大木こだま・ひびき
テンプレート:Infobox お笑いコンビ 大木こだま・ひびき(おおきこだま・ひびき)は日本の漫才コンビ。1981年5月にコンビ結成。所属事務所は当初はファースト企画であったが、1983年に吉本興業(現・よしもとクリエイティブ・エージェンシー)へ移籍し、現在に至る。
目次
芸歴など
漫才の話術がすこぶる優れた、今や大御所正統派しゃべくり漫才コンビであり、あの横山やすしにも絶賛されていた。人生幸朗ばりのぼやきや、庶民の暮らしをネタにしたりと、ネタの数は非常に多い。またボケ・ツッコミ担当と一応役割が分かれてはいるものの、漫才の形式としては珍しく、こだまのボケに対してひびきがつっこみ、それに更にこだまが一種の屁理屈のようなボケでつっこみ返すというパターンを持っている。コンビ名の由来は、ともに新幹線開業前に東海道線を走った特急列車の名前(こだま・ひびき)から。「ひびき」は準急型電車で、「こだま」の混雑を補完する目的で運転されていた。
大木こだまはもともと、大木こだま・ひかりとして1974年にコンビ結成(オール阪神・巨人よりも結成が早かったことになる)。屋号である「大木」は、身長が高いことに由来する。漫才ブーム当時、『お笑いスター誕生!!』[1]で10週勝ち抜きグランプリを獲得したが、ひかりの不祥事(薬物使用) によりグランプリを剥奪されコンビも断絶する。
その後、ひびきとコンビを組み現在に至る。前のコンビ名は新幹線の名称(こだま・ひかり)から。 吉本移籍後の初舞台は、1983年6月うめだ花月上席の「フレッシュコーナー」で踏む。
メンバー
- 大木 こだま:本名は西山 利幸。1951年4月26日生まれ。血液型はB。大阪府吹田市出身。ボケ担当。尊敬する芸人は、中田カウス。身長175cm、体重68kg。
- 大木 ひびき:本名は加藤 修。1955年6月21日生まれ。血液型はA。滋賀県彦根市出身。ツッコミ担当。身長178cm、体重71kg。
- 元は歌手志望で「全日本歌謡選手権」の滋賀予選に応募し落選した事がある。1975年に歌手志望東俳タレント養成所に入るも断念し、気晴らしで京都花月の舞台を見に行く、そこで見た中田ダイマル・ラケットの漫才に衝撃を受け、同年11月に中田ダイマル・ラケットの弟子の中田アップ門下で、中田ネオン・サインのネオンとしてデビュー(つまり中田ダイマル・ラケットの孫弟子にあたる)。翌年解散後、1977年12月に古都からん・ころんのからんとして活動。1979年に第10回NHK上方漫才コンテスト最優秀話術賞を受賞した。解散後、同じく大木こだま・ひかりを解散して相方を募集していた大木こだまとコンビを組み現在に至る。独身。
主な持ちネタ
- ひびき「ようこそお越し下さいました」こだま「も~わざわざ来てくれんでも良かったんや~。電話したら家まで行きまんねや!」
- 登場時、ツカミとして自己紹介が終わると必ず言う。
- こだま「よ~見たら***やったんや~」ひびき「んなもん、見てわからへんのかいな?」こだま「わからへんねや~」ひびき「ボケとったん?」こだま「ボケとんねや~」ひびき「情けないなあ」こだま「情けないねや~」ひびき「(ちょっと間をあけてから)お前何言うてんねん?」こだま「わからへん~」
- 序盤で必ず行われるやりとり。
- 似たようなパターンで、ひびき「お前、おちょくっとんのか!」こだま「おちょくっとんねや~」、またはひびき「お前、なめとんのか!」こだま「なめとんねや~」というやりとりもあるが、このパターンは最近はほとんど使わない。
- こだま「そんな奴おれへんやろ~」
- こだま「そら、アホやで~」
- 上と似たようなシチュエーションで使われる。これがオチになるパターンもある。
- こだま「そらそんでええやろ~」
- これも、上と似たようなシチュエーションで使われる。ただしオチにはならない。また、使うシチュエーションは似ていても、上の2つとは意味が逆である。つまり、つっこむ必要は無いだろうというつっこみであって、オリジナリティが高い。
- こだま「***は###せえへんやろ~」
