失業
失業(しつぎょう、テンプレート:Lang-en-short)とは、仕事を失うことおよび働く意思も能力もあるのに仕事に就けない状態を指す。特に、仕事が無い状態を指す無職(むしょく)のうち、就業に向けた職探しを行っている者の状態を指し、そのような状態の者を失業者(しつぎょうしゃ)と言う。失業は、社会が持つ労働力を最大限活用するという観点からも問題がある[1]。
この項の説明は日本の、世界のものと比べて狭義の失業についての定義に基づいてのものである。外国の失業率の計算方法は各国それぞれ異なる[2]。
目次
定義
日本における完全失業者とは働く能力と意志があり、しかも本人がハローワークに通うなど実際に求職活動をしているにもかかわらず、就業の機会が社会的に与えられていない失業者のことを指し、失業率の算定にも用いられる[3]。よって以下の者は厚生労働省の定義する失業者とはならない[4]。
- 1週間のうち、1日でも働いて賃金を得た者
- 家事手伝いを行っている者
- 求職意欲を失った、仕事に就くのを諦めた者(ニートなど)
- 雇用調整助成金で企業内失業となっている者
- 不労所得が十分にあって働く意志・必要がない者
失業の分類
失業には自発的失業、摩擦的失業、非自発的失業の3様態がある[5]。この分類は、ジョン・メイナード・ケインズによってなされたものである[6][7]。経済学的に自発的失業については、救済は不要であるというコンセンサスが得られている[8]。
- 自発的失業
- 景気の良し悪しとは無関係に存在する(自然失業率)[5]。自己の意思により失業を選択している、あるいはより良い労働条件を求めて自分の意思で失業すること。
- 摩擦的失業
- 景気の良し悪しとは無関係に存在する(自然失業率)[5]。後述を参照。
- 非自発的失業
- 完全失業(完全失業率)[5]。現行の賃金で就職を望んでいるにもかかわらず、自ら望まない形で失業していること。
失業者 = 自発的失業者 + 摩擦的失業者 + 非自発的失業者[9]
また、「完全雇用」とは「失業者が一人もいない」ということではなく、一定の摩擦的失業の存在を含んだ状態のことをいう[10]。
失業の要因別分類
失業を発生要因別に、需要不足失業、摩擦的失業、構造的失業の3種類に分類できる[11][12]。
- 需要不足失業
- 景気の変動に伴って労働需要(雇用の受け皿)が減少することにより生じる失業で、循環的失業とも呼ばれる。リアルビジネスサイクル理論などが例である。
- 摩擦的失業
- 転職や新たに就職する際に、企業と求職者の互いの情報が不完全であるため両者が相手を探すのに時間がかかることや、労働者が地域間を移動する際に時間がかかることなどにより生じる失業。
- 構造的失業
- 労働市場における需要と供給のバランスはとれているにもかかわらず、企業が求める人材と求職者の持っている特性(職業能力や年齢など)などが異なるというミスマッチにより生じる失業。テンプレート:See also
非自発的失業
非自発的失業の存在を認めるかどうかについては、経済学者の中で意見が分かれる。
新古典派経済学では、不完全雇用を伴う均衡の可能性を否定している。すなわち、摩擦的失業以外の原因による非自発的失業は、賃金価格が伸縮的であれば調整の過程を除いては存在しないとしている[13]。これは新古典派が、価格の自在な伸縮によって全ての売れ残りの解消が可能とするセイの法則を前提として[14]、失業者は現在雇用されている労働者よりも低い賃金を提示して職を見付けることが可能であるとするためである。賃金価格の下落によって失業が解消されないのは、その賃金以下では働かないという労働者の選択に唯一の原因があるとする。
これに対してジョン・メイナード・ケインズは、セイの法則と相対する有効需要の原理を提示し、社会全体の生産物に対する需要によって雇用量が決定されるとして[15]、不完全雇用を伴う均衡の可能性を認める。そのさい有効需要の不足によって発生した非自発的失業は、総需要を拡大することによって解消されなければならないとした。
ニューケインジアンはより詳細に、セイの法則の前提の下でも、多くの場合名目賃金には下方硬直性があると指摘し、非自発的失業者が存在する状態でも、賃金が容易に低下しないとする[16]。このため古典派の主張する労働需給の均衡過程は短期では成立しないと指摘する。名目賃金の下方硬直性を説明する要因としては、相対賃金仮説、効率賃金仮説、インサイダー・アウトサイダー仮説など様々な理由が考えられている(詳しくは労働経済学を参照)。
日本では非自発的失業者の数は、1990年の33万人から2000年には102万人へと急増しており、失業者の3人に1人が非自発的失業者となっている[17]。
自然失業率と産出量ギャップ
構造的ないし摩擦的理由で失業している人の労働人口に対する割合を自然失業率(インフレ非加速的失業率(略してNAIRU)とも)という[18]。自然失業率(の解釈の1つ)は、経済が均衡状態にあるときの失業率である。
政府は公共政策により失業率を調整できるが、失業率を自然失業率以下にしようとすると、インフレが起こる。従って、インフレを起こさずに政策によって減らせる失業は循環的失業の部分だけである。
