ZETMAN

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Novel テンプレート:Infobox animanga/TVAnime テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible listsZETMAN』(ゼットマン)は、桂正和による日本のSF漫画作品。読切り作品と連載作品が存在し、本項では連載作品を中心に記述する(読切りについては読切版を参照)。

作者にとっては青年誌初連載作品[注 1]で、『週刊ヤングジャンプ』(集英社)において2002年48号より連載。2006年6月より約1年に渡る長期休載後、2007年26号より連載が再開。

単行本はヤングジャンプ・コミックスより第19巻までが発行されており[注 2]2008年8月までに累計250万部を突破している[1]

2012年4月から6月までテレビアニメが放送された。

概要

科学技術が非常に発達した現代(もしくは近未来)の日本が主な舞台。大企業「アマギコーポレーション」の極秘研究によって生み出された新たな生命体 「Z・E・T」と「プレイヤー」、そして同じくアマギの研究によって生み出された正義の味方「アルファス」に関わるストーリーが、ホームレス出身の「ジン」とアマギの社長御曹司「コウガ」を中心として描かれる。20年以上に渡る話を回想を交え断片的に描いており、ストーリーの全容は、未だ見えていない。

基となった読切版「ZETMAN」(後述)とは、単純な勧善懲悪に疑問を呈した「正義とは? 悪とは何か? 」といったテーマは共通するものの、設定などで共通する部分は少なく、ほとんど別作品である。青年誌に移ったことを活かし、近年の『週刊少年ジャンプ』では不可能な、暴力的・性的・非道徳的といった過激な描写を含む作品となっている。

コミックは、冒頭6 - 8ページがカラーページであり、表紙カバーには、凹凸感のある特殊印刷が使われている。通常の青年コミックスと比較すると若干高い価格となる。また、コミック化の際には、コマ割りの変更・性描写の削除など大幅な加筆修正が多箇所にされている。

プレイヤーなどのクリーチャーデザインには、韮沢靖竹谷隆之といった専門家が協力している[2]

あらすじ

プロローグ ジン

手の甲に状のコブを持ち、強靭な肉体を持つ不思議な少年ジンはホームレスではあるものの大好きな「じィちゃん」と二人で平穏に暮らしをしていた。しかし突然、ジンとじィちゃんの前に異形の殺人鬼が現れ、ジンの生活は激変することとなる。

第1章 コウガとジン

プロローグより数年後、ジンは以前に助けた「おばさん」に引き取られ平穏に暮らしていた。放火現場近くを通りかかったジンは、かつて自分の前に現れた殺人鬼とよく似た異形の放火犯との戦いを始める。一方、正義の味方に憧れるアマギの御曹司コウガは、放火犯を捕まえるべく放火現場へと乗り込む。放火現場においてコウガとジンが運命の出会いを果たす。

第2章 青義

コウガの前に「ヒーローになる手助けをしたい」という謎の男が出現。彼はそのテストとして一つの問題を出す。今溺れさせられている妹とこれから殺されてしまう3人組のどちらを助けるか? 妹の元へ向かいその安全を確認したコウガだったが、翌日テレビで3人組の変死体が見つかったことを知る。謎の男を倒しヒーローとなるため、コウガは謎の男の挑戦を受けその屋敷へと乗り込んでいく。

第3章 哀情

1・2章より2年後、ジンが暮らすゴーストタウンに一人の家出少女が迷い込みプレイヤーに襲われる。ジンは少女を助けるため、ひいてはプレイヤーを倒すために ZET へと変身する。そして『本当のZET』に近づきつつあるジンを連れ、光鎧は共に2年振りの研究所へと向かうこととなった。

第4章 悽春

ZET完全覚醒への鍵を失ったジン達。ついにアルファスプロジェクトを始動したコウガ。さらにプレイヤー達も動き出す。密かにエボル幹部たちは裏切り者への粛清を始めたのだった。その陰謀に巻き込まれ、ジンとコウガはZETとアルファスとして再会を果たす。

第5章 覇界

クリスマスイヴの夜。平穏な街に突如響き渡った爆音と共に、殺戮を始めるプレイヤー達。その惨劇が白日の下に曝される中、灰谷は「人類への復讐」を高らかに宣言するのだった。

第6章 葬刻

アマギタワーの爆発の中、互いの正義の違いに確執するコウガとジン。しかし、コウガの覚悟を聞いたジンはその胸に赤い杭を受け入れ、ついにZET完全体への扉が開く。

主な登場人物

  • 声はテレビアニメ版の声優。声優表記のない人物は特に説明がない場合はアニメ版に登場していない。

ジンの家族

神崎 人(かんざき じん) / ジン
声 - 浪川大輔朴璐美(子供時代)
本作の主人公。通称ジン。左手の甲に円状のコブを持つ不思議な少年で、非常に高い身体能力を持つ。しかしその正体は神崎博士の研究によって生み出された生命体 ZET 。幼少期をじィちゃん(神崎悟郎)と共にホームレスとして過ごし、その後おばさん(川上明美)に引き取られる。身体能力を活かし、小さい頃から用心棒のようなことをして金を稼いでいる。幼少期に「じィちゃんと暮らす家を建てる為に金を貯める」という動機で人助けをしていた所為か、人助けをする度に一万円の謝礼を要求する癖がある(但し、実際に一万円を貰ったのは明美を助けた時だけ)。
心や感情を持たずに生み出され、神崎の教育によってそれを徐々に芽生えさせていたため、青年に成長した現在でも未だ精神的な不安定さを持つ。しかしそれ故に口は悪いが、心は非常に純粋で、私利私欲のための行動を取ることなど全くと言っていいほどない。戦闘に於いては常に冷静な判断を下し、高い戦闘力で的確に相手を仕留める。自身の死への恐怖は持ち合わせていないが、誰かが命の危機に晒されると自分を犠牲にしてでも助けようとする。また、料理が得意でその腕前は皆から絶賛されている。
2章(15歳頃)にて火事現場でのプレイヤーとの戦いにて光鎧にZETであると気付かれて拉致される。そこで自身の出生の秘密を知り、最初は非協力的だったが、ZETに覚醒して人類を守ることが結果的に大切な人を守ることだと考え、ZETに成る決意をする。その後もZETに完全に覚醒すべく光鎧などに協力するが、花子と同棲を始めてからはZETを捨てて人として生きるという考えに傾き、ZET覚醒に消極的になる。しかし花子にZETの姿を見られたことで自暴自棄となり、エボルの本部へと殴り込んだこともあったが、灰谷の野望を潰すためにアマギタワーへと向かう。その後、コウガに覚醒の杭を打ち込まれたことで遂に完全体へと進化。一時は自我を失って暴走するも、小葉や佐山の呼び掛けによって正気を取り戻した。
3章の時点で「たぶん17歳」と言っており、全編を通し背丈等からもコウガと同年代であるが、これは逃亡後に神崎によって成長をコントロールされたためであり実際には誕生からは20年以上経っている。恋愛感情を理解していないので恋愛に鈍く、花子に好意を寄せられても気付かなかった。しかし潜在的に小葉を意識している様子がある。
アニメ版ではコウガや小葉と幼少期からの知り合い。最終的にコウガと考え方の違いから決別。掃除人やマスターと協力しながら、人間を襲うプレイヤーと戦う道を選ぶ。
神崎 悟郎(かんざき ごろう) / じィちゃん
声 - 千田光男
ジンと共に生活するホームレスの老人。ジンからはじィちゃん、ホームレス仲間からはゴローさんと呼ばれている。その実はN・E・T / Z・E・T両プロジェクトに深く関わっていた科学者であり、ZET の生みの親。ZET(=ジン)を「私の子供」と呼んで人間とすることを望み、プレイヤーによる研究所の崩壊時にZETを連れて行方をくらましていた。その後、老人に整形した上でホームレスとなり、ジンを自分の孫として育てる。目醒めたプレイヤーによって左腕を根元から切断され絶命するが、アマギによってデータベースとして回収されたため、機械に繋がれた首だけの状態で脳のみが生きた状態にされる。声帯がないため、言葉を発することはないが、意思はモニターに文字で表示される。一度、光鎧らを欺きジンを完全な人にすることに成功する。その後、ジン自らに問いかけさせることでZET覚醒の方法を聞き出そうとするも、ジンは機械を外してそれを拒否する。その後、灰谷らに研究所が襲撃された時にカメレオン男に首を持ち去られてしまう。
川上 明美(かわかみ あけみ) / おばさん
声 - 早水リサ
ジンの育ての親。ジンからはおばさんと呼ばれるが、おばさんと言われると怒る。元ヒモの梶村に襲われていた所をジンに助けられ知り合い、神崎の死後ジンを引き取り15歳頃まで育てる。2章終盤で殺害されたかに思われたが、実はそれはジンの覚醒を促すために光鎧らが用意した偽者であった。序章にて梶村によってつけられた大きな傷が顔に残っている。初登場時はサクラの源氏名でセクシーパブピンクピーチちゃんで働いていたが、ジンを養子にしてからは辞職し、クレープの屋台を営んでいる。子供がいたが別れた夫に取られている。しかし、ジンが彼女の元を離れる決意をした後に光鎧らの計らいによって親権を取り戻し、現在は息子と暮らしている(アニメでは光鎧らに協力する条件としてジンが提示した)。この時、ジンは用心棒で溜めた大金を「傷跡を消すための足しにして欲しい」として置いていくが、その傷跡はジンとの繋がりだとして未だ残している。一度ペンダントを返すためにジンと再会しており、去り際にはジンから「おかあさん」と呼ばれた。
アニメ版ではコウガ、小葉とも顔見知りであり、ジンと別れた後も小葉とは交流が続いている。

