ファントム無頼
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『ファントム無頼』(ファントムぶらい)は、史村翔原作・新谷かおる作画による日本の漫画作品である。
目次
概要
本作は、「週刊少年サンデー増刊号」(小学館)1978年4月20日号から1984年2月号まで連載された。単行本は全12巻、ワイド版(少年サンデーワイドコミックス)は全5巻、文庫版(小学館文庫)は全7巻が刊行されている。史村の自衛官時代の職務経験を基に制作されているが自、作劇の基本として航空自衛隊の実情よりも娯楽性の高いドラマに重きを置いた内容となっている。[1]。
あらすじ
百里飛行場の第7航空団第305飛行隊に所属するF-4EJ ファントムのパイロット・神田鉄雄二等空尉と、三沢飛行場の第3航空団第8飛行隊に所属するファントムのナビゲーター・栗原宏美二等空尉。2人はそれぞれ凄腕の航空自衛官だが、その性格が災いし「基地の問題児」として周囲から冷ややかな眼で見られていた。ある日、またもナビゲーターを病院送りにした神田と、代わりのナビゲーターとして新たに百里基地に赴任した栗原は、運命的な出会いを経て意気投合する。そして2人はF-4EJ ファントム680号の専属パイロットとして、職務を通し様々な出会いを経て成長していく…。
F-4EJ ファントム680号
305飛行隊所属のファントムで、専属パイロットは主人公である神田・栗原両二尉。第2話までは神田がことごとく病院送りにしたため専属のナビがいなかったが、最終的に栗原が専属ナビとなる。
機体番号は「47-8680」であったが、この機体ではバードストライクや異物の侵入によるエンジン爆発など、全話中6回の事故が発生した。
作中最高クラスの機動力と不死身ともいえる生存率を誇ったが、経年劣化と神田・栗原の無茶な操縦によるダメージの蓄積から第32話でついに退役が決定。しかし予想以上に機体の劣化が進行しており、退役前の最終飛行中に限界を迎え海上で空中分解し墜落(機体と心中するつもりだった神田・栗原は射出座席が勝手に作動したため、脱出)。第33話、第34話で「55-8680」になったが、第36話から「07-8680」が登場。なお「07-8680」以降は事故なし。
コールサインは本来「eagress680」(「イーグレス」は当時の305飛行隊所属表示。個別記号は機体番号の下3桁を用いる)だが、作品中では使用されず「新撰組」と称している(第1話より)[2]。
本来両機は作中ではかなり俊敏な動きをする機体だが、その一方でエプロンから滑走路に移動中や飛行中にノタノタした感じでの描かれ方をされることが多かった機体でもある。
登場人物
- 神田 鉄雄(かんだ てつお)
- 航空自衛隊二等空尉。ファントムの操縦テクニックは天下一品のパイロット(操縦士)。ブルーインパルス張りのアクロバティックな飛行が得意で、幾多のナビゲーターを病院送りにした百里基地の問題児。
- 周りからゴリラ呼ばわりされるほどの体力バカで怖いもの知らず。その上喧嘩も滅法強く、引き分けはともかく負けた事は一度もない。
- 反面、昔のある出来事以来ヘビには滅法弱く、ゴム製のおもちゃであっても見ただけで気絶する。さらに、飛行機と無関係な機械にはまるで弱く、洗濯機もまともに扱えずにトラウマ[3]を抱き、鷹子に呆れられるほど。ついでに、父親譲りで、重度の音痴、おまけに好物はお子様ランチ。
- 父親も航空自衛官で、初めてF-4を操った日本人の一人だったが、彼が高校生の時にT-33の事故で二次災害回避のために重傷を負い殉職。自身も破天荒なフライトの一方でその恐ろしさを承知しており、旅客機の機長である伊達に関して「自分には多くの乗客の命を預かって飛ぶ度胸はない」と語ったり、巡航ミサイル誤射事件では自らの命をも顧みずミサイルを墜とそうとするなど、強烈な義務感・使命感を持ち、それを以って栗原をも牽引していく。“剣を帯びていても平和である限り抜かずに済ませる、人命を手に掛けるのは最後の最後”の自衛官である事に誇りを持っており、ペイント弾での模擬戦でもコクピットは狙わずエンジンのみを射撃した[4]。
