大成建設
テンプレート:Infobox 大成建設株式会社(たいせいけんせつ、Taisei Corporation)は日本の大手総合建設会社。
目次
概要
スーパーゼネコン5社(鹿島建設、清水建設、大成建設、竹中工務店、大林組)の一角。戦前の大倉財閥の流れを汲むが、現在スーパーゼネコンでは唯一の非同族会社であり、社員が会社を買い取ったという背景から、社員の会社であるという雰囲気が強い。また、現場に与えられる権限が比較的強いと言われる。
1946年(昭和21年)に現在の社名に改名したが、創業者・大倉喜八郎の戒名「大成院殿礼本超邁鶴翁大居士」にちなむ。社名に『建設』と付けたはしりである(constructionから訳出)。
超高層ビルやダム、橋、トンネル、地下鉄などの大規模な建築土木工事を得意としているが、一般向け住宅「パルコン」「空間王」も手がけるなど、住宅事業にも進出し、高機能性の住宅として注目を浴びている。
海外受注拡大(パーム・アイランドの海底トンネル、ボスポラス海峡海底トンネル、アルマスタワー建設)に注力し、技術力とグループ力に強みを持つ。特に近年、アラブ首長国連邦において大規模な送水管建設をはじめ、積極的な事業展開を進めている。『月からも見えるやしの木型人工島』で世界的に注目されているパーム・アイランドの海底トンネル工事においては、斬新な提案が評価され、欧米の競合を退けて受注に至り、このプロジェクトにおける環境対策は地元の新聞にも大きく紹介された。ボスポラス海峡横断鉄道トンネルはヨーロッパとアジアを結ぶ鉄道トンネルとして100年も前から計画され、トルコ人が待ち望んでいたため、注目されている。
環境対策として三宅島の大量の枯損木の炭化も行い、東京都の河川事業で水質浄化材として試用が検討されている。特に土壌浄化では国内トップクラスの実績を誇る。
1992年(平成4年)頃から現在まで、広告やコマーシャルで「地図に残る仕事。」というキャッチコピーを使用している。
沿革
- 1873年(明治6年)10月 - 大倉喜八郎により大倉組商会を創立。
- 1887年(明治20年)3月 - 有限責任日本土木会社設立。
- 1892年(明治25年)11月 - 有限責任日本土木会社解散。翌1893年(明治26年)、事業を大倉喜八郎単独経営の大倉土木組に継承。
- 1911年(明治44年)11月 - 株式会社大倉組に合併され、株式会社大倉組土木部と改称。
- 1917年(大正6年)12月 - 株式会社大倉組より再度分離し、資本金200万円の株式会社大倉土木組発足(公式にはこの1917年(大正6年)12月設立とされている)。
- 1920年(大正9年) - 日本土木株式会社と改称。
- 1924年(大正13年) - 大倉土木株式会社と改称。
- 1946年(昭和21年)1月14日 - 大成建設株式会社と改称。
- 1990年(平成2年)4月2日 - 現在のシンボルマークを制定(2003年(平成15年)4月に社章に昇格)。
- 2000年(平成12年)10月9日 - さいたまスーパーアリーナ内にジョン・レノンの常設博物館ジョン・レノン・ミュージアムをオープン(2010年(平成22年)9月末で閉館)。
- 2006年(平成18年)5月11日 - 防衛施設庁談合事件にからむ不正入札に関して、国土交通省から30日間の営業停止命令が下りる。また、同事件にからむ営業停止命令は、同社を含んだゼネコン大手など8社に及ぶ規模。
- 2007年(平成19年)9月26日 - TKN(大成建設、鹿島建設、新日鉄エンジニアリングのジョイントベンチャー)が建設中のカントー橋が崩落し、死者55人、負傷者79人を出す大事故となった。調査の結果、事故の主因は予測不可能であったと結論され、TKNにより建設が継続された。[1]
主な施工物件
- 富士山レーダー庁舎
- プルデンシャルタワー(東京都千代田区)
- 横浜ランドマークタワー+クイーンズスクエア横浜(横浜市西区、JV幹事会社)
- 東京都庁第一庁舎(東京都新宿区、JV幹事会社)
- 横浜ベイブリッジ(横浜市中区、JV幹事会社)
- ホテルオークラ東京本館(東京都港区)
- ホテルオークラ東京別館(東京都港区、JV幹事会社)
- ホテルニューオータニ(東京都千代田区)
- ソニービル(東京都中央区)
- 東京慈恵会医科大学附属病院 中央棟(東京都港区)
- ABCセンター(大阪市北区)
- 東京地下鉄道 上野駅 - 浅草駅間(現在の東京地下鉄銀座線の母体となった路線)[3]
- 神戸ファッション美術館(神戸市中央区)
- NHK放送センター(東京都渋谷区)
- 松濤温泉シエスパ(閉店)(東京都渋谷区)
- サンポート高松シンボルタワー(香川県)
- 明石海峡大橋(兵庫県)
- 東京湾横断道路(東京都)
- MIKIMOTO Ginza 2(東京都)
- Olinas(東京都)
- ダイヤモンドシティ・ソレイユ(後・イオンモール広島府中ソレイユ、現・イオンモール広島府中)(中国地方)
- 九州国立博物館(九州地方)
- 札幌ドーム+周辺ビオトープ(北海道)
- 中部国際空港(愛知県)
- 東海テレビ放送・東海ラジオ放送本社・放送センタービル(愛知県)
