名鉄百貨店
テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox 株式会社名鉄百貨店(めいてつひゃっかてん、英称:MEITETSU Department Store Co., Ltd.)は、日本の百貨店である。名鉄グループの企業として、1954年(昭和29年)12月に開業した。登記上の設立は1952年(昭和27年)12月17日。
概要
名古屋市中村区名駅の本店(名鉄名古屋駅の直上)の他に、愛知県一宮市の名鉄一宮駅隣接地に一宮店がある。また関連会社「金沢名鉄丸越百貨店(店名は現在「めいてつエムザ」)」が石川県金沢市に1店舗ある。
1936年(昭和11年)8月に現在のJR(当時の国鉄)名古屋駅建設した際に駅と駅前広場を作った残り約3万坪の土地が余剰となったため、1937年(昭和12年)2月に阪急グループの小林一三よりターミナルデパートの経営戦略の指導を受けて同年3月には建築申請を愛知県知事に行い、翌年1938年(昭和13年)1月 - 百貨店法に基く百貨店の出店申請を名古屋鉄道が行ったが実現せず、百貨店の開業は第二次世界大戦後に持ち越されることとなった[1]。
第2次世界大戦後に名鉄が駅ビルに百貨店を開くにあたっては、名古屋の名門松坂屋と話合いを持ち出店する方向で進んでいたが、これが暗礁に乗り上げたため、戦前に指導を受けた小林一三[1]が創業した電鉄系百貨店の老舗阪急百貨店の支援を受けて創業した。その関連から名鉄東宝(閉館)や名鉄ホール等の阪急電鉄文化の名残が残る。
こうした経緯から、2000年以降のジェイアール名古屋タカシマヤとの競争激化に伴う経営悪化への対応として、名鉄の完全子会社化と、伊勢丹による支援・業務提携を受けている。それに伴い、同社のクレジットカードについても、セントラルファイナンス(現・セディナ)やクレディセゾンとの提携カードから、伊勢丹アイカード(現・エムアイカード)との提携による、「名鉄百貨店アイカード」に変更された。
なお、伊勢丹と三越の経営統合に伴い、栄地区にある名古屋三越栄店との競合が考えられるが、名駅地区・栄地区共に競い合うことにより相乗効果が見込める、という期待も寄せられている。
同様の伊勢丹による支援・業務提携の例は、福岡の岩田屋(現在は福岡三越とともに岩田屋三越へ統合)や北海道の丸井今井(三越伊勢丹ホールディングス傘下へ)などがある。
歴史
- 1937年(昭和12年)2月 - 阪急の小林一三よりターミナルデパートの経営戦略の指導を受ける[1]
- 1938年(昭和13年)1月 - 百貨店法に基く百貨店の出店申請を名古屋鉄道が行う[1]
- 1952年(昭和27年)12月 - 名鉄ビルディング株式会社として設立。
- 1954年(昭和29年)
- 1957年(昭和32年)
- 1967年(昭和42年)6月 - メルサ(現:本店メンズ館)オープン。
- 1970年(昭和45年)7月 - 名古屋証券取引所第一部に上場。
- 1972年(昭和47年)4月 - セブン館(旧ヤング館)オープン。
- 1973年(昭和48年)4月 - ナナちゃん人形が設置された。
- 1994年(平成6年)3月 - セブン館がリニューアルオープン。
- 1995年(平成7年)
- 1996年(平成8年)
- 1997年(平成9年)
- 3月 - 本館ニューボーンパートI完成。
- 9月 - 本館ニューボーンパートII完成。
- 1998年(平成10年)
- 3月 - 本館ニューボーンパートIII完成。
- 9月 - 本館ニューボーンパートグランドオープン。
- 1999年(平成11年)1月 - セントラルファイナンス(現・セディナ)や、クレディセゾンとの提携カード「Meiカード」発行。
- 2000年(平成12年)
- 2003年(平成15年)10月 - 株式会社メルサとの統合および本館・メルサ駅前店(現:メンズ館)・セブン館(旧ヤング館)の3館統合計画を発表。
- 2004年(平成16年)2月 - 名古屋鉄道による完全子会社化で上場廃止。
- 2005年(平成17年)
- 2006年(平成18年)
- 9月 - セブン館をヤング館に改称。
- 10月 - 新カード「名鉄百貨店アイカード」発行。メルサ館をメンズ館に改称。
- 2007年(平成19年)3月 - 本館および本店メンズ館・本店ヤング館の統合リニューアルオープン。
- 2009年(平成21年)4月 - VISAと提携した、「新・名鉄百貨店アイカード」発行。ETCカードも発行。
- 2011年(平成23年)
- 3月 - ヤング館が閉館。
- 4月 - 本館4階に新たな若者向け婦人服売り場「メゾン・ドゥ・ナナ」がオープン。