- 女性にはモテないと自認しているが、実際はそれなりに女性(それも美人ばかり)と縁がある。それどころか、あえて自分から女性を突き放すこともある。自分がいつ空で命を落とすかわからない身である事を承知していたためである。その辺りの事情もあってなのか、リカちゃん人形のファン、らしい(栗原の分析のみで、作品内での実証はされていない)。
- 栗原 宏美(くりはら ひろよし)
- 航空自衛隊二等空尉。容姿端麗・頭脳明晰の超一流ナビゲーター(航空士)。風防ガラスが塞がれて視界がない状態でも、航空図さえあれば計器飛行でパイロットを百里基地から三沢基地まで誘導出来る技量の持ち主。しかも実際の着地点が航法計算の結果から1メートルでもずれると満足出来ないなど、“ファントムのコンピュータ”を自認する。コンピュータおよびソフトウェア開発にも造詣が深い。神田が「オペレーション・コマンダー(作戦指揮官)」とジョーイに紹介するシーンもあり、場合によって呼称が変わる模様。
- 一方で「真にファントムを飛ばしているのは、動かすだけのパイロットではなく目的空域を設定し誘導するナビゲーターだ」と言って憚らず、協調性に欠け揉め事ばかり起こし、三沢基地では神田同様の問題児。これを見越した太田司令が、“両方とも少しは変わるだろう”、“最悪、どちらか一方でも負けて潰れてくれれば”と神田に対抗させる意味で百里に呼んだが、少年時代のある事件のトラウマから、リスクを無視して任務を遂行する義務感において、太田の目論見に反し神田と意気投合する。
- コンディション作りにおいては神田よりも徹底しており、非番の時も余程のことがなければ酒類を口にしない。飲めないわけではなく、いつスクランブルがかかってもいいように備えているためだが、作中ある理由から一度だけしこたま飲んだこともある。また、航空事故の防止のため、食事には納豆[5]を欠かさないようにしており、同居人の神田にもそれを徹底させている(納豆は腸内でのガスの膨張を防ぐ効果がある)。
- 節分の折に豆まき用に用意していた豆を神田が全て食べてしまい、撒く豆がないと嘆く栗原を後目に納豆も同じ豆だかたら大丈夫と言いながら納豆をこねだす神田と共に、こねた納豆をアパート2階の窓からまいている。
- 父親は大企業「島崎重工」の社長、母親は芸者で、いわゆる妾腹。早くに母親を亡くし葬儀にさえ来なかった父を憎んでおり、養育費を受け取っても全く使わず、それどころか大学卒業後に養育費全額を突き返した上で意趣返しをしている。しかし、異母妹と再会して以降は許しはしないまでも憎悪を捨てたことが示唆されている。なお、神田が語る少年時代の憧れの女性が実は栗原の母親だったなど意外な縁があるが、二人ともその事実には気づいていない。母親譲り(?)の美貌と細身の体型で、付け睫毛と口紅程度でも、女装すると本物の女性にしか見えないほど。その容姿で女性にモテることが多い。
- 本領を発揮する前に手の爪をヤスリ掛けする癖がある。同僚が「栗原の爪研ぎ」を知るや否や、ゾッとしざわつきを見せるほど。
- 神田・栗原のコンビにより操縦されるファントム680号機は最高速度マッハ2.6を達成するなど、製造元のマクドネル・ダグラス社の想定を超える能力を見せた。
- 愛用のオーデコロンはアラミス。神田もよく借用していた。
- 西川(にしかわ)
- 航空自衛隊三等空尉(後に二等空尉に昇任)。F-4EJ 320号機(※680と異なりこの機番のF-4EJは実在する)のパイロット。既婚者で、娘が生まれた頃を境に危険に敏感になり決断力が低下した時期があったが、太田司令の説得で克服。
- 百里では神田に次ぐ操縦技量の持ち主に成長。神田ほど問題を起こさないため、信頼は厚い。名前は不明。
- 水沢 健一(みずさわ けんいち)
- 航空自衛隊三等空尉(最終話で二等空尉に昇任)。F-4EJ 320号機のナビゲーター。
- PX(売店)の美和子(基地内の男達の間ではちょっとしたマドンナ)に恋したものの、告白できずに迷っていたところを西川に叱咤され、一念発起。交際申し込みを飛ばしていきなりプロポーズし、受け入れられ結婚。後に娘の美加が生まれる。
- 始末書すれすれの飛行を楽しむ680(神田・栗原)に対し、既婚者コンビで堅実なところが320の長所だと認識しており、西川をたしなめることもある。ナビとしても栗原に次ぐ腕前で、320は準エースの地位を不動のものとしている。
