Mi-24 (航空機)

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テンプレート:Infobox 航空機 Mi-24(ミル24;ロシア語Ми-24ミー・ドヴァーッツァチ・チトゥィーリェ)は、ソ連ミル設計局で開発された戦闘ヘリコプターである。

北大西洋条約機構(NATO)の命名したNATOコードネームは「Hind(雌アカシカの意)」。

概要

1978年以来、ソビエト連邦国内で約2,000機が製造され、30ヶ国以上に約600機が輸出された。ソ連のパイロット達の愛称は「Крокодилクラカヂール」(クロコダイルロシア語読み)であった。

Mi-25は、Mi-24Dの輸出向けダウングレード型であり、Mi-35は同様にMi-24Vをダウングレードした機体であるが、Mi-35Pなどダウングレード型ではない発展型もある。

Mi-24は、汎用ヘリコプターであるMi-8を原型として開発された、ソ連初の攻撃ヘリコプターである。この種の「攻撃ヘリコプター」としては異例の大型機であるが、これは強力な武装で地上を制圧しつつ搭乗させた歩兵部隊を展開してヘリボーン任務を行うことを想定して開発されたためで、歩兵戦闘車ヘリコプター版ともいえるコンセプトである。しかし、戦闘輸送という二つの役割を一機に担わせる設計は、結果的に悪い折衷になってしまったことから、後継機であるMi-28Ka-50は、より対地攻撃に特化したものとなった。

ソ連のアフガニスタン侵攻では、航空主戦力として広範に使用されたが、アメリカムジャーヒディーンに供給したスティンガーミサイルにより多数[1]が撃墜された。 テンプレート:-

開発

Mi-24の設計は、アメリカ軍AH-1 コブラなどを比較対象としながら、1968年に始められた。

最初の量産型であるMi-24Aは、1970年に評価版として納入されたが、旋回が遅い、照準器のトラブルが多発する、並列配置の座席のため視界が悪いなど多くの問題を抱えていた。また、3人乗りのコックピットはガラス張りの部分が大きかったため防御力に不安があった。機体前部の設計が大幅に見直されて縦列複座となり、その他の問題が解決されたのがMi-24Dエンジンの変更などで決定版となったのがMi-24Vである。武装強化型のMi-24Pでは旋回式の12.7mm 4銃身ガトリング機銃の代わりに固定式の30mm連装機関砲が装備された。

1995年に導入された最新型のMi-24VMは、軽量のファイバー製メインローターとテイルローターにより、全体的なパフォーマンスが向上し、夜間作戦用などのアビオニクスも一新された。耐用年数やメンテナンス性も向上しており、2015年までの運用が予定されている。 テンプレート:-

機体

Mi-24は、前述のようにMi-8を原型として開発された機体で、機体上部に搭載された2基のターボシャフトエンジンが、直径17.3m、5枚羽のメインローターと3枚羽のテイルローターを駆動させる。テイルローターは、Mi-24Aの後期型からは取り付け向きがMi-17同様逆になっている。

既知の問題としては、Mi-24Aは1969年のテストフライトで、機体を傾けた急な旋回中に揚力を失って大きく横揺れすることが判明したが、その後の改良を経てもこれは完全には解決していない。 もう一つの欠点として、激しい機動を行った際に、高荷重によりメインローターが機体の尾部を打つ可能性があった。また、最大限に積載した場合、垂直に上昇することができず、転移揚力を利用した短距離の滑走をしながら離陸しなければならない。

大型で大重量の機体は純粋な戦闘任務に用いるには持久性と機動性を削ぐことになり、また、兵員室を配置する都合上機体上部に並列に配置されたエンジンは一発の被弾で両方のエンジンが破壊される可能性を高め、生存性に大きな問題を残すこととなった。

Mi-24D以降の機体は、縦列複座のタンデム形状のコックピットと、その上部にある横に2つ並んだ空気取り入れ口(エア・インテーク)が特徴的である。前述のように中央部に兵員室があり、完全武装した兵員8名を搭乗させることができる。機体の中腹にあるスタブウィングには、兵器搭載装置がそれぞれ3基ずつあり、物資を吊り下げることもできる。着陸脚は、引き込み可能な3輪式である。

