岡山県倉敷スポーツ公園野球場
テンプレート:野球場情報ボックス 岡山県倉敷スポーツ公園野球場(おかやまけん くらしきスポーツこうえんやきゅうじょう)は、岡山県倉敷市の岡山県倉敷スポーツ公園内にある野球場。愛称はマスカットスタジアム。施設は岡山県が所有し、県の外郭団体である公益財団法人倉敷スポーツ公園が指定管理者として運営管理を行っている。
目次
[非表示]概要
岡山県はかつて岡山市北区にある岡山県野球場を県下のメイン球場として使用していた。しかし老朽化し、更に収容人員が15,000人(公称)にとどまり狭隘化していたことなどから、県は1980年代から新球場の建設構想を持っていた。新球場の建設計画は1980年代後半に具体化し、倉敷市中庄地内で整備が進められ、1995年(平成7年)に完成。
一般公募により、岡山県名産のブドウ「マスカット・オブ・アレキサンドリア」に因む愛称「マスカットスタジアム」が付与された。開場以来、県下のメイン球場として機能するようになり、高校野球、社会人野球などアマチュア野球公式戦やプロ野球公式戦・オープン戦もマスカットスタジアムでの開催になった。
また、これまで倉敷市の成人式が行われていた倉敷チボリ公園が2008年(平成20年)末をもって閉園されたため、2009年(平成21年)以降は本スタジアムで成人式が行われる。
施設
15,000m²超のグラウンド面積は国内でも最大規模である。特に外野側のファウルゾーンの広さは他に類を見ない。このため守備側には有利で、攻撃側にはやや不利となる。また観客にとっては内野スタンドからフィールドが遠いため「臨場感に欠ける」という意見もある。また、外野席はプロ野球の試合の時だけ開放される。
スコアボードの左翼側にある時刻を示す時計の隣には、サッカーで使用される45分を計る時計も設置されている。しかし、これまでサッカー場としての使用実績はない。右翼側には表示部が設置されていない空白部があり、ここには大型映像装置の設置を前提にしてスペースを空けてあるものだが、現在のところ設置予定はない。
- 構造:鉄筋コンクリート4階建
- グラウンド面積:15,102m²
- 両翼:99.5m、中堅:122m
- 内野:クレー舗装、外野:天然芝
- 収容人数: 30,494人(内野:20,248席、外野:10,246席)
- 照明設備:内野=スタンド大庇先端上投光器(2階スタンドの上屋に設置)外野=照明塔2基
- スコアボード:電光式
付属施設
建物内にはピッチング練習場の他に各種運動施設が設けられ、定期的に教室も開かれている。
- エアロビクススタジオ
- スカッシュコート
- トレーニングジム
- 武道場
- スポーツ資料室 - 地元出身野球選手の記念品を中心に展示。通常は閉鎖されているため、見学には球場事務所に申込が必要。なお、星野仙一現役時代のものは倉敷美観地区の星野仙一記念館に移設されている。
倉敷スポーツ公園補助野球場
- 両翼:99.5m、中堅:122m
- 内野:クレー舗装、外野:天然芝
- 収容人数:約1,400人(内野席のみ)
- 照明設備:鉄塔式4基
- スコアボード:磁気反転式
プロ野球開催
ゲーム
プロ野球公式戦の開催は阪神タイガースが毎年各1試合、主催公式戦を開催している他、読売ジャイアンツも主催公式戦を開催することがある。また2005年以降はセ・パ交流戦のカードが組まれるようになった。その他ではオリックスと日本ハムも年1試合、主催公式戦を開催していた時期もあった。またかつては広島東洋カープが主催試合を毎年1 - 3試合行っていたものの、2008年以降は事実上廃止されていて、公式戦は行われていない(オープン戦は2012、2013年に実施)。また、2012年には東北楽天ゴールデンイーグルスが星野仙一のとの縁(後述)からかオープン戦を実施した。
阪神戦は岡山日日新聞(夕刊地方紙・2011年まで)→朝日新聞・日刊スポーツ(2012年)→山陽新聞(2013年)、広島戦・楽天戦(現在はいずれもオープン戦のみ)は山陽新聞(朝・夕刊地方紙)がそれぞれ地元の勧進元として主催している。このため、広島と阪神の対戦は広島主催と阪神主催の両方が組まれた年があった。対戦カードは、阪神主催の対戦相手は巨人以外だが、対広島戦の開催実績は他カードより少ない。広島主催の対戦相手は阪神が主体だが、オープン戦では広島対巨人戦の実績もある。
キャンプ
かつて中日ドラゴンズと阪神で監督をし、現在東北楽天ゴールデンイーグルスで監督を務める星野仙一は倉敷市の出身。この縁から、以前は中日が倉敷スポーツ公園内でオールスター期間中のミニキャンプや秋季キャンプを実施していた。
続いて、星野が阪神監督に就任した2002年(平成14年)から阪神が秋季キャンプを行っていた(ただし2005年は晴れの国おかやま国体開催のため、秋季キャンプは高知県の安芸市営球場で実施)。2006年(平成18年)のキャンプ初日に岡田彰布前監督が「マスカットスタジアムは、非常に縁起の良い球場」と岡山の阪神ファンの前で公言したが、翌年からは安芸で行われている。
