1973年の日本シリーズ
テンプレート:Infobox プロ野球日本シリーズ 1973年の日本シリーズ(1973ねんのにっぽんシリーズ、1973ねんのにほんシリーズ)は、1973年10月27日から11月1日まで行われたセ・リーグ優勝チームの読売ジャイアンツとパ・リーグ優勝チームの南海ホークスによる日本プロ野球の日本選手権シリーズである。
目次
概要
読売ジャイアンツ(川上哲治監督)と南海ホークス(野村克也監督(捕手兼任))との対決。1973年からパ・リーグは2シーズン制を導入、南海はプレーオフで阪急を撃破した勢いがあった。一方の巨人は2位で迎えた最終戦の勝利で優勝を決め、66勝60敗4分というおよそ優勝チームらしからぬ成績。しかも日本シリーズに強い長嶋茂雄を負傷で欠き、巨人の苦戦が予想された。しかし終わってみれば巨人が4勝1敗で南海を圧倒、不滅の9連覇を達成。
第1戦は江本孟紀の好投などで南海が勝ったが、その後は巨人のペースだった。特筆すべき活躍として投手堀内恒夫の野手顔負けのバッティングが挙げられる。第2戦では延長戦で決勝打、第3戦では2本塁打を放った。両試合で勝ち投手となり、MVPを獲得した。
南海はチーム打率.185(当時5試合シリーズ最低記録・現在の最低記録は2007年の日本ハムで.147)と打てず、守備でもミスを重ね、自滅ともいえる負け方であった。
上記のように日本シリーズ9連覇を達成したがそれ以降ジャイアンツは日本シリーズ連覇を一度も成し遂げてない。
試合結果
第1戦(10月27日)
○南海 4-3 巨人●(大阪球場) テンプレート:Linescore
土井正三の2ランで先制した巨人は1点を返されたものの、8回森昌彦の本塁打で再び2点差とした。しかし8回裏、南海が反撃。ヒットと2つの四球で2死満塁としたあと、桜井輝秀の押し出し四球で1点差に詰め寄りなお満塁の場面で藤原満が2点タイムリーヒットを放ち、逆転に成功。江本孟紀は9回も2安打で1死一・二塁のピンチを迎えるが、後続を抑えて完投勝利。
第2戦(10月28日)
●南海 2-3 巨人○(大阪球場) テンプレート:Linescore
桜井のタイムリーヒットで南海が先制点を挙げたが、巨人は4回、投手の倉田誠が同点タイムリーヒット、6回には伏兵・上田武司の本塁打で逆転した。しかし南海は7回、2つのヒットと四球で無死満塁と倉田を攻めた。この場面で巨人は堀内恒夫をリリーフに送る。堀内はウィリー・スミスに犠牲フライこそ許したものの、続く桜井を投ゴロ併殺に仕留め、無死満塁のピンチを1失点にとどめた。延長11回、1死二塁から再び投手の堀内が決勝タイムリーヒット。対戦成績を1勝1敗のタイに持ち込んだ。
第3戦(10月30日)
○巨人 8-2 南海●(後楽園球場) テンプレート:Linescore
巨人は先発の堀内が打撃面でも大活躍。3回1死から、松原明夫から野手顔負けの特大ホームラン。6回にも中山孝一からこの日2本目の2ランを叩き込んだ。投手面では、9回にも1点を許したが、この2失点だけで完投勝利。稲尾和久に並ぶシリーズタイ記録となる通算11勝目を挙げた。 南海は門田博光のバックスクリーン右への本塁打で完封こそ逃れたものの、失点が大きすぎ、焼け石に水。
第4戦(10月31日)
○巨人 6-2 南海●(後楽園球場) テンプレート:Linescore
1回裏、巨人は先頭の高田繁が四球、土井のバントをクラレンス・ジョーンズが凡エラーし、無死一・二塁。この機を逃さず、3番の末次利光がライト前へタイムリーヒット。王貞治を歩かせた後、5番の柳田俊郎のセカンドを襲う強襲ヒットでさらに2点目。1死を取った後、長嶋茂雄の代役で三塁を守っていた富田勝の三塁ゴロの間に末次が生還して3点目。巨人は2安打ながら南海のミスにつけこみ3点を挙げた。2回の4点目もジョーンズのタイムリーエラーで、先発江本は4失点ながら自責点ゼロでの無念の降板。5回には2番手・山内新一から王が駄目押しの一発を叩き込んだ。8回の6点目もエラーがらみで、南海の6失点中、自責点がついたのは5回の1点だけだった。
第5戦(11月1日)
○巨人 5-1 南海●(後楽園球場) テンプレート:Linescore
門田博の犠牲フライで南海が先制したが、その裏王がライトスタンドへ逆転2ラン。3回には黒江透修のタイムリーヒット、7回には末次のタイムリーヒットと王の犠牲フライで2点を追加し、5-1とし、倉田-堀内のリレーで逃げ切り、9年連続の日本一を4勝1敗であっさり決めてみせた。ジャイアンツはこのシリーズ、3人の投手ですべての試合を終了する、最少起用の記録をつくった。
最終打者は島野育夫。左翼(守っていたのは高田繁)フライだった。
表彰選手
- 最優秀選手賞、最優秀投手賞 堀内恒夫(巨人)
- 3試合に登板し、2勝0敗、防御率0.91。打撃でも活躍し、打率.429(7打数3安打)、4打点。第2戦で決勝タイムリー、第3戦では投げては2失点完投勝利、打っては2本塁打、3打点と大活躍を見せた。日本一を決めた第5戦では胴上げ投手の栄誉に輝く。
- 敢闘賞 野村克也(南海)
- 打率.250(20打数5安打)、2打点。第4戦で2安打を放ち2打点をマーク。本塁打こそなかったが、低迷する打線の中で選手兼任監督として気を吐いた。
- 打撃賞 末次利光(巨人)
- 打率.364(22打数8安打)、3打点。第4戦と日本一を決めた第5戦で2試合連続打点。
- 技能賞 王貞治(巨人)
- 打率.286(14打数4安打)、5打点。第4戦と日本一を決めた第5戦で2試合連続本塁打。
- 優秀選手賞 高田繁(巨人)
- 打率.357(14打数5安打)。第4戦で3安打1打点。第5戦ではウイニングボールを捕球。
テレビ・ラジオ中継
テンプレート:節stub (第6~7戦の放送予定については書きかけです。)
テレビ中継
- 第1戦:10月27日
- 第2戦:10月28日
- 第3戦:10月30日
- 第4戦:10月31日
- 第5戦:11月1日
備考
- 民放では試合が実施された全試合が日テレ系での放送だった。なお、この当時、南海の主催ゲームは毎日放送に優先権があったが、当時同局が所属していたNETテレビ(現・テレビ朝日)系列はフルネットまたは同系列を主体とした局が少なかったため、放映権が確保できなかったものと思われる。
ラジオ中継
- 第1戦:10月27日
- 第2戦:10月28日
- 第3戦:10月30日
- 第4戦:10月31日
- 第5戦:11月1日