
    • 新橋 - 福山駅前 - 奈良津 - 薮路住宅前 - 横尾駅前 - 森脇 - 中国中央病院(平成大学
      • 平日のみ運行。
    福山 - 春日池ニュータウン線
    • 新橋 - 福山駅前 - 奈良津 - 広尾 - 福山市民病院 - 日吉台団地 - 培遠中学校前 - 春日池ニュータウン
    福山 - 東深津 - 伊勢丘 - 坪生線
    福山 - 奈良津 - 福山市民病院 - 神辺 - 坪生線
    • 福山駅前 - 奈良津 - 広尾 - 福山市民病院 - 神辺駅前 - 坪生
      • 日曜日・祝日運休。
    福山 - 国道 - 福山市民病院 - 加茂芦原団地線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 広尾 - 福山市民病院 - 道上 - 東城別 - 芦原 - 芦原団地
    福山 - 宮の前線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 伊勢丘団地入口 - 大門 - 宮の前(循環)
    福山 - 東福山線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅

    PASPYリーダー装備車は、PASPY定期券発行対象の下記路線に優先使用された。

    福山 - 国道 - 福山市民病院 - 中国中央病院線
    福山 - 幕山団地・大谷台団地 - 福山線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 広大附属校前 - 高屋団地 - 幕山口 - 幕山団地(循環)
      • 路線廃止により2013年10月より中国バス単独運行。
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - <高屋団地/伊勢丘団地入口> - 幕山口 - 東陽台上 - 大谷台小学校 - 大谷台団地入口(循環)
      • 路線廃止により2013年10月より中国バス単独運行。
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 高屋団地 - 幕山口 - 大門高校前 - 幕山団地中(循環)
    福山 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 旭ヶ丘団地線
    • 福山駅前 - 新橋 - 千間土手東 - 東福山駅口 - 引野農協 - 旭ヶ丘団地下 - 四十分団地 - 引野農協 - 東福山駅口 - 千間土手東 - 新橋 - 福山駅前
      • 共同運行会社の中国バスは当初同一経路だったが、その後手城・引野口経由に変更され、共通定期券の発行区間が縮小されていた。
    まわローズ(福山市内中心部循環路線)2009年2月21日運行開始(バスカードは利用不可だった)
    • (青ルート)福山駅北口 → 伏見町 → 入船町 → 東警察署前 → 三吉町南 → すこやかセンター前 → 新橋 → リーデンローズ入口 → ばら公園前 → 霞町 → 市役所東 → 福山駅前 → 市役所北 → ロッツ前
    • (赤ルート)は運行なし
      • 中国バス、トモテツバスと共同運行。1乗車につきおとな(中学生以上)150円、こども(小学生)80円

    コミュニティバス(受託運行)

    臨時

    往復割引運賃

    以下の区間を往復する場合、往復割引運賃があった。

    • 笠岡駅前 - 井原バスセンター間。片道580円、往復930円(笠岡駅前案内所と井原バスセンターのみで販売。車内販売はなし)。
    • 福山駅前 - 井原バスセンター間。片道610円、往復980円(福山駅前案内所と井原バスセンターのみで販売。車内販売はなし)。

    車両

    いすゞ車を中心に、日野三菱ふそうの車両を使用していた。

    オートマチック車の導入も早く、いすゞEC/ED系でも多くのオートマチック (AT) 仕様の車両が導入されて、その車両のフロント部分には "AUTOMATIC" のエンブレムが付いていた。

    またモノコックバスも比較的後年まで生き残っており、廃車後も車庫(笠岡自動車営業所)に留置されて部品取りなどに活用されていたが、モノコック車が全車退役したので部品取りとしての用途も終了して片付けられた。

    近年では、バス路線代替の乗合タクシー(予約制)用に日産・キャラバンジャンボタクシーや日産・セドリックタクシーなどの乗用車も導入されていた。

    車両番号について

    井笠鉄道・北振バスの車両には、1台ごとに車両番号と呼ばれる番号が付与されていた。車両にはアルファベット1文字と3桁(北振バス)・4桁(井笠鉄道)の番号が付けられており、以下の法則に基づいている。これは井笠バスカンパニーにも継承されている。