防御能力に不安のあったMi-24Aの反省から、Mi-24D以降の型は非常に重装甲な機体構造となっており、チタニウム製のローターは、12.7mm弾の直撃にも耐えることができる。また、NBC(生物化学)戦に備えて、コックピットは与圧されている。

運用

Mi-24は、その任務として、近接航空支援から対戦車戦闘、兵員や物資の輸送まで幅広くこなすことができる。 実戦での運用の結果、低空を飛行することが多いことから攻撃を受けやすいことへの対策として、作戦時には2機1組もしくはグループで行動し、多方向から同時に攻撃するという戦術が用いられるようになった。

オガデン紛争

1977年-78年にかけてのオガデン紛争の際、Mi-24はエチオピア軍によって初めて運用され、ソ連から運ばれる軍事装備の大規模な空輸を行った。

ベトナム・カンボジア戦争

1979年ベトナムポル・ポト政権下のカンボジアに侵攻した際にMi-24を使用し、ガンシップとしてクメール・ルージュの基地や前哨地を攻撃した。

ソ連のアフガニスタン侵攻

1979年-88年にかけてのアフガニスタン侵攻の際、ソ連軍がMi-24を大量に投入して主にムジャーヒディーンに対する爆撃を行い、「ハインド」は一躍有名になった。アメリカ合衆国はこの戦争でムジャーヒディーン側に赤外線誘導式のスティンガーミサイルを供給し、多数のMi-24がスティンガーによって撃墜されている。しかし、スティンガーのない戦場では猛威を奮い、ムジャーヒディーン側にいた日本人傭兵高部正樹も本機の攻撃で落命しかけた[2]

第二次コンゴ内戦(2003年-)

国際連合平和維持活動に参加していたインド空軍がMi-24/35を使用[3]

イラク戦争(2003年-)

ポーランド軍2004年12月、6機のMi-24Dを戦場に投入。2006年7月18日に1機がアル ディワニャ(Al Diwaniyah)の空軍基地で墜落した。Mi-24Dは戦争後本国に戻さず再建されたイラク軍に引き渡されたり、状態の悪い機体については処分された[4]

ソマリア内戦(2006年-)

エチオピア空軍の3機のMi-35と10機のMi-24Dが敵対勢力との対戦に使用された。その内1機が2007年3月30日アデン・アッデ国際空港近くで撃墜された[5]

南オセチア紛争(2008年)

ロシア軍が使用した。

シエラレオネ内戦

シエラレオネ陸軍及び民間軍事会社「エグゼクティブ・アウトカムズ」が使用。
内戦終結後はシエラレオネ側に引き渡され、同軍航空部隊(空軍は存在しない)に在籍している。

ミャンマー内戦

ミャンマー空軍がMi-24を、少数民族の反乱が続くカレン州カチン州に出動させており、COIN機とともにロケット弾固定機銃による対地攻撃に従事している。

その他

1988年アメリカ陸軍第160特殊作戦航空連隊が「オペレーション・マウント・ホープ III」と呼ばれるリビア軍のMi-24ハインドの鹵獲作戦を行なった。これは当時、リビアが内戦に介入していたチャドにおいて実施された。

