A LONG VACATION
『A LONG VACATION』(ア・ロング・バケイション)は、1981年3月21日にリリースされた大滝詠一のスタジオ・アルバム。
目次
解説
LPおよびCD帯のカナ表記は「ロング・バケイション」。「ロンバケ」の愛称でも親しまれている、大滝詠一にとって最大のヒットを記録したアルバム。1982年のCD発売後、オリコン初のミリオンセールス作品でもある。1970年代までは一部のマニア受けしかしておらず、ほぼ無名に近かった大滝詠一の名が世の中の人々の間にも広まった。これは、音楽業界で「(ナイアガラでのソロ活動開始から)5年も売れなかったアーティストが突如売れるのは奇跡」と言われるほどの出来事だった。以後もアルバム収録曲にタイアップや、多くのアーティストにカヴァーされている。レコード帯のキャッチコピーは“BREEZEが心の中を通り抜ける”。
大滝本人による「Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語」を除いて、作詞はすべて松本隆が担当している。大滝と松本の2人がコンビを組むのは、はっぴいえんど『HAPPY END』収録曲「田舎道」「外はいい天気」以来。本アルバムは、アルバムタイトルのイメージである夏、及び大滝の誕生日である7月28日にリリース予定であったが、松本の妹が逝去したため、詞が書けなくなり、「作詞を降りる」と大滝に告げたが、大滝は「発売を延ばす。待つよ」と松本に返答し、9月に延長されたもののさらに伸び、結局3月の発売となった。なお、販売延期に関しては以前レーベル契約していた日本コロムビアが1980年までナイアガラ・レーベルの販売権を持っていたことも影響していると推測されている[注 1]。
大滝曰く、このアルバムで初めて自分のボーカルにキーを合わせて作曲した(はっぴいえんどもナイアガラ時代も全て楽器に合わせて作曲していた)。
オリコン1位は獲得できなかったものの最高2位まで上がり、発売1年で100万枚を突破した。これは2006年の音楽市場規模に換算すると400万枚に該当する。アナログ、CD、リマスター盤を含めた総売上は200万枚に達するという。
『レコード・コレクターズ』2010年9月号の特集「日本のロック・アルバム・ベスト100(1980年代編)」では第1位に選ばれた。
CD:35DH-1, Master Sound DM
発売から1年半後の1982年10月1日、世界初のCD化タイトル20枚の中に選出された[注 2]。大瀧によれば「とにかくアナログ2,700円の時代に3,500円のCDしかもCDの最初期だから、リスナーはCDプレイヤーも購入しないとならないわけです。だから誰も買いませんでしたね。ホントですよ」[1]とし、実際最初の3年間はCDの印税はゼロだったという。さらに「まあとにかく、品番35DH-1が『ロンバケ』で、35DH-2が『NIAGARA TRIANGLE Vol.2』[注 3]だったわけですが、肝心の音が“なんでこんなに音が悪いんだ?”という。こうして僕のデジタル研究の旅も始まってしまうんですよ」[1]という。大瀧にとってもCDについてはわからないことばかりだったがアナログ・カッティングでの経験から当時、マスタリング・レベルのピークが-20dBに設定されていたため音量が小さい部分に問題があるのではないかと考えたという。そこで、レベル・ピークを-0dBまで入れた2ndプレスが35DH-1のまま1983年に発売された。結果としてこのアルバムは世界初のCDリマスタリングが行われたタイトルになってしまったという[1]。しかし、2ndプレスに対して周囲から“音がひずんでいる”と指摘されたのを受け、今度はピーク・レベルを-16dB辺りに設定した3rdプレスが制作され、最終的には3種類の35DH-1が存在している[注 4]。この同じ音源が使われて“マスターサウンド盤シリーズ”の高音質盤もリリースされた[注 5]。
1989年盤(CD:27DH-5300)
1989年に初の『公式』リマスター盤が発売されたが、大滝によれば「まだ世間的にはリマスタリングなんて言葉も無かったころですが、実は我々にしてみればこの時点で4回目のマスタリングだったんです。で、この時はアナログ・マスターからPCM-1630のU-Maticに落としました。その際、“アナログ・マスターが危険な状態にある”という話を聞かされたんです。1980年から83年までの3Mのテープは全体的に不具合があるという通達が来たのですよ。磁性体がボロボロ落ちて音が出なくなると。普通アナログは経年変化で最後はダメになるのだけど、この時期のテープはそれより早くダメになるという。それで“もう1回、何とかお願い!”ってU-Maticに入れたのがアナログを回した最後でした」[1]という。