また、ジョージ・アカロフらによって、自然失業率の水準はインフレ率によって左右されることが指摘されている[19][20][21]。これら研究によれば、インフレ率がある閾値から低下すればするほど、自然失業率の水準が高まっていくこととなる。よって、インフレ率が非常に低いないしデフレの経済において、失業率を低下させる政策が採られた場合、一時的には失業率が自然失業率を下回ってインフレを加速させるが、それによってインフレ率の水準が高まると自然失業率の水準が低下するため、失業率が自然失業率よりも高い状態になればインフレの加速も止む。このことはまた、インフレ率などを勘案せず、失業率の水準だけを見て循環的失業の規模を推計することや、産出量ギャップの大きさを判断することの危険性を示している。
失業率は総産出量(実質GDP)と潜在産出量との差をパーセント表示したもの(産出量ギャップ、GDPギャップ)に関係している事が知られている。
- 産出量ギャップ = 100 × (総産出量- 潜在産出量)/潜在産出量 (%)
産出量ギャップが負の場合は、資源を完全には利用できていない状態なので、失業率は自然失業率よりも高くなる。逆に正であれば、失業率は自然失業率よりも低くなる。 なお、産出量ギャップが正の場合をインフレギャップといい、負の場合を不況ギャップという。
産出量ギャップが短期的には0にならない理由として、雇用契約が挙げられる。景気が悪化しても、企業は契約の関係上、短期的には社員の給料も下げない。したがって給料は完全雇用を達成する水準より高い水準となってしまい失業者が増加し、それにより産出量ギャップが生じる。
過去のデータから、産出量ギャップと失業率には次の関係があると推定されている(オークンの法則):
- 失業率 = 自然失業率 - 0.5 産出量ギャップ (%)
これらのように、景気は実質GDPによって決まるが、それに対し失業率は産出量ギャップによって決まる。したがって景気(実質GDP)が上昇したとしても、その上昇速度が潜在産出量のそれよりも緩やかなら、「雇用なき景気回復」(ジョブレス・リカバリー)が起こる。
最後に、失業率を自然失業率以下に下げようとし続けると何が起こるのかを見る。例えば2%のインフレを起こすと、失業率を自然失業率以下に下がる。しかししばらくすると、国民は2%のインフレ率を予想に織り込んで行動するようになる。したがって再び失業率が上昇する。失業率をもう一度下げるには、さらに高い率のインフレを起こさねばならない。しかしこの高いインフレ率もそのうち予想に織り込まれるので失業率が再び上昇してしまう。このように、失業率を自然失業率以下に抑えつづけるには、インフレを加速させ続けねばならない。
その他の失業の種類
次のような失業も考えることができる。
- 季節的失業 - 季節的要因により発生する失業[22]。
- 潜在的失業 - 仕事に就きたいと思っているが適当な仕事がないという理由から、仕事を探すことをやめる失業[23][24]。
- 一時的失業 - 農業従事者の農閑期の失業[8]。
- 産業予備軍 - 資本家にとって賃金抑制装置として必要とされる相対的過剰人口[8]。
- 技術的失業 - 機械化・自動化により、特殊能力が不要となり発生する失業[25]
失業の歴史
中世キリスト教世界では、貧しいことは神の心にかなうこととされ、そういう人に手を差し伸べることは善行であった。宗教改革は、こういった見方を一変させ、「怠惰と貪欲は許されざる罪」で、怠惰の原因として物乞いを排斥し、労働を神聖な義務であるとした。プロテスタンティズムの流行は貧しいものへの視線を変容させ、神に見放されたことを表すという見方が広がり、都市を締め出された貧民は荒野や森林に住みつくか、浮浪者となって暴動を起こすようになった。
イギリスでは1531年に王令により貧民を、病気等で働けない者と、怠惰ゆえに働かないものに分類し、前者には物乞いの許可を下し、後者には鞭打ちの刑を加えることとした。1536年には成文化され救貧法となり、労働不能貧民には衣食の提供を行う一方、健常者には強制労働を課した。産業革命が加速する18世紀まで、健常者の「怠惰」は神との関係において罪として扱われ、救貧院の実態は刑務所そのものであった。18世紀以降、キリスト教の価値観を離れた救貧活動が広がり、ギルバート法の成立やスピーナムランド制度がイギリスで成立し、救貧や失業に対する価値観はようやく変転を見せた(救貧法参照)。
産業革命以後、賃労働者の比率が高くなったことから、失業は重大な社会問題として取り扱われることとなった。19世紀のイギリスにおいては、金融と設備投資の循環から、ほぼ10年おきに恐慌が発生しており、そのたびに失業率が10%近くにまで上昇する循環があった。
20世紀に入って、この循環は次第に崩れ、1929年に発生した世界恐慌以後は、各国で失業が急増。アメリカでは一時失業率が25%に達し、社会革命が公然と叫ばれた。なお、この時の失業はニューディール政策により一時的に減少したが、政策が後退すると再び増加し、第二次世界大戦による大規模な軍需発生まで解決されなかった。
戦後、ブレトンウッズ体制の下で西側諸国は奇跡的な高度成長を達成。国家による経済政策への大幅な介入により完全雇用がほぼ達成された。1970年代に入ると、名目賃金の上昇とオイルショックの発生で供給構造が傷み、インフレーションの下で失業が増加した(スタグフレーション)。