運用国

ファイル:World operators of the Mi-24.png
Mi-24およびMi-25/Mi-35の運用国
テンプレート:Flagicon アフガニスタン
アフガニスタン空軍1975年に115機を導入。2001年の米軍侵攻後、新たにMi-35を6機を採用。現在は11機保有。
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アルジェリア空軍
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アンゴラ人民空軍
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アルメニア空軍
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ベラルーシ空軍
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Mi-35M、12機を注文(2008年11月12月
テンプレート:BUL
ブルガリア空軍1979-1986年に44機を投入した、現在はMi-25とMi-35を運用しているが、23機まで減少している。
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テンプレート:Flag
キプロス国家守備隊が保有。2001年-2005年の間にMi-35Pを12機納入。2006年の事故で1機を失う。
テンプレート:CRO
ユーゴスラビア人民軍より独立したクロアチア空軍が9機(Mi-24D/V)保有していたが2002年に退役した。その内6機が売却。
テンプレート:Flagicon キューバ
キューバ空軍が25機導入した。現在の保有数はMi-24DおよびMi-24Vを20機。
テンプレート:Flag
チェコ空軍
テンプレート:GER
東ドイツ空軍に51機投入したが後にハンガリー・ポーランド、アメリカ軍(2機)に渡った
テンプレート:Flag
テンプレート:Flag
テンプレート:Flag
エチオピア空軍
テンプレート:Flag
グルジア空軍、Mi-24VおよびMi-24Pを40機(V:21+P:19)、Mi-35を1機保有。
テンプレート:Flagicon ギニア
テンプレート:Flag
ハンガリー軍、49機。その内20機は東ドイツ空軍から購入
テンプレート:Flag
インド空軍。Mi-25sとMi-35sを44機保有。
テンプレート:Flag
Mi-35Pを2004年に2機、2006年に5機注文、更に2007年にMi-35を3機発注。
テンプレート:Flag
テンプレート:Flag
イラク空軍
テンプレート:Flagicon カザフスタン
テンプレート:Flagicon キルギス
テンプレート:Flagicon レバノン
2010年2月に、MiG-29の受領辞退と引き換えに10機を発注。
テンプレート:Flag
リビア空軍
テンプレート:Flagicon マケドニア
テンプレート:Flagicon モンゴル
モンゴル空軍1984年に30機を注文したが25機しか引き渡されなかった(1986-1987)。
テンプレート:Flagicon モザンビーク
テンプレート:Flagicon ミャンマー
空軍が使用。
テンプレート:Flag
ナミビア空軍
テンプレート:Flag
テンプレート:Flag
テンプレート:Flag
朝鮮人民軍空軍が使用。
テンプレート:Flagicon ペルー
ペルー空軍がMi-25D及びMi-35Pを運用。
テンプレート:Flag
共産主義時代にポーランド陸軍空軍が運用していた。民主化後に陸軍がMi-24DおよびWを運用。
テンプレート:Flagicon ロシア
360機。
テンプレート:Flag
テンプレート:Flagicon セネガル
テンプレート:Flag
セルビア空軍がMi-24Vsを2機保有。
テンプレート:Flagicon シエラレオネ
テンプレート:Flag
スロバキア空軍
テンプレート:Flag
スリランカ空軍、13機。Mi-24D/V/PとMi-35を含む。
テンプレート:Flagicon スーダン
テンプレート:Flag
シリア空軍
テンプレート:Flagicon タジキスタン
テンプレート:Flagicon ウガンダ
テンプレート:Flag
テンプレート:Flagicon アメリカ合衆国
アメリカ陸軍
研究・仮想敵訓練用。
テンプレート:Flagicon ウズベキスタン
テンプレート:Flagicon ベネズエラ
Mi-35M2。
テンプレート:Flagicon ベトナム
テンプレート:Flagicon イエメン
テンプレート:Flagicon ジンバブエ

過去の運用国

ソビエト連邦軍
航空隊、ソ連空軍 - ソビエト崩壊後ロシア軍が引き続き運用。
チェコスロバキア
空軍 - 現在はチェコ軍スロバキア軍が運用。
東ドイツ
空軍が運用。
パプアニューギニア
空軍 - 実際には同国の政治的混乱に介入した民間軍事会社が運用。

過去の民間運用者

エグゼクティブ・アウトカムズ民間軍事会社
関連会社の「アイビス・エア」(航空会社。エグゼクティブ社の「空軍」部門)が運用していた。

展示飛行チーム

ロシアでは、Mi-24を装備する展示飛行チームとして「ベールクトィ」(Беркутыビェールクトィ)が編成された。チーム名はロシア語で「イヌワシ」を意味する「беркут」の複数形である。この部隊ではMi-24P、Mi-24VP、Mi-24VMなどが運用され、展示飛行のほか機体の評価も行った。現在は解散されている。