天城家

天城 高雅(あまぎ こうが) / コウガ
声 - 宮野真守甲斐田ゆき(子供時代)
ジンと並ぶもう一人の主人公。世界的な大企業アマギコーポレーション社長令息で、次期社長となることを周りから期待されている。容姿端麗・成績優秀・スポーツ万能であり、火事の際の親子救出劇をきっかけとして女子中高生を中心としたファン層を持つようになり、まるでアイドルであるかの人気を誇る。幼少時のアニメ『銀河超人アルファス』に憧れ、正義の味方になることを夢見、その恵まれた環境から夢を実現させようとする。ただし、中学時代の彼の行動には「正義を行う」ために「正義の味方になる」のではなく、「正義の味方になる」ために「正義を行う」という因果の逆転が見られ、小葉からはその正義感に対して疑問をもたれていた。火事の現場でジンに会って以降、正義について苦悩するようになり、そこを中田二郎らに付け込まれることになる。二郎事件で右手を失い、以降は義手を使用している。1章では私立虹華学園中等部3年。3章で高校生となり、本格的にアルファスプロジェクトを始動する。
自分の持つ正義を貫くことを善しとするが、それが良くも悪くも純粋で、如何なる悪にも立ち向かう力強さを持つ一方で、空気の読めない発言でデートを気まずい雰囲気にしたことも。ジン曰く「こいつの正義バカは筋金入り」。
アルファスとして初めての実戦にて、ジンと再会。その後、ZETについて知った後はジンを「本物のヒーロー」として自身の目標とするようになる。アルファスの性能を以てしても敵わないプレイヤーの強大さを知った事でより力を渇望し、同時にジンへの憧れを強めていくが、正義についても更に苦悩するようになる。そしてアマギタワーでのテロの際、早見の策略によって蟲を付けられ、更には早見の配下によって新たに開発されていた未完成のアルファススーツを身に着けてしまったことにより、戦闘能力の向上と引き換えに徐々に正気を失う。やがてその正義感が暴走し、早見の思い描いた通りのヒーローと化してしまい、ジンと敵対することになる。
アニメ版では幼少期からジンと知り合いという設定となっている。出会ったのはジンがひったくりを退治した時(原作では第一話で描かれているシーン)。また、二郎事件で右腕を切断されることもないため、義手は使用していない。
天城 小葉(あまぎ このは)
声 - 花澤香菜
高雅の妹。幼少期に母と一緒に炊き出しのボランティアに参加し、そこでジンと出会い、憧れを抱く。中学時に街で襲われかけていたところをジンに再会し助けられ、ジンのことを「天使くん」と呼ぶ。高校時代には再び母と共に炊き出しのボランティアに参加し、その際にジンと再会。以降、知人になっている。火事現場で拾ったジンのペンダントを返せずにいたが、意を決して返しに行った際に海老蔵に襲われる。ジンとコウガに助けられるが、怪物に襲われたこととその怪物に重傷を負わされたことでトラウマを抱えてしまう。さらにその後の事件で屋敷が爆破され、鈴木のアパートに身を寄せることになる。ジンに好意を抱いてはいるが、それを口には出せず自分の気持ちにも素直になれないため、未だ伝えられずにいる。とは言え周知の事実ではあるのでよく指摘されるが、その度にムキになって否定している。ジンと花子が付き合っていると一応は認識しているが、ジンへの想いは変わっていない。
大晦日に炊き出しのボランティアをしていた際、鈴木等テログループによって母共々拉致され、アマギタワーのテロに巻き込まれる。そこでジンの正体を知るが、彼女の行動がジンが自我を取り戻すきっかけとなった。
1・2章では私立虹華学園中等部の2年。3章以降では高校生。
天城 光鎧(あまぎ みつがい)
声 - 飯塚昭三
アマギコーポレーション会長であり創業者であり前社長。高雅と小葉の祖父。自身の夢の実現のためにN・E・Tプロジェクトを組織させた人物。自社の開発したプレイヤーの逃走に強い責任を感じており、Z・E・Tプロジェクトをはじめとし、プレイヤー絶滅を使命として全人生を捧げている。機密のためであれば無実の人であろうと「消す」ことへのためらいはなく、目的のためには手段を選ばない冷徹さを持っている。しかし徐々にその感情に変化が現れ、ジンには人としての幸せを掴んで欲しいとも思うようになる。しかし芝木がエボルの本部から逃げてきたことで再びZET覚醒に乗り出す。
天城 清造(あまぎ せいぞう)
声 - 広瀬正志
アマギコーポレーション社長。光鎧の息子で高雅・小葉の父。厳格な性格で、コウガ曰く「選民意識の塊」。身体能力も優れている。二郎にはプレイヤープロジェクトの首謀者と名指しされているが、実際にはN・E・Tプロジェクトの存在を知っている程度でありプレイヤープロジェクトは存在も知らなかった模様。しかし鈴木の台詞では、過去に大勢の人間を人体実験に利用するよう指示し、多数の犠牲者が出たとのこと。その中に鈴木の婚約者もいたため、鈴木からは並みならぬ憎悪を向けられることになった。
アニメ版ではコウガによって射殺される。
天城 葉子(あまぎ ようこ)
声 - 久川綾
清造の妻で高雅・小葉の母。小葉の幼い頃に炊き出しのボランティアに参加したことが光鎧にばれて折檻を受け、このことが小葉の祖父に対するトラウマの原因となっている。これ以降も隠れてボランティアに参加しており、コウガの救出時にはこのために連絡がつかなかった。コウガのことを叱ったことがなく、それがコウガを不安にさせていた。2章において離婚、もしくは離婚に繋がる内容を切り出したようであるが清造は離婚を拒否しており、3章以降は別居中で、鈴木のアパートに暮らしていた。そのことがコウガには「自分達を捨てた」と認識されている。
アニメ版では別居しておらず、コウガとの仲も比較的に良好である。清造を庇ってコウガに撃たれ、小葉に看取られながら息を引き取った模様。