1980年代に入ると不況からの脱出を図り新自由主義的経済政策(レーガノミクス、サッチャリズム、ロジャーノミクスなど)が導入され、労働市場が流動化した国々では経済成長率が高まったが、同時期にインフレ率抑制を目的にした金融政策が採用され、失業率は大幅に上昇した。
1990年代になり、アメリカ・イギリスは構造的な高失業から脱出したが、大陸欧州諸国は高い失業率に甘んじた。また、欧米に比べ低失業率だった日本においても、バブル経済崩壊以降の長期不況により失業が顕在化、社会問題となった。
失業率
定義
失業を測る尺度である失業率は、労働力人口に対する失業者数の割合で定義される。一般に失業率という場合、完全失業率を指す[26]。失業者とは「働く意思と能力があるのに仕事に就けない状態にある人」を指すので、仕事探しをあきらめた人(自発的失業者)は失業者には含まれない。
なお、仕事探しをあきらめた人は就業意欲喪失者(discouraged worker)と呼ぶ。ちなみに、労働力調査では、働く意志があるとは、ハローワークに通って職探しをするなど仕事を探す努力や事業開始の準備をしていること、とされている。仕事に就けない状態には仕事をしなくても職場から給与などを受け取っている場合を含まず、こうした場合は休業者として扱われる。
労働力調査における失業者や失業率の定義については、「労働力調査」の項目参照。
景気等との関係
失業率は、国全体の景気動向を知る上で重要な指標となっている[26]。不況による失業率の上昇は、労働力がが有効に活用されていないという経済的な無駄が増えていることを意味する[27]。
失業率は様々な経済活動と関連しながら変動する労働市場においての需給の引き締め度合いを表すシグナルとなる[28]。
失業率の抑制は経済政策の重要な目標とされる[1]。また、失業率を減らすことは、労働の経済学の重要な課題である[29]。
失業率は、
- 様々な経済活動の「結果」
- 失業率を契機とした景気変動などに影響を与える「要因」
というの二つの側面がある[1]。
失業率は景気と相関があると言われているが、動きが一致するとは限らない。失業率は、景気循環要因以外にも、経済構造に関連する要因によっても動く[30]。伝統的な日本的経営のもとでは、企業は従業員の雇用を守ることを企業の社会的使命の1つと考えており、人員整理、特に解雇をなるべく忌避し、ぎりぎりまで状況を見極めようとするからである。その反面、採用についても、大企業になるほど、慎重で計画性や人員構成のバランスを重んじ、不要不急の採用は避ける傾向にある(一方で、近年非正規雇用の採用は柔軟に行っており、雇用関係指標を見る際にはその点も考慮に入れる必要がある)。
また、労働者側も、不況が長期化すると就業意欲喪失者が増加するが(不況で求人が少なくなり「どうせ就職できない」とあきらめる人が増える)、このため失業者数が減り、失業率を押し下げる要因になり、表面上は景気が回復したかに見える。逆に、景気回復局面では(景気が良くなって求人が増えるだろう、と)新規に仕事探しを始める人が現れるので、かえって就労を希望する「失業者」が増えて、失業率を押し上げることになる。
以上のようなことから、失業率は景気に対して遅行指標となっており[30]、失業率のみならず他の景気指標を併せてみる必要がある。失業率は景気動向と比較して、通常1年から1年半送れて変動する[31]。また、景気の先行指数の代表である株価と、遅行指数の一つである失業率は、一時的に正反対の動きを見せることがある[32]。
- 非正規雇用
- 以前の正規雇用に比べて雇用、解雇を行いやすいアルバイトや労働者派遣といった非正規雇用労働者の増加を初めとする、労働形態の細分化および複雑化が進行している昨今の状況においては、失業率の利用に十分な注意を要する。
各国の失業率
各国の失業率及び概況を示す。ただし算定基準は日本と異なる国も多い。
- アメリカ合衆国 - 1970年代、高失業率に苦しんだアメリカだが、その後のIT革命などにより失業率は改善した。FRBの金利判断の指標の一つとなるなど、世界でもっとも注目を集めている失業率。
- ドイツ - 1980年代までの旧西ドイツは失業率が高くなかったが、1989年のベルリンの壁崩壊以降、旧東ドイツの高失業を抱え込んだため、失業率は高止まりをしている。ドイツ#経済も参照。
- フランス - 高失業率に苦しんでおり、労働政策が政局にも影響を与えている。また、職を奪っているとして移民への風当たりも強い。フランス#高失業率、2005年パリ郊外暴動事件も参照。
- シンガポール 3.4% (2004年)
- 中華民国(台湾) 4.4% (2004年)
- ユーロ圏(EU) 12.1% (2013年)[33]
失業保険の給付期間の長い国ほど失業率が高い傾向があり、給付期間が短期なほど失業率が押し下げられる傾向が顕著となる。[34][35][36]
各国の失業保険給付期間については雇用保険を参照のこと。
日本の失業者数・失業率
以下は総務省が公表している労働力調査の失業率の推移である。(2009年は、労働力調査(基本集計)平成21年5月分による)