派生型

Mi-24シリーズ

ファイル:Mil Mi-24A Hind-A.JPG
ソ連空軍所属Mi-24A
Mi-24(Ми-24
初期型。12.7mm機銃A-12.7を搭載している。
Mi-24A(Ми-24А
初期改良型。1969年に初飛行。テイルローターの取り付け向きにより、前期型と後期型に分けられる。多くの機体がソ連空軍で運用されたが、のちにその一部はベトナムエチオピアリビアアフガニスタンアルジェリアなどに輸出された。ベトナムでは近年まで稼働中の写真が流布しており、恐らくは現在でも運用中であると見られている。
Mi-24B(Ми-24Б
Mi-24Aの派生型。A-12.7機銃にかえ、4銃身YakB-12.7をUSPU-24ターレットに搭載。試験用に開発された。
Mi-24U(Ми-24У
Mi-24Aの練習機型。前部座席にも操縦装置を追加している。A-12.7機銃は搭載しない。少数のみの生産であったが、ベトナムでは現在も運用中である。
A-10(А-10
Mi-24Aの派生機で、記録飛行用に開発された。
Mi-24VMT(Ми-24БМТ
Mi-24Aから改修した機雷掃海型。
Mi-24D(Ми-24Д
中期改良型。1972年に初飛行。タンデム式に変更された操縦席など、大規模な機体構造の変更がなされ、初期型の欠点を改善した。固定武装は、Mi-24Bに引き続きYakB-12.7がUSPU-24ターレットに搭載された。しかしながら、動力などの根本的な改善はされなかったため、より全面的な改修型であるMi-24Vまでの繋ぎとして扱われた。生産数は多く、各国へ輸出もなされた。また、Mi-24Vの戦力化後は練習機としても使用され、Mi-24DUに改修されたものもあった。
Mi-24DU(Ми-24ДУ
Mi-24Dの練習機型。前部後部座席ともに操縦機能を有している。
Mi-24V(Ми-24В
エンジンを換装し、システムも更新した後期改良型。ただし、初期型はMi-24Dとほぼ同等の機体である。1972年に初飛行。新型の対戦車ミサイル9M114シュトゥールム-Vを運用する。なお、ポーランドではポーランド語の言語上の理由からMi-24Wと表記される。
Mi-35(Ми-35
Mi-24Vの輸出型。1976年に初飛行。
Mi-35U
Mi-35を複操縦化した機体でインドなどで運用されているが、Mi-35Uという名称は正式なものではないと見られている。
Mi-24K(Ми-24К
Mi-24Vの陸軍直協観測機型。ソ連軍のみで使用。現在は、ロシアウクライナベラルーシで運用されている。
Mi-24VK-2(Ми-24ВК-2
Mi-24Vの発展型。輸出名称Mi-35VNМи-35ВН)。
Mi-24KhR(Ми-24ХР
Mi-24DおよびMi-24Vの機体から製作された化学・放射能偵察型(電波化学偵察型:Вертолетрадиохимической разведки)。1978年に初飛行。ソ連軍のみで使用。現在は、ロシア、ウクライナなどで運用されている。Mi-24RМи-24Р)、Mi-24RKhМи-24РХドイツ語方式ではMi-24RCh)、Mi-24RRМи-24РР)とも呼ばれる。
Mi-24RKhR(Ми-24РХР
Mi-24DおよびMi-24Vの機体から製作された化学・放射能偵察型(電波化学偵察型)。ソ連空軍のみで運用。チェルノブイリ原発事故でも現場へ投入された。Mi-24RМи-24Р)とも呼ばれる。冷戦後は機体を継承したロシアやウクライナによって国連平和維持活動などにも提供されている。
ファイル:Mi-24 Desert Rescue.jpg
Mi-24P 後期型(アメリカ陸軍試験評価センターが運用。演習参加のため、ネバダ州ラスベガスアメリカ海軍航空基地に派遣された時の機体)
Mi-24P(Ми-24П
30mm連装機関砲GSh-30K搭載型。従来の12.7mm機銃では火力に不安があったため開発された。1974年に初飛行。西側では「ハインドE」のコードネームで呼ばれた。
Mi-24PK-2(Ми-24ПК-2
Mi-24Pの発展型。輸出名称Mi-35PNМи-35ПН)。
Mi-24PN(Ми-24ПН
Mi-24Pの夜間攻撃能力など改良型。1999年に初飛行。
Mi-24VP(Ми-24ВП
YaKB-12.7機銃に換え、新型のNPPU-23ターレットに23mm連装機関砲GSh-23-2を搭載した。Mi-24Vの12.7mm機銃では攻撃力が不足、Mi-24Pの30mm機関砲では弾数が不足かつ重量過多であったため、そうした問題を解決するため従来戦闘機用の航空機関砲地上軍高射機関砲として広く使用されてきたGSh-23-2を搭載する派生型が開発された。1986年に初飛行、1989年より量産に入ったが、新型機銃の不良と冷戦の終結もあり少数生産に終わった。ロシア空軍ウクライナ陸軍航空隊で運用されている。西側では「ハインドF」というコードネームで呼ばれていた。
Mi-24VM(Ми-24ВМ
23mm連装機関砲GSh-23Lを搭載したMi-24VPの改良型。新型の対戦車ミサイル9M120アターカ-Vを運用する。1999年に初飛行。
Mi-24PS(Ми-24ПС
警察向けに開発された機体。機関砲のかわりに大型の投光器を搭載するなどしている。1997年に初飛行。