アマギコーポレーション

加部 衛(かべ まもる)
声 - 楠見尚己
アマギコーポレーション社員で、初代社長の時からアマギを支えていた重鎮。光鎧の側近として清造ですら詳しく知らないN・E・Tプロジェクトにも関わっていた。二郎の生み出した人造生物に着目し、プレイヤーとしてN・E・Tプロジェクトの資金源にすることを考案。さらに清造の名を騙り二郎にプレイヤーの開発の指示を出した人物であり、一連の事件の元凶ともいえる。将来コウガが社長に就くことに不安を覚え、早見を次期社長に推していた。コウガが救出された後、自殺。早見によると二郎や田坂の企みによってプレイヤープロジェクトに関わっていたことが発覚したために自殺したとのことだが、実際は早見がブレインスキャナーによって洗脳を施し、自殺させていた。
アニメ版では二郎事件と平行して起こった「クリスマスの惨劇」後のアマギの記者会見時に一郎の蟲により自殺させられた。
早見(はやみ)
声 - 鈴村健一
アマギ社員で本人曰く、「元々はただの科学者」。加部が次期社長へと推していることから、かなりの切れ者であると思われる。軍事産業部のアルファスプロジェクトを進め、このプロジェクトによってコウガをヒーローにしようとしている。しかしそのために冷徹な判断を下すことも厭わない。
実は中田二郎事件の計画者であり、清造にも「加藤」ではないかと疑われていた(厳密には「加藤」本人ではない)。その目的はアマギを乗っ取ることである。強制的にブレインスキャナーに掛けられて一時廃人と化すが、その後脱走。灰谷らと共謀してアマギタワーでテロを起こす(ただし、お互いに利用しているだけの関係)。
思惑通りに事が運んだと思いきや、灰谷達の策略で起きた爆発により起きた混乱の際、流れ弾に倒れる。しかし予め用意していた薬によってプレイヤーのような怪人へと変貌し、生き延びようとするも、その場に現れた緋下を殺そうとして逆に撃たれた。
アニメ版では二郎事件で高雅と対面、自身の野心を語る。しかし、スキを突かれ切り伏せられる。その後、動けないところを撃たれ死亡したとみられる。
3人組
声 - 新垣樽助(緋下孝之) / 松尾大亮(丸山太二) / 相馬幸人(志村亜剛)
関連会社アマギエレクトロの社員で内1人(背の高いおかっぱ頭)の名前は志村。後の2人の名前は不明だったが、アニメ化に際してようやく明かされた。怪しげながらも便利な道具の開発などを行ない、正義の味方を目指すコウガに中学生の頃から協力していた。早見にも内心「天才的な技術を持っている」と言わしめるほど。アルファスプロジェクト始動後はコウガの要望によってプロジェクトに加わり、アルファススーツの開発に携わるようになる。火災事件以来、尊敬の意を込めてコウガをさん付けで呼んでいたが、逆に本人に疎外感を与えていた。
黒服A
声 - 内田夕夜
光鎧の側近。黒服Bに比べると厳格な性格。使命とあらば冷徹な行動を取ることも辞さない。黒服Bと共にジンを監視、サポートする。
実は本物の黒服Aは既に殺害されており、現在の彼の正体はマスターによって送り込まれたエボル組織のスパイである。光鎧を監視する役割を担っており、長い間黒服Aに成り済ましていた。
黒服B
声 - 楠大典
光鎧の側近。体格の良い方。カメレオン男との戦いで右目を負傷し、以降は眼帯を装着している。見た目によらず気さくな男でコミカルな面も多いが、黒服Aに比べると迂闊なところも。カメレオン男の一件で命を救われた事もあり、ジンに対しては友人のように接している。
アニメ版では右目を失うシーンはなく、最初から眼帯をしている。
原田 早苗(はらだ さなえ)
岸本博士の婚約者。元々は大学教授だった岸本の教え子で、岸本がスカウトされる際に一緒に参加した。天城邸において使用人兼、研究データのバックアップなどを担当していた。岸本・杉田博士の死亡後は、博士を失ったジン達をサポートすることに。わずか5日で白ZETまで覚醒させる覚醒補足成剤を完成させるなど科学者としても優れている他、図太い神経の持ち主でもある。
田坂 秀樹(たさか ひでき)
アマギコーポレーション広報部。加藤と共に二郎を研究所から救い出し、その復讐心を利用してアマギコーポレーション乗っ取りを計略する。アマギを失墜させるために殺人ゲームのみならず、拉致した少女達とコウガのコピー達による乱交パーティまで企て、挙句コウガ自身が乱交パーティを仕組んだという証拠を残すためにコウガと茉柚に性行為を強要するなど、歪んだ精神の持ち主。コウガと二郎を始末しようとしたところ、逆にコウガに追い詰められ、最後は二郎によって殺される。
加藤
中田二郎事件の真の首謀者。事件当時はその姿を見せなかったが、その正体は事件の計画者である早見。加藤とは研究施設の情報をリークした鈴木が名乗った偽名であり、亡くなった鈴木の婚約者の苗字である。

研究チーム関係者

中田 二郎(なかた じろう)
声 - 堀勝之祐
プレイヤーの生みの親。N・E・Tチーム時代に「異胞共有による安定」により生み出した生物が加部の目に留まり、プレイヤープロジェクトとして分離独立した新たな研究チームを任される。しかしプレイヤープロジェクトの目的を知り、加部に口答えしたがために、研究所に息子の一郎の遺体と共に閉じ込められ抹殺されかける。プレイヤーの技術によって一郎を蘇生させ、その代償として自身は「命のクスリ」が必要な老化の激しい体となる。しかしこの体は水だけで生命を維持出来るというメリットも持ち合わせ、結果としてこのために研究所に監禁された状態でも生き延びることが可能となった。田坂達に救出されてからはコウガを利用し清造を始めとしたアマギに復讐を果たそうとする(後の中田二郎事件)も、実際は田坂達に利用されていただけであった。一郎の手による研究所崩壊の際に、誰も生きて返さないとして茉柚と田坂を撃つ(茉柚はコウガのプロテクターを着ていたため助かる)が、一郎に虫を付けられて自分の手で一郎を射殺してしまう。死に際に人の心を思い出し、「あまりにも残酷だ」と思いながら死亡した。
アニメ版では逆上したコウガに容赦なく射殺された。
中田 一郎(なかた いちろう)
声 - 南央美
二郎の息子。 幼少時にひき逃げに遭いずっと植物状態だったが、二郎と共に研究所に閉じ込められた際に生命維持装置を外され死亡。その後二郎の手により補足体によって命を補い蘇生したが、心を持たずただ生きているだけの存在となっていた。田坂達の手によって救出された際に日光を浴び、補足体を出現させ人外の姿に。ただしそのおかげで脳が活性化され人らしさを取り戻す。蟲を憑けることで人を操ることができ、その人の心が読める。また、テレパシーも使える。プレイヤー的な面もあるが、偽造人間ではなく人間をベースとしているため、人間とプレイヤーの中間と考えるのが妥当と思われる。二郎の指示によって多くの無関係の人間を操り殺してきたが、操った多くの人間の心を読んだ経験とコウガの行動から心を理解する。このためコウガの行動の正しさと自分の今までの行動の間違いに気付き、コウガを助け、研究所を崩壊させ自身も死亡した。しかし後に早見によって彼のクローンが生み出され、これを媒体としてコウガのアルファススーツの強化へ繋がった。
アニメ版ではコウガに協力することはなく、二郎同様コウガに射殺される。
霧島 零允(きりしま れいじ)
N・E・Tプロジェクトの中心人物で、神崎と共に偽造人間を生みだした天才科学者。また、ZETを生み出したシステムも彼によって作られた物であることからZ・E・Tプロジェクトにも深く関わっている者と思われる。光鎧曰く、ジンが生み出された偽造人間の形成システムを再現するデータを記憶している唯一の人物。プレイヤーの襲撃による研究所の崩壊後、行方不明であり、現在のところ名前だけの登場。
杉田(すぎた)
声 - 伊藤栄次
霧島・神崎を失った後の研究チームの中心人物。研究所を襲撃したプレイヤーによって殺害された。
アニメ版ではジンのクローンの攻撃から光鎧を庇って致命傷を負い、「完全体になったジンを見てみたかった」と言い残して死亡した。
岸本 浩(きしもと ひろ)
杉田と共に霧島・神崎を失った研究チームでの研究を続ける科学者で、脳内の記憶を読み込む装置「ブレインスキャナー」の開発者。研究所を襲撃したカメレオンのプレイヤーによって、神崎の頭部の保存倉庫のロックを外させられ、その後殺害された。
芝木(しばき)
かつて神崎の助手をしていた男。プレイヤーによる研究所襲撃の際に拉致され、そこで言われるがままに研究をする日々を送っていた。灰谷にエボルの真の目的を聞かされ、それを伝えるために逃走。ジンが完全なZETに覚醒する方法も知っていたが、それを話す前にジンのクローンに自殺に見せ掛けて殺害される。しかし亡骸をブレインスキャナーに掛けたことで情報を引き出すことには成功した。