- 11月 - ヤング館跡に「ヤマダ電機LABI名古屋」がオープン。
- 2012年(平成24年)11月28日 - 本店と一宮店の全館でmanacaが使用可能になった(地下の一部店舗では既に使用可能)。
- 2014年(平成26年)4月1日 - 創業60周年を記念し、1年間限定で創業当時のロゴ(前述の杉本健吉・作)と紙袋を復刻しプロモーションを行う。
本店
本館、メンズ館(名鉄バスターミナルビル)、ヤング館と3館体制を敷いていたが、2011年(平成23年)3月31日のヤング館閉館に伴い4月からは2館体制になった。また名鉄バスターミナルビル内には名古屋鉄道本社、名鉄グランドホテル、名鉄バスセンター、名鉄東宝(閉館)などの施設が存在する。2006年度(平成18年度)に大規模な3館一体化リニューアルをしているが、同時に本館以外の名称も変更となった。また、2005年(平成17年)には地下食料品売り場の改装にあわせて、これまで駅施設と商業施設が混在していたのを分離・集約した。リニューアル前には目立つシンボルマークがあったが、リニューアルと同時に青地に「meitetsu」の看板に変更となった。3館計64,548㎡→2館計53,108㎡
- 本館
- メンズ館
- 地上18階地下1階建て。3階・4階に日本初の本格的な立体型バスターミナル名鉄バスセンター。7階 - 10階は名古屋鉄道本社および関連企業のオフィス棟。11階以上は名鉄グランドホテルとなっている。6階には映画館の名鉄東宝があったが、2006年(平成18年)2月24日に閉館した。
- 元々は「MELSA」(名鉄エレガンスレディースショッピングアベニュー)という名称のファッションテナントビルで、開業は1967年(昭和42年)とパルコより古い歴史を持つ。開業以来関連会社の株式会社メルサが運営していたが、のちに名鉄百貨店に移管され「メルサ館」と改称。メンズ専門館としてリニューアルされた2006年(平成18年)10月25日に再度名前が「メンズ館」に変更された。尚、現在のメルサの本店機能は名古屋栄に移管している(名称が「栄メルサ」から「メルサ栄本店」に変更された)。15,023㎡
- (旧)ヤング館
- 地上11階地下1階建て。1階に三井住友銀行名古屋駅前支店(旧住友銀行名古屋駅前支店)が有り、同行の関連会社大手町建物が不動産を所有。多くのフロアが、メンズ館と直結しており、7階 - 11階は名鉄スカイパーキング。屋上はテニスラウンジがある。11,440㎡
- 1972年(昭和47年)に名鉄百貨店のヤング向け別館「MEITETSU SEVEN」として開業。地下1階から地上6階の「7」フロアの店舗であったこと、生活サイクルが1週間(7日間)を基準にしていること、「ラッキーセブン」に掛けたことなど、ヤング層の感性にマッチしていることからから命名された。2006年(平成18年)9月6日の館内リニューアルと同時に「セブン館」から改称した。
- セブン館時代に東海ラジオが館内にサテライトスタジオを設置していた(当時館内で店を経営していた宮地佑紀生が初めてラジオのマイクでしゃべった場所でもあった)。
- 2010年(平成22年)11月9日、家電量販店最大手のヤマダ電機との間でヤング館跡地に出店合意した。ヤング館は2011年(平成23年)3月31日に閉鎖し、同年11月25日に「LABI名古屋」として開業[2]。これにより、本館とメンズ館の2館体制になり、ヤング館の婦人服売り場は本館の3、4階に集約する。尚、LABI名古屋は地上5階地下1階のフロア構成になり、6階は倉庫として使用される。
- ヤング館以外の施設はLABI名古屋にリニューアル以降も営業中。
ナナちゃん人形
ヤング館の前に立つ巨大マネキン"ナナちゃん人形"は名古屋駅の待ち合わせ場所として有名。1973年(昭和48年)、「セブン館」の1周年を記念して設置された。
プロフィールでは、昭和48年4月28日生まれ、身長610cm、体重600kg、スリーサイズはバスト207cm、ウエスト180cm、ヒップ215cmとなっている。素材はFRP硬質塩ビ樹脂。名前の由来は、ヤング館の旧称であるセブン館の「7」から[3]。名鉄百貨店の広報部員である。設置元の名鉄百貨店も含め、当初はスイス生まれ(スイスシュレッピー社製「スカイスクレーパー」。後にイタリアの会社に統合される)としていたが、当時ナナちゃん人形を買い付けた人物の話により、実際はシュレッピー社とライセンス契約を結んでいた東京のマネキン会社ロア社(1994年経営破綻)の製品で、長野県高遠町(現:伊那市高遠町)で製造されたものであることが明らかになった[4]。スイス製になった経緯は「マネキンが目立ったらいいなと思っただけで、製造元にはあまり関心がなかったから」という安直なものであったという。今後、名鉄百貨店の公式サイトでも日本製に改めるとしている[5]。