1989年盤はケース本体に“1989 RE-MASTER”のステッカーが貼られ、「さらばシベリア鉄道」がカットされ全9曲となった。
収録曲
SIDE A
- 君は天然色 (5:02)
- Velvet Motel (3:42)
- 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一
- アン・ルイスに提供する予定だった「Summer Breeze」の改題。
- カナリア諸島にて (3:58)
- 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一
- 「君は天然色」のB面としてシングル・カット。作詞当時、松本はカナリア諸島に行ったことがなく、想像で詞を書いたが、1999年に初訪問を果たした。
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語(ストーリー) (3:14)
- 作詞・作曲:大瀧詠一
- もともとはCM用に制作された「大きいのが好き」を『ロンバケ』用に発展させたもの[注 6]。CM曲ではシャネルズがドゥーワップの定番フレーズ“ダー・ビ・ドゥ・ビ・ドゥ・バ”を入れているが、本曲ではシンセにしゃべらせている。大滝よれば「パッ・ピ・ドゥ・ビ・ドゥ・バは松武君にシンセで作ってもらったのだけど、2つ問題があって、1つは鍵盤を押して“パッ!”って音が出るまで若干遅れちゃうのです。なのでキーボーディストにはわずかに先読みして引いてもらうハメになってしまいました。もう1つは、当時はアナログ・シンセなのでパッ・ピ・ドゥ・ビ・ドゥ・バを1音ずつ作って録るのです。1つ言葉を作っちゃ、食い気味に弾いたものを録音していって、最後に1本につなげるという大変面倒なことをしました。なっかなか一連で言葉に聴こえるようにならなくて、何度もやりましたよ。だからよく聴くと完全にジャストにはなっていないはずです。そのバラバラ感をわざと残しつつ良い案配になるまでトライし続けました」[2]という。また、鈴木茂が弾いているギター・フレーズは大滝が指定したものだという。大滝は「ハニカムズでおなじみの高音ギターってことで軽く口三味線をしたらすぐにあのイントロのフレーズを出してくれました。というわけで、この曲はセカンド・ラインとボ・ディドリー・スタイルを煮込んでハニカムズ・ギターで味を整えた上にドゥーワップ・ソースを振りかけたというのが1つの解釈になるわけだけど、さらにソースにもう一味欲しいかなってことでシンセ・ドゥーワップという史上初のジャンルを提示してみた、ってことでいかがでしょうか」[2]と答えている。
- 我が心のピンボール (4:24)
SIDE B
- 雨のウェンズデイ (4:24)
- 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一
- 当初は「恋するカレン」のB面としてシングル・カットされたが、後にA面とB面を逆にしたシングルが初回プレスはクリア・ヴィニール仕様で、セカンドプレスは通常仕様で発売されている。
- スピーチ・バルーン (3:55)
- 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一
- 1980年にスラップスティックへ提供した「デッキ・チェア」の改作で、スピーチ・バルーンとは漫画のフキダシのこと。後に、自身のラジオ番組のタイトルにも使用された。曲中、ドラムがリムからスネア打ちになるたびにユニゾンで鳴る音は、大滝が矢野誠から借りたタブラをパーカッショニストが叩いているのだという[2]。さらに大滝によれば「この曲はソロで歌っていますが、マルチには4回それぞれ録音したものがあるのです。例えば、エルヴィス・プレスリーのアウト・テイクを聴けば分かるのですが、毎回違うわけです。あれは“さっきはこうだったから今度はこうしよう”って意識してやってるんじゃなくて、毎回気分をリフレッシュして歌っている気がする。エルヴィスは同録だから演奏も毎回少しずつ変わり、そうなれば歌も引っ張られる。だから僕も気分を変えて歌いたかったわけですが、ここで出てくるのがモニター・バランスなのです。ちょっとスネアを上げてみるとか、ギター上げめでやってみたりすると飽きない。もしモニターを2ミックスでやっちゃうとバランス調整ができないから全然リフレッシュできないのですね。僕がスタジオに1人こもって歌録りするのは、そういうモニターをいちいち指図してやってもらうんじゃなくて、自分で調整しながら気兼ねなくやれるからというのも理由の1つなんです。ぼくはパンチ・インはしないで通してうたうんですが、それでも1つのトラックの頭から終わりまで流すと、どうも単調というか、引っ掛かりが出ないんですよ」ということで、ミックスでは4テイクのいたるところが切り換えられているという[2]。2004年にソニーの「デジタルハンディカム」のCMソングに使用された。