プレイヤー / エボル

作中で名前が出てこない者が多いため、名前はその特徴から便宜的につけたもの。 名前後ろの〈〉内はそのプレイヤーの世代。

切り裂き魔(カメレオンエボル) 〈G1〉
声 - 酒巻光宏
ジンが初めて出会ったプレイヤー。カメレオンのような姿をしており、良く伸び鋭利なを持つ。完全に裏返る前から発作の様に人を切り裂き、連続殺人犯として噂になっていた。自身を止めるため自殺しようとしていた所をジンに助けられ本格的に目醒めてしまう。ジンと神崎との闘いの中で、神崎の左腕を切り落とし致命傷を負わせるが、メルトダウンが始まり自滅する。
アニメ版では裏返る前から殺人衝動を抑えられておらず、灰谷に唆されて梶村に代わってジンとおばさんを襲撃する役割となっている。一時的に覚醒したジンに倒された。
掃除人(そうじにん)
声 - 小山力也
マントで頭から全身を覆っている。エボルが人として静かに暮らすため、裏返り暴走してしまったプレイヤーを始末する役割を担っており、エボル達から恐れられている。腕が剣の様な形をしており、その腕で刺すことによってプレイヤーやその死体を消滅させることが出来る。異形の力を使っても理性を失っておらず、また、近くにいるジンがZETとしての覚醒を停止しているためプレイヤー(エボル)以外である可能性も高い謎の生命体。
当初は暴走したプレイヤーの始末という役割を果たすのみであったが、ジンを始末せず「命を大事にしろ」と諭して去った一方で、後に本気でジンを消しにかかるなど、現在では不可解な行動も多くその目的は不明。陰禅すら蚊帳の外に置いてマスターと会話しており、組織でも高い地位に就いている模様。
放火魔(ファイヤーエボル) 〈G2〉
声 - 小野友樹
炎を自在に操るプレイヤー。完全に目醒める前から各地で放火を行なって正義の味方を目指すコウガのターゲットとなり、ジンとコウガが出会うきっかけとなる。闘いの中、ジンに致命傷を与えるがそれによってZET因子を爆発させることとなり、不完全ながらもZETへと変身したジンに倒されてしまう。
蜘蛛男
放火魔とほぼ同時刻に目醒め、蜘蛛の巣を張って女子高生を喰らっていたが、駆けつけた掃除人によって始末される。
女性体育教師
声 - 原島梢
人間として私立虹華学園中等部の体育教師となり生活をしているエボル。買収され、小葉の水泳補習をまるで溺死させる現場のように見せかけ、ライブ映像を二郎の元に送る。しかし本人は平穏な生活を望んでおり、協力したことを後悔し、それ以上関わることも避けたがっていた。
蟹(かい)(カニエボル) 〈G2〉
声 - 酒巻光宏
磯野兄弟の長男。変身後の姿はをモチーフとしており、デザインは韮沢靖が担当している。泡で人間などを溶かす能力を持ち、裏返った際には手が大きなハサミとなる。ガムを使い半端ながらも覚醒したジンに圧倒されながらもどうにか逃げるが、掃除人によって抹殺された。
海老蔵(えびぞう)(エビエボル) 〈G2〉
声 - てらそままさき
磯野兄弟の次男。兄弟と共に田中を襲うが、長男が裏返った際には掃除人を恐れてその場を去る。その後、灰谷によって弟と共にタカ派へとスカウトされ、さらにZETの殺害を依頼される。兄弟の中では一番慎重な性格をしており、灰谷から譲り受けた魔法のクスリも弟の使用を確認してから使用。兄弟の中では最も高い戦闘力を持つが、ZETに覚醒したジンとアルファススーツを身に纏ったコウガの連携プレイの前に敗れた。変身後の姿は海老をモチーフとしており、デザインは竹谷隆之が担当。
舟(しゅう)(フナムシエボル) 〈G2〉
声 - 竹田雅則
磯野兄弟の三男。兄弟と共に田中を襲うが、長男が裏返った際には掃除人を恐れてその場を去る。その後、灰谷にタカ派へとスカウトされ、ZETの殺害を依頼される。灰谷の誘いに即座に乗ろうとするなど、次男に比較すると考えが浅い。一度は掃除人を撃退するものの、その後再び田中を襲っている最中に海老蔵からの呼び出しを受け、その途中に遭遇したZETに覚醒したジンに圧倒され、容赦なく倒された。変身後の姿はフナムシをモチーフとしており、デザインは次男と同じく竹谷隆之が担当。
サイ男(犀刀) 〈G1〉
かつて闘技場から最初に脱出した「伝説の13人」の中の1人で、サイのような大きな角を持つ。苗字の漢字は明らかに可笑しいが、誇りからそう名乗っている。カメレオン男、灰谷と共に研究所を襲撃。ジンに襲いかかり致命傷を与えるも、そのことによりジンを ZET へと覚醒させてしまい、瞬殺される。
アニメ版では灰谷と共にアマギタワーを襲撃したが、コウガに倒された。また、人間の時の姿も見せている。
カメレオン男(カメレオンエボル) 〈G2〉
声-酒巻光宏
カメレオンのような風貌をし、背景に同化する能力を持つプレイヤー。犀刀・灰谷と共に研究所を襲撃し、黒服Bの片目を潰し、岸本を殺害。神崎の頭部を持ち去る。このことにより、黒服Bは仇として彼に激しい怒りを抱くことになる。灰谷が組織から独立した後も行動を共にしており、後にアマギタワーで再びジンと対峙。背景と同化してジン達を苦しめるも、ジンの攻撃で心臓がむき出しになる。必死の命乞いも空しく、早苗から「神が許しても岸本は許さない」と告げられた黒服Bに容赦なく射殺された。
尾張
玩具会社キャッスルトイの会社員。普通のビジネスマンの風貌だが、仕事のトラブルの腹いせに通行人を殺害する危険人物。裏返った姿は描かれていないが、尻尾で人を刺していた事から型のプレイヤーと思われる。木下とは長い付き合いのようだが、彼の動向を陰禅らに報告していた。
小森 〈G1〉
コウモリのような姿をしたエボルで、陰禅と共に木下を誘拐する。裏返り後の醜い姿に強いコンプレックスをもっており、(実際は偶然の産物なのだが)自分をデザインしたという木下を逆恨みする。人間形態時はチンピラのような風貌。
灰谷 政次(はいたに せいじ)/ エンヴィル 〈G3〉
声 - 遊佐浩二
陰禅と並び、エボル組織のNo.2。ジンをエボルに勧誘したり、磯野兄弟にジンの殺害を依頼したりと行動に謎が多く、重要な作戦でさえゲームのように楽しんでいる節がある。
組織とは別の目的で動いているようで、組織の規範を逸脱した行為が多い。そのため、マスターに始末されそうになるが辛うじて一命を取り留め、その後は組織とは独立して行動を開始する。アマギタワーでのテロでは、クラシックの指揮台に立ち銃を乱射して観客を無差別に殺害した。マスターの細胞から作られた「抑制の指輪」によって裏返りを防いでおり、ジンの暴きの輪をも無効化している。真の姿はエンヴィルというプレイヤーであり、その名の通り天使(エンゼル)と悪魔(デヴィル)を合わせたようなデザインである。天使を模した本体と悪魔を模した羽を持つ。
アニメ版では第一話から登場。一連の事件の黒幕として暗躍する。最後は暴きの輪でエンヴィルへと裏返るが、ジンに敗れてアマギタワーから落下する。しかし最終的な生死は不明である。
陰禅 宗弥(いんぜん そうや)/ デゼル 〈G3〉
灰谷と並ぶ、エボル組織の幹部。木下を誘拐する際、立ちはだかったアルファスを容易く戦闘不能にした。灰谷の軽薄な態度を快く思っていなかったが、灰谷が追放された後は自分の立場に疑問を抱き、いつ灰谷同様用済みとして斬り捨てられるか不安を持つようになる。
真の姿はデゼル。エンヴィルである灰谷とは対照的に悪魔的な本体と天使的な羽を持つ。エンヴィルとは対となるように作られており、戦闘能力自体は灰谷を上回る。さらに、武器である槍から無数の兵隊を生み出すことができる。しかし陰禅の暴走を止めるために予め灰谷に仕込まれていた能力により敗北。鉄筋コンクリートと融合させられ、放置された。その後、コンクリートと融合したまま灰谷の元へ現れ、掃除人を倒した後に意識を失った。
メッセンジャー
主に灰谷の下に就いており、ジン達へ灰谷からのメッセージを伝える役割を持つ。全身をマントで覆っており、顔の部分にディスプレイのようなものが付いている。覚醒したジンを前にして怯えている様子から、戦闘能力は高くないと思われる。
マスター〈G1〉
声 - 石井康嗣
バー「EVOL」のマスター。スキンヘッドに髭を蓄えた風貌で表情は非常に優しい。二郎に命のクスリを渡していることから、エボル達の命のクスリの管理を担当している模様。
その正体は中田二郎によって生み出されたエボルの始祖であり、灰谷や陰禅の上に立つエボル組織のボスである。裏返りを抑制する能力を持っており、G3よりも能力の劣るG1でありながら組織のボスに就いている。さらに、頭部を機械仕掛けの新たな身体に移植したことで灰谷にすら一瞬で致命傷を負わせる力を手に入れた。その目的は未だ不明。元々は狼男のような姿のプレイヤーだった。
アニメ版では灰谷の行動を止めるためということを理由に、ジンに協力を申し込み、彼と協力関係となる。
シード
マスターの新しい身体の頭脳。プレイヤーではないが、事実上マスターと一体化しているためここに記す。灰谷追放後の組織のブレイン。その実態は不明。マスターとシードは一方しか表層に出ることはないようだが、シードが見聞きした情報は即座にマスターに伝えられる模様。
灰谷の部下〈G3〉
アマギタワーのテロでジン達の足止め役として現れたエボル。名前は不明。ZETに覚醒したジンと一戦を交え、優勢に持ち越したものの、加勢に来た高雅に不意打ちで銃によって攻撃され倒れる。剣を持たないジンに対し剣を捨てて戦うなどフェアな面も持つ。
アニメ版では花子をアマギタワーに連れて来る役割であった。最期はコウガに原作と同じ倒され方をした。
道化師〈G3〉
同じくアマギタワーのテロの最中に現れたエボルで灰谷の部下。液状の球体を飛ばし、指をパチッと鳴らすことで爆発させる能力を持つ。3人おり、それぞれ口調が異なる。灰谷の暴走を食い止めるためやって来た掃除人とも一戦を交え、圧倒的な力を見せ付けたかのように見えたが・・・。
アニメ版にも登場。最期はコウガに倒される。
メイ〈アナザー〉
芝木が連れていた少女。しかし芝木曰く、プレイヤーではなく全く新しいプロセスで生み出されたアナザー・ジェネレーションであるため、裏返りはしないとのこと。ジンの誕生に関係があるらしいが、詳細は未だ不明。身体が不安定で、三時間おきに命のクスリを摂取しなければならず、また、髪の伸びが早い。芝木のことは「パパ」と呼んでいた。研究所脱出後は早苗が面倒を見ており、使用人時代の早苗が着ていたメイド服を着せられている(他に女の子用の服がなかったため)。度々髪を切られる所為で興味を持ったらしく、志村を実験台にして散髪の真似事をしている。