- 話の中で、ひびきが言った表現(慣用句)に対するツッコミ。例えば「ハハア、金に物言わしてんねや!」とひびきが言えば「金は物言えへんやろ~。金が物言うたら、銀行やかましいてしゃあないがな~」と突っ込んだ後に、落語風に「なんや、えらいこの銀行さわがしいでんな~」「すんまへんな~、金が物言うてまんねや~」
- その他の主な慣用句に対するツッコミ
- ひびき「膝が笑ってるんや!」こだま「膝は笑えへんやろ~。膝が笑うたら夜中やかましいて寝られへんがな~」
- ひびき「目くそ鼻くそを笑うやな!」こだま「目くそは笑えへんやろ~。膝は笑うわ目くそは笑うわ、お前の周り大爆笑やな~」
- ひびき「猫の手も借りたいんや!」こだま「猫に手はあれへんやろ~。あれは前足や~」
- ひびき「恥ずかしいて顔から火が出たんや!」こだま「顔から火は出えへんやろ~。火が出たらライターいらんやないか~」
- ひびき「目ぇ光らしてるんや!」こだま「目ぇは光れへんやろ~。目ぇが光ったら懐中電灯いらんやないか~」
- ひびき「肩落としてたんや!」こだま「肩は落とせへんやろ~。いや、奥さん肩落としてはりますがな!肩落としましたて、おまわりさんに言いに行くんか~い」
- また、「どこで見たんや~」と返すパターンもある。
- ひびき「ドングリの背比べやな!」こだま「どこで見たんや~。お前ドングリが並んで背比べしてるとこ見たんか~」ひびき「そやから、五十歩百歩やろ!」こだま「五十歩と百歩は全然違うやないか~。五十歩と五十歩やったら同じなんや~」
- ひびき「弘法も筆の誤りやな!」こだま「どこで見たんや~。ほな何かい、弘法さんは筆見たら「えらいすんまへん」て謝んのか~い」
- ひびきがシャレなどを言った時のこだまの返し。
- こだま「おもろいやないかい~。腕上げたな~」「ハハァ~。なんかタクシー(や、新幹線などの乗り物)の中で黙ってると思たら、これ考えとったんやな~?んなこと言われたら焦るなおい~」これにひびきが「嘘をつけ!!」などとツッコミを入れる。そして、ひびきをほったらかしにして次の話をする。その後、同じようなパターンになると、今度はこだまが「何やお前、二つも考えとったんか~い」と言う。
- ひびきが、「自分もこんなことがあった」的なネタを言うと、「そんな奴おれへんやろ~」に続いて「へえ~、***やったん?」を3~4回繰り返し、これが出る。
- こだま「んなこと言われたらアンタ、往生しまっせ~」
- 主にオチに使用していたツッコミで、「そんな奴おれへんやろ~」と並ぶ、こだま・ひびきの代名詞的なネタ。
- ひびき「お~!夢みたいな話やな~!」こだま「夢やがな~」
- 自分たちの写真が切手になる、世界的スターのコンサートに出演できるなどの話が来ているとこだまが言い出し、必ずこれが出る。同様に「嘘みたいな話やな~!」(明らかに嘘とわかる話の場合は「嘘つけ!!」と言う)に対して「嘘やがな~」というパターンもある。
- ひびき「***も###も一緒やないか!」こだま「そら別々のもんやないか~い」
- こだまに話をさんざん遮られたひびきが堪りかねて言う。例えばこだまがトイレの話をし、ひびきがそれに冷蔵庫の似たような例え話を何とか食い込ませようとするが「誰が冷蔵庫の話をしとんねん?トイレやがな~。トイレの話をしとんねや~」と相手にされない。そこで「トイレも冷蔵庫も一緒やないか!(話の上では)」とひびきが言って、このやりとりになる。そして「ほなおまえとこ何かい?トイレ開けたら、ビール冷えとんのか~い?」
- こだま「***が###した話、聞く?」又は「***が###した話あんねんけど、聞くか?」
- 今までの話題から、突然話題を変える。そしてひびきが「バラバラやがな!」と突っ込む(以前は突然話題を変える時、「***は###やな~」などと言っていたが、最近はほとんど上記のパターンになっている)
- こだま「チッチキチー」
- 「チッチキチー」と言って「チ」と書かれた親指を突き出す。
- 「んなこと言われたらアンタ、チッチキチーやで~」というふうに、「往生しまっせ~」と似たような場面で使われる。但し下記のような説明を要するので、オチになる場合は2回目に使った時となる(3回以上使うことはない)。
