菊次郎とさき
『菊次郎とさき』(きくじろうとさき)はビートたけし(北野武)による日本の小説、およびその小説を元に作成された日本のテレビドラマと演劇でである。「菊次郎」「さき」とは、ビートたけしとその兄弟(北野大など)の両親の名前。
目次
小説版
1999年12月に新潮社より単行本として、さらに2001年12月に新潮文庫版が発売された。文庫版には北野大によるあとがき「北野家の人びと」も収録されている。
- SAKI
- 『新潮45』1997年5月号初出。軽井沢で入院中のオフクロ・さきから、見舞いに来ないことを怒られた「おいら」(たけし)は、特急列車に乗って軽井沢へ向かう。ごちゃごちゃした町中を列車が進むうち、思い出すのは足立区で育った子どもの頃だった。
- KIKUJIRO
- 単行本書き下ろしで、父の想い出を綴った作品。全てフィクションとの断り書きがある。
- 北野さきさん死去
- 『新潮45』1999年10月号初出。母の葬儀の前後を綴っている。前2作が一人称「おいら」が回想する自伝的小説仕立てなのに対し本作品はたけしによる同誌の連載と同様のエッセイ風語り口で記述されており、テレビドラマ版の原作とはなっていない。題名については母の死を客観視するためあえて「さん」付けにしたと記されている。
書誌・作品情報
- 『菊次郎とさき』1999年12月5日発行 ISBN 4103812095
- 新潮文庫版 2001年12月1日発行 ISBN 4101225249
テレビドラマ
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists テレビ朝日系列で放送された日本のテレビドラマ。主演は陣内孝則と室井滋。
2001年1月6日の土曜日21:00 - 23:21に新春スペシャルドラマとして放送された。
連続ドラマの第1シリーズは、2003年7月3日より9月11日まで毎週木曜日21:00 - 21:54に、「木曜ドラマ」枠で放送された。
第2シリーズは、2005年7月21日より9月15日まで放送された[1]。本シリーズより、ハイビジョン画質で制作開始となっている。
第3シリーズは、2007年7月5日より9月13日まで放送された[1]。第3シリーズはデータ放送連動番組として放送。
概要
舞台は足立区梅島(現・島根)で、腕のいいペンキ屋(塗装業)だが飲んだくれな菊次郎と、教育熱心なさきの夫婦を中心に、少年時代の北野大・ビートたけし兄弟の実家である北野家とその周囲の下町の人々をコミカルに描く。北野菊次郎役の陣内孝則と北野さき役の室井滋と谷川小五郎役の梨本謙次郎はスペシャルドラマから全シリーズキャスト変更をされず演じられている。
ストーリーは小説版をベースにしているが、スペシャルドラマ版では名を成した後の(壮年期の)たけし役であるダンカンが登場するのに対し、連続ドラマ版では少年期および青年期(第2・3シリーズ)のみが配役されているため、連続ドラマ版では壮年期のエピソードはほとんど描写されていない。
2010年現在スペシャルドラマ版のみがビデオ・DVD化テンプレート:要出典されている。
時代設定
- スペシャル:昭和30年代はじめ。
- 第1シリーズ:昭和30年代。
- 第2シリーズ:第1シリーズの最終回から1年後。
- 第3シリーズ:第1シリーズの2年前。
キャスト
スペシャルドラマのキャスト
- 北野家
- 若林家
- 谷川家
- 天宮家
- その他
連続ドラマのキャスト
- 北野家
- 北野菊次郎 - 陣内孝則 ⇒ 大和田唯斗(子供のころの菊次郎:第3シリーズ)
- 北野さき - 室井滋
- 北野重一(長男) - 賀集利樹(第1・2シリーズ) ⇒ 阿部力(第3シリーズ)
- 北野安子(長女) - 早瀬英里奈(第1シリーズ) ⇒ 市川由衣(第2シリーズ) ⇒ 黒川智花(第3シリーズ)
- 北野大(次男) - 若葉竜也(子役:第1シリーズ) ⇒ 村上雄太(少年時代:第2シリーズ) ⇒ 谷本和優(少年時代:第3シリーズ) ⇒ 平山広行(青年時代:第2・3シリーズ)
- 北野武(ビートたけし)(三男) - 桑原成吾(少年時代:第1・2シリーズ) ⇒ 塚本高史(青年時代:第2・第3シリーズ)・大和田凱斗(少年時代:第3シリーズ)
- 北野久美子(重一の妻・旧姓:牧野) - 京野ことみ(第1・2シリーズ)
- 北野うし(菊次郎の叔母・さきの養母) - 草笛光子(第1・2シリーズ) ⇒ 吉行和子(第3シリーズ)
- 武の通う小学校
- 藤崎(先生・武の担任) - 西島秀俊(第1・2シリーズ)
- 谷川家
- 谷川小五郎(隣家の大工) - 梨本謙次郎
- 谷川かつゑ(小五郎の妻) - 濱田マリ
- 左家
- 牧野家
- 牧野松太郎(久美子の父) - 渡辺哲(第1シリーズ)