Mi-25シリーズ

Mi-25(Ми-25
Mi-24Dの輸出型。1972年に初飛行。Mi-24Vが開発されたことから相対的に旧型となったMi-24Dが輸出可能となったため、輸出専用機として開発された。

Mi-35シリーズ

テンプレート:Multiple image

Mi-35M(Ми-35М
固定脚にして軽量化を図った機体で、夜間攻撃能力などが改良されている。1998年に初飛行。機関砲はNPPU-24ターレットに23mmのGSh-23L連装機関砲を装備するというMi-24VPに準じたもの。X字型テイルローターやフェネストロンを採用した機体も僅かに存在する。
Mi-35P(Ми-35П
固定脚にして軽量化を図った機体。固定武装は30mm連装機関砲。キプロスで運用している。一方、通常のMi-24Dの輸出型にもMi-35Pという名称が用いられている。Mi-35Mと同じく、X字型テイルローターやフェネストロンを採用した機体も僅かに存在する。
Mi-24/35 Mk.I
南アフリカで開発された改修型。Mk.IIIより改修の規模が限定されている。
Mi-24/35 Mk.IIIスーパーハインド
南アフリカで開発された大幅な改修型で、アルジェリアで使用されている。 Mi-24 Mk.III Mi-24 Mk.III
Mi-24-2000
イスラエルで開発された改修型。

※この他、「Mi-24E」という名称が文献上で用いられていることがあるが、これは誤認情報である。このような名称の機体はソ連では開発されておらず、NATOコードネームの「ハインドE」と混同して考え出された名称であると考えられる。同様のものとして「Mi-24F」という名称も見られるが、こちらは「Mi-24E」ほど「普及」してはいない。また、文脈上同様の間違いと考えられるものとして「Mi-24D」という名称もあるが、これは偶然にもソ連側のMi-24Dという名称とNATOコードネーム「ハインドD」が一致していたため、他のものほど問題とはならない。このため、かえって「Mi-24E」、「Mi-24F」などという名称の「普及」を助長してしまったものとも考えられる。 テンプレート:-

性能・主要諸元

Mi-24A

  • 初飛行:1969年
  • 主回転翼直径:17.30m
  • テールローター直径:3.91m
  • 全長:21.50m
  • 翼長:6.66m
  • 円板面積:235.00m2
  • 空虚重量:7,675kg
  • 通常離陸重量:10,500kg
  • 最大離陸重量:11,000kg
  • 発動機:クリーモフTV3-117 ターボシャフトエンジン(出力:2,200馬力)2基
  • 超過禁止速度:320km/h
  • 巡航速度:270km/h
  • 限界航続距離:1,000km
  • 実用航続距離:450km
  • 実用上昇限度:4,950m
  • ホバリング上昇限度:1,400m
  • 乗員:3名
  • 積載量:8名、または担架4台、または1,500-2,400kgの積載物、または外部に2,000kgの積載物
  • 武装:武器搭載量1,275kgまで(6箇所に対戦車ミサイルロケットランチャー爆弾など)
    • 固定武装:12.7mm機銃A-12.7×1(NUB-1可動式銃塔に装備、弾数900発)
    • 対戦車ミサイル(誘導ロケット):9M17Pファラーンガ-M×4
    • ロケット弾:S-5ロケット弾用 UB-32A-24 32連装ポッド×4基
    • 爆弾その他:OFAB-100×8、OFAB-250×4、RBK-250×4、RBK-500×2、KMGU-2×2、ODAB-500×2、3B-500×2