    例:Z8303

    Z 83 03
    メーカー 年式 固有番号
    • メーカー
      F…三菱ふそう
      H…日野
      Z…いすゞ
      N…日産
    • 年式
      年式の西暦の下2桁
    • 固有番号
      井笠鉄道は2桁で年式ごとの連番
      北振バスは1桁で年式ごとの連番

    旧鉄道線

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    路線と駅

    1967年(昭和42年)1月時点。

    • 本線:笠岡 - 鬮場(くじば) - 大井村 - 小平井 - 吉田村 - 新山 - 北川 - 薬師 - 木之子 - 七日市 - 井原 19.4km
    • 矢掛線:北川 - 備中小田 - 毎戸 - 本堀 - 川面 - 矢掛 5.8km
    • 神辺線:井原 - 出部(いずえ) - 下出部 - 高屋 - 両備金光 - 御領 - 両備国分寺 - 湯野 - 神辺 7.8km

    鉄道輸送人員数

    人員数(人)
    1914 180,700
    1916 196,798
    1921 344,713
    1926 477,648
    1930 532,139
    1935 486,359
    1940 1,120,872
    1945 3,193,602
    1950 2,485,393
    1955 1,582,439
    1960 2,288,344
    1965 2,018,924
    1966 1,578,309
    1971 816,975

    (「井笠鉄道七十年史のあゆみ」p28より)

    在籍車両

    譲渡

    本線廃止後の1972年に西武山口線へ1号機関車の貸し出しと同時に以下の車両が譲渡された。

    • 客車
      • ホハ2(→西武31号)
      • ホハ5(→西武32号)
      • ホハ6(→西武33号)
      • ホハ10(→西武34号)
      • ホハ18(→西武35号)
      • ホハ19(→西武36号)
      • ホハ13(→西武37号)
      • ホハ14(→西武38号)

    廃線跡

    笠岡から北川にかけては断片的に残っているが、岡山県道48号笠岡美星線の拡幅などでかなりの旧道床が姿を消した。また矢掛線と井原以西の旧道床も、大半が井原鉄道井原線の道床に転用され、遺構はわずかに残るのみである。

    旧新山駅は駅舎が現存しており、井笠鉄道記念館として車輌や資料を保存している。


    保存車両

    ファイル:井笠鉄道記念館 ホハ1.jpg
    ホハ1(井笠鉄道記念館)
    ファイル:Kamaishu kousan E-type SL.JPG
    9号機関車(井原市七日市公園)
    ファイル:ホジ9.JPG
    ホジ9(笠岡市交通公園)
    ファイル:Igasa Railway Type Hoji101.JPG
    ホジ101(経ヶ丸グリーンパーク)
    ファイル:Shimotsui hoji3.jpg
    ホジ3(下津井電鉄下津井駅(当時)・1990年)

    井笠鉄道はかつての軽便鉄道のなかでも比較的遅くまで存続しており、しかも廃車となった車両の大半を解体せずに自社鬮場(くじば)車庫で保管していたため保存車が多く、2006年現在も下記の通り多数の機関車、気動車、そして客貨車が保存されている。

    なお、このほかにも全廃時まで残存していた車両の大半が鬮場車庫に保管され、保存車の搬出後もそのまま残されていた。しかし1980年2月21日深夜に放火[注 4]され、その大半が車庫ごと喪失した(記念館で保存予定だったホハ1も被害を受け、後に修復された)。