- 実家は東北地方にある。
- 太田司令(おおた)
- 第7航空団(百里基地)司令。一等空佐(後に空将補に昇任。航空団司令は将補の職席であるため)。神田・栗原の暴走にいつも頭を痛めており、時にはそれがサディスティックなお仕置きにまで発展することもあるが、基本的に部下想いの良い上司である。西川が上記の悩みが元でフライト中にトラブルを起こした際は自ら率先してファントムに乗り込み救出に向かい、最終巻で神・栗コンビが免職される事態に発展した際は航空幕僚監部に自らの引責辞職と引き換えでの寛大な処置を求めたり(事態が大きすぎたため認められなかった)と、パイロット達の事を息子のように思い大事にしている。
- 第一線を退いているがパイロットとしての実力は高く、体型の都合でかなり無理矢理だが神田に「俺でも出来ない」と言わしめるような高等技術を見せた事もある。実際、操縦技術その物は神田以上であり、二度目のF-4搭乗時には作中最高といっても過言ではない実力を発揮した。
- 体型は『エリア88』のザク国王に似た豆タンク型(顔も似ており、一種のスターシステム)だが、第11飛行教育団勤務当時は“静浜の音速男”の異名で鳴らした俊足だった。
- 矢瀬副司令(やせ)
- 第7航空団副司令。一等空佐。第一線にいた頃は優秀なナビゲーターで太田とコンビだった。太田同様、神田・栗原の暴走に頭を痛める。しかし最終巻で神・栗コンビが免職される事態になった際は太田と共に、空幕に自らの引責辞職と引き換えでの寛大な処置を求めている。
- 娘の恵が出生時に未熟児だった事から溺愛しており、叱られないことへの強い不満から彼女がグレかけた時に神田・栗原コンビに助けられたことがある。
- 体型は名前の通りひょろのっぽ型。
- 今井班長(いまい)
- 百里基地整備第3班班長で一等空曹。太平洋戦争当時既に一等整備兵曹で、同地の海軍航空隊の整備員として百里基地に勤務。口うるさいが、神田・栗原の良き理解者。神田も彼の整備には「安心して乗っていられる」と全面の信頼を置いている。
- 田中林(たなかばやし)
- 航空自衛隊三等空尉。ナビゲーター。通称「タヌキバヤシ」。実家が寺で、よく経を唱えていることから、パイロット達からは縁起が悪いと除け者にされることが多い。ナビとしての腕前も今ひとつ。筆文字で『御通』と書かれたヘルメットを愛用。好物は夏でも冬でもタヌキうどん。
- 横山 久美子(よこやま くみこ)
- ファントムに憧れを抱きパイロットを夢見る。当初は学生だったが、再登場時は空自に入隊し、静浜基地で第11飛行教育団の飛行練習生になっていた。空士長。
- 同期の女子練習生が次々に脱落していくことで悩み騒動を起こすが、来日中のキャシーに出会い精神的な成長を遂げる。神田を慕う様子が描写されている。
- 太田 鷹子(おおた たかこ)
- 太田司令の一人娘。神・栗コンビのアイドル的存在。
- 最初は飛行機乗りのことを嫌悪していた。これは母親がパイロットである太田の身を案じ、不安な毎日を過ごしていたことを子供の時感じていたため。その後神田・栗原との出会いをきっかけに父やパイロットにも理解を示すようになる。彼女自身は民間人のはずだが、よく百里基地に出入りしている。
- 神田・栗原の二人に興味があり、お相手をどちらにするか決めかねている模様。ある回ではお見合いの席で妄想し、神・栗両方の嫁となっているシーンが描かれた。
- 伊達 五郎(だて ごろう)
- 紅空(架空の航空会社)に所属する旅客機の機長。元は空自の戦闘機パイロットで、千歳基地時代に栗原と組んでいた[6]。かなりの女好きで、現代なら解雇必至なセクハラ行為をスチュワーデス相手に常日頃行っているが、ハンサムで人望もある(上層部からは睨まれて出世とは無縁のようだが、同僚や部下には慕われている)ためか大目に見られている模様。一方で妻(できちゃった結婚の元スチュワーデス)や娘の三星(乗機のトライスターにちなむ名であると同時に、親が悪い星の下に生まれたので悪い星も3つあれば何とかなるだろうとの願いを込めた命名)に愛情を注ぐよき家庭人でもある。優れた操縦技量と、乗客の安全を命懸けで守ろうとする強い意志を持つが、同時に神田に関して「狭苦しく与圧されていない操縦席に入り、飛行中もコーヒーが飲めない戦闘機パイロットに戻る度胸はない」とも語っている。