その他

梶村(かじむら)
明美と一時的にヒモの関係だった男。手切れ金を払わない明美に逆上し、取り巻きを連れて彼女を襲うがジンに撃退された。その後、マンションに侵入して刃物で明美の顔に消えない傷を作ったが、それがきっかけで一時的にZETに覚醒したジンから攻撃され、顔面を複雑骨折する重傷を負う。
アニメ版では切り裂き魔のプレイヤーがジンと明美を襲う為、最初にジンに倒されて以降は登場しない。
佐山(さやま)
声 - 菅生隆之
ジンを幼少の頃から知る警察官。一連のプレイヤー事件に対し、疑いの目を持っている。彼の教えた「地べたに希望は転がっていない」という言葉は未だジンの中に響いている。
ジンを監視していた部下を追ってアマギタワーに行った際、テロに巻き込まれる。テロリストと戦いながらビル内を進んでいたが、やがて窮地に追い込まれ、そこをジンに救われて彼と行動を共にする。後にジンの正体を知るが「あいつほど純粋で心の澄んだ人間はいない」と、ジンへの見方を変えなかった。
朋美(ともみ)
声 - 片岡あづさ
小葉の同級生で友人。中学時代よりコウガに憧れている。軽い性格に見えるが、コウガの苦悩を見抜くなど思慮深い一面も持つ。小葉と共に磯野兄弟に拉致されるが、コウガに救われる。その後、ブレインスキャナーに掛けられ、事件の記憶を失った。
今村(いまむら)
小葉の同級生。クラスのお楽しみ会の準備の集まりで、カツアゲの被害に遭い拉致された。下着を見せるよう強要された小葉の恥よりも自身のことを優先して考えるなど、自己中心的な性格。そもそもカツアゲも万引きの現場を目撃されて脅迫されたためである。そのため、クラスメイトからの評判はあまり良くない。
橋本 茉柚(はしもと まゆ)
声 - 藤村歩
園ノ花森女子高等学校1年(2章時点)でコウガのファン。中学3年の時に援助交際で捕まっている。ただし援助交際にはトラウマを抱えており、強力な媚薬による催淫効果を受けた状態であっても性交を頑に拒み、自身が汚れていると感じている。一郎とコウガに助けられたことで二郎事件におけるコウガを除いた唯一の生存者となる。その時の記憶はブレインスキャナーで消去されているが、事件後にコウガが彼女の生徒手帳を返しに行ったことをきっかけとして現在はコウガの恋人となっている。しかし、何故憧れの存在だったコウガが自分なんかと付き合っているのかと疑問に思っており、コウガのような清く正しい人物に自分は相応しくないと考えつつも、自分にとっては唯一の人だから別れたくないと苦悩している。
アニメ版では援助交際の設定はなく、二郎事件では一郎に蟲を付けられて操られている。コウガを脅迫する人質にされるが、最終的にはコウガに助け出され、正気に戻った。直後にアマギタワーでのテロが発生するため、記憶を消されることもなく、車で三人組と共にコウガを見守っていた。原作と違い、自分に対する後ろめたさがないためにコウガとの仲がすんなりといった。
田中 花子(たなか はなこ)
声 - 伊瀬茉莉也
矯正をしている17歳(3章時)。小葉と同じ高校ではあるが、知り合いではない。愛をなくした家庭に嫌気が指し、家出。その途中、たまたま留守だったジンの家のベッドで寝ていた。その後、近くでプレイヤーに襲われジンに助けられる。自分を顧みず他人のためにばかり動くジンを目の当たりにして心を動かされ、もう帰って来られないかもしれないというジンの帰りを待っていた。その後、無事に帰って来たジンの家族として暮らす誘いを告白と捉え、本人だけが恋人気分で共同生活を始める。花子という名前は自分ではあまり好きではないらしいが、ジンは「いい名前」と言い、以降は本人の意思を無視して下の名前で呼ぶ。時折、偏頭痛に襲われる体質で、常備している薬を毎日服用している。
磯野兄弟の襲撃時にコウガと面識を持ち、天城邸の部屋まで提供してもらったにもかかわらず、なぜかクリスマスイブのデート時にコウガのことを知らなかった。(ブレインスキャナーで記憶を消されたような描写はない。)
次第にジンにも本気で愛されるようになり、ジンがZETを捨てて人として生きようと考えるきっかけになる。しかし、クリスマスイブのデート中、掃除人の剣を受けたジンがZETに変異する瞬間を目撃してしまい、その姿に恐れを抱きつつも嫌いになりたくないという感情の板挟みに苦しむことになる。その後は灰谷に拉致され、ジンに対する人質として利用され、暴行を受けるもジンによって助け出された。
しかし実は彼女自身もプレイヤーであり、人間を砂化させていた張本人であった。G2の両親から生まれ、まだ生後3年程度であるが本人はそのことを知らず、自分を普通の高校生だと思っていた。常備薬も頭痛薬などではなく、プレイヤー達が飲む命のクスリであり、肉体が安定しない花子では一日一回以上も服用しなければならなかった(通常のプレイヤーは一か月に一回程度)。また、矯正器具もただ人間らしさを演出する為に着けているだけである。
灰谷に抑制の指輪を填められていたことでジンの暴きの輪を防いでいたが、真実を知らない花子がジンに指輪を外させてしまった所為(ジンに填めさせて暴きの輪を抑えようとしたため)で裏返り、自我を失って暴走。巨大なプレイヤーと化して街を破壊し始める。最期はその場に居合わせた明美を殺そうとしたため、止む無くジンに倒される。最後の瞬間には人間の姿に戻り、意識も取り戻し、ジンの腕の中で光の粒となって消えていった。
アニメ版でも同様の設定で、原作で明かされるよりも大分早く正体を明かした。但し、最期はジンではなくコウガに倒される。人間の姿に戻ることも花子としての意識を取り戻す事もなく死亡した。
鈴木 聡史(すずき さとし)
3章において葉子が参加しているボランティア活動の参加者で、ジンの周囲のホームレスと顔見知り。ボランティア活動の中心人物と思われる。また、ホームレス達は葉子を彼とセット扱いしていることから、葉子とは深い関係であった。
しかし、実際は灰谷の協力者であり、アマギへの恨みを抱いている。元々はアマギの情報管理部の社員であったが、婚約者の事故死が実はアマギの人体実験の結果である事を突き止め、復讐の為に早見へと情報をリークしていた。葉子に近付いたのも復讐に利用する為だが、すっかり感情移入しており、灰谷にも葉子や小葉には危害を加えないように懇願していた。
アマギタワー崩壊の際には良心の呵責からか率先して避難を誘導していたが、最期は瓦礫の下敷きになり、コウガに殺されそうになるも手を下すまでもなく死亡した。
タジマ
声 - 酒巻光宏
ホームレスの一人。ジンが海老蔵と戦っている際にジンを心配して顔を出したり、ホームレスを率いて一緒に戦ってくれた。海老蔵本体の出現で死を覚悟するが、コウガに救われる。
木下(きのした)
元・天プロのアニメーターで、「銀河超人アルファス」の生みの親。過去に光鎧の依頼を受け、「生物的なヒーロー」(=ZET)のデザインも行っていた。アルファスシリーズ放送終了後、陰禅らエボルによって「デザインの仕事を依頼したい」として誘拐される。
木下の友人
ワイドショーのプロデューサーを務める色黒の男性。名前は現時点では不明。本作のタイトルである「ゼットマン」という単語を発言した唯一の人物。以前蜘蛛男を写真に収めており、プレイヤー達の殺戮を偽映像だと説明する報道にも騙されなかった。行方不明の木下からの招待状を受けてアマギタワーに赴いた際にテロに巻き込まれ、早見に撮影を強制される。