Mi-24D

  • 初飛行:1972年
  • 主回転翼直径:17.30m
  • テールローター直径:3.91m
  • 全長:21.50m
  • 翼長:6.66m
  • 空虚重量:8,340kg
  • 通常離陸重量:11,100kg
  • 最大離陸重量:11,500kg
  • 発動機:クリーモフTV3-117 ターボシャフトエンジン(出力:2,200馬力)2基
  • 超過禁止速度:320km/h
  • 巡航速度:270km/h
  • 限界航続距離:1,125km
  • 戦闘航続距離:595km
  • 実用上昇限度:4,500m
  • ホバリング上昇限度:1,300m
  • 乗員:2名
  • 積載量:8名、または担架4台、または1,500-2,400kgの積載物、または外部に2,000kgの積載物
  • 武装:武器搭載量2,400kgまで(6箇所に対戦車ミサイルロケットランチャー爆弾など)
    • 固定武装:12.7mm 4銃身機銃YakB-12.7×1(USPU-24可動式銃塔に装備、弾数1,470発)
    • 対戦車ミサイル(誘導ロケット):9M17Pファラーンガ-PV×4
    • ロケット弾:S-5ロケット弾用 UB-32A-24 32連装ポッド×4基
    • 爆弾その他:OFAB-100×8、OFAB-250×4、RBK-250×4、RBK-500×2、KMGU-2×2、ODAB-500×2、3B-500×2

Mi-24V

Mi-24P

Mi-24が登場するメディア作品

映画

ポーランド陸軍の協力により、撮影に実機のMi-24が使用された。映画において東側諸国の、それも軍の現用ヘリが実機で登場するのは珍しく、日本産の映画では初である(撮影協力を得るにはかなり苦労したとのこと)。
釈放されるラデク将軍の護送用に、カザフスタン共和国軍のMi-24が登場。冷戦後ということもあり、撮影に用いられたのは実機である。
ロシア陸軍の全面協力によりMi-24実機が出演。主人公らの近接航空支援を行う。
ソ連海軍巡洋艦「リガ」の艦載機として登場。1機はMiG-31の攻撃で、1機は衝撃波で撃墜され、別の2機が給油中のMiG-31とともに潜水艦の捜索に出動した。撮影に用いられたのは実機ではなく、SA330 ピューマを改造した撮影用プロップであり、操縦席のシーンには映画『ブルーサンダー』の主役ヘリ「ブルーサンダー」のものが流用されている。なお、当時のソ連海軍が運用していたのはKa-25Ka-27であり、Mi-24を艦載機として運用していたことは無い。
シエラレオネ政府から革命統一戦線の掃討作戦を請け負った民間軍事会社が、南アフリカ製近代化改修型のMi-24/35 Mk.IIIスーパーハインドを使用する。この映画の題材となった現実のシエラレオネ内戦においても同様の経緯があり、現在でも数少ない航空戦力として用いられている。
『怒りの脱出』及び『怒りのアフガン』に登場するが、撮影に使われた機体はSA330 ピューマにスタブウイングを取り付けるなどしてMi-24らしく見せかけたハインドである。
ストーリー終盤にて、ベトナム人民軍UH-1ヘリを奪い、アメリカ軍捕虜と共に脱出したランボーを、ソ連軍駐ベトナム軍事顧問団幹部将校のポドフスキー中佐が自ら操縦して追跡。空中戦の果て、止めを刺そうと不時着したランボーのヘリに接近するが、ランボーの擬装(死んだふり)にだまされ、油断したところをM72 LAWで撃墜された。
アフガニスタン某地区に駐屯する部隊の司令官ザイセン大佐自らが操縦して幾度となくランボーとトラウトマン大佐を追い詰めるが、ランボーを捜索中、燃料補給のために基地へ引き返した後、無人の本機をランボーやトラウトマン大佐そして基地に囚われていた地元住民に奪われてしまう。その直後に機はザイセン達からの銃撃で損傷し墜落するが、別の機体をザイセンが引き続いて使用。終盤の戦いではランボーに乗っ取られたT-72戦車M551シェリダンを改造して制作)と正面からの撃ち合いを行っている。主砲砲撃では傷1つ負わなかったものの同軸機銃の銃撃を受け、T-72と正面衝突し、墜落。
主人公が所属する、アフリカ(恐らくアンゴラ)に駐屯するソ連軍部隊の装備として登場。こちらの偽ハインドはシコルスキー S-61を用いている。
主役の武器商人が、ソ連崩壊直後のウクライナ軍から横流しされた初期型のMi-24Aを取り扱う[6][7]
Mi-24Aが登場。一見実機かと思われがちだが、実際にはUH-1を大規模改造して造ったものである。また、撮影に使用された機体は『ランボー/怒りの脱出』にて、ランボーの放ったM72 LAWの攻撃に遭い墜落するシーンの撮影に使用された。