- 栗原とは空自時代の元相棒ということもあってか絶大な信頼を持つ一方、神田ともウマが合うのか、飲むとすぐに一緒に裸になって騒ぎ出すほど仲が良い。互いの飛行技量や立場にも理解と敬意を払い合っている。
- 高田(たかだ)
- 紅空の副操縦士。伊達とコンビを組んでいる。整えた口髭が特徴。普段は穏やかで常識的だが肝が据わっており、操縦技量も伊達が「俺と同じぐらいの腕がなきゃコンビなんて組めるか」と太鼓判を押すほど。“3本線だろうが4本線だろうが空を飛べれば満足だ”と機長昇格には興味を持たない。伊達同様、神田・栗原に友情を感じている。初期には高原の名前で登場している(文庫版では訂正された)。
- 栗原 静(くりはら しずか)
- 栗原の母。芸者であったが早くに他界した。神田、栗原の回想シーンなどで姿を見せる。
- 島崎 清美(しまざき きよみ)
- 栗原の異母妹。優しい性格で、栗原に対しへだてなく接した唯一の父方の肉親。栗原も彼女のことは家族として大切に想っていた。一時期、兄に比べ男らしくなく頼りない婚約者の信吾に物足りなさを感じる(栗原が兄でなければ、と涙するシーンもある)がある事件で急速に仲が深まる。いわゆるできちゃった結婚により、信吾との結婚式の1ヶ月前にハワイで娘・真沙香(まさか)(命名は栗原。できちゃった結婚であることが名前の由来)を出産。真沙香が精神を病んだ女性に誘拐された際、ヒッカム空軍基地から機体を無断借用した神田・栗原が事態を収拾したのだが、無断借用と機関砲発砲に激怒した同基地が苦情を出した(事情はどうあれ、苦情を入れた理由そのものは正当であった)ため二人が免職される結果となってしまう。
- 植村 信吾(うえむら しんご)
- 清美の婚約者。栗原・清美の父親の取引先である会社の社長の息子。清美からは男らしくないと言われていたが、ある事件で男を上げる。
- 見た目は華奢で普段は穏やかな性格だがいざというときの肝は据わっており、清美のことは心底愛している。その一方で意外とがっつく一面もあるらしく、それが娘の命名に大きく関わってしまった。
- ジョーイ・ヨハンセン
- アメリカ海軍中尉。第7艦隊空母サミット所属の腕利きパイロット。第1話で初登場。その後何度も神・栗コンビと係わる。作中でF-4からF-14に機種転換しているほか、ハリアーで百里基地を訪れたこともあった。(着陸の際に太田司令のセリカを破壊)
- 父が軍の大物高官であり、本来はるか上官であるはずの空母艦長(一般に大佐が務める)からも扱いを持て余されていた。彼を人質にする形で神田が腕試しに空母着艦を試みた時、「父親はジョーイに何かあったら日本に向けて核ミサイルのボタンでも押しかねん」と青ざめるシーンがあり、かなり溺愛されている模様。
- バイセクシャルの気があるのか(?)、百里の基地祭で上演された劇で女装した栗原を見て、「美しければ男も女も関係ない」と言って唇を無理やり奪おうとした事もあった。
- キャサリン・ガーナード
- アメリカ空軍中尉。NORAD所属。通称キャシー。神・栗コンビがアメリカ研修のため搭乗した旅客機に乗り合わせ、その際のトラブルで2人に興味を持つ。後にテックスと結婚し息子のリッキーを出産。父親は赤い旗作戦基地司令のヘンリー・ガーナード中将。パイロットとしての腕も一流。女性パイロットの先輩として久美子を激励した。
- ジャスティン・G・オールソン
- アメリカ空軍大尉。通称テックス(テキサス州出身のため)。キャサリンの婚約者でF-15のパイロット。神・栗コンビが参加した模擬戦では、機体の性能差を覆す2人を侮っていたため敗れる。まもなく後に起こった事件の際、神・栗も認める操縦技量で事件解決に貢献。良き友人になる。
- ジェイムズ・C・カーナー
- アメリカ合衆国大統領。キャシーを幼少時から知っており、彼女から「ジミーおじさま」と呼ばれている。気さくな面があり、初登場時はエアフォース・ワンの機内から神田・栗原にラスベガスの場所を教えていた。視察のため乗ったヘリ(ネイビーワン)が遭難した際、神・栗(とテックス)に命を救われ、以来2人のファンになった模様。2人が免職になった際にはヒッカム空軍基地に怒鳴り込んで、苦情の撤回と復職を実現させた。