年 | 完全失業者数(万人) | 完全失業率(%) | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
男女計 | 女 | 男 | 男女計 | 女 | 男 | |
1990 | 134 | 57 | 77 | 2.1 | 2.2 | 2.0 |
1991 | 136 | 59 | 78 | 2.1 | 2.2 | 2.0 |
1992 | 142 | 60 | 82 | 2.2 | 2.2 | 2.1 |
1993 | 166 | 71 | 95 | 2.5 | 2.6 | 2.4 |
1994 | 192 | 80 | 112 | 2.9 | 3.0 | 2.8 |
1995 | 210 | 87 | 123 | 3.2 | 3.2 | 3.1 |
1996 | 225 | 91 | 134 | 3.4 | 3.3 | 3.4 |
1997 | 230 | 95 | 135 | 3.4 | 3.4 | 3.4 |
1998 | 279 | 111 | 168 | 4.1 | 4.0 | 4.2 |
1999 | 317 | 123 | 194 | 4.7 | 4.5 | 4.8 |
2000 | 320 | 123 | 196 | 4.7 | 4.5 | 4.9 |
2001 | 340 | 131 | 209 | 5.0 | 4.7 | 5.2 |
2002 | 359 | 140 | 219 | 5.4 | 5.1 | 5.5 |
2003 | 350 | 135 | 215 | 5.3 | 4.9 | 5.5 |
2004 | 313 | 121 | 192 | 4.7 | 4.4 | 4.9 |
2005 | 294 | 116 | 178 | 4.4 | 4.2 | 4.6 |
2006 | 275 | 107 | 168 | 4.1 | 3.9 | 4.3 |
2007 | 257 | 103 | 154 | 3.9 | 3.7 | 3.9 |
2008 | 265 | 106 | 159 | 4.0 | 3.8 | 4.1 |
2009 | 347 | 137 | 210 | 5.2 | 4.9 | 5.4 |
産業構造の転換に伴う自発的失業・健全な失業率は2-3%とされている[37]。 太平洋戦争後の長い間、日本の失業率は1-2%と低かったが、2001年時点で失業率は5%弱と高くなっている[38]。2002年に当時では過去最高の完全失業率5.5%を記録[39]、2009年7月には完全失業率5.7%と過去最高を更新した[40]。
2000年時点で平均失業者は320万人と1990年の2倍以上となっている[41]。
2010年現在の日本では、自発的失業者と摩擦的失業者の割合は3.5%程度とされている[9]。 失業率が2%の場合、日本全体の完全失業者数は約130万人であるが、5%の場合約350万人となる(2011年時点)[42]。2011年時点の日本の完全失業率は4-5%前後、完全失業者数は約300万人超であり、失業率を1ポイント改善させるためには、約60万人の新規雇用を創出する必要がある[43]。
失業率は、年齢別・地域別で見るとばらつきが大きい[44]。年齢別では若年層(15-24歳)の失業率は平均7.7%と全体平均の3.9%を大きく上回っている(2007年時点)[44]。2009年時点で日本の10-20代前半までの世代失業率は10%に接近しているという国際機関の調査も出ている[45]。地域別では首都圏に比べ地方の失業率は高く、東海の2.7%から北海道の5.0%まで地域間で大きく差が開いている(2007年時点)[46]。
- 統計の算出方法
日本の労働力調査(統計)では15歳以上の人口を原数値として、労働力人口、非労働力人口を算定している[47]。
- 15歳以上人口 = 労働力人口 + 非労働力人口
しかるに
- 労働力人口 (Labor Force) = 就業者 + 完全失業者
である。そのため
求人数が増えると就業者数が増加して失業者数が低下し、求人数が減ると就業者数が減少し失業者数が増加する。すなわち就業者数と失業者数との間にはトレードオフ(一方が増えれば他方が減る)の関係があると誤解されがちだが、かならずしも両者の間にトレードオフの関係は存在しない。これは、非労働力人口の動向が失業者数に影響を与えるためである[48]。
失業率は、
- 失業率 = 完全失業者数 ÷ 労働力人口 (労働力人口に占める完全失業者の割合%)
により算出されているため、求人数が減少する中で完全失業者が就業を諦め労働市場から退出(リタイア)することで失業率が改善する可能性がある。逆に、景気が回復し始めると就業を諦めていた失業者が職探しを始めるため、一時的に失業率が悪化する場合がある。
影響
高い失業率の問題は、国全体としての所得の低下にとどまらず、
- 所得分配の不平等化の要因となる
- 貧困をもたらす
- 人々の幸福感を大きく阻害する
- 犯罪利率・自殺率を高める
といった痛みを人々に対して与える[49]。
失業率と犯罪発生件数は相関があり、失業率が下がると犯罪発生件数が下がると2006年版犯罪白書で報告されている。
失業者の生活支援
日本
- ハローワークによるもの