アニメ

Mi-24/35 Mk.IIIスーパーハインドが航空支援のため、ラストのシーンで飛来。
後期OVAシリーズ第15話「星から来た女」に、地球防衛組織CLAT所属機が登場。
第36話「秘写真をとり返せ!」にて、秘写真をとり返すためにハインドが新幹線を追いかける。
第10話から登場。フェンダーミラー将軍が搭乗した機体がデラックスファイターをミサイルで攻撃するが、デラックスボンバーで撃ち落とされてしまう。だが、『土管くんシリーズ』や『秘密結社鷹の爪.jp』でも登場している。
オープニングに登場。

小説

主人公の敵対勢力が使用する他、『帝王コブラ2』ではフランス製の攻撃ヘリ(架空機)をMi-24風に改造した機体が登場。
第1話で登場。

漫画

D型が登場。
アラブの悪人が乗り、主人公の邸宅に飛来する。その後、時限爆弾の作動により旗艦もろとも爆発してしまう。
主人公が所属する民間救助会社「GQ」所有の唯一のヘリとして登場する主役メカ。非武装
物語世界の中で実機がティーガーIと共に頻繁に登場する。
化け猫が使用。ハウンド(厚生省衛生二課)・アメリカ海兵隊と交戦した。
ニカラグア内戦当時のホンジュラスを舞台とした話において、ニカラグア政府軍のMi-24がホンジュラス領内に潜伏するコントラ・ゲリラ掃討と基地破壊のために越境攻撃を仕掛けてくる、という設定で登場。
第1話で登場した傭兵会社「エクストラ・オーダー」(通称E.O.)の傭兵がMi-24Aを使用。
主人公・江戸城本丸が作ったプラモデルがタルルートの魔法で大型・可動化して飛行。しかし、スクランブル発進した航空自衛隊F-15Jによって撃墜される。
D型・V型・スーパーMk5の3種が登場。