- マレ島消波堤(モルジブ)
- バイオエタノール燃料製造プラント
- ノリタケの森(愛知県)
- 田原リサイクルセンター(愛知県)
- 別海バイオガスプラント
- 土壌浄化プラント
- エプソン 品川アクアスタジアム(東京都)
- 明治製菓小田原工場
- カシオ計算機TFT工場
- 神内ファーム21プラントファクトリー
- 東燃化学川崎工場
- 近畿コカ・コーラボトリング千里丘リージョナルセンター
- コハットトンネル(パキスタン)
- きずな橋(カンボジア)
- すばる天文台(アメリカ)
- クアラルンプール国際空港(マレーシア)
- アルマスタワー(アラブ首長国連邦)
- パーム島の海底トンネル(アラブ首長国連邦)
- 香港ジョッキークラブ沙田競馬場(中国)
- ボスポラス海峡横断鉄道トンネル(トルコ)
- ソウル・プラザ・ホテル(韓国)
- 代々木ゼミナール本部校代ゼミタワー(東京都)
- 東京国際フォーラムホール棟(東京都千代田区、JV幹事会社) ガラス棟は大林JV
- 石川県庁舎(2代目庁舎、現・石川県政記念しいのき迎賓館、石川県金沢市* グランドプリンスホテル赤坂新館の解体工事(東京都)
- MRT環状線(シンガポール)
広告活動
CM
- ラジオCM:すばる天文台や国立競技場といった有名な施工実績建造物等をナレーターが読み上げるという構成となっている。
- テレビCM:2011年度よりコミックス・ウェーブ・フィルム制作のアニメーションによる企業イメージCMが放映されている。
提供番組
現在
- モヤモヤさまぁ〜ず2(テレビ東京系列)2013年7月より
- YOUは何しに日本へ?(テレビ東京系列)
- ニッポン放送ショウアップナイター(ニッポン放送)
- 東海ラジオ ガッツナイター(東海ラジオ)
- スタイルプラス(東海テレビ)
過去
- ヒカリノモリ(日本テレビ、関東ローカル、一社提供)
- 年末時代劇スペシャル(日本テレビ系)
- トヨタクラブワールドカップ(日本テレビ系、後半スポンサー/日替わり)
- ワールドビジネスサテライト(テレビ東京系列)2012年(平成24年)1月より3月まで
- ザ・シンフォニーホール・アワー(ABCラジオ)
- 旅わくわく(CBC、TBS系)
その他
- 週刊こどもニュース(日本放送協会・2007年5月19日)で「質問バンバン!」のコーナーで「ビルのクレーンのしくみ」の特集で大成建設のビルのクレーンが取り上げられた。
- CS局ディスカバリーチャンネルで放送中の番組『エキストリーム・エンジニアリング』で、上記のボスポラス海峡海底鉄道トンネルの函体建造に携わる同社の日本人技術者が紹介され、番組途中に同社のイメージCMが放送されていた。
住宅地開発
- 八千代・もえぎ野
- いわき市泉もえぎ台
開発住宅団地
大成建設では関連会社の大成ユーレック(旧社名:大成プレハブ(2001年改称)とともに、いくつか集合住宅タイプの住宅団地の開発を手がけている。
- 船橋グリーンハイツ:1974年(昭和49年)、千葉県船橋市、開発主体:大成建設、設計施工:大成プレハブ
- 船橋二和グリーンハイツ:千葉県船橋市、開発主体:大成
- 鎌ヶ谷グリーンハイツ:1972年(昭和47年)、千葉県鎌ヶ谷市、開発主体:大成
- 鎌倉グリーハイツ:1972年(昭和47年)、神奈川県鎌倉市、開発主体:大成建設、設計施工:大成プレハブ
- 湘南長沢グリーンハイツ:1980年(昭和55年)、神奈川県横須賀市、開発主体:事業主:大成建設、設計施工:大成プレハブ
- 鵜野森ハイツ:1967年(昭和42年)、神奈川県相模原市、開発主体:大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ
- 新原町田グリーンハイツ:1970年(昭和45年)、神奈川県相模原市、開発主体:大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ
- 藤阪ハイツ:1974年(昭和49年)、大阪府枚方市、開発主体:有楽土地、設計施工:大成プレハブ
- 高槻グリーンハイツ:1979年(昭和54年)、大阪府高槻市、開発主体:東京建物・大成プレハブ、設計施工:大成プレハブ
- 宮前平グリーンハイツ:神奈川県川崎市、開発主体:大成建設、施工:大成建設、管理:大成サービス
- 戸塚芙蓉ハイツ:1973年(昭和48年)、神奈川県横浜市、開発主体:昭興、設計施工:大成プレハブ
グループ企業
建設事業
不動産・開発事業
ホテル事業
- ホテルプリシード名古屋
- ホテルプリシード郡山
- ホテルプラザ神戸(旧ホテルプラザグループ)
その他事業
不祥事
同社が2010 - 2013年3月期の3年間で、約2億円の申告漏れを東京国税局から指摘されていたことが、2014年6月に判明した。指摘額のうち約6,000万円については、同社幹部社員の男性が、下請会社に対し虚偽の発注を繰り返した上で裏金を捻出し、私的にマンションを建設するための費用に使っていたとして、所得隠しと認定された。同社はこの件については、報道機関の取材に対しコメントを避けており、問題の幹部社員も取材に応じていない模様である[4]。