- 訓練・生活支援給付 - 生活費を支給。ただし訓練を受講することが条件
- 長期失業者支援 - 民間事業者に委託して再就職を支援。生活資金を貸付
- 就職困難者支援 - 民間事業者が住居を用意して再就職を支援。生活・就職活動費を給付
- 就職安定資金融資 - 住宅入居費、家賃補助(雇用保険非受給者のみ)、生活・就職活動費(同じ)を貸付
- 福祉事務所などによるもの
- 住宅手当緊急特別措置 - 生活保護に準じた住宅手当を支給
- 社会福祉協議会によるもの
- 総合支援資金 - 生活支援費、住宅入居費などを貸付
- 臨時特例つなぎ資金貸付 - 生活費を貸付。公的な給付制度が決定されるまで
失業に関する議論
経済学者の橘木俊詔は「失業は人間に生じる不幸の最たるものの一つである。職を失うということは、生きるための所得がゼロになることを意味するからである」と指摘している[50]。経済学者のジョセフ・E・スティグリッツは、失業こそ人間価値の既存を伴う最悪の事態の一つであり、これを解消することが人間の幸福を促すと指摘している[51]。
経済学者の竹中平蔵は「最も重大な経済の問題は、明らかに失業の問題である。失業は人の生活に直接的に影響を与える。失業とは、貴重な資源が遊んでいる状態、有効に使われていない状況であり、経済の効率性という観点からこれほど非効率なことはない。失業の問題は、最大の政策課題である[52]」「もちろん時代によって違うが、経済学・経済政策の最大の目標は失業を防ぐことである[53]」と指摘している。
経済学者の田中秀臣は「失業者が大量に漂流すると、様々な社会的コストが発生する。生活保護の増加、最低賃金の引き下げ、親の低所得による子どもの学力低下、犯罪率の増加などである。そう言った形で社会が負担を背負うのと、税金で直接雇用するのとでは、歳出という点で代わりがない」と指摘している[54]。田中は「経済停滞の中で効率性だけを追求すると、失業問題はさらに悪化する」と指摘している[55]。
経済学者の高橋洋一は「失業率が下がれば、自殺率や犯罪率が低下することが知られている。さらに、生活保護率も下がる。ブラック企業も淘汰できる。いずれにしても、失業率は最も重要な経済指標の一つである」と指摘している[56]。
経済学者の伊藤元重は「失業率という数字だけでなく、実際に失業した人がどの程度の期間、失業者の状態であるかが問題となる。失業者がどのような状況にいるのかを詳しく見る必要がある」と指摘している[57]。
エコノミストの伊藤洋一は「世界の中央銀行の中には『物価の安定』と同じくらい『雇用の維持』を使命としているところが多い」と指摘している[58]。
1943年の『ベヴァリッジ報告書』では、完全雇用は政府の適切なマクロ経済政策によって実現されると報告されている[59]。
賃金との関係
伊藤元重は「日本の場合、多くの労働者は企業に雇われているため、日々賃金が動いて労働供給が増減するわけではない。ただし、パート労働・アルバイト・派遣労働など、市場状況によって賃金が上下するところで経済全体の労働供給が調整されていることも事実である。また、退職年齢が近い労働者も賃金の高さによっては、退職するかどうかを選択できる。このようにマクロ的に考えると、賃金が上がれば労働供給が増え、賃金が下がれば労働供給も減ると考えられる」と指摘している[60]。伊藤は「常識的に考えて、賃金が高ければ企業はできるだけ労働者を使わず、機械・設備に依存した生産・販売をとる。一方で、賃金が安ければ企業は高価な機械・設備を使わず、労働集約的な生産をとる。企業の生産方法や労働者に頼る活動は、賃金によって大きな影響を受ける。一般的に、賃金が安いほど企業による労働需要は増え、賃金が高いほど企業による労働需要は減る」と指摘している[61]。
竹中平蔵は「失業の問題を拡大させずに、雇用の調整を進めるための解決策と考えられるのは、賃金を抑えるという方法である[62]」「雇用を守るためには、賃金を抑えなくてはならない[63]」と指摘している。竹中は「不況になった場合、賃金が下がらなければ、企業は雇用をしなくなる。労働需要が減り、失業者が大量に出る。しかし、賃金を大幅に引き下げることができれば、雇用の減少は抑えられ、失業者は増えず、社会不安も増幅しない」と指摘している[64]。
高橋洋一は「実質雇用者報酬は、実質賃金と就業者数を掛け合わせたものであり、経済全体としてみれば、実質賃金の低下は、就業者数の増加によって補われる」と指摘している[65]。
経済学者の飯田泰之は「実質賃金の上昇は、労働者を雇う企業からすると費用の増加を意味するため、企業は労働時間の縮小や正社員の解雇で対応しようとする」と指摘している[66]。
「賃金を上げて消費を拡大させれば、景気が回復ある」という議論について、竹中は「このような意見は、所詮ゼロサムの議論である。逆に『賃金を下げて企業の利益を拡大させれば、設備投資が拡大し、景気が回復する』と言われれば反論できない。つまり、賃金の引き上げが経済を活性化させるかは、経済状況によって決まる」と指摘している[67]。
橘木俊詔は「低賃金にすれば失業者の数を削減できるという新古典派経済学の命題は、賃金の低い非正規労働者の増加という政策によって実行されていると解釈できる。これら非正規労働者の生活は苦しくてよいのかという課題は残る」と指摘している[68]。
