国立京都国際会館
国立京都国際会館(こくりつ きょうと こくさいかいかん)は、日本国の主要な国際会議施設の一つ。 京都市左京区岩倉に所在し、宝が池公園に隣接する。英語(事実上の国際通用語)では、Kyoto International Conference Center と言い、ICC Kyoto と略称されるほか、Kyoto International Conference Hall の名でも呼ばれる。運営は、公益財団法人国立京都国際会館。
敷地面積156,000m²。建築物は、日本人建築家・大谷幸夫の設計による代表作である。
目次
建設
1966年(昭和41年)5月21日[1] 、日本で最初の国立の会議施設として開設された。それに先立って開業した東海道新幹線の京都駅が在来線に併設となったのも、京都市や地元財界などがこの施設への利便性を強く主張したことが大きな要因の一つとなっている(別項「鉄道と政治#京都駅(東海道新幹線)」にて詳述)。
建築・設計
国が主催となって1963年(昭和38年)に開催された建築コンペ(建築設計競技)で、195点の応募作品から選考された。
会議場(本館)
設計上の特徴は、日本古来の合掌造り様式と現代的建築様式の融合。施設の一部(宴会場の一つ)は1973年(昭和48年)の増設[1]。付属施設として池と木々からなる日本庭園があり、現代的建造物との対比を演出するとともに、隣接する宝が池への導線上に位置づけられている。
- 設計:大谷幸夫
- 用途:会議場、展示施設、宴会場、多目的施設
- 竣工:1966年(昭和41年)
- 開館:同年5月21日 [1]
- 延床面積:33,641m²(うち、2,366m²は1973年の増設分) [1]
イベントホール
アネックスホール(別館)
建築物の評価
本館のみであった1967年にBCS賞を受賞。1988年、展示棟で同じくBCS賞受賞。 1993年、BELCA賞受賞。1998年には、公共建築百選に選定される。1999年、「日本の近代建築20選」に選定され、同評価は2003年9月、「DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築」に引き継がれた。また、「音響家が選ぶ優良ホール100選」にも選定されている。
管理・運営
土地・建物は国が保有(国土交通省近畿地方整備局京都営繕事務所が所管)しているが、「国有の会議場施設の管理の委託等に関する特別措置法」(昭和40年法律第133号)に基づいて京都市に管理が委託され、さらに「財団法人国立京都国際会館」に再委託されている。
京都議定書を採択した「地球温暖化防止京都会議」(京都会議)や国連軍縮会議、国際電気通信連合全権委員会議、国際捕鯨委員会科学委員会及び総会、絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約(ワシントン条約)締約国会議、ユネスコ世界遺産委員会、アジア欧州会合 (ASEM) など、重要な国際会議が行われている。
毎年1月には日本青年会議所の京都会議、11月には稲盛財団主催による京都賞授賞式や記念講演会が開かれている。
また、毎年1月に開催される全国都道府県対抗女子駅伝、3月に開催される京都マラソン、12月に開催される全国高等学校駅伝(男子)の折り返し地点としても知られている。
歴代館長
歴代理事長
その他の特徴
1997年の京都市営地下鉄烏丸線の全線開業と同時に、至近に国際会館駅が設置され、新幹線駅や都心部からのアクセスが格段に向上している。また、施設に付属の駐車場は、各種会議などがある場合を除き、1日800円(2010年時点)で国際会館駅とのパークアンドライドに供することもできる。
アクセス
- 鉄道
- テンプレート:Color京都市営地下鉄 テンプレート:Color烏丸線 テンプレート:Color国際会館駅下車、徒歩5分(4-2出口から)。
- バス
関連事項
- 宝が池、および、宝が池公園 :施設の南側に隣接し、比叡山とともに借景的景観をなしている。
- 岩倉川 :高野川の一支流であり、本館とイベントホールの間を貫流する一級河川。
- グランドプリンスホテル京都(旧称:京都宝ヶ池プリンスホテル) :施設に近接する。
主な登場作品
- 映像作品
- 特撮テレビ番組 『ウルトラセブン』 :第14話・第15話(1968年。cf.)「ウルトラ警備隊西へ(前後編)」にて、地球防衛軍の六甲山防衛センターの外観として登場。ただし撮影許可は降りておらず、自動車の中からの盗み撮りであったという[3]。ミニチュアモデルも制作された。
- 映画 『ザ・ヤクザ』 :1975年アメリカ製。
- 特撮映画 『宇宙からのメッセージ』 :1978年日本製。ミラゼリア方面軍司令部の外観として登場。
- 映画 『最後のサムライ ザ・チャレンジ』(原題 "The Challenge") :1982年アメリカ製(日本未公開)。スコット・グレン、三船敏郎、中村敦夫ら出演の現代版サムライ映画。中村敦夫が経営する会社として登場。スコット・グレンと中村敦夫の最後の決闘シーンで、外観のみならず、内部での撮影も行われている。
- SF映画 『ロボコップ3』 :1993年アメリカ製。日系企業カネミツの世界本部の外観として登場(cf. ロボコップ3#日本企業に対する描写)。