- 恋するカレン (3:21)
- FUN×4 (3:26)
- 作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一
- タイトルの正式な読み方は存在せず、「ファン・タイムス・フォー」や「ファン・かける・よん」でも問題ない。更にはどんな自由な読み方をしてもいいという珍しい歌謡曲である、と本人が解説している。曲中の“Kiss”はオシャマンベ・キャッツ、“散歩しない?”は太田裕美。月に吠える男は五十嵐浩晃、“Church Bells May Ring”はシャネルズがそれぞれ参加。最後の“アンコール”は大滝自身[2][注 7]。後に植木等によってカヴァーされた。1980年代後半(1987年ごろ)、キーコーヒーのCMでこれと似た曲がオンエアされたが,実は大滝詠一のサウンドを真似たキーコーヒーのオリジナル曲である。
- さらばシベリア鉄道 (4:33)
クレジット
- Musicians
- Guitars: 安田“同年代”裕美, 三畑卓次, 笛吹利明, 福山享夫, 川村栄二, 松下誠, 松宮幹彦, 吉川“二日酔ドンマイ”忠英, 徳武弘文, 村松“カワイ・ギター教師”邦男, 鈴木“Hoseam-O”茂
- L.Perc: 鳴島“クワイアットマン”英治, 加藤賀行, 横山達治, 川瀬正人, 福生福生太郎, ラリー須永, 高杉登, 片山茂光, 川原正美, キムチ木村
- Keyboards: 山田“笑い上戸”英俊, 山中直子, 鈴木宏二, 井上鑑, エルトン永田, 中西康晴, 安西史孝, 大浜“練習熱心”和史, 井川賀幸, 遊眠亭主
- Drums: 上原“ユカリ”裕, 林“バラード”立夫
- Bass: 金田一昌吾, 長岡“ミッチ”道夫, 細野“エレキ・ベース”晴臣, 小泉僖美雄, 荒川康男
- Chorus,Voices of Each:
- Flute: Jake
- Trumpet: 吉岡孝時
- Marimba & Timpany: 金山功
- Strings: 前田憲男, 松任谷正隆
- ナガナガバカンスかもねむ会員
- 松本隆, 石川光 (Luna City), 川端薫, 白川隆三 (CBS/SONY), Kagamimochi 伊東, Kusomajime 深田, Kimuko 佐々木, Packman 芳川, アトム富士, GH助川, Hentai Papilapapa 大野, ショーガ焼き吉田 (Studio Staff), 笹島武, 川本晴義, 寺川知紀 (P.M.P), 前島洋児, 大細鈴松, 高木美和子 (Niagara Office)
- Re-Design: 佐藤徹 (Shumisome)
- Illustration: 永井博 (Penguin)
- Pattern: 湯村輝彦 (Terry)
- Obi-Design: 中山泰 (Richie young Studio)
- Recorded & Mixed at CBS/SONY Roppongi & Shinanomachi
CD選書シリーズ (CD:CSCL 1661)
解説
「CD選書シリーズ」の一枚として廉価盤でのリリース。1991年リマスターを使用、全10曲のオリジナルに戻された。レコード会社からは1990年発売を打診されていたが、10周年に合わせて1991年発売となった。
大滝によれば諸事情により、この選書盤のマスタリングに関与していなかった。後に30周年リマスタリングをする際、どの盤がどのマスターを使っているのか検証したところ、選書盤で使われたマスターはオリジナル・マスターではないことが判明したという。『EACH TIME』[注 8]リリース時に12インチ・シングル・ボックスが発売されたのに併せて『ロンバケ』のシングル・ボックスが企画され、そのためにオリジナル・アナログ・マスターから1/4インチ・アナログ・マスター・テープのコピーが1984年当時に作られ、「君は天然色」「カナリア諸島にて」「恋するカレン」「雨のウェンズデイ」とシングルのカップリング順に入っていた。最終的にシングル・ボックスの企画はなくなり、テープはそのまま保管されていた。ナイアガラ原盤リストに入っていなかったため、オリジナル・マスターからのコピー第一世代ではあるものの、全然再生されていないマスターが選書盤のマスターに使われていたことを、1991年の時点で大滝は知らなかったという[1][4]。
CD選書盤はオリコン集計では最高56位で6.9万枚の売上だが、実売では10年間で45万枚を売り上げたという[5]。