経済学者の岩田規久男は「デフレーション下で、企業が雇用の維持のため、賃金を引き下げると、企業にとって残ってほしい優秀な労働者から辞めていってしまう。優秀な労働者ほど転職が可能であるからである。企業にとって賃金の引き下げは最後の手段である」と指摘している[69]。
伊藤元重は「失業が発生した場合、賃金を下げれば失業は解消されるかと言えば、現実はそう簡単なものではなく、賃金は様々な理由で動く性質があり、深刻な失業が発生しても、賃金調整が行われないことが多い(賃金の下方硬直性)」と指摘している[70]。
ジョン・メイナード・ケインズは、労働組合の圧力によって賃金が引き下がらない性質に着目し、「非自発的失業」の存在を指摘した[71]。ケインズの論理では、名目賃金の低下は消費者の購買力を低下させ、更に物価下落による実質賃金の低下を抑制するため、雇用を増加させないとしており、購買力の低下は国民所得の低下を生じさせ、有効需要の低下、雇用の減少を招くとしている[72]。ケインズの論理では、名目賃金の低下は雇用を増加させず、失業を減少させないとしている[72]。ケインズは「需要さえあれば、普通は現行貨幣賃金の下でも雇用量は増える」と指摘している[73]。
田中秀臣は「名目賃金の下方硬直性の緩みこそ、人員整理・解雇の増加、成果主義という建前の賃金の引き下げなど、日本の雇用環境の荒廃を示すものである[74]」「不況期における名目賃金の下方硬直性を損ねることが、長期的な労働者のモラル・信頼性・チームワークの精神などを破壊してしまうことは、日本やアメリカで知られている[75]」と指摘している。田中は「企業が雇用を増やすためには、実質賃金の下落が必要である。つまり、物価が上昇すれば雇用が増え、名目所得が増える」と指摘している[76]。
岩田は「労働者は、賃金の引き下げには強く抵抗するが、賃金を引き上げる場合には、賃金の上昇率がインフレ率より低くても強く抵抗しない。そのため、2-3%程度のインフレ下で、賃金上昇率をインフレ率よりも低い1%程度に抑えれば、実質的な人件費負担が軽減でき、雇用の維持・拡大ができる」と指摘している[77]。
解雇規制
「雇用の流動化」とは、離職・転職のしやすさを示し、人的資源の効率的使用を意味する[78]。
経済学では、解雇規制と失業率に関する統計調査があり、その多くが社員を自由に解雇できるようにしたほうが、失業率が下がるという結果となっている[79]。
田中秀臣は「日本では、技能・専門性が高い人たちの雇用の流動性が促されるのではなく、立場の弱い人たちを企業の都合でリストラしやすくするために、雇用の流動化が利用されている」と指摘している[80]。田中は「産業構造が高い生産性をもつものに転換できたとしても、需要が不足したままでは、失業を悪化させるだけである[81]」「経済全体の労働需要が減退しているときに、雇用の流動化を促すことは、縮小するパイの奪い合いをさせる行為に等しい。人を失業の谷底に落としてから、自分を変えろ、失敗は自己責任だと言い放つのは問われるべき社会的罪悪である[82]」と指摘している。また田中は「日本で派遣労働を全面禁止してしまうと、派遣で働けた労働者の仕事を奪うことになりかねない。派遣の仕組みを残し、待遇改善をはかったほうがよい」と指摘している[83]。
経済学者の大竹文雄は「仮に失業を防ぐために解雇を抑制しても、新規採用が減る。若者の失業率が高くなることによる潜在的なコストは大きい」と指摘している[84]。
森永卓郎は「必要なときに必要なだけ雇うのがアメリカ企業の基本原則である。アメリカは中途採用の市場が整っているので、中高年の解雇がやりやすいという違いがある」と指摘している[85]。
日本の整理解雇の判例
日本の労働市場では、正社員を非正社員より優遇する雇用慣行を支えている判例がある(整理解雇の判例)[86]。この判例では、会社が倒産の危機に直面し整理解雇が必要な場合でも、1)解雇の必要性、2)解雇回避の努力などの要件を満たしていなければ、正社員を解雇することができない[87]。解雇回避の努力には正社員の解雇の前に、新規採用の抑制・非正社員の雇用契約更新の停止が含まれている[88]。つまり、裁判所が正社員を解雇する前に、非正社員の雇い止め(派遣切り)を求めている[88]。
田中秀臣は「日本は景気が悪くなってもなかなかリストラしない。人員配置とかよその会社に出向させるなどの手法をとっている。だから非正規雇用の人たちのリストラで調整する。ここ20年くらいで、20代後半-30代後半くらいの若い人たちがかなり増えてきた。この人たちを大きく含む現在(2010年)の非正規雇用者に対して大規模なリストラが生じてしまうと、直接生活を脅かすことになるため、それが若い世代の逼迫感にも繋がってる。アメリカやイギリスに比べて、日本の若い世代の生活価値がより低下している」と指摘している[89]。
「正社員の賃金を下げ解雇しやすくすれば、正社員と派遣社員の垣根が低くなり、派遣社員が雇用される機会が増える」という議論について、田中は「単なる椅子取りゲームであり、正社員の賃金の低下だけで終われば、さらに景気を悪化させる可能性がある」と指摘している[90]。
