ミス・コンテスト
ミス・コンテストとは、ミスの敬称が示す通り独身女性の美を競うイベント。一般的には容姿を基準に審査員が優劣を決めるため、コンテストの上位入賞者は美人の肩書きを得ることになる。日本語では「ミスコン」と省略されたり、「美人コンクール」と呼ばれたりもする。英語に基づいた表現として「ビューティー・ページェント[† 1]」を用いる場合もある。
ミスコンの上位入賞者は男性の注目を集め、美を求める女性の憧憬の念を得る効果があるため、たいていはコンテスト終了後も主催者と契約し、主催者が用意するイベントやキャンペーン(PR活動や社会奉仕活動)に出演する。
概要
日本では、芸者などの職業毎の人気投票は存在したが、一般女性を対象にしたミスコンテストはシカゴ・トリビューン主催『世界美人コンクール』の日本予選である時事新報主催『全国美人写真審査』が最初とされる。同審査は、1907年(明治40年)より時事新報が全国22の新聞社と共に1次審査を実施して、各地域5名ずつ、計215名を選抜した。翌1908年(明治41年)2月29日に時事新報社にて実施した2次審査で12等賞まで順位が決められ、1等賞は福岡県小倉市(現・北九州市)の末弘ヒロ子(当時16歳、『世界美人コンクール』では6位)、2等賞は宮城県仙台市の金田ケン子(19歳)、3等賞は栃木県宇都宮市の土屋ノブ子(19歳)となった。上位12名の出身地別内訳は、東京府東京市(現・東京都)が6名、宮城県仙台市が2名、茨城県水戸市・栃木県宇都宮市・三重県・福岡県小倉市が各1名だった。入賞者は3月5日に紙上掲載されたため、同日は後に「ミス・コンテストの日」とされている。
アメリカでは1920年代からミス・アメリカが行われ、水着審査の発祥である。また入賞者には奨学金が授与される。
ミス・コンテスト入賞者(特にミス・ユニバース、ミス・ワールド、ミス日本や、自治体のキャンペーンガール)に対してはそれを示すたすき[† 2]やユニフォーム、帽子(これらはキャンペーン活動を含む公式行事に着用する)が贈呈される。又、コンテストの審査結果発表時にはこれにガウンや王冠・ティアラも贈呈される事もある。任期が定められているものもあり、任期は1年間のものが多いがそれよりも長い場合もある[† 3]。
女性を外見で評価するため、反対運動が根強く、規模を縮小する例がある[1]。
漫画雑誌では、誌上コンテストが開催されている(ミスマガジンなど)。
日本の大学におけるミスコンテスト
日本の大学では、学園祭の時期にあわせる形もしくは違う時期に独自企画としてミスコンテスト(ミスキャンパス)が行われている大学が多くあり、特に東京の大学のミスコンは、有名大学を中心にキー局のアナウンサーである「女子アナ」への登竜門と言われ、実際にミスコン経験者のアナウンサーも多いほか、キャスターやタレントも多く輩出している。なお、大学のミスコンを初めて開催したのは青山学院大学である。
また有名大のミスコンを中心にテレビに出演したり、ミスコンを集める番組(フジテレビ「キャンパスナイトフジ」)もある。新たなムーブメントとなっている。他にもミスとして取材を受けたり、イベントが行われることもある。
ムーブメントの過熱化も起きており、例えば2006年のミス慶應(慶應義塾大学)には副賞として外国産車のBMWが、2007年にはティアラが贈られている[2]。これらは、ミスコン主催サークル等を通じて一流企業のPR目的の協賛があったためである。
主要コンテスト一覧
その他の国際的なコンテスト
- ミス・アジアパシフィック
- ミス・ヨーロッパ
- ミス・ツーリズム・クイーン・インターナショナル
- ミセス・ワールド(既婚者を対象としたミセスコンテスト)
- ワールド・ミス・ユニバーシティ・コンテスト
- ミス・ビキニ・インターナショナル
日本での主な国内コンテスト
- ミス日本
- プリンセス (ミスコンテスト)
- 日本パラオ国際親善大使プリンセス
- ミスセブンティーン
- ミセス日本(ミセスワールド同様既婚者対象)
その他の国での主な国内コンテスト
ミス・コンテスト出身の主な著名人
- 山本富士子 第1回ミス日本グランプリ→女優(ミスコンではないが、2000年と2002年には沼津市観光キャンペーン隊「燦々ぬまづ大使」選出もある)
- 西川史子 第28回ミス日本フォトジェニック→医師、タレント、女優