さらに2011年(平成23年)、2012年(平成24年)は、楽天が秋季キャンプを行った。
プロ野球誘致の動き
近年、当球場ではプロ野球の開催試合数が減少していることから、地元行政や企業などが中心となって2005年(平成17年)夏に「岡山にプロ野球を誘致する会」が発足。プロ12球団に対してオープン戦・公式戦の開催誘致を呼びかけ、翌年は一時的に増加したが、その後再び減少傾向になっている。
その他に、ブルーウェーブ時代に当球場で年1試合公式戦を行っていたオリックス・バファローズ(または読売ジャイアンツ)に対し公式戦を年数試合開催するよう要望する動きや、隣の香川県に本拠地を置く四国アイランドリーグplusに属する香川オリーブガイナーズ、隣の兵庫県に本拠地を置く日本女子プロ野球機構に属する兵庫スイングスマイリーズに対し年間数試合のホームゲーム開催を要請する構想もある。
また、2008年(平成20年)に「チーム岡山球団設立推進委員会」が発足。アイランドリーグへの加盟を目指す新球団結成に動いており[1]、実現すれば当球場が本拠地となる可能性もある。岡山球団のリーグへの加盟は当初2009年とされていたが、その後順延が続いており、2009年当時は2010年に「準備室開設段階球団」として球団組織をリーグに参加させ、2011年以降にリーグ戦に参加する構想だったものの、これも具体化していない。
主なエピソード
- 1995年(平成7年)オープンにあわせて行われたセ・リーグトーナメントは急遽、阪神淡路大震災救援のチャリティー大会となった。
- 1998年(平成10年)5月26日に行われた阪神タイガース対中日ドラゴンズ9回戦に2-0で阪神が勝利、川尻哲郎がノーヒットノーランの快挙を達成した。(投球数110、打者29人、2四球、奪三振1、1失策、併殺1)。またバッテリーを組んだ矢野輝弘は、中日時代の1996年(平成8年)に野口茂樹と組んで以来、捕手として通算2度目のノーヒッター達成に立ち会った。川尻は後に「実は前夜、飲み過ぎて二日酔いだったが、試合前の練習でひと汗かいて一気に身体が軽くなり、結果的にはベストコンディションで試合を迎えられた」とふり返っている。
- 1999年(平成11年)7月27日のオールスターゲーム第3戦が「2リーグ制発足50周年記念試合」として開催された。雨中の熱戦となった試合は3安打を放ち決勝点を挙げた新庄剛志(当時阪神タイガース)がMVPに輝いた。なお、試合前のホームラン競争に試合で登板の予定がなかった松坂大輔(当時西武ライオンズ)と石井一久(当時ヤクルトスワローズ)が飛び入りで参加した。
- 2003年(平成15年)7月8日の広島東洋カープ対阪神タイガースでは8-4で阪神が勝ち、セ・リーグ最速となるマジック49が点灯した。
- 2006年(平成18年)3月3日の東北楽天ゴールデンイーグルス対西武ライオンズのオープン戦開催前に、東北楽天コーチの紀藤真琴対西武・江藤智の1打席限定の試合が行われた。2人とも広島東洋カープではチームメイトだったことから実現した。結果は紀藤が三振に仕留めた。
- 2007年(平成19年)3月5日の阪神タイガース対東北楽天ゴールデンイーグルスのオープン戦に、人気グラビアアイドルの熊田曜子と山本梓が始球式に登場。さらに試合終了後には2人のトークショーも開催され、試合を華やかにした。
- 2009年(平成21年)1月11日に行われた倉敷市の成人式は、2000年より開催場所となっていた倉敷チボリ公園の閉園を受けて当球場での開催が決定した。通例、冬季の間はグラウンド整備のために使用できないことになっているが、管理側の倉敷スポーツ公園が特別に許可を出した。そのために2010年以降の開催場所は未定としていたが、2010年以降も引き続き当地で開催されている。
主なアマチュア公式戦
社会人野球
- 岡山県社会人・大学野球対抗戦 3月
- JABA岡山大会 4月
- 都市対抗野球大会岡山県・鳥取県予選 5月~6月
- 社会人野球日本選手権大会岡山県・鳥取県予選 9月
- 同上・全国大会第1ステージ(2010年のみ。2011年は隣県の香川県営球場(レクザムスタジアム)と北九州市民球場の2箇所に機能を移行するも、東日本大震災のため中止。2012年からは大阪ドーム(京セラドーム大阪)での単独開催となるため、当球場での全国大会開催は1回だけとなった)
大学野球
- 中国地区大学野球連盟
- 春季1部リーグ戦 4月 - 5月
- 秋季1部リーグ戦 9月 - 10月
高校野球
- 春季岡山県高校野球大会4月 - 5月
- 全国高等学校野球選手権岡山大会 7月
- 秋季岡山県高校野球大会9月 - 11月
- 中国地区高校野球大会(県内開催の場合)