    井笠鉄道記念館
    1号機関車(蒸気機関車)
    コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。西武鉄道山口線でも使用。
    ホハ1(客車)
    ホワフ1(貨車)
    井笠鉄道の保存車両の中で唯一保存されている貨車。
    笠岡市交通公園(井笠鉄道本社前)
    ホジ9(気動車)
    梅鉢鉄工場製2軸ボギー式ガソリンカーを戦後、富士産業宇都宮工場でディーゼルカーへ改造したもの。
    井原市 七日市公園
    9号機関車(蒸気機関車)
    ベルギー・コッケリル社製B型蒸気機関車。元富士製鐵釜石鉱山専用鉄道151
    当初は笠岡市交通公園で保存、その後京都府伏見桃山城キャッスルランド井原鉄道井原駅の建設予定地と保存場所が変わっていた。
    井原市笹賀町 経ヶ丸グリーンパーク(子供の村)
    ホジ101(気動車)
    日本車輌製造製2軸ボギー式ディーゼルカー
    ホハ8(客車)
    福山市新市町 新市クラシックゴルフ
    3号機関車(蒸気機関車)
    コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。1号機の同型車。ただし、実車は「2」と車番を表記。
    1991年、赤坂遊園閉園により移動される。
    ホハ12(客車)
    1991年、赤坂遊園閉園により移動される。
    福山市神辺町 太陽保育園
    ホハ11(客車)
    1991年、赤坂遊園閉園により移動される。
    岡山市 池田動物園
    2号機関車(蒸気機関車)
    コッペル製B型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。1号機の同型車。ただし、実車は池田動物園側の希望で「3」と車番を表記。
    長野県 野辺山SLランド
    7号機関車(蒸気機関車)
    コッペル製C型ウェルタンク・サイドタンク式蒸気機関車。兵庫県姫路市の解体業者に引き取られたが、長期間放置され、「茄子畑のコッペル」として知られた。その後姫路市内のパチンコ店や、DIY店の駐車場などに展示された後、野辺山SLランドに譲渡された。
    下津井電鉄 旧下津井駅
    ホジ3(気動車)
    富士重工製2軸ボギー式ディーゼルカー。同型のホジ1-2号は放火にて焼失したので、現存するホジ1形の唯一の車両。
    1972年3月31日の下津井電鉄線茶屋町~児島間廃止後に運行が計画された、地上設備撤収用貨物列車牽引を目的として下津井電鉄に譲渡された。ただし、現役時代同系車中で最も不調であったとされるホジ3だけにエンジンが不調で牽引力が充分でなかったと伝えられており、結局大半はトラックを直接軌道内に乗り入れさせて撤去作業を実施したため、ほとんど使用されなかった。
    千葉県成田市 羅須地人鉄道協会成田ゆめ牧場
    ホハ2(客車)
    ホハ5(客車)
    1972年より西武山口線にて営業運転に使用された後、1985年ごろより 西武遊園地にてレストランとして使用されていたが、2011年6月15日に譲渡された。
    栃木県塩谷町 風だより・風の高原鉄道
    ホハ6(客車)
    ホハ10(客車)
    1972年より西武山口線にて営業運転に使用された後、1985年ごろより西武遊園地にてレストランとして使用されていたが、2011年6月15日に譲渡された。
    北海道遠軽町 丸瀬布森林公園いこいの森
    ホハ13(客車)
    ホハ14(客車)
    ホハ18(客車)
    ホハ19(客車)
    1972年より西武山口線にて営業運転に使用された後、1985年ごろよりユネスコ村 にて展示されていたが、1993年に譲渡された。

    鉄道線に関する参考文献

    企業に関する参考文献

    脚注

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    注釈

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    出典

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    関連会社

    外部リンク

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    4. 4.0 4.1 4.2 テンプレート:PDFlink(2012年10月21日時点のアーカイブ)、テンプレート:PDFlink(2012年10月17日時点のアーカイブ) - 井笠鉄道、2012年10月12日
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    7. 7.0 7.1 テンプレート:PDFlink
    8. 代替無償バスの運行について(寄島〜里庄線) - 岡山県里庄町ホームページテンプレート:リンク切れ
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    10. 井笠鉄道廃止路線の暫定運行引き継ぎ内容、および(株)井笠バスカンパニー設立について - 両備ホールディングス
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