黄河
黄河(こうが)とは、中国の北部を流れ、渤海へと注ぐ川。全長約5,464kmで、中国では長江(揚子江)に次いで2番目に長く、世界では6番目の長さである。なお、河という漢字は本来固有名詞であり、中国で「河」と書いたときは黄河を指す。これに対し、「江」と書いたときは長江を指す。
概要
黄河は玉樹チベット族自治州の東端に近い青海省バヤンカラ山脈に源流があり、7つの省と2つの自治区を縫って流れる。地理的には3つに大きく区分できる。チベット高原、オルドス・ループ、華北平原である。オルドス・ループ (Ordos Loopとは黄河屈曲部とも言い、黄河が内モンゴルまで北上すると、オルドス地方を囲むように東行して南下し、さらに東へ向きを変える状態を指す。 黄河の下流域は中原と呼ばれる。この地は黄河文明発祥の地であり、過去に歴代王朝の都が置かれた。
黄河は上流・中流で黄土高原を通り、多くの支流が流入するため、大量の黄土を含む。黄河が流送する土砂は年間16億tと言われ、その土砂の堆積により、山東省の河口付近には広大なデルタ地帯を形成し、渤海湾に注ぐ。
下流部は天井川となる。そのため古来よりたびたび氾濫し、大きく流路を変えてきた[1]。かつては渤海北部の天津付近に河口があったり、南の黄海に流れ込んでいたこともある。それらの元流路は黄河故道と呼ばれている。また、日中戦争中の1938年には日本軍の侵攻を阻止しようとした中国国民党によって堤防が爆破され、流路が変わった(黄河決壊事件)。1947年に堤防の修復が完了し、河口が現在の位置になった。
戦後、三門峡ダムなど大規模なダムが建設され、大水害は減少した。しかし、1970年代以降、工・農業用水の需要増大に伴って、下流部で流量不足になり、河口付近では長期にわたって断流するなどの問題が起きている(1999年以降、断流は発生していない)[† 1][1]。
支流
橋・トンネル・渡し
黄河には多くの橋や渡し船(中国語:渡口)がある[2][3][4]。その主なものを、下流から上流に向かう順に列挙する。
- 韓城禹門口黄河大橋
- 銀川黄河公路大橋(銀川市)
- 達日黄河大橋
- 扎陵湖渡口 - 黄河最上流の渡しといわれる。
現在、黄河を潜るトンネルはなく、計画もない。
脚注
注釈
出典
関連項目
- ↑ 石弘之著 『地球観測報告Ⅱ』 岩波書店 《岩波新書(新赤版)592》 1998年 42ページ
- ↑ 黄河大橋(百度百科)(中国語)
- ↑ 黄河大橋の写真集(百度)(中国語)
- ↑ 黄河公路大橋(百度)(中国語)