収録曲
- 君は天然色 (5:04)
- Velvet Motel (3:43)
- カナリア諸島にて (3:59)
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語(ストーリー) (3:15)
- 我が心のピンボール (4:24)
- 雨のウェンズデイ (4:23)
- スピーチ・バルーン (3:55)
- 恋するカレン (3:22)
- FUN×4 (3:25)
- さらばシベリア鉄道 (4:35)
クレジット
- Musicians
- Guitars ; 安田“同年代”裕美、三畑卓次、笛吹利明、福山享夫、川村栄二、松下誠、松宮幹彦、吉川“二日酔ドンマイ”忠英、徳武弘文、村松“カワイ・ギター教師”邦男、鈴木“Hoseam-O”茂
- L.Perc ; 鳴島“クワイアットマン”英治、加藤賀行、横山達治、川瀬正人、福生福生太郎、ラリー須永、高杉登、片山茂光、川原正美、キムチ木村
- Keyboards ; 山田“笑い上戸”英俊、山中直子、鈴木宏二、井上鑑、エルトン永田、中西康晴、安西史孝、大浜“練習熱心”和史、井川賀幸、遊眠亭主
- Drums ; 上原“ユカリ”裕、林“バラード”立夫
- Bass ; 金田一昌吾、長岡“ミッチ”道夫、細野“エレキ・ベース”晴臣、小泉僖美雄、荒川康男
- Chorus ; Voices of Each
- Flute ; Jake
- Trumpet ; 吉岡孝時
- Marimba & Timpany ; 金山功
- Strings ; 前田憲男、松任谷正隆
- ナガナガバカンスかもねむ会員
- 松本隆、石川光 (Luna City)
- 川端薫、白川隆三 (CBS/SONY)
- Kagamimochi 伊東、Kusomajime 深田、Kimuko 佐々木、Packman 芳川、アトム富士、GH助川、Hentai Papilapapa 大野、ショーガ焼き吉田 (Studio Staff)
- 笹島武、川本晴義、寺川知紀 (P.M.P)
- 前島洋児、大細鈴松、高木美和子 (Niagara Office)
- Re-Design ; 佐藤徹 (Shumisome)
- Illustration ; 永井博 (Penguin)
- Pattern ; 湯村輝彦 (Terry)
- Recorded & Mixed at CBS/SONY Roppongi & Shinanomachi
- Remasterd on Dec. 1990 & Jan. 1991
- Engineer : Teppei Kasai
20th Anniversary Edition (CD:SRCL 5000)
解説
発売から20年後の2001年3月21日に20周年記念盤のCDが発売された。かつて1980年代に大滝が「2001年には『2001年ナイアガラの旅』を発売する」と発言したことがあったが、20周年記念盤の発売となった。最新リマスターを施し、初のボーナス・トラックとしてアルバム『Sing ALONG VACATION』[注 9]全曲が収録された。
この再発盤は2001年4月にスタートしたオリコンのカタログ・アルバムチャート(発売から2年を経過したアルバムのみのチャート)第1回の1位を獲得、こちらもオリコン集計で10年間で9.3万枚の売上を記録した。
収録曲
- 君は天然色 (5:05)
- Velvet Motel (3:44)
- カナリア諸島にて (4:00)
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語 (3:15)
- 我が心のピンボール (4:26)
- 雨のウェンズデイ (4:23)
- スピーチ・バルーン (3:55)
- 恋するカレン (3:23)
- FUN×4 (3:26)
- さらばシベリア鉄道 (4:35)
- <Instrumental>
- 君は天然色 (4:41)
- Velvet Motel (3:36)
- カナリア諸島にて (4:00)
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語 (3:14)
- 我が心のピンボール (4:23)
- 雨のウェンズデイ (4:22)
- スピーチ・バルーン (3:55)
- 恋するカレン (3:22)
- FUN×4 (3:15)
クレジット
- Musicians
- Guitars ; 安田“同年代”裕美、三畑卓次、笛吹利明、福山享夫、川村栄二、松下誠、松宮幹彦、吉川“二日酔ドンマイ”忠英、徳武弘文、村松“カワイ・ギター教師”邦男、鈴木“Hoseam-O”茂