季節によって様々な服や水着に着替え、行政イベントや、ユニフォーム姿で中日ドラゴンズの応援媒体としても活躍し、着替えた後の姿が地元マスコミで報道される事もある。イベントなどのない場合に無着衣のこともある。
衣装は名鉄百貨店のキャンペーンに関連したもの、あるいは公共の啓蒙活動など社会貢献につながるものに限っており、他からの着せ替え依頼についてはすべて断っていたが2012年4月に「親しまれてきたキャラクター像を壊さないこと」を条件に、一般企業広告の着せ替え(電通名鉄コミュニケーションズ扱い)を解禁した[6] 。
2006年(平成18年)10月5日深夜、名鉄百貨店セブン館と名鉄バスターミナルビル前の歩行者通路の一体化工事と名鉄バスセンターと各館連絡通路工事のため、一時的にナナちゃん人形は撤去された。その間、ナナちゃん人形の居場所は秘密であったが、2007年(平成19年)2月16日に愛知芸術文化センターにお目見えし、3月11日まで展示された。そして、2007年(平成19年)3月18日の名鉄百貨店全館グランドオープン時に、以前の場所から北側に約3メートル、東側に約1.5メートル離れた場所、つまり若干JR名古屋駅に近づいた場所に再設置された。
2010年(平成22年)4月10日から、「なでしこナナブログ」を開始。手足となるチビナナがブログ更新に活躍している模様。 4月15日のブログでは「普段動きまわっているときの小さい私」を紹介しているため、「チビナナ」が分身なのか同一の存在なのかは不明である。
2010年(平成22年)9月10日 - 24日の間、「コカ・コーラ セントラル ジャパン」が行った東海地方限定「でら!ジョージア」プロジェクトの一環で衣装に設置されたスピーカーを通して全19種類のメッセージを37歳にして初めてしゃべった。
2011年(平成23年)6月1日から7日まで、愛知県の特定検診 啓発キャンペーンとして、キャンペーン中メタボリックシンドロームの体形、ウエスト180cmから285cmに変更。
2011年(平成23年)11月2日に本館「メゾン・ドゥ・ナナ」のマスコットキャラクターとして、6分の1サイズのナナちゃん人形がお披露目された。名前は一般公募で「ミナちゃん」と名付けられた。
中日マスコット関連商品の展開
現在は中日ドラゴンズのマスコット人気にあやかったいくつかの商品を販売している。殆どのアイテムは同社のネットオンラインショッピング「めいてつオンライン」で購入出来る。パッケージにドアラ直筆のセリフやクッキー本体にドアラ直筆の絵が描かれた「ドアラのクッキー」やドアラ・シャオロン・パオロンのそれぞれの名前より命名された「どあろん」(ドアラの「ドア」とシャオロン・パオロンの「ロン」をマカロンと引っ掛けたもの)などユニークな発想に富んだお菓子類もあり、特に「ドアラのクッキー」はその独特のイラストも相俟って人気が高い。
一宮店
現在の店舗は名鉄一宮駅に隣接している。旧名鉄東一宮駅跡に丸栄との共同出資で開設された名鉄丸栄百貨店の後身一宮名鉄百貨店を、一宮駅ビルに移転して開設。17,729㎡
関連会社
なお、名鉄インテリアは2006年(平成18年)8月30日に閉店している。
脚注
関連項目
外部リンク
- 名鉄百貨店
- 名鉄百貨店 一宮店
- 名鉄百貨店 ナナちゃんコレクション
- なでしこナナブログ
- 名古屋名物きょうのナナちゃん - 98年以降のナナちゃんの衣装紹介サイト。
- 水着からナースまで。ナナちゃん人形七変化 - Allabout.
- ↑ 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 テンプレート:Cite book
- ↑ ヤマダ電機、名古屋駅前に「LABI名古屋」を25日オープン 家電Watch(2011年11月10日) - 2011年11月10日閲覧。
- ↑ そもそもの名鉄セブン館のネーミングは、1週間(7日)を基準とした生活サイクル、7フロア(B1から6F)、ラッキーセブンに肖って、などの理由で名付けられた
- ↑ 「ナナちゃん解体新書」(2013年4月21日付中日新聞朝刊35面(社会欄)より)
- ↑ 「ナナちゃん ななんと!長野県生まれ 定説「スイス人」…実は国産」(2013年3月29日付中日新聞朝刊35面(社会欄)より)
- ↑ 名古屋「ナナちゃん」広告に貸します 名鉄百貨店が解禁 - 朝日新聞、2012年3月30日配信