セーフティーネットの強化について
大竹文雄は、失業給付条件の緩和・給付期間の延長は、失業者のモラル・ハザードを生みやすいと指摘している[91]。
みずほ総合研究所は「欧州の例では、雇用保険を手厚くするとその分失業者の失業期間が長期化している。失業者が雇用機会を取得する努力を怠り、モラルハザードを引き起こす。失業給付が充実していれば失業状態を続けようとする意思が働いてしまう。失業保険を安易に拡大することは避けなければならない。欧州では、失業保険拡充の失敗を教訓に、雇用政策の重点を失業保険から教育訓練・職業紹介へ移行させている」と指摘している[92]。
伊藤元重は「構造調整によって失業が発生した場合、構造調整に対応する形で地域的な対策、衰退産業から成長産業へ労働者が移動できるような技能取得の支援・職業の斡旋が必要となる」と指摘している[93]。
岩田規久男は「セーフティー・ネットと称して、失業者を適材適所ではない公的部門で雇用したり、役に立ちそうにない教育・訓練投資に税金を投入しても大きな無駄である」と指摘している[94]。
森永卓郎は「職業訓練制度は必ずしも再就職の役には立たない。ホワイトカラーの場合、失業してから受ける短期間の職業訓練はほとんど意味を成さない。ただし、低賃金労働者にとっては、ワープロ・パソコンのエクセルが使えるというのは職業能力になりえる」と指摘している[95]。
田中秀臣は「深刻な失業下では、技術があっても働き口がないという状況が当たり前となる。職業訓練など人的資本の質を高める政策は、副次的な効果しかない」と指摘している[96]。
自殺との因果関係
経済学者のダニエル・ハマーメッシュは、失業率が高くなると長期的に所得が低くなる人が多くなり、満足な生活を得られないと考えて自殺を選ぶ人が増えてくると指摘している[97]。
中野剛志は「失業の増大は、自殺者を増やし社会を不安定化させるが、それは単に経済的に困窮するだけではなく、人間としての尊厳を破壊する。経済的な困窮だけなら役所が失業手当を支給するだけで解決する。解雇による疎外感・孤独感は、お金では解決できない」と指摘している[98]。
自殺予防総合対策センター室長の川野建治は「日本全国で見た場合、完全失業率と自殺率は見事に相関しているが、都道府県別にすると大分ばらつきがある。失業という自殺の危険因子に対して、福祉・周囲のサポートなどの保護因子が、地方によってまちまちだということを示している。失業率と自殺率は、例えばスウェーデンの場合、全国レベルで対応していない。失業率が上がっても自殺率は下がっていたりする。つまり、失業しても死ぬほど追い込まれることはない社会システムがあると考えられる」と指摘している[99]。
大竹文雄は「スウェーデンは失業給付が高い上に、失業対策として職業紹介・職業訓練・公的部門での直接雇用といった積極的な雇用政策を行っている。このことは、失業率と自殺率の関係が、雇用対策のあり方によって変わってくることを示唆している」と指摘している[100]。
日本の失業に関する議論
戦前は国の「無職はお国の寄生虫」のようなスローガンに見るように、無職に対する風当たりはきつかった。
飯田泰之は「現在(2010年)の日本の失業率の増大の大きな原因は、デフレによる実質賃金の上昇にある。つまり、日本で増加している失業者は非自発的失業者である」と指摘している[101]。
竹中平蔵は「日本の失業については、中長期的に見ればさほど悲観的になる必要はない。理由は、人口が減っていくからである。人口が減っていく社会は、長期的に失業が深刻になる社会ではない。短期的には、職業訓練・教育を通じて、需給のミスマッチを解消させる必要がある」と指摘している[102]。
統計
労働者は、自分の能力に適合した職場を見つけるのが困難であったり、技術の向上に期間がかかったりするため、すみやかに転職できない[103]。これを「雇用のミスマッチ」という[103]。
厚生労働省の2002年度版『労働経済白書』では、2001年の完全失業率5%のうち、3.9%は構造的ミスマッチ失業であり、1.1%が需要不足による失業と推計されている[104]。第一勧銀総合研究所の推計によると、2000年の労働需給のミスマッチによって発生した失業者数は、失業者全体の7割程度を占めているしており、雇用を改善させるためには景気回復によって労働需要を増加させるとともに、労働需給のミスマッチの解消が欠かせないとしている[105]。
経済学者の浅田統一郎は「日本の『完全失業率』という指標は、欧米の指標に比べて『失業率』が極端に低く出るバイアスを持っている」と指摘している[106]。経済学者の橘木俊詔らの研究によると日本の潜在失業率は10%に達するとしている(2001年時点)[38]。
田中秀臣は「日本では、インフレが加速しない失業率(NAIRU、非インフレ加速失業率)が2.3-2.4%程度と推測できる。NAIRUよりも失業率が高いときには、この失業率を低下させてもインフレは加速せず、デフレが解消すれば失業率は劇的に低下する」と指摘している[107]。
企業内失業は日本独特の現象であり、日本の統計上の失業率を低く抑えている要因と指摘されている[108]。
若年失業と生涯所得・貯蓄水準