ゲーム

Mi-24D, Mi-24P, Mi-24Vの3種が登場する。いずれもプレイヤーが操作可能。
ベネズエラ軍ロシアの犯罪組織が使用。
Operation Flashpoint: Cold War CrisisにおいてMi-24Dが操作可能。FPSでMi-24が操作可能なのはOFPが初出。
州軍が使用している。悪評度が最高になると主人公を殺害するため飛来してくる。プレイヤーも操縦・所有が可能。
前作に引き続き登場。悪評度を上げても州軍が登場しないため、影が薄くなっているが、ミッションやアクティビティ内で登場。非常に珍しいヘリになってしまったが操縦・所有が可能。
Mi-24/35Mk.IIIスーパーハインドが日本版に2009年5月28日に実装された。
敵勢力が使用している。
敵機として登場。『AH』の場合は特定の条件を満たすと自機としても使用可能となる。
  • 『エレベーターアクション デスパレード』
敵軍の兵力として登場。主人公達の脱出用ヘリを撃墜した後、プレイヤーを攻撃する。耐久力は高いが一応プレイヤーでも撃墜可能。
日本を占拠したロシア軍の機体として登場。プレイヤーも購入して使用できる。
プレイヤーの使用機として登場。
ロシア超国家主義派が運用。
ロシア軍とロシア超国家主義派がMi-24Dを使用。ニューヨークで主人公の乗ったUH-60を3機で攻撃するが、ドアガンの攻撃で全機撃墜され、1機は建設現場に突っ込んで大破した。また、ベルリンで超国家主義派がロシア大統領の娘を誘拐する際にも使用される。マルチプレイモードでは一定以上連続キルすると、ロシアやアフリカ民兵側の航空支援として飛来し、マップ上空を旋回しながら一定時間機銃で攻撃する。
ベトナムに派遣されたスペツナズがMi-24Aを使用。キャンペーン終盤で主人公たちが乗っ取り、スペツナズの基地を襲撃する。
キャンペーンに2回登場する。1回目はアンゴラにて単機で登場。2回目はアフガニスタンBTR-60Mi-17とともに登場。
  • 『狙撃 -SOGEKI』
ゲーム中では"Anti-tank Helicopter"と表記。テロリストの1人が搭乗し、機関砲ミサイルでプレイヤー(狙撃手)を攻撃する。
Mi-24Dをモデルにしたと思われるヘリコプターが登場する。対生物兵器用としてコックピットが与圧されているなど設定上の類似点も多い。
湾岸戦争を題材にした有名なMOD「DesertCombat」で、AH-64 アパッチのカウンターパートとしてMi-24Dがイラク軍に配備される。パイロットとガンナーのほか3名の兵員が搭乗可能。
中東連合軍のヘリとして登場する。基本的にマルチプレイ用のヘリだが、キャンペーンでも最終ミッションにて敵のヘリコプターとして登場し、パイロットを射殺すれば(その際機体が壊れなければ)鹵獲してプレイヤーも操縦することができる。
セルダリスタンの元大統領が所有している。キャンペーンで一度プレイヤーが操縦する。
ロシア軍の装備としてMi-24 Mk.IIIスーパーハインドが登場。
反乱軍がMi-35を使用する。次作の『マーセナリーズ2』にも登場する。
「アナコンダ」という名称でソラーノ軍が使用してくる。
  • 『マキシマムチェイス』
ステージ3のガンファイトモードでボスとして登場。体力を一定以上削るか、両翼のバルカンを破壊すると体当たりで攻撃してくる。
MGS2』『MGS4』以外の作品に登場。シリーズ中の兵器としてはメタルギアに次いで登場回数が多い。『MG1』『MG2』ではMi-24D型が登場する。『MGS3』で登場するのはキャノピーの形状からMi-24Aと思われるが、A型の初飛行が1969年なのに対し、時代設定が1964年である事から、矛盾を解消するために極秘で試験運用されていたという設定になっている。ちなみに劇中ではシギントいわく「空飛ぶ歩兵戦闘ビークル」。『MGS』ではリキッド・スネークがD型(劇中では「ハインドD」と呼ばれる)に搭乗。ソリッド・スネークの潜入を援護するため、陽動として派遣された2機のF-16を撃墜するという戦果を挙げた。その後潜入したスネークを強襲するが、スティンガーミサイルを入手したスネークとの戦闘で撃墜された(しかし、リキッド自身はパラシュートで脱出に成功している)。『MPO』ではボスとしての登場は無いが、デモシーンに登場している。『MGSPW』では敵兵力の主力戦闘ヘリとしてA型とD型の両方が登場。スネーク達MSFが鹵獲、自軍戦力としても運用できる。
ソ連軍のキャラクターのサポートユニットなどで登場。また、鋼の乙女「ミーリ」のモデルでもある。

その他

脚注

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外部リンク

テンプレート:Sister ※参考リンク。

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  1. 一説によると300機以上
  2. 高部正樹『傭兵の誇り』85頁(小学館2001)
  3. [1]
  4. [2]
  5. [3]
  6. 主演のニコラス・ケイジと最初の妻との息子が、Mi-24Aの整備兵役として出演している
  7. なお、実際のウクライナ軍では横流しできるようなよい状態のMi-24Aは保有しておらず、設定はフィクション味が強い
  8. ルスラナの公式ページ テンプレート:En icon