- 氏名は作品執筆当時の大統領ジミー・カーターから頂いたもの。
各話タイトル
話数 | タイトル | 掲載 | 話数 | タイトル | 掲載 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1978年4月20日号 | 第33話 | ジャジャ馬ならし | 1980年12月号 | |
第2話 | 1978年5月25日号 | 第34話 | 若葉マークからの脱皮 | 1981年1月号 | |
第3話 | 愛のタッチダウン | 1978年8月25日号 | 第35話 | 平和の |
1981年2月号 |
第4話 | 奇跡の生還 | 1978年9月15日号 | 第36話 | 白銀のランデブー | 1981年3月号 |
第5話 | 永遠のシュプール | 1978年10月号 | 第37話 | 大空の不良たち | 1981年6月号 |
第6話 | バラとファイター | 『週刊少年サンデー』 1978年45号 |
第38話 | 1981年4月号 | |
第7話 | ロシアより愛をこめて | 1978年11月号 | 第39話 | さよなら、ブルーインパルス | 1981年5月号 |
第8話 | パイロットの資格 | 1978年12月号 | 第40話 | 音速プロポーズ | 1981年7月号 |
第9話 | 飛べない翼 | 『週刊少年サンデー』 1979年11号 |
第41話 | 鉄男と鉄雄 | 1981年8月号 |
第10話 | 1979年3月号 | 第42話 | さらば、コンピューター | 1981年12月号 | |
第11話 | 1979年4月号 | 第43話 | 黒いX'マス・ツリー | 1982年1月号 | |
第12話 | 亜成層圏の棺 | 1979年5月号 | 第44話 | 機長・ライブ | 1981年9月号 |
第13話 | 伝令いまだ届かず | 1979年7月号 | 第45話 | マッチョ・フライト | 1981年10月号 |
第14話 | すばらしき仲間たち | 1979年1月号 | 第46話 | 大統領の陰謀 | 1981年11月号 |
第15話 | 1979年2月号 | 第47話 | それぞれの2月3日 | 1982年2月号 | |
第16話 | 愛と死の大空 | 1979年6月号 | 第48話 | フィッシング・パニック | 1982年3月号 |
第17話 | 巨鯨、迷走す | 1979年8月号 | 第49話 | 魔の日 | 1982年4月号 |
第18話 | 虎よ、虎よ | 1979年9月号 | 第50話 | 友情の |
1982年5月号 |
第19話 | 翼休む地平に | 1979年10月号 | 第51話 | 二つの顔 | 1982年6月号 |
第20話 | 滅亡への |
1979年11月号 | 第52話 | ドロップ・アウト | 1982年7月号 |
第21話 | 新雪の悪魔 | 1979年12月号 | 第53話 | 死線のかなたの息子 | 1982年8月号 |
第22話 | センチメンタル・エキゾースト | 1980年1月号 | 第54話 | 愛機と…蛍と…零戦と… | 1982年9月号 |
第23話 | 1980年2月号 | 第55話 | サムライ、シャトルを救え | 1982年10月号 | |
第24話 | ONLY ONE SHOT | 1980年5月号 | 第56話 | 無視界空中戦 | 1982年11月号 |
第25話 | 悪魔と口づけ | 1980年6月号 | 第57話 | 百里式クリスマス・プレゼント | 1983年1月号 |
第26話 | 赤い星のファントム | 1980年7月号 | 第58話 | キャプテン・高田 | 1983年3月号 |
第27話 | ファントム・イン・ラスベガス | 1980年8月号 | 第59話 | 転属 | 1983年6月号 |
第28話 | 50セントの指令 | 1980年9月号 | 第60話 | め組の夏は波高し | 1983年8月号 |
第29話 | レディー・バード・ストーリー | 1980年10月号 | 第61話 | 暗雲 | 1983年10月号 |
第30話 | 鷹子グラフィティー | 1980年3