用語

N・E・Tプロジェクト

霧島と神崎を中心としたアマギコーポレーションによる極秘プロジェクトで、N・E・Tを造り出す事が目標。

N・E・T(ネット)
クローンではない全くオリジナルの「人類とは全く別の新たな地球人」のことでN・E・Tプロジェクトの最終目標。
偽造人間(ぎぞうにんげん)
霧島・神崎両博士によって造り出されたN・E・Tの前段階。器として考えた時に人間の3倍程の容量があるが、中身は同量のため非常に不安定で、生成液を出ると97分でメルトダウンする。容姿形成システムによって実在の人間の情報を与えることによって、その人間そっくりの形態へと変わっていくが、クローンではないため人間とはDNAが異なる。
メルトダウン / 肉体溶解(にくたいようかい)
偽造人間などの人造生命に発生する、肉体の維持が不可能になって身体が溶け出す現象。肉体が溶解するため当然生命維持も不可能となる。作中用語ではあるが原子力発電所などにおける炉心溶融のことをさす本義とニュアンスは近い。

プレイヤープロジェクト

加部の提案により、二郎を中心としてN・E・Tプロジェクトから独立させられたプロジェクト。N・E・Tの目的から外れ、金儲けのための「おもちゃ」としての生命創造を目的とする。

プレイヤー
N・E・Tプロジェクトの資金源として、ごく一部の富裕層を対象とした見せ物(闘技場におけるプレイヤー同士の殺し合い)のために造られた人造生物達のこと。
二郎の考案した「異胞共有による安定」に基づき、補足体によって「裏側」を満たし偽造人間を安定させたもの。成功体であれば97分でのメルトダウンは防げるが、人間の3倍の早さで成長(=老化)するため寿命が短い。この老化の早さは「命のクスリ」によって解消される。
初期の個体の容貌は補足体によって裏返った際の形態で決まり制御することは出来なかったが、第二世代以降においては偽造人間の容姿形成システムを引き継いだ方法によって制作者の意匠の反映も可能となる。
20年ほど前に闘技場より13体が逃亡。その後量産用のプラントなどを襲撃して不完全体などを連れ出し、さらには今なお増えている可能性もあり、現在のどれほどの数が存在しているかは不明。逃亡者達は、エボルとして人間界にとけ込み人間の振りをして暮らしている。長年騒ぎを起こすこともなかったが、1章の頃から裏返って殺人などを起こすものが現れ始めた。
成長抑制剤 / 命のクスリ
老化の早いプレイヤー達が生命を維持するために必要な薬。バー・エボルにおいて入手可能。一郎蘇生の際に二郎もこの薬が必要な体となっている。すっかり老け込んでいた二郎が、この薬によって若返っていることから、正確には老化を抑制するというよりも、進みすぎた老化を逆行させる効果を持つ。
補足体(ほそくたい)
偽造人間からプレイヤーを造る際に、その器の容量を満たすために利用する人間以外の中身のこと。初期の物は動物などからDNAを採取し製造していたが、のちに偽造人間の容姿形成システムを応用した物が実用化される。
裏側(うらがわ)
プレイヤーの普段表には出てこない性質。補足体によって補われる部分なので、文脈によっては補足体とほぼ同義になる。
裏返る(うらがえる) / 目醒める(めざめる)
「裏側」が表に現れることを「裏返る」もしくは「目醒める」と表現する。裏返ると人間以外の性質が表に出てくるため、文字通り人外のモンスターへと変身し、理性を失い興奮状態に陥る。このため暴走し猟奇殺人などを起こすことから、エボルでは裏返ることを禁止しており、裏返った者は掃除人によって始末される。
エボル
「LOVE」を180°回転させてエボルと読む。逃亡したプレイヤー達の自称。バー・エボルが溜まり場となっている。その出自によって3世代(G1・G2・G3)に分けられ、現行のシステムで生み出された最新の者が第3世代 (G3) となる。また、最初に闘技場から脱出した第1世代 (G1) の13人は「伝説の13人」と呼ばれている。組織の方針により人間にとけこみ平和に暮らしているが、人間との対立を望むものも存在する。
プレイヤーと呼ばれる事を非常に嫌い、エボル同士ではプレイヤーという言葉が侮蔑の言葉になっている。ただし闘技場でプレイヤーとして闘っていた"G1"の中には自らプレイヤーを名乗る者もいる。
闘技場(とうぎじょう)
アマギによって作られた、プレイヤー同士の殺し合いを見物するための施設。秘密を厳守するため選ばれた者のみが高額な入場料を払って初めて入場することを許された。単に殺し合いを見物する他、プレイヤーの勝敗に対する賭博も行われ、莫大な金を積むことによってオーナーとしてプレイヤーを所有することも出来た。プレイヤーの脱走時に見学者は全員死亡。以降はエボルのアジトとして使われている。
暴きの輪(あばきのわ)
プレイヤーを裏返させる力を持つ輪のこと。装置として闘技場に設置されていた他、ジンの左手にも存在。
魔法のクスリ
灰谷が「プレイヤーの体を溶解させる掃除人の分泌液の効果を、無効にする薬」と嘘を吹き込み、磯野兄弟に与えた物。実際は何の効果もない。
抑制の指輪
マスターの細胞から作り出された指輪。マスターの持つ「裏返りを抑制する力」を同様に有しており、プレイヤーがこれを填めている限り、例え暴きの輪に晒されようが決して裏返る事は無い。灰谷によると逆にジンが填める事によって暴きの輪の発動を抑える事が出来ると言う。
作中では灰谷がこの指輪によって裏返りを防いでいた。また、同じ指輪を填めた謎の人物が登場しているが、その正体は現時点では不明。

Z・E・Tプロジェクト

脱走したプレイヤーの殲滅を目的とし、プレイヤーに対抗出来る生命を創造することが目的。N・E・Tプロジェクトと同じく、霧島と神崎が中心となっていた模様。 ちなみにZ・E・Tという名称は、N・E・Tプロジェクトの実験データにおいてN・E・Tの"N"が90°回転し、"Z"に見えたことに由来する。