- 牧野巴(久美子の母) - 山口美也子(第1シリーズ)
- 居酒屋とバー
- 浅草フランス座
- 越後屋
- 大工
- 湯川家
- 湯川実篤(先生) - ダンカン(第3シリーズ)
- 湯川美智子(湯川先生の妹) - 佐藤江梨子(第3シリーズ)
スタッフ
- スペシャル
- 第1シリーズ
- 第2シリーズ
- 脚本 - 輿水泰弘、吉本昌弘
- 音楽 - 坂田晃一
- 演出 - 石橋冠、谷川功、阿部雄一
- 主題歌 - 久保田利伸「Club Happiness」(SME RECORDS)
- 技術協力 - エヌ・ティ・ビー映像センター、生田スタジオ、ザ・チューブ
- 美術協力 - アートフォー
- チーフプロデューサー - 五十嵐文郎(テレビ朝日)
- プロデューサー - 中込卓也(テレビ朝日)、中山秀一・里内英司(5年D組)
- 制作協力 - 5年D組
- 制作著作 - テレビ朝日
- 第3シリーズ
放送日程
スペシャル(2001年)
放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 |
---|---|---|---|
2001年1月6日 | ビートたけしが贈る感動と追悼の物語! 父の面影、教育熱心な母の死…天才たけしはこうして生まれた!!笑って泣いて見て下さい |
松原敏春 | 石橋冠 |
第1シリーズ(2003年)
- 2003年7月3日 - 9月11日、全10話。
- 2003年7月17日は、世界水泳2003バルセロナが放送されたため休止となった。
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 2003年7月テンプレート:03日 | 父の面影…教育熱心な母! | 輿水泰弘 | 石橋冠 | 12.0% |
第2話 | 2003年7月10日 | たけしが泣いた! 父の暴力、母の愛… | 10.4% | ||
第3話 | 2003年7月24日 | 母が倒れた! たけし一家涙の鳥鍋料理… | 阿部雄一 | 13.6% | |
第4話 | 2003年7月31日 | 離婚!? たけしが見た嵐の夫婦ゲンカ… | 11.3% | ||
第5話 | 2003年8月テンプレート:07日 | たけしの涙…夏祭りに散った初恋! | 吉本昌弘 | 谷川功 | テンプレート:Color |
第6話 | 2003年8月14日 | たけし一家泣き笑い!? 長男の婚約騒動… | 石橋冠 | 11.9% | |
第7話 | 2003年8月21日 | 結納の長い一日…たけしの父VS花嫁の父 | 輿水泰弘 | 阿部雄一 | 12.1% |
第8話 | 2003年8月28日 | 母ちゃんが病気!? たけし一家涙の別れ… | 酒井直行 | 石橋冠 | テンプレート:Color |
第9話 | 2003年9月テンプレート:04日 | 母ちゃんが家出!? たけしの涙… | 輿水泰弘 | 谷川功 | 10.4% |
第10話 | 2003年9月11日 | さよならたけし一家! 涙と感動の結末 | 石橋冠 | 13.8% | |
平均視聴率 12.0%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
第2シリーズ(2005年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 2005年7月21日 | ビートたけしを生んだ感動家族ふたたび 【天誅でござる】 | 輿水泰弘 | 石橋冠 | テンプレート:Color |
第2話 | 2005年7月28日 | 菊次郎湯船に死す 【菊次郎、湯船に死す】 | 13.9% | ||
第3話 | 2005年8月テンプレート:04日 | 武感動の初テレビ 【テレビと泥棒】 | 15.1% | ||
第4話 | 2005年8月11日 | たけしが見た娘義太夫 【踊るさきさん、唄ううしさん】 | 谷川功 | テンプレート:Color | |
第5話 | 2005年8月18日 | さよなら母ちゃん!! ビートたけしの青春 【大脱走】 | 石橋冠 | 15.0% | |
第6話 | 2005年8月25日 | 母ちゃん涙!! たけし浅草初舞台 【たけし、現る!?】 | 谷川功 | 15.6% | |
第7話 | 2005年9月テンプレート:01日 | たけしvs菊次郎!! 涙の親子漫才 【浅草の中心でネタをさけぶ】 | 吉本昌弘 | 阿部雄一 | 13.8% |
第8話 | 2005年9月テンプレート:08日 | 父母涙!! たけしテレビデビュー 【兄弟、そして父と母】 | 輿水泰弘 | 15.6% | |
第9話 | 2005年9月15日 | サヨナラ…たけし一家 【菊次郎の神様】 | 石橋冠 | 15.7% | |