- L.Perc ; 鳴島“クワイアットマン”英治、加藤賀行、横山達治、川瀬正人、福生福生太郎、ラリー須永、高杉登、片山茂光、川原正美、キムチ木村
- Keyboards ; 山田“笑い上戸”英俊、山中直子、鈴木宏二、井上鑑、エルトン永田、中西康晴、安西史孝、大浜“練習熱心”和史、井川賀幸、遊眠亭主
- Drums ; 上原“ユカリ”裕、林“バラード”立夫
- Bass ; 金田一昌吾、長岡“ミッチ”道夫、細野“エレキ・ベース”晴臣、小泉僖美雄、荒川康男
- Chorus ; Voices of Each
- Flute ; Jake
- Trumpet ; 吉岡孝時
- Marimba & Timpany ; 金山功
- Strings ; 前田憲男、松任谷正隆
- ナガナガバカンスかもねむ会員
- 松本隆、石川光 (Luna City)
- 川端薫、白川隆三 (CBS/SONY)
- Kagamimochi 伊東、Kusomajime 深田、Kimuko 佐々木、Packman 芳川、アトム富士、GH助川、Hentai Papilapapa 大野、ショーガ焼き吉田 (Studio Staff)
- 笹島武、川本晴義、寺川知紀 (P.M.P)
- 前島洋児、大細鈴松、高木美和子 (Niagara Office)
- Re-Design ; 佐藤徹 (Shumisome)
- Illustration ; 永井博 (Penguin)
- Pattern ; 湯村輝彦 (Terry)
- Recorded & Mixed at CBS/SONY Roppongi & Shinanomachi
- Reissue Staff
- 柿崎景二 (Sony Shinanomachi : DAC2000)
- 吉田保
- 塩田修 (Sony Shinanomachi)
- 城田雅昭 (Niagara Room)
- Remastered on Jan.2001
- Engineer: TETSUYA NAITOH
30th Edition (2CD:SRCL 8000-1)
解説
30周年盤は2011年リマスターによるdisc 1と、全曲分の純カラオケ・バージョンと未発表テイクを収録したボーナス・ディスクのdisc 2で構成。初回盤は三方背ケースによる限定仕様。大滝によれば「20周年盤はあの時点でできる限りのことをして評判も良かったわけですから、今回30周年盤を出すにあたっての最優先課題は“20周年盤を超える”ということでした。それができなければやる意味はないということです。で、さんざんあれこれ試してみましたけど、なかなか難儀していたんです。そんな時に、1回だけ選書盤で使ったマスターが浜松工場の奥のほうに置いてあることをスタッフが見つけてきたんです。取り寄せてみると、“選書盤で1回使用”と箱に書いてあって、開けてみるとでっかい字で『ロング・バケイション、シングル・ボックス用マスター』って紙が入っていたんです」[1][4]という。このマスターはオリジナル・マスターから1世代落ちるものの、ほぼ再生されていない状態というのは、アナログ・テープにとっては好条件だった。そして、30周年盤の目玉として純カラオケがボーナス・ディスクとして付けられたが、このマスターは『ロンバケ』のミックス・ダウン時、正規のマスターを作った直後に、ボーカルだけを抜いたカラオケ用ミックス・ダウンも行われていた。これが正真正銘のオリジナル音源によるカラオケ(純カラ)だった。大滝は「純カラはすごいですよ。何しろほぼこすっていない(テープ・ヘッドを通過していない)。しかも世代はオリジナル・マスターと同じ。つまり。この純カラをオリジナル・マスター・テープの基準クオリティに見立てて、あとはこれに一番近い音が合格ということでオーディションをしたんです。その結果、勝ち残ったのが1991年の選書盤で使ったマスターでした」[1]という。
本作のリリースに合わせてCD12枚組のボックス・セット『NIAGARA CD BOOK I』も同時発売された。W購入者特典として、2タイトルを購入して応募した人の中から抽選で「『A LONG VACATION』30周年祝賀パーティー」への招待が行われた。2011年6月5日に開催された当日は200名の招待枠に対し、50倍の応募があったという。大滝の出演はなかったが、本人の語りによる、秘蔵デモテープを交えた『ロンバケ』が出来るまでの「ロード・トゥ・ロングバケイション」と、1977年6月20日渋谷公会堂にて行なわれた「First Niagara Tour」のライブ映像が放映された。
disc 1 <A LONG VACATION>
- 君は天然色 (5:03)
- Velvet Motel (3:42)