- ひびきに「どういう意味やねん?」とつっこまれると「意味はないけど楽しい言葉やないか~。これがあるからコマーシャルにも出れとんねや~(「笑点」に出演の場合は「これがあるから笑点に呼んでもろてるんやないか~い」と言うことも)これがなかったら普通のおっさんやで~」。踊る!さんま御殿!!で「チ」を指に書いては消して面倒だったので、親指に貼る「チッチキチーシール」を開発。また、当時ヤクルト(現・横浜)のアレックス・ラミレスが本塁打を打った後のパフォーマンスの一つでもお馴染み。
- このギャグの発端については下記概要を参照のこと。
- 小島よしおがブレイクした頃にはパターンを変えると言い「そんなのチッチキチー」と拳を振り下げてから親指を突き出すパターンもあった。
- ひびきがこだまの話に対し「おれもこんなことあったんや」と、自分の話を言いかけるが、こだま「お前は無い~」ひびき「あるがな!!」こだま「あっても言うな~。」ひびき「言わなわからへんやろ!!」こだま「聞きたない~。」
- こだまの話に対してひびきも経験談を話そうとすると、すかさずそれを遮る。最近はあまり使わない。
- ひびき「そんなん、おかしいやないか!」こだま「おかしかったら笑わんか~い」
- これも最近あまり使わない。
- オチでひびきが「もうええわ!」と言うと、こだまが「ええことあるか~い」と返す。これはオチなので、これで漫才が終わる
- これも最近あまり使わない。
- TVドラマなどに突っ込む。例:「最後30分見たら、犯人が全部喋ってくれよんねや~」「主人公が犯人呼び出しよんねん。それがたいがい断崖絶壁や」「犯人が主人公を殺そうとした時にパトカーが来る・・・はよ殺さんかい!」など。さらに、それに答えてひびきもTVドラマに突っ込みを入れ、こだまが「そんな奴おれへんやろ~」または「そらそんでええやろ~」と返す。
- これも最近ほとんど使わない。
受賞歴
- 1981年 第2回今宮子供えびすマンザイ新人コンクール 福笑い大賞
- 1981年 テレビ朝日 ザ・テレビ演芸 3週勝ち抜きチャンピオン
- 1987年 第22回上方漫才大賞 奨励賞
- 1991年 第20回上方お笑い大賞 金賞
- 1992年 第27回上方漫才大賞 奨励賞
- 1996年 第25回上方お笑い大賞 大賞
- 1996年 第31回上方漫才大賞 大賞
- 2005年 第34回上方お笑い大賞 大賞
- 2006年 第41回上方漫才大賞 大賞
概要
こだま・ひびきといえば、こだまの「チッチキチー」のギャグが有名で、これで初めて全国区人気にのし上がったと思われることが多いが、そうではない。
上方漫才に於いては、1990年代前半で既に中堅クラス以上、実力随一と目されており、また前述の受賞歴のとおり、現在ではベテランの域に達した押しも押されもせぬ吉本興業の看板コンビである。また、「チッチキチー」が流行る以前から時々笑点に出演し漫才を披露していたほか、月に1回は東京でライブを開催するなど、大ブレイクとはいかないまでも既に全国的にそれなりの人気は獲得していた(もっとも、関西ローカルの番組では、たびたび関西圏と関東圏の笑いのツボの違い(関東圏では関西圏でウケるべき所でウケず、逆に関西圏でウケないような所でウケることがある)を漫才のネタにしてぼやいていた)。
「チッチキチー」という言葉は、日本テレビ系のバラエティ番組『ぐるぐるナインティナイン』にて料理を食べてコメントをする役で出演した際に誕生した。一度にたくさんの店をまわったため、最後のほうでは満腹になってしまい、コメントを求められた際に的確なコメントができず思わず発した言葉である(※)。但し、別の番組では「その時食べたラーメンが何の特徴もない味だったので、コメントに困って言った」とも言っている。
※これについてこだま本人はトークバラエティー番組『ナンボDEなんぼ』の中で、「ちくしょう」と言おうとして言い損ねたのかもしれないということ、このコメントを発した際に横にいたなるみが「なんやそれ」と厳しいツッコミをいれたことからギャグとしてブレイクするとは思っていなかったこと、などのエピソードを語っている。