- 伊比恵子 ミス日本グランプリ→映画監督。第71回米国アカデミー賞短編ドキュメンタリー映画賞受賞
- 藤原紀香 ミス日本グランプリ→女優
- 叶美香 ミス日本グランプリ→タレント
- 佐野美和 ミス日本ファイナリスト→八王子市市議会議員→政治ジャーナリスト・タレント
- 相沢礼子 ミス日本グランプリ→キャスター、タレント
- 嵯峨百合子(さがゆりこ) ミス日本グランプリ→タレント、女優 現在の芸名はひらがな名義
- 友利新 準ミス日本→女医、放送コメンテーター
- 萩美香 ミス日本グランプリ→女優、タレント(みえの国観光大使)
- 谷中麻里衣 ミス日本グランプリ→キャスター、タレント
- 新井寿枝 ミス日本・ミス着物→モデル・画家(「アートメッセンジャー」)
- 新井貴子 ミス日本グランプリ→モデル・アルティメット選手
- 新井寿枝・貴子は「実姉妹」。
- 渡辺けあき ミス日本・海の日→プロボウラー・モデル
- 萬田久子 ミス・ユニバース日本代表→女優
- 織作峰子 ミス・ユニバース日本代表→写真家
- 町本絵里 ミス・ユニバース日本代表→モデル、タレント、歌手、女優
- 知花くらら ミス・ユニバース日本代表→モデル、タレント
- 森理世 ミス・ユニバース日本代表。2007年度世界大会でミスユニバースに選ばれる。振付師・ダンサー・モデル
- 宮坂絵美里(REIRA) ミス・ユニバース日本代表→モデル・女優・タレント。(ミスユニバース日本代表に選ばれたことをきっかけに本名名義での活動を強化しており、現在は苗字を外した「絵美里」名義で活動)
- 板井麻衣子 ミスユニバース日本代表→モデル・タレント(出場時は大分市役所の地方公務員。ファイナリストに選ばれた後タレント活動へ転向している)
- 白田久子 ミス・インターナショナル日本代表→女優
- 杉山恭子(KYOCO) ミス・インターナショナル日本代表→モデル(出場当時はタレント)
- 金ヶ江悦子 ミス・インターナショナル日本代表→タレント、インストラクター
- 吉松育美 ミス・インターナショナル日本代表。2012年度世界大会でミス・インターナショナルに選ばれる。モデル。
- 渡辺志穂 ミス・エアジャパン(ミス・アースの準ミスの一つ。準ミスの最高位<2位>に当たる賞)→タレント・モデル(元AKB48)
- 永田怜奈(永田レイナ) ミス・アース日本代表。モデル。
- 室井佑月 ミス栃木・ミス公園通り→レースクイーンなどを経て作家・テレビコメンテーター
- 東里 第25代ミス熱海梅の女王(並行して女優・タレント・モデルとして活躍)
- 山路ふみ子 ミス神戸→女優→実業家→社会事業家
- 平野啓子 ミス東京→NHK専属契約アナウンサー→語り部(1995年・1997年・2004年の3回「燦々ぬまづ大使」に選出)
- 浅田舞 フィギュアスケート選手・スポーツコメンテーター。フィギュア選手として活動しつつ2005年「国際モードルオーディションORIBE」第2回グランプリ
- 白石さおり タレント、オーディション研究家。アイドル時代より54ものミスコンテスト優勝・入賞や観光大使受賞歴を誇る「ミスコン女王」
- 高野人母美(TOMOMI) プロボクサー・モデル。「第4回アジアスーパーモデルコンテスト」上位やミス・アースジャパンファイナリストなどを経験。
- 沼田さくら ミス・ワールド日本代表ファイナリスト→モデル(元バレーボール選手)
脚注
注釈
出典
関連項目
- 三井マリ子 - ミスコン反対運動の旗手。「全国フェミニスト議員連盟」世話人。「自治体男女平等コンテスト」の代表を務める。
- 美樹あゆみ
- 親善大使
- 堺市女性団体協議会 - 書籍『ミスコンテストNON!』(1989年12月18日)出版。旧堺市婦人団体連絡協議会。
- 女子アナ
- プリンセス (ミスコンテスト) - プリンセス○○(○○は地名)と称して日本各地で行われているミスコンテスト。
- プリンセス関西
- ミスキャンパス
- 濡れTシャツコンテスト
外部リンク
- 深窓令嬢美人コンクール - 時事新報主催で行われた一般子女を対象とした日本初のミスコンテストとも言われる催し。
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- ↑ 「ミス慶応」群がる企業 多額協賛金に高額賞品 asahi.com(朝日新聞社) 2009年11月16日