- カナリア諸島にて (3:58)
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語 (3:58)
- 我が心のピンボール (4:24)
- 雨のウェンズデイ (4:24)
- スピーチ・バルーン (3:54)
- 恋するカレン (3:21)
- FUN×4 (3:25)
- さらばシベリア鉄道 (4:34)
disc 2 <A LONG VACATION TRACKS>
- 君は天然色 (4:42)
- シングル・ヴァージョン同様[注 10]、イントロのチューニング~カウントがカットされている。
- Velvet Motel (3:46)
- カナリア諸島にて (4:01)
- Pap-Pi-Doo-Bi-Doo-Ba物語 (3:13)
- 我が心のピンボール (4:24)
- 雨のウェンズデイ (4:26)
- スピーチ・バルーン (3:56)
- 恋するカレン (3:20)
- FUN×4 (3:20)
- さらばシベリア鉄道 (4:17)
- 君は天然色 (Original Basic Track) (5:16)
- サビで全音上へ転調するオリジナル・トラック。正規版でも未収録の箇所を含むイントロのチューニング~カウントが入っている。
クレジット
- Musicians
- Guitars ; 安田“同年代”裕美、三畑卓次、笛吹利明、福山享夫、川村栄二、松下誠、松宮幹彦、吉川“二日酔ドンマイ”忠英、徳武弘文、村松“カワイ・ギター教師”邦男、鈴木“Hoseam-O”茂
- L.Perc ; 鳴島“クワイアットマン”英治、加藤賀行、横山達治、川瀬正人、福生福生太郎、ラリー須永、高杉登、片山茂光、川原正美、キムチ木村
- Keyboards ; 山田“笑い上戸”英俊、山中直子、鈴木宏二、井上鑑、エルトン永田、中西康晴、安西史孝、大浜“練習熱心”和史、井川賀幸、遊眠亭主
- Drums ; 上原“ユカリ”裕、林“バラード”立夫
- Bass ; 金田一昌吾、長岡“ミッチ”道夫、細野“エレキ・ベース”晴臣、小泉僖美雄、荒川康男
- Chorus ; Voices of Each
- Flute ; Jake
- Trumpet ; 吉岡孝時
- Marimba & Timpany ; 金山功
- Strings ; 前田憲男、松任谷正隆
- ナガナガバカンスかもねむ会員
- 松本隆、石川光 (Luna City)
- 川端薫、白川隆三 (CBS/SONY)
- Kagamimochi 伊東、Kusomajime 深田、Kimuko 佐々木、Packman 芳川、アトム富士、GH助川、Hentai Papilapapa 大野、ショーガ焼き吉田 (Studio Staff)
- 笹島武、川本晴義、寺川知紀 (P.M.P)
- 前島洋児、大細鈴松、高木美和子 (Niagara Office)
- Re-Design ; 佐藤徹 (Shumisome)
- Illustration ; 永井博 (Penguin)
- Pattern ; 湯村輝彦 (Terry)
- Recorded & Mixed at CBS/SONY Roppongi & Shinanomachi
- 30th Reissu Staff
- 柿崎景二 (ADA7000R)
- 内藤哲也 (Sony Music Studios Tokyo)
- 城田雅昭 (Director)
- 笛吹銅次 (Niagara)
関連作品
- 夏歌2 - 夏がテーマの曲を集めたコンピレーション・アルバム、「カナリア諸島にて」収録。
- 風街図鑑〜松本隆 作詞活動30周年記念 - 松本隆の作詞家活動30周年記念CD-BOX、「カナリア諸島にて」「雨のウェンズデイ」収録。
- A LONG VACATION from Ladies (2009年11月4日)CD:UMCK-1333【通常盤】, CD+DVD:UMCK-9304【初回生産限定盤】 - 女性アーティストによるトリビュート・アルバム。ボーナス・トラックとして、アレンジを手がけた井上鑑による「Epilogue Instrumental〜Blue Niagara」を収録[注 11]。
- A LONG VACATION 南国アンドロイド・カバー (2011年3月21日)CD:DOCB-12342 - CHiP SHOP BOYZ WiTH ANDROiD SiNGERS ORCHESTRAによるトリビュート・アルバム。ジャケット・デザインは本秀康。マスタリングは本作の20周年記念盤と30周年盤を手掛けた内藤哲也。
脚注
注釈
出典
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