平均視聴率 14.9%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
第3シリーズ(2007年)
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 2007年7月テンプレート:05日 | ビートたけしを生んだ感動家族!! 母の愛、父の涙… 【父(おとこ)は背中で勝負する】 | 輿水泰弘 | テンプレート:Color | |
第2話 | 2007年7月12日 | 父は泥棒!! たけしの涙 【罪と罰】 | 阿部雄一 | テンプレート:0テンプレート:Color | |
第3話 | 2007年7月19日 | ビートたけしの作り方 【さきの本懐】 | 中山秀一 | テンプレート:09.5% | |
第4話 | 2007年7月26日 | ビートたけし10歳の夏休み 【踊る北野一家】 | 吉本昌弘 | 谷川功 | テンプレート:09.8% |
第5話 | 2007年8月テンプレート:02日 | 武が家出!? 母の愛・父の涙 【にっぽんの家族】 | 阿部雄一 | テンプレート:09.6% | |
第6話 | 2007年8月テンプレート:09日 | 梅島~たけし家に不発弾!? 【戦争と平和】 | 輿水泰弘 | 池添博 | テンプレート:09.6% |
第7話 | 2007年8月16日 | たけしが見た!! 涙の結婚式 【夫婦漫才】 | 中山秀一 | テンプレート:08.6% | |
第8話 | 2007年8月23日 | 父を救え! 真夏の夜の奇跡 【菊次郎忘れな草】 | 吉本昌弘 | 谷川功 | テンプレート:08.9% |
第9話 | 2007年8月30日 | 母涙!! 父の引退~青年武編 【落陽】 | 輿水泰弘 | 阿部雄一 | テンプレート:08.7% |
第10話 | 2007年9月テンプレート:06日 | 映画が北野家にやってきた 【学問ノススメ】 | 中山秀一 | テンプレート:08.8% | |
第11話 | 2007年9月13日 | 涙!! 花嫁の父と母 【花嫁の父と母】 | 阿部雄一 | テンプレート:09.0% | |
平均視聴率 9.3%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
舞台版
2012年に東宝の製作で舞台化され、3月24日から5月27日にかけて東京・大阪・福岡・富山・名古屋の5都市で公演[3]。演出と主演はテレビドラマと同一の石橋冠と陣内孝則、室井滋で、原作にない登場人物もテレビドラマに準じており、著作権表記も原作のビートたけしと並んで、テレビドラマ版のテレビ朝日と5年D組が記されている[4]。
キャスト
- 北野家
- 谷川家
- 谷川小五郎 - 梨本謙次郎
- 谷川かつゑ - 濱田マリ
- その他
スタッフ
- 原作 - ビートたけし(『菊次郎とさき』)
- 脚本 - 輿水泰弘
- 演出 - 石橋冠
- 装置 - 中島正留
- 照明 - 塚本悟
- 音楽 - 八幡茂
- 音響 - 山本能久
- 衣裳 - 武内修
- ヘアメイク - 福島久美子
- 演出助手 - 寺崎秀臣
- 舞台監督 - 佐藤博
- プロデューサー - 吉田訓和
- 製作協力 - テレビ朝日
- 協力 - オフィス北野
- 製作 - 東宝
- 著作権表記 - 「菊次郎とさき」/ビートたけし・テレビ朝日・5年D組
公演日程
- 3月24日・25日 - 東京・シアター1010
- 3月28日~4月1日 - 大阪・新歌舞伎座
- 4月6日~28日 - 福岡・博多座
- 5月3日・5日 - 富山・クロスランドおやべ、富山県民会館
- 5月8日~16日 - 名古屋・中日劇場
- 5月19日~27日 - 東京・ル テアトル銀座 by PARCO
出典
- ↑ 1.0 1.1 初回は15分拡大(21:00 - 22:09)。
- ↑ ビートきよしの本名は「兼子二郎」(かねこ にろう)であるが、本編の登場人物は「金子二郎」(かねこ じろう)となっている。
- ↑ 2012年「菊次郎とさき」公演スケジュール 東宝演劇公式サイト内
- ↑ 菊次郎とさき 東宝演劇公式サイト内
関連項目
- 菊次郎の夏
- テレビ朝日番組一覧
- たけしくん、ハイ!(NHKで放送された北野家をモデルにしたドラマ)
- 木曜ドラマ (テレビ朝日)
外部リンク
- 第1シリーズ(2003年版) - テレビ朝日(2005年10月1日時点のアーカイブ)
- 第2シリーズ(2005年版) - テレビ朝日(2005年9月24日時点のアーカイブ)
- 第3シリーズ(2007年版) - テレビ朝日(2007年9月25日時点のアーカイブ)