山形新聞
山形新聞(やまがたしんぶん)は、山形県の地方新聞。株式会社山形新聞社(やまがたしんぶんしゃ)が発行する地方新聞である。朝刊単独紙(2011年7月までは夕刊も発行)で、発行部数(日本ABC協会調査)は約20万6000部(2010年7~12月平均)。山形県内では山新(やましん)と略称されることが多い。
目次
概要
地元放送局である山形放送(YBC)との結びつきが強く、本社や一部支社の社屋を共有しており、定時のテレビ・ラジオニュースの配給だけでなく、平日の毎日にYBCテレビで「YBC社説放送」を放送している。エフエム山形でも月曜 - 金曜の1日3回山形新聞ニュースとしてニュースを配信している。また紙面には高校受験対策として「実力養成・中学生講座」が設けられ、YBCラジオで夜21時45分から解説を行っている。
以前、紙面は山形市の制作センターで内陸(村山地方・置賜地方・最上地方)向け紙面(山形広域版・置賜版・内陸版)、酒田市の庄内制作センターで庄内向け紙面(庄内版)を印刷していた。県域紙で2ヶ所に印刷拠点を持つ新聞社は数少ないが、大雪などの交通障害で内陸(山形市)から庄内各地への新聞輸送が出来なくなることを防ぎ、万が一災害が発生した場合は相互補完をするためであった。しかしながら輪転機を2セット持つことによる管理コストの問題や、県内の道路網が整備され、大雪などでも「山形道 - 国道112号ルート」と新庄まわりの「国道13号 - 国道47号ルート」の2本が確保できるようになったため、現在では山形市の制作センターのみで県内全域の新聞を印刷している。ただし、紙面広告に関しては地域別差し替えを行う場合がある。
県内全域に専売店のネットワークをもっているため(郊外では同時に他紙の配達を行っている場合がある)、他紙に比べて新聞休刊日の設定が少ない年がある。過去には2000年1月2日に新聞を発行したことがある(このときは2000年問題対策とされている)。
2009年より、山形県外の読者向けとして、紙面データをパソコン上で読むことができる山形新聞「お届け電子版」の有料配信を開始した。
歴史
- 1876年9月1日 鳴時社から創刊。
- 1906年 「日刊やまがた」を吸収合併。
- 1911年 5月の山形市大火で社屋全焼。12月、七日町に新社屋完成。
- 1928年 政友会の機関紙的存在からの離脱宣言。
- 1943年 米澤新聞を最後に各新聞社を合併、一県一地方紙の山形新聞となる。
- 1950年 夕刊山形新聞を統合、朝夕刊体制に移行。
- 1960年 旅篭町の山形新聞放送会館へ移転。
- 1976年9月1日 創刊100周年。
- 1977年 山形中央図書館創設で日本新聞協会賞受賞。
- 1979年 全国初の連日カラー新聞を発行。
- 1980年 財団法人情報社会学研究所を設立。
- 1986年 新聞制作をコンピュータ編集システムに完全移行。
- 1989年 米コロラド州のロッキー・マウンテン・ニューズ社との姉妹新聞提携。
- 1999年 ホームページ開設。
- 2001年 iモードなど携帯電話3社による情報提供開始。
- 2006年9月1日 創刊130周年。
- 2007年 山形メディアタワー全面完成。
- 2011年7月31日 この日をもって夕刊を廃止、翌日より朝刊に統合[1]。
歴代社長
代 | 氏名 | 期間 |
---|---|---|
1 | 服部敬吉 | 1926年4月 - 1945年12月 |
2 | 服部敬雄 | 1945年12月 - 1991年3月 |
3 | 岡崎恭一 | 1991年3月 - 1993年6月 |
4 | 相馬健一 | 1993年6月 - 2005年6月 |
5 | 黒澤洋介 | 2005年6月 - 2012年6月 |
6 | 寒河江浩二 | 2012年6月 - |
支社
- 東京支社/東京都中央区銀座6-13-16 銀座ウォールビル
- 大阪支社/大阪市中央区淡路町3-5-13 創建御堂筋ビル
- 仙台支社/仙台市青葉区大町1-4-1 明治安田生命仙台ビル
- 酒田支社(庄内総支社)/酒田市山居町1-5-21(山新放送庄内会館)
- 鶴岡支社/鶴岡市本町3-7-52
- 新庄支社(最北総支社)/新庄市小田島町3-40
- 尾花沢支社/尾花沢市新町1-16-12
- 村山支社/村山市駅西7-24
- 東根支社/東根市中央4-1-25
- 天童支社/天童市久野本3-19-21
- 寒河江支社/寒河江市西根北町1-12
- 上山支社/上山市河崎2-1-5
- 米沢支社(置賜総支社)/米沢市丸の内1-1-11
- 長井支社/長井市東町7-25
- 南陽支社/南陽市赤湯207-3
テレビ・ラジオ面
- 2010年2月末まで朝・夕刊共にテレビ・ラジオ面は中面にあり、朝刊は抜き取りが出来る様になっていた。朝刊テレビ・ラジオ欄の中面移行は1997年4月1日(さくらんぼテレビの本放送開始と同時)。朝刊のみテレビ番組表の欄外(NHK教育の右下)に各局の電話番号がまとめて収録していた。
- 2000年12月の衛星デジタル放送開始前は朝刊のラジオ欄が大サイズとなっており、その面に内陸向けでは宮城県、庄内向けでは新潟県の民放テレビ局番組表がハーフサイズで掲載されていた。
- 2011年3月から、地上波テレビ放送とBS1、BSプレミアムについては終面に、その他の衛星放送とラジオ放送、および県内放送局電話番号は中面の第2テレビ・ラジオ欄に掲載されている。2011年7月末で朝刊に統合された夕刊については地上波テレビ放送、ラジオ放送、衛星放送とも中面に掲載されていた。なお、休刊日前日の朝刊には2日分が取り出せる形で掲載される場合がある。
- かつて夕刊があった時代は当初は山形市内版のみ(のち県内全域)番組欄が掲載されていた。
- 2011年3月16日から同年4月6日まで東日本大震災による特別紙面のため、中面に掲載された。
