渡辺歩
テンプレート:存命人物の出典明記 渡辺 歩(わたなべ あゆむ、1966年9月3日 - )は、日本の映画監督、アニメーター、アニメ演出家。東京都出身。名前から女性と思われがちだが、男性。
来歴・人物
代々木アニメーション学院を中退[1]後、作画スタジオを1つ経て、1986年(昭和61年)にスタジオメイツ入社。テレビシリーズ『ドラえもん (1979年のテレビアニメ)』で動画デビューし、1988年(昭和63年)にはシンエイ動画に移籍。それからは映画『ドラえもん』で原画・作画監督を務め、テレビシリーズでも演出や作画監督を担当するなど、(メイツ時代からイレギュラーな作品参加はあるものの)シンエイ動画を退社するまでは一貫して『ドラえもん』の制作に携わる。
彼の作画はシンエイ動画の前身、Aプロダクションの作品『ど根性ガエル』『ガンバの冒険』などを彷佛させるけれん味に溢れた動きで、演出もやや過剰であり「"ドラクラッシャー"と呼ばれて賛否両論を生んだ」と自身で語っている[2]が、原作の魅力を最大限に生かす作風や、キャラクターの表情や動きを豊かに表現する演出は高く評価されている。また、しずかについては極力可愛らしく描くなどのこだわりを持っている[3]。スタジオメイツ時代には、一川孝久(現在、スタジオコメット所属)、シンエイ動画時代には中村英一(現シンエイ動画作画部長、大山ドラキャラクターデザイン)に師事。
監督作品では『帰ってきたドラえもん』などの感動作品の他に映画『パーマン』2作を手がける。2005年以降『パーマン』の続編が制作されていないが『ファミ通』のインタビューで「完結させたい」との発言をしている。
2003年(平成15年)の『ドラえもん のび太とふしぎ風使い』では総作画監督を担当、2004年(平成16年)の『ドラえもん のび太のワンニャン時空伝』では総作画監督及び演出を担当、作風がそれまでの映画とは様変わりし、減少していた観客動員数が盛り返すこととなった。
2005年(平成17年)に『ドラえもん (2005年のテレビアニメ)』がリニューアルしてからはキャラクターデザインを担当。更に2006年(平成18年)3月4日に公開した映画『ドラえもん のび太の恐竜2006』で初の長編作品監督を務め、同作品は第1回Invitation AWARDSアニメーション賞を受賞している。
過去に渡部歩とクレジットされたこともあった。また、シンエイ社外作品に参加するときには渡辺カケルの変名を使用していた[4]。
2011年3月11日の東日本大震災では、「ドラげんき」プロジェクトとして紙芝居「まじんのいない魔法のランプ」のイラストを執筆した。
2011年(平成23年)、シンエイ動画を退社しフリーランスとなる。
参加作品
テレビアニメ
- ドラえもんシリーズ
- ドラえもん (1979年のテレビアニメ) (1979年-2005年、絵コンテ・演出・作画監督・原画・#7、8OP絵コンテ[5])
- ドラえもん (2005年のテレビアニメ) (2005年-、キャラ設定[6]・脚本[7]・絵コンテ・#4OP絵コンテ[8])
- エスパー魔美 (1987年-1989年、#118原画)
- あたしンち (2002年-2009年、#10Bパート絵コンテ)
- 謎の彼女X (2012年、監督・#1、2、8絵コンテ・OPED絵コンテ・ED演出)
- 宇宙兄弟 (2012年-2014年、監督・#1、52-54絵コンテ・OPED絵コンテ・ED演出・#97声の出演[9])
- 団地ともお (2013年-、監督・#1、39絵コンテ)
- 彼女がフラグをおられたら (2014年、監督・#1、OP、ED絵コンテ)[10]
テレビアニメ(渡辺カケル名義)
- 機動天使エンジェリックレイヤー (2001年、#12・21絵コンテ)
- あずまんが大王 THE ANIMATION (2002年、#19絵コンテ)
- スクラップド・プリンセス (2003年、#3絵コンテ)
劇場映画
- ドラえもん のび太のパラレル西遊記 (1988年、原画)
- ドラえもん のび太の日本誕生 (1989年、原画)
- ドラえもん のび太とアニマル惑星 (1990年、作画監督補佐)
- ドラえもん のび太のドラビアンナイト (1991年、作画監督)
- ドラえもん のび太と雲の王国 (1992年、作画監督)
- 帰ってきたドラえもん (1998年、監督・作画監督)
- ドラえもん のび太の南海大冒険 (1998年、作画監督補佐)
- のび太の結婚前夜 (1999年、監督・作画監督)
- おばあちゃんの思い出 (2000年、監督・作画監督)
- ドラえもん のび太の太陽王伝説 (2000年、作画監督補)
- がんばれ!ジャイアン!! (2001年、監督・作画監督)
- ぼくの生まれた日 (2002年、監督・作画監督)
- Pa-Pa-Pa ザ☆ムービー パーマン (2003年、監督・脚本)
- ドラえもん のび太とふしぎ風使い (2003年、総作画監督)
- Pa-Pa-Pa ザ★ムービー パーマン タコDEポン!アシHAポン! (2004年、監督・脚本)
- ドラえもん のび太のワンニャン時空伝 (2004年、演出・総作画監督)
- ドラえもん のび太の恐竜2006 (2006年、監督・脚本・絵コンテ)
- ドラえもん のび太の新魔界大冒険 〜7人の魔法使い〜 (2007年、おまけ映像)
- ドラえもん のび太と緑の巨人伝 (2008年、監督・絵コンテ)
- ドラえもん 新・のび太の宇宙開拓史 (2009年、メカデザイン)
- 劇場版 魔法先生ネギま! ANIME FINAL (2011年、絵コンテ)
- 大きい1年生と小さな2年生 (2014年、監督)
- 宇宙兄弟#0 (2014年、監督)
その他の仕事
- 小学館のテレビ絵本 映画ドラえもん のび太の恐竜2006 (2006年、原画描き下ろし)
- うごくえほん のび太の恐竜 (2006年、水彩イラスト描き下ろし)
- まじんのいない魔法のランプ (2011年、紙芝居描き下ろし)
脚注
- ↑ 「この人に話を聞きたい アニメプロフェッショナルの仕事 1998-2001」記載。
- ↑ 「Quick Japan vol.65」P.44記載。
- ↑ 「ぼくドラえもん第15号」P.6-7記載。
- ↑ 「歩む」と反対の「駆ける」から。
- ↑ 『ドラえもんのうた』東京プリン版(2002年10月4日-2003年4月11日)・渡辺美里版(2003年4月18日-2004年4月23日)を担当。
- ↑ 2005年4月15日放送分より2013年1月25日放送分までクレジット。
- ↑ ノークレジット。
- ↑ 『夢をかなえてドラえもん』2009年5月1日放送分から2009年9月18日放送分まで使用したものを担当。
- ↑ 劇中に登場するお笑いコンビ、ティッシュ太郎のティッシュ役を演じている。
- ↑ テンプレート:Cite news