Z・E・T / ZET(ゼット)
脱走したプレイヤーの殲滅を目的とし、プレイヤーに対抗出来る生命体。また、この生命体が覚醒した状態を指す。霧島の考案したシステムを使い、神崎によって生み出されたジンが唯一の成功例。普段はZET細胞の割合が低く、限りなく人に近い生命体である。覚醒を止め人の姿に戻るためには周りにいるプレイヤーを殺さなければならない。
主な変身方法は、覚醒補足成剤の使用か瀕死の重傷を負ってZET細胞をショックで覚醒させるかのどちらかであった。また、完全なZETになるにはZET細胞を三回爆発させる必要があり、これは主に感情の爆発によって引き起こされる。
ガム使用時では全身が白一色で統一された不完全な姿にしかなれず、細胞状態が不安定なためすぐにメルトダウンが始まってしまう。犀刀の角、または覚醒の杭を模したセラミック製の杭を心臓に打ち込んだ結果、白と黒を基調とした姿へと変化(「白ZET」とも呼ばれる)。後に早苗の作ったガムで自由にこの姿になれるようになる。
アマギタワーでのテロの際、灰谷が用意した覚醒の杭を打ち込んだことで遂に完全体へと覚醒する。しかし当初はジンとしての感情を失っており、読み切り版ZETMANにおけるゼットマン最終段階を彷彿させる、顔の隠れた姿となっていた。一時的にだが読み切り版同様、翼と尻尾すら生えていた。
アニメ版では磯野兄弟戦で一時的に完全体となったが、以降は終盤で覚醒するまで全身白の不完全な姿であった。白ZETになったのはプロトタイプ戦と海老蔵戦終盤のみ。また、コウガはZETを自分の理想のヒーロー像として「ゼットマン」と呼んでいた。
なお、ジンはジャケットにのみ皮膚と衣服を同化させる薬を使っているため、完全体になるまではZETになってもズボンは履いたままだった(原作のみ)。
プロトタイプ
霧島が考案し、ジンを生み出したシステムを使わずに造られたZETの前段階。同一デザインから作成されたため、外見は類似しているが、能力・知能ともにZETに遠く及ばない。初めて変身したジンにわずか一撃で倒された。
完全体(かんぜんたい)
ZETの最終形態。ジンを人にすることを目標としていた神崎にとっては人の状態で細胞が安定することを指し、プレイヤーを滅ぼすことを求めている人間達にとってはZETの状態で安定することを指す。
覚醒補足成剤(かくせいほそくせいざい) / ガム
人の状態のジンをZETへと覚醒させ、肉体の破損を修復する効果のある薬。通称通りガム状をしており、噛んでからしばらく経つと覚醒がはじまり変身するが、効果は一定時間で切れる。使用後しばらくしてから、激痛が走る副作用がある。

アルファスプロジェクト

早見が中心となり、アマギの軍事産業部で企画された、コウガをヒーローにする為のプロジェクト。

銀河超人アルファス(ぎんがちょうじんアルファス)
声 - 新垣樽助
ジンやコウガが幼少の頃にテレビで放映されていたアニメの変身ヒーロー。制作はアマギの関連会社・天プロが行なっていた。コウガの憧れの対象であり目標。また、コウガはグッズのコレクターでもある。ちなみに、アルファスのデザインは木下によるZETデザインのボツ案から生まれている。
アルファススーツ
コウガをアルファスへと変身させる、アルファスプロジェクトの集大成。生体認証によってコウガ以外には操作不能。装備者の運動能力を増幅させ、脳内の記憶を読み込むブレインスキャナーを応用することにより、コウガの思考が即座に反映される様になっている。腕部にセルデリートOP1を格納、戦闘時にはそれを使って戦う。デザインは竹谷隆之が担当。
当初プロトタイプとも言えるアルファススーツが開発されたが、カラーリングの問題(オリジナルは白だが、敵に発見されるリスクなどを考慮されて黒だった)やマント・頭部のエンブレム(当然実戦では邪魔になるものばかり)がないとしてコウガがダメ出しし、それをわずか三日で現在のアルファススーツへとスタッフが作り変えた。
アニメ版ではコウガのデータから量産型(デザインはコウガがダメ出ししたプロトタイプのもの)が生み出され、アマギの実戦部隊へと配備されていた。
セルデリートOP1
声 - 小野友樹(音声)
アルファスの武器。この武器はシュートモード(銃)と、カットモード(剣)があり、小型のプレイヤーなら簡単に倒すことができる。どちらもエネルギーを消費して使用できる。また、エネルギーカプセルを取り替えることでエネルギーの充電は回復させることが可能。
ファルコン テスト機
コウガがアルファスで出動する際に使用する乗り物。小葉を助けに向かう際にファルコンのテスト機で出動している。テスト機というだけあり着陸・空中静止は出来ないため、着陸には脱出用のフライングハンガーを使用。

その他

中田二郎事件
中田二郎がアマギへの復讐のために加藤(早見)、田坂と共謀して起こした事件。かつてのプレイヤープロジェクトの地下研究施設の上にカラクリ屋敷を建造し、そこにコウガと彼のファンの少女達を拉致して実行に移された。その目的はコウガの正義の冷徹さを試すテストであり、不合格の場合はコウガを殺すことも厭わなかった。
しかし真の目的は早見、田坂によるアマギ乗っ取りのための計画であり、二郎もアマギへの恨みを利用されただけである。天城一族失墜のために殺人ゲーム(ハンマーマンによる虐殺)が行なわれるが、田坂はそれだけでは弱いとしてさらにコウガに化けた偽造人間による乱交パーティ(媚薬で少女との性行為におよび、その後少女を殺害。その光景を録画するというもの)を実行した。
コウガは満身創痍になりながらもハンマーマンを倒すが、少女達は茉柚以外の全員が殺されてしまい、コウガ自身も右腕を失ってしまう。しかし一郎の協力によってコウガは茉柚を連れて脱出。二郎、一郎、田坂は死亡する。コウガは重傷を負ったが一命を取り留め、以降はアルファスプロジェクトの実現に向けて動き出す。茉柚は大きな精神的ダメージと軽い怪我を負ったものの、ブレインスキャナーで記憶を消された(唯一の生存者ということで扱いに苦慮され、一時は始末することすら考えられたが、コウガがこの事件で救った唯一の人間、成し遂げた成果として記憶の消去で落ち着いた)。
ちなみに拉致された少女達はほとんどが過去に万引きいじめなどの問題行動を起こしており、コウガに対して(広義では「悪」と言える人間を)「正義の味方が守る価値があるのか?」と問いかける意味も持たせていた。
アニメ版では設定が大幅に変更され、コウガの中学時代ではなく、クリスマスの惨劇と平行して発生した。また、場所も救助にきた3人組が「割と近い場所」としか言っていない。コウガの右腕が切断されることもなく、田坂がアニメに登場していないためか偽造人間による乱交パーティーもない。事件の黒幕である早見は直接姿を見せ、一郎がコウガに協力することもなかった。最後は原作通り、茉柚以外の少女達と事件の首謀者達は全員死亡。但し、原作のように研究所が崩壊することはなかった。

小説

タイトルは『ALPHAS ZETMAN ANOTHER STORY』。

ZETMANと同じ世界観で描かれるもう一つの物語。

天城 高雅を主軸にストーリーが展開していき、彼の求める「正義」というテーマがより深く掘り下げられている。

小説ながらこちらの単行本はZETMANの物と同様の仕様となっている。

あらすじ(小説)

アルファス23番目の試作機「Wフレーム」が暴走。 その鎮圧の中で、コウガは己の正義について葛藤することとなる。

登場人物(小説)

本編にも登場する人物については省略。

建野 翼(たての つばさ)
アルファスに救われた中学生。少女のような外見をした少年。
青井 夢(あおい ゆめ)
ツバサの前に現れたボーイッシュな性格の少女。高校生。

読切版

週刊少年ジャンプ1994年特別編集オータムスペシャル掲載。49ページ。『ZETMAN 桂正和短編集』に収録されている。

バットマンモチーフにしたと思われるゼットマンのデザイン、主人公の名前(どちらも「ジン」。ただし漢字は異なる。)等、連載作品『ZETMAN』といくつかの類似性は見られるが、設定はほとんど別ものである。ただし両作には、単純な勧善懲悪に疑問を投げかけた「正義とは? 悪とは何か? 」というテーマが垣間見られ、この読切り作品が連載作品のプロトタイプとなっている事は伺える。

収録短編集の表題作とされ、桂自身が「最も気に入っている作品の一つ」として公言している作品ではあったが、勧善懲悪的な物が求められる当時の少年誌の編集部にとっては非常に受けの悪い作品であった。


あらすじ(読切版)

阿久野(あくの)市に住む23歳のゲームプログラマー黒乃神は、自ら開発したAI・SUPER(超人工頭脳)により無限の展開をしてエンディングを迎える、正義を行うことでヒーロー「ゼットマン」を育てるシミュレーションゲームを開発していた。正義感が強く排他的な黒乃だったが、唯一白井幸子だけには心を許していた。

