国際通り
国際通り(こくさいどおり)は
- 沖縄県那覇市にある道路の通称。本項にて記述。
- 東京都台東区にある道路の通称。東京都道462号蔵前三ノ輪線(の一部)参照。
- 長崎県佐世保市にある道路の通称。長崎県道26号佐世保港線参照。
- 神奈川県小田原市にある道路の通称
テンプレート:参照方法 テンプレート:Ja Pref Route Sign
国際通り(こくさいどおり)は、那覇市の県庁北口交差点(パレットくもじ前交差点)から安里三叉路にかけての約1.6kmの通りの名称である。戦後の焼け野原から目覚しい発展を遂げたこと、長さがほぼ1マイルであることから、「奇跡の1マイル」とも呼ばれる。沖縄県で最も賑やかな通りであり那覇最大の繁華街。
概要
歴史
1933年(昭和8年)に旧那覇市中心部と首里市を最短距離で結ぶ県道として整備され、「新県道」と呼ばれていた。郊外の一本道で、人家は少なく畑や湿地帯が広がっていた[1]。
沖縄戦後、米軍によって従前の那覇の中心地(現在の那覇市西・久米・辻付近)が接収されてしまい、人々は行き場を失っていた。まず、壺屋地区の窯業業者たちが産業復興を名目として入市。続いて牧志地区の瓦職人たちも入市が認められた。ほかの人々もみな窯業関係者や職人の親戚縁者を名乗って市内に入り始め、壷屋から牧志にかけてのガーブ川周辺や新県道近くに居ついて自然発生的に闇市が広がった。
1948年(昭和23年)には、米軍の物資集積所があった新県道沿いの土地に「アーニー・パイル国際劇場」という映画館が開館(現在のてんぶす那覇付近)。映画館にちなんで「国際通り」の名が定着した。
デパートなどの大店舗が集まる繁華街であったが、地域の繁華街としての役割は次第に周辺部へ移行し、大型ショッピングセンターは駐車場を確保できる郊外に、生活に密着した店舗はその裏通りにある平和通りやその周辺に移行した。国際通りの方は、その名が著名になるにつれ、観光客が増え、観光客向けの店舗が増加。那覇新都心など周辺地域の開発もあり、現在では沿線事業者の大部分は土産物店や有名飲食店、ホテルなどであり、ほとんどが観光客向けの通りの様相を呈している。また、同系列の店舗で2号店・3号店などが同じ通り上に乱立している。
なお、地元住民の生活にかかわる商店街はその裏手の平和通りや「沖縄の台所」とも呼ばれている牧志公設市場など、この通りに隣接している(国際通りからの入口は、通りのほぼ中間地点に当たるむつみ橋交差点周辺)。
交通状況
国際通りは慢性的な渋滞となっている。これは、沿線が繁華街であることに加え、上下各1車線(計2車線)のみと狭路であることや、国際通りと接続する道路の多くが丁字路で接続しており、南北に横切る場合でも、一旦国際通りを通ることになる道路構造にも起因している。商店街でも配送の集約など渋滞解消についての協議が行われている。
また、モノレールでは、一番の繁華街である国際通りでは両端の県庁前駅、牧志駅での接続にとどまっていることでバス・マイカーの利用客の転移があまり進んでいないともいえる。両駅から北西に大きく離れて路線を作っていることは中間の美栄橋駅から繁華街への誘導が難しいことでもある。
国際通りは那覇バスターミナルと中北部(名護バスターミナル、具志川バスターミナル、屋慶名バスターミナルなど)を結ぶ路線バスの多くが経由し、一日の歩行者数が約2万人のところをバスの通過台数は2,000台を超える。バスの運行本数が増える時間帯はバスレーンが実施されるが、この国際通りの道路は片側一車線通行のため、平日朝7:00 - 9:00は安里から久茂地へ、夕方17:30 - 19:30は逆の久茂地から安里への片側車線について、一般車両の通行が規制される。
また、国際通り内の路線バスの停留所は、乗り降りをスムーズに行うため、安里バス停以外は那覇市内線用・市外線用に分かれている(ただし、国道58号(泊高橋)方面に向かう下り路線バスは国際通り内の安里バス停には停車せず、崇元寺通り(又吉通り、県道29号)にある安里バス停に停車する)。しかし、利用者にとってはわかりづらいという意見があり、バス停位置の統一もかつては検討されたが、いつのまにか立ち消えになった。その後、2007年(平成19年)4月25日に市内線用のバス停名が変更される形(松尾→松尾二丁目(現在の松尾一丁目)、牧志→三越前)で対応がなされ、市外線用のバス停と区別がしやすくなった。
路線バス
- 国際通り内には県庁方面から順に松尾一丁目、松尾、三越前、牧志、安里と5つのバス停があり、基本的に松尾一丁目、三越前は市内線用、松尾と牧志は市外線用となっている(市外線のうち、那覇バスの101番は市内線用側に停車する)。安里は前述の通りに両方向停車する路線と県庁方面のみ停車する路線がある。
- 路線の詳細は、琉球バス交通、沖縄バス、那覇バス、東陽バス、又は 沖縄本島のバス路線を参照。