その後、2005年1月8日、フジテレビ系の人気バラエティ番組『めちゃ²イケてるッ!』内でナインティナインの岡村隆史が番組内で「チッチキチー」や「往生しまっせ」を頻繁に使用し、全国的にギャグとして定着した。同年2月19日・26日には同番組の人気企画「第8回笑わず嫌い王決定戦」に出演した。なお、こだまは親指に貼る「チッチキチーシール」なるものを所持しており、ゲスト出演した番組の司会者によく渡している。とくに明石家さんまはもらった際に「チッチキチーシールだ~!!」と子どものようにはしゃいで喜んでいた。
- 「チッチキチーシール」は10枚250円で、NGKでのみ販売している。
- 市販されているチッチキチーシールは3色あり最近は「チッチキチーネックレス」なるものも販売されている。絆創膏でも「チ」の字がついたものが販売されていた。
- 2005年に、サザンオールスターズのライブツアー『みんなが好きです!!』で、MC中に原由子が恥ずかしそうに「チッチキチー」を披露した。
また、島田紳助は日本テレビ系の『謎を解け!まさかのミステリー』で「そんな奴おら(へ)んやろ(orおらんがな~)」を使用したのをきっかけに『行列のできる法律相談所』でもこだまがゲスト出演するまでしょっちゅうネタにしていた。これは、昔NHKの上方漫才コンテストの優勝で感涙にむせぶこだま(こだま・ひかり)に向かって、紳竜の優勝を周囲に公言していた紳助が悔しさのあまり「泣くな、ボケ」と暴言を吐いた事を、27年越しに本人にお詫びしたい気持ちから言っていたもの(「第34回上方お笑い大賞」のこだまひびきに対する応援メッセージより)。だが、当のこだまは紳助が苛立ちのあまり花束を床にたたき付けたのを見て「なんでこいつ、こんなに自信満々なんやろ?」と興味を持ち、それから紳竜の漫才に注目していたという。なお『行列のできる法律相談所』(2005年7月3日)、フジテレビ系の『クイズ!ヘキサゴン』(2005年8月17日)にはこだまが登場しており、その後も紳助の番組に時々出演している。
ひびきは鼻をさわりながら「プンプン」と言うギャグがある、五木ひろしの物真似でも有名。
2006年1月5日にはニッポン放送系の深夜番組「オールナイトニッポン」を担当した(※本来のレギュラーはナインティナイン)。
出演CM
- オートバックス
- CM内ではこだまが「車が買えるよチッチキチー」と歌っている。
- ケイ・オプティコム
- こだまのみ出演。なるみと夫婦役で出演。
- ミスタードーナツ
- こだまひびき両者がミスドに客として現れる。やりとりの中で、ひびきが「ひびきは無いんか?」と聞くと、店員が「そんなもん無いやろ~」と、こだまの真似をして言う。「チッチキチッチッチー ミスタードーナツ」というフレーズが流れている。
- エービーシー・マート(ABC MART)
- 静岡第一テレビ
- こだまのみ出演。長女の西山加朱紗(同局アナウンサー)と開局35周年キャンペーンCMに親子で出演。
出演映画
- (大木こだま・監督)「想い出川」
出演テレビドラマ
レギュラー番組
- (大木こだま)ラジオよしもと すこぶる元気!(ラジオ大阪)
- ただし、ひびきも時々ゲストで登場
DVD
- 「結成25周年 走れ!エンターテイナー~スーパーライブ~」
インターネット配信
- 「チ」(プロデューサー:小室哲哉)
- 2006年1月に配信開始。iTunes Music Storeのデイリーチャートで最高4位を記録。2006年4月26日にCD発売。本人は歌詞を忘れてしまっているため、もはや歌うことができない(2006年5月に「うたばん」(TBS)に出演した際に大木こだまが発言。MusiG(日本テレビ)にも出演)。
弟子
以下大木こだまの弟子
- 大木ゆう作(元「うがじん」、現「優駿」)
- 大木つばさ(「つばさ・きよし」)
- 大木はんすけ(元「漫天」)
脚注
外部リンク
関連人物・項目
- 海原さおり・しおり
- 中田カウス
- 坂田利夫
- 西田敏行
- 里見まさと
- とんねるず
- シルク
- 明石家さんま
- ナインティナイン
- 和泉修
- 島田紳助
- 香川登枝緒(こだまひかりを、「第二のいとしこいし」と嘱望していた)
- 杉本清
- 山本誠(こだまひびきの”座付作家”、数多くの台本を手がけている)