ある日、マンションが雷の直撃に遭い、パソコンのモニター画面の中からAI・SUPERの少女アイスが現れ、黒乃は正義の怪人ゼットマンに変身する能力を得る。ゼットマンは水を得た魚のように、次々と悪を撃ち沈めていき、レベルアップを重ね、尻尾を生やし、翼を得ていく。その姿は、悪魔の姿そのままだった……。

銀行強盗に温情を見せたばかりに、人質が殺害されたことから、悪に対峙するとき「感情は必要ない」と悟った黒乃は、更なるレベルアップのためプログラミングにより、街中にザコモンスターを発生させる。しかし、それを阻止した幸子が、アイスによって最終ボス「デス」へと変貌し、ゼットマンの前に立ちふさがる。「愛と優しさ」を説くデスに、ゼットマンはデスを剣で殺害する。

その後、すべての感情を失ったゼットマンは、機械的に悪を打ち倒す「真のヒーロー」となっていた。

登場人物(読切版)

黒乃 神(くろの じん)
ゲームプログラマ。23歳。ヒーロー育成シミュレーションゲーム「ZETMAN」を制作。事故で死亡した母の影響で「正義」に固執する。落雷の影響によりゲーム中のキャラクター「ゼットマン」に変身できる様になり、町の悪を打ちしずめていく。
白井 幸子(しらい さちこ)
黒乃が唯一心を許す人間。恐らく会社の同僚。
ちなみに、ジャンプ本誌に掲載の際、「白井」ではなく「白川」という名前で呼ばれている箇所があった。
これは、同作者の「電影少女」の恋編に出てくる「白川あゆみ」と間違えたと思われる。
アイス
黒乃が開発したゲーム内のAI・SUPER(超人工頭脳、AI・S)が、落雷によるバグによって実体化したもの。ゼットマンのレベルアップを行う。

テレビアニメ

2012年4月より、読売テレビTOKYO MXBS11にて放送。全13話。ナレーションは遠藤憲一が務めている。

原作者が脚本会議に参加しており、アニメ用に再構成している(ストーリー展開が原作と異なる)。

スタッフ

主題歌

オープニングテーマ - 「dots and lines」[3]
作詞 - 一青窈Mummy-D / 作曲 - 小林武史、Mummy-D / 編曲 - 小林武史 / 歌 - 一青窈 loves Mummy-D
第1話はEDに使用。
エンディングテーマ - 「とめる」[3]
作詞 - 一青窈 / 作曲・編曲 - 小林武史、武部聡志 / 歌 - 一青窈

各話リスト

話数 サブタイトル 絵コンテ 演出 作画監督 総作画監督
第一話 未熟な感情 鍋島修
高谷浩利
鍋島修 岩佐裕子 高谷浩利
鈴木勤
第二話 紅蓮の中で 本多康之
高谷浩利
原田奈奈 戸部敦夫
第三話 菅井嘉浩
高谷浩利
菅井嘉浩 清水貴子
第四話 疫病神 本多康之
高谷浩利
坂口竜太郎 池内直子
第五話 アルファス 鍋島修 小山知洋
第六話 人質 本多康之
高谷浩利
宮原秀二 小谷杏子
小美戸幸代
岩佐裕子
鈴木勤
第七話 暴きの輪 米たにヨシトモ
高谷浩利
原田奈奈 安藤義信 高谷浩利
鈴木勤
第八話 普通の家族 堀之内元 清水貴子 高谷浩利
岩佐裕子
鈴木勤
第九話 形見の行方 坂口竜太郎、本多康之
高谷浩利
坂口竜太郎 池内直子 高谷浩利
鈴木勤
第十話 パーティー 本多康之 原田奈奈 敷島博英 岩佐裕子
鈴木勤
第十一話 操り人形 菅井嘉浩 小美戸幸代
虎助遥人
高谷浩利
鈴木勤
第十二話 赤い杭 本多康之 岩佐裕子、安藤義信
とみながまり
-
第十三話 葬列 鍋島修 高谷浩利
鈴木勤

放送局

放送地域 放送局 放送期間 放送日時 放送系列 備考
近畿広域圏 読売テレビ 2012年4月2日 - 6月25日 月曜 26:23 - 26:53 日本テレビ系列 MANPA 第2部
日本全域 ニコニコチャンネル 2012年4月3日 - 6月26日 火曜 24:30 更新 ネット配信
BS11 2012年4月6日 - 6月29日 金曜 24:00 - 24:30 BS放送 ANIME+
東京都 TOKYO MX 金曜 25:00 - 25:30 独立局
日本全域 キッズステーション 2012年4月25日 - 7月18日 水曜 24:00 - 24:30 CS放送 リピート放送あり
AT-X 2013年10月10日 - 2014年1月2日 木曜 22:30 - 23:00

WEBラジオ

ZET NIGHT RADIO』は、2012年4月から6月まで超!A&G+HiBiKi Radio Stationで配信されていたラジオ番組[4][5]

パーソナリティ

ソーシャルゲーム

2013年2月26日からパクレゼルヴによりMobageでソーシャルゲームが提供された [6]

プレイヤーはキャラクターを集めて強化しながら、パーティーを組み、自分の正義を証明するために勝利を目指すソーシャルカードバトルゲーム。

カードイラストはトムス・エンタテインメントが担当している。

書誌情報

いずれも著者は桂正和、発行は集英社より。

  • 『ZETMAN』〈ヤングジャンプ・コミックス〉 既刊19巻(2013年12月19日現在)
    1. 2003年11月24日第1刷発行(11月19日発売[7])ISBN 4-08-876529-X
    2. 2003年11月24日第1刷発行(11月19日発売[8])、ISBN 4-08-876530-3
    3. 2004年5月24日第1刷発行(5月19日発売[9])、ISBN 4-08-876610-5
    4. 2004年12月22日第1刷発行(12月17日発売[10])、ISBN 4-08-876720-9
    5. 2005年6月22日第1刷発行(6月17日発売[11])、ISBN 4-08-876808-6
    6. 2005年12月24日第1刷発行(12月19日発売[12])、ISBN 4-08-876893-0
    7. 2006年7月24日第1刷発行(7月19日発売[13])、ISBN 4-08-877114-1
    8. 2007年10月24日第1刷発行(10月19日発売[14])、ISBN 978-4-08-877340-7
    9. 2008年4月23日第1刷発行(4月18日発売[15])、ISBN 978-4-08-877416-9
    10. 2008年8月24日第1刷発行(8月19日発売[16])、ISBN 978-4-08-877493-0
    11. 2008年12月24日第1刷発行(12月19日発売[17])、ISBN 978-4-08-877565-4
    12. 2009年5月24日第1刷発行(5月19日発売[18])、ISBN 978-4-08-877637-8
    13. 2009年10月24日第1刷発行(10月19日発売[19])、ISBN 978-4-08-877718-4
    14. 2010年4月24日第1刷発行(4月19日発売[20])、ISBN 978-4-08-877803-7
    15. 2010年12月22日第1刷発行(12月17日発売[21])、ISBN 978-4-08-879080-0
    16. 2011年10月24日第1刷発行(10月19日発売[22])、ISBN 978-4-08-879186-9
    17. 2012年3月31日第1刷発行(3月29日発売[23])ISBN 978-4-08-879292-7
    18. 2012年11月24日第1刷発行(11月19日発売[24])ISBN 978-4-08-879436-5
    19. 2013年12月24日第1刷発行(12月19日発売[25])ISBN 978-4-08-879810-3
  • 『ALPHAS ZETMAN ANOTHER STORY』〈JUMP jBOOKS〉 2012年3月31日第1刷発行、ISBN 978-4-08-703260-4
  • 『ZETMAN 総集編』〈週刊ヤングジャンプ 増刊〉 ISBN 978-4-08-111046-9
  • 『ZETMAN 桂正和短編集』〈ジャンプ・コミックス〉 1995年7月9日第1刷発行、ISBN 4-08-871820-8

脚注

  1. 『週刊ヤングジャンプ』2008年38号、151頁
  2. 「桂正和インタビュー」『季刊エス14号』飛鳥新社、2006年4月1日、ISBN 4870317109、42頁。
  3. 3.0 3.1 テンプレート:Cite web
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  20. テンプレート:Cite web
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  25. テンプレート:Cite web

注釈

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出典

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関連項目

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