週間テレビガイド「山新てれナビ」
地域面
山形新聞では、地域実情に合わせて4つの地域面を組んでいる。かつては、配布地域によって紙面の差し替えを行っていたが、現在はすべての地域面を全地域で読むことができる。
- 山形広域版…東南村山地域(山形市・上山市・天童市・東村山郡) かつて(昭和50年前後まで)は前項通り夕刊も別紙面だった。
- 置賜版…置賜地方(米沢市・長井市・南陽市・東置賜郡・西置賜郡)
- 内陸版…西村山地域・北村山地域・最上地方(新庄市・寒河江市・村山市・東根市・尾花沢市・西村山郡・北村山郡・最上郡)
- 庄内版…庄内地方(鶴岡市・酒田市・飽海郡・東田川郡)
- 村山地方に限っては地域実情や人口構成を考慮したうえで、山形広域版と内陸版に分割されている。
山形新聞「お届け電子版」
- 新聞紙面イメージを、発行当日午前5時からパソコンディスプレイ上で閲覧することができる。必要に応じてプリントアウトすることもできる。ただし、紙面広告部分はマスキング(全面広告ページは非掲載)。
- 山形県以外の在住・在勤者のみ利用可。なおかつ、ブロードバンドに対応したインターネット接続環境があるパソコン(ただし、基本ソフトがWindows XP、Windows Vista、Windows 7、Windows 8、8.1対応のもののみ)で閲覧可能。申し込み(3ヶ月、6ヶ月、1年の3コース。前払い)入金が確認され次第郵送される専用閲覧ソフトが必要。
山新グループ
グループ企業
社名 | 設立 | 資本金(円) | 代表者 | 従業員数(名) |
---|---|---|---|---|
山形新聞社 | 創刊:1876年9月 設立:1922年6月 |
1億5,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役会長 寒河江浩二 |
253 |
山形放送 | 1953年10月 | 3億9,800万 | 代表取締役社長 本間和夫 | 172 |
山新観光 | 1961年11月 | 1億 | 代表取締役社長 寒河江忠 | 71 |
YCC情報システム | 1966年11月 | 6,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 朝井正夫 |
178 |
山新建装 | 1968年9月 | 3,756万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 市村克朗 |
32 |
山形グランドホテル | 設立:1969年7月 開業:1971年4月 |
1億2,500万 | 代表取締役社長 安藤史朗 | 148 |
東北オフセット | 1978年7月 | 1億 | 代表取締役社長 黒澤洋介 | 22 |
富士電子 | 1984年2月 | 1億5,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 長瀬恒夫 |
130 |
東北映音 | 1988年6月 | 2,450万 | 代表取締役社長 五十嵐重明 | 38 |
山形アドビューロ | 1988年11月 | 5,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 佐藤淳 |
28 |
山新広告社 | 1995年9月 | 2,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 寒河江浩二 |
13 |
山新販売 | 1997年4月 | 2,000万 | 代表取締役会長 黒澤洋介 代表取締役社長 国井富彦 |
90 |
グループ団体
団体名 | 代表者 | 備考 |
---|---|---|
公益財団法人山形美術館 | 代表理事 黒澤洋介 館長 加藤千明 |
|
公益社団法人山形交響楽協会 | 会長 根岸吉太郎 理事長 園部稔 |
山形交響楽団の運営法人 |
最上義光歴史館 | 山形新聞が建設を提唱 山形市が建設し、公益財団法人山形市文化振興事業団が管理運営 | |
山新芸術協会 | ||
公益財団法人山形県勢懇話会 | 会長 黒澤洋介 | |
公益財団法人山新放送愛の事業団 | 理事長 園部稔 |
関連放送局
- 以上の放送局と山形新聞をあわせて「マスコミ三社」と称することがある(現在は、山形テレビが山新グループから外れたため、この表現は滅多に用いられない)。
- なお、もう1つの山形の民放局のさくらんぼテレビジョンには、山形新聞からの資本関係はないが、サービス放送の段階から事前告知の上番組を掲載する等、比較的良好な関係である。
- マスメディア集中排除原則
- 2005年1月、総務省は読売新聞の日本テレビ株名義問題を受け『放送事業者への出資状況に関する点検結果』を公表した。この報告で山形新聞社がこれら関連放送局社の株式を総務省令持ち株制限の10%を超えて保有している事が判明し問題となっている。
- メディアによるメディア支配の問題点
- 山形新聞・山形放送・山形交通(現:山交バス)元社長として山形のメディアを支配して山形の実力者となっていた服部敬雄は県内はおろか、県政、県内メディアに対しても強い発言力を持っていた。その影響力の強さを持つ利点から、さくらんぼテレビジョンを除く全ての県内の民間放送局(山形放送・山形テレビ・テレビユー山形・エフエム山形)にも資本を入れており、国政や政治、選挙、立候補者の放送、報道などで各局が足並みをそろえて報道をコントロールしかねないという問題点を指摘されている。その一例として、高橋和雄元山形県知事による「笹かま事件」が挙げられる(詳細については高橋和雄の項を参照)。
関連項目
- 服部敬雄(元山形新聞社・山形放送社長)
- 実力養成・中学生講座(山形放送のラジオ番組。山形新聞社の一社提供)
- 山形県縦断駅伝競走大会