大竹文雄は「現在(2005年)の日本状況では、一度失業するとなかなか賃金の高い仕事に就けない。若年層の失業率の上昇は、生涯所得格差の拡大に直結する」と指摘している[109]。
UFJ総合研究所調査部は「日本の若年失業の増加は、フリーターの増加とあいまって貯蓄水準を低下させている」と指摘している[110]。
政府の割り当て
高橋洋一は「日本の雇用への取り組み方には疑問を持たざるを得ない。厚生労働省が雇用の所管官庁になっているのは経済学的には問題である。厚生労働省設置法第4条第59号『失業対策その他雇用機会の確保に関すること』と定められているので法的にはいいとしても、マクロ経済を所掌していない厚労省に真の意味での失業対策はできない。構造的失業率を低くするのはもちろん重要であるがその実行は難しい。失業率には構造的な部分と需要不足部分があるが、厚労省では後者の需要不足に対して何ら有効な手を打てない。アメリカでは雇用の最大化はFRB(連邦準備制度)の責務で、需要不足部分に対する失業率を下げることは中央銀行の責任である」と指摘している[111]。
高橋は「インフレ率が上がると失業率が下がるという関係性は明らかだが、日本では失業率を日本銀行ではなく厚生労働省が扱っているというところに大きな問題がある。失業率を出来るだけ少なく見せたい厚生労働省は、雇用調整助成金をばら撒いている。助成金をなくせば現在(2012年)の日本の失業率はアメリカと同じ7%台であり、こんなことは到底まともな政策とはいえない」と指摘している[112]。
脚注
- ↑ 1.0 1.1 1.2 三菱総合研究所編 『最新キーワードでわかる!日本経済入門』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2008年、128頁。
- ↑ 総務省統計局-労働力調査に関するQ&A
- ↑ 人材マネジメント用語集・労働統計用語解説
- ↑ (1/2)日本の失業率、実は米国並みの9%?J-CASTニュース 2009年7月12日
- ↑ 5.0 5.1 5.2 5.3 神樹兵輔 『面白いほどよくわかる 最新経済のしくみ-マクロ経済からミクロ経済まで素朴な疑問を一発解消(学校で教えない教科書)』 日本文芸社、2008年、54頁。
- ↑ 自発的失業 とはコトバンク
- ↑ 摩擦的失業 とはコトバンク
- ↑ 8.0 8.1 8.2 小泉祐一郎 『図解経済学者バトルロワイヤル』 ナツメ社、2011年、111頁。
- ↑ 9.0 9.1 飯田泰之 『世界一シンプルな経済入門 経済は損得で理解しろ! 日頃の疑問からデフレまで』 エンターブレイン、2010年、199頁。
- ↑ 野口旭・田中秀臣 『構造改革論の誤解』 東洋経済新報社、2001年、37頁。
- ↑ 第2回 失業、原因別に3分類RIETI 日本経済新聞 2013年10月18日
- ↑ 平成14年版 労働経済の分析厚生労働省(2013年1月21日時点のインターネット・アーカイブ)</
- ↑ 例えばアーサー・セシル・ピグー。
- ↑ 田中秀臣 『経済論戦の読み方』 講談社〈講談社新書〉、2004年、42頁。
- ↑ この有効需要は、貨幣供給量・貨幣選好・期待利潤率・消費性向に依存する。ケインズは、賃金切り下げの影響は、これらの要因に対する影響を通じて考慮されなければならないとし、新古典派の議論が、全産業での賃金切り下げには当てはまらないと考えていた
- ↑ これは失業している労働者側の視点で述べれば「安い賃金を提示したからといって雇用されるとは限らない」。
- ↑ 第一勧銀総合研究所編 『基本用語からはじめる日本経済』 日本経済新聞社〈日経ビジネス人文庫〉、2001年、56頁。
- ↑ この節はポール・クルーグマン『マクロ経済学』15章を参照。
- ↑ George A. Akerlof, William T. Dickens and George L. Perry (2000), "Near-Rational Wage and Price Setting and the Optimal Rates of Inflation and Unemployment"
- ↑ ジョージ・A・アカロフ, ロバート・シラー(2009), 『アニマルスピリット』
- ↑ 黒田祥子・山本勲 (2003), "名目賃金の下方硬直性が失業率に与える影響 ─ マクロ・モデルのシミュレーションによる検証 ─"
- ↑ スティグリッツ『マクロ経済学』p102-103
- ↑ 「平成14年版労働経済の分析」第7章過剰雇用と潜在失業[1]
- ↑ 低開発国においては伝統部門(自給自足など)の就業者は「偽装的失業」者、ないし「潜在的失業」者と呼ばれる。「低開発国における潜在的失業」佐藤泰久(経済学研究 北海道大学)[2]
- ↑ 弘兼憲史・高木勝 『知識ゼロからの経済学入門』 幻冬舎、2008年、115頁。
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- ↑ 2012年インタビューFNホールディング
参考文献
HMG(英国政府)柏野健三訳『新福祉契約 英国の野心』帝塚山大学出版会、2008年。
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