ポートアイランド

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ファイル:PortIslandCloseup 2003262.jpg
中央がポートアイランド。その南の人工島は神戸空港で、現在は完成している
ファイル:Port-island.JPG
神戸ポートピアホテルより三宮・六甲山方面を望む
ファイル:Kobe Port island.jpg
市章山からのポートアイランド遠景

ポートアイランドは、神戸市中央区神戸港内にある人工島。神戸大橋及び港島トンネルによって神戸中心部と結ばれ、都市機能を一通り備える。計画・設計は建築家、都市計画家の水谷頴介が担当。今後の都市開発に先駆的な役割を果たしたとして、1980年(昭和55年)に日本都市計画学会石川賞が授与された。

六甲山地の土で埋め立て、2期に分けて造成された。

およその位置 着工 竣工 総面積 町名
第一期 北部 1966年(昭和41年) 1981年(昭和56年) 4.36 km2 港島中町港島
第二期 南部 1987年(昭和62年) 2005年(平成17年) 3.90 km2 港島南町・港島

町名

港島(みなとじま)
海岸沿い(南岸を除く)
港島中町
北部(海岸沿いを除く)
港島南町
南部(東岸を除く)

歴史

1966年に六甲山の土で埋め立てが始まり、その後、2005年には神戸空港が新たに作られた[1]。 開島に合わせ、1981年(昭和56年)にポートピア'81神戸ポートアイランド博覧会)を開催。その後の地方博ブームのさきがけとなった。また、街開きにあたって博覧会を開催するという手法は横浜博覧会横浜市みなとみらい21地区)など各地で用いられるようになった。

阪神・淡路大震災の際には、島内全体が液状化現象で水浸しになって至る所に段差が生じた。市内の需要をカバーするため、一期地区に大量の仮設住宅が建設される。神戸大橋も橋脚にズレが生じただけではなく、水道管2本のうち通水していた1本(もう1本は将来需要を満たすために作られたもので通水されていない)が陥落して人工島の防災上の弱さを露呈した。なお、復旧工事中は、交通規制による渋滞緩和などの目的で、KD橋という仮の橋が新港第三突堤に向けて架設され1年間使用されていた。

その後、一期地区は、その港湾施設の統合に伴って島の西部で旧バースの売却が行われ、神戸学院大学神戸夙川学院大学兵庫医療大学の3大学がキャンパスを新しく開設した。さらに、重機販売会社や中古車販売会社が集積して輸出を行う巨大中古車市場も設けられている。震災後、二期地区は土地の売却が進まずに問題となり、神戸市は、神戸医療産業都市構想を立案して医療機関や関連企業の誘致を図っている。その結果2009年(平成21年)8月現在では、理化学研究所神戸研究所など11の研究関連施設と158の医療関連企業が進出し、国内最大級の医療クラスターとなっている。2002年(平成14年)には三宮地域と神戸空港を結ぶ重要な都市軸上に位置している西側の区域が、「神戸ポートアイランド西地域」として政令による都市再生緊急整備地域に指定されている[2]

博覧会の終了後も営業が続けられていた神戸ポートピアランド阪急グループの経営再建に伴い、2006年(平成18年)3月31日をもって閉園した。

施設

ホテル

研究機関

大学

職業能力開発短期大学校

企業


交通関連

その他

交通

南側沖合には神戸空港があり、空港および2期地区へのアクセスとしてポートライナーが延伸された。また、阪神高速5号湾岸線(大阪湾岸道路西伸部)の延長が都市計画決定され、6車線の高架道路・橋が建設される予定である。ちなみにポートアイランド内には2箇所のランプが設けられる見込みである。

教育

帰化植物 [1]

全国屈指の帰化植物のメッカとなっている。初めて記録された帰化植物や、新たな知見が得られるなど、学術的にも珍しい発見がされている。記録された帰化植物は239種。原産地別ではヨーロッパ産122種、北アメリカ産66種、地中海沿海産23種、南アメリカ産10種、その他12地域18種。分類別では、イネ科51種、キク科36種、アブラナ科20種、マメ科19種、ナデシコ科10種、ナス科9種、その他94種。

港で荷降ろしされるコンテナに付着していたもの

空き地の表土流出防止の目的で外国産の牧草種子が使用され、その中に混入していたもの

道路分離帯や花壇で栽培されていたものが繁殖したもの

土壌改良のため輸入された、ヤシ殻堆肥や家畜の糞や、持ち込まれた植物に混入していたと考えられるもの

主な帰化植物

アメリカウンダンモドキ

ダイコクマメグンバイナズナ

  • アブラナ科。アフリカ南部原産で、オーストラリア・ニュージーランド・ヨーロッパ・ハワイ島に帰化している一年生または多年生草本。1996年ポートアイランドで採集された。

セイヨウヤマホロシ

  • ナス科。ヨーロッパ原産で、北アフリカ・アジア・オセアニア・北アメリカに帰化している。昭和初期に観賞・薬用植物として渡来してる。ポートアイランドでは、輸入物資に付着していたと考えられるものが、1991年に記録されている。

キダチタバコ

  • ボリビア・アルゼンチンの原産で、近隣国や北アメリカ・オーストラリア・アフリカ・イスラエルなどの地中海沿岸に帰化している。ポートアイランドでは、輸入物資に付着していたと考えられるものが、1995年に記録されている。

カタボウシノケグサ

  • イネ科。西南ヨーロッパ・北アフリカ・西アジア原産で、北アメリカ・オーストラリアなどに帰化している。1968年、北九州市で日本最初の生育報告がなされ、ポートアイランドでは1993年に記録された。

フトボメリケンカルカヤ

  • イネ科。北アメリカ原産の多年生草本。1997年、ポートアイランドで初めて生育が確認された。その後、尼崎市南部・北九州市・大阪府南部での記録がある。

脚注

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  1. 1.0 1.1 水田光雄 「帰化植物たちの楽園」 『兵庫県生物学会65周年記念誌 豊かな兵庫の自然力 - 生物の多様性と人々の営み -』、兵庫県自然学会編、2011年、125-127頁
  2. 都市再生緊急整備地域(神戸市公式ウェブサイト)

関連項目

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