- 一部の路線については国際通りを経由しない便もある。それらは時刻表などで「牧志経由」「久茂地経由」として区別され、国際通りを経由する便には青地に白で「牧志」、経由しない便には黄地に黒で「久茂地」の表示が掲出される(なお、稀に表示が色分けされていない場合もある)。
- 毎週日曜日の12:00 - 18:00はトランジットモールの実施(後述)により、路線バスも含めて車両の交通が規制される(10番・牧志新都心線を除く)ため、国道58号など周辺の道路へ迂回する。なお、牧志駅前 - 安里三叉路は交通規制の対象外で、国道58号経由とならない路線は安里には停車する。
(☆・松尾一丁目・三越前に停車、★・松尾、牧志に停車)
(安里 ◎・両方面に停車、○・県庁方面のみ停車(逆方向は県道29号崇元寺通り側に停車))
(トランジットマイル実施時間内 ●・国道58号久茂地経由、◆・美栄橋経由、■・県道222号開南経由)
- 1番・首里牧志線(那覇バス)☆◎■
- 4番・新川おもろまち線(那覇バス)☆◎◆ - 安里は崇元寺通り側にも停車
- 5番・識名牧志線(那覇バス)☆◎■
- 9番・小禄石嶺線(那覇バス)☆◎■
- 10番・牧志新都心線(那覇バス)☆◎ - 安里は崇元寺通り側にも停車
- 14番・牧志開南循環線(那覇バス)☆◎■
- 15番・寒川線(那覇バス)☆◎■
- 20番・名護西線(琉球バス交通・沖縄バス)★○●
- 23番・具志川線(琉球バス交通)★○●
- 25番・普天間空港線(那覇バス)★◎■
- 27番・屋慶名(大謝名)線(琉球バス交通・沖縄バス)★○●
- 28番・読谷(楚辺)線(琉球バス交通・沖縄バス)★○●
- 29番・読谷(喜名)線(琉球バス交通・沖縄バス)★○●
- 30番・泡瀬東線(東陽バス)★◆ - 安里には停車しない
- 33番・糸満西原(末吉)線(那覇バス)★◎◆
- 46番・糸満西原(鳥堀)線(那覇バス)★◎◆
- 52番・与勝線(沖縄バス)★○◆
- 56番・浦添線(琉球バス交通)★◎■
- 63番・謝苅線(琉球バス交通)★○●
- 77番・名護東(辺野古)線(沖縄バス)★○
- 80番・与那城線(沖縄バス)★○●
- 87番・てだこ線(沖縄バス)★○●
- 88番・宜野湾線(琉球バス交通)★◎■
- 90番・知花(バイパス)線(琉球バス交通)★◎■
- 97番・琉大(首里)線(那覇バス)★◎■
- 98番・琉大(バイパス)線(琉球バス交通)★◎●
- 101番・平和台安謝線(那覇バス)☆○■
- 110番・長田具志川線(琉球バス交通)★○●
- 120番・名護西空港線(琉球バス交通・沖縄バス)★○●
- 234番・東風平おもろまち線(沖縄バス)★○◆
- 那覇市内観光周遊バス(那覇バス)☆◆ - 安里、松尾一丁目には停車しない。三越前は那覇バスターミナル方面行きのみが停車
トランジットマイル
トランジットマイルとはトランジットモールと「奇跡の1マイル」をかけた造語であり、国際通りで実施されるトランジットモールの通称である。国際通りをトランジットモール化しようという構想があり、これまでに何回か実験が行われていた。「トランジットマイル」の名称で実験されていた時期があるが、現在は「トランジットモール」が正式名称となっている[1]。
2007年(平成19年)2月11日から定期的に実施されるようになり、同年4月1日から本格導入。国際通り全体のうち、県庁寄りの約1.3km(県庁北口交差点 - 牧志駅前)に対して実施され、日曜日の12:00 - 18:00の間は許可された車両(区域内に車を所有する人)以外は通行できない。実施時間内は低速バス(那覇バスの10番・牧志新都心線)が運行されているが観光客優先で歩行者天国にした事には不満があり、地元の一部の人たちからはよく思われていない事も事実である[2]。
イベント
- 首里城祭 - 10月下旬
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首里城祭
接続する通り
- 沖映通り
- 一銀通り(沖縄県道222号真地久茂地線・久茂地方面)
- 松尾消防署通り(沖縄県道222号真地久茂地線・開南方面)
- 浮島通り(一方通行のため国際通りからの車両の進入は不可)
- 平和通り(歩行者専用道路)
- 市場本通り(歩行者専用道路)
- むつみ橋通り(歩行者専用道路)
- グランドオリオン通り
- 桜坂中通り
- パラダイス通り
など
ギャラリー
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シーサー像
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国際通り前にあるスクランブル交差点
脚注
参考文献
- 那覇市 『那覇市誌 資料編 第2巻中の7 那覇の民俗』 第1章第1節3「旧眞和志」、第1章第2節2-4「旧眞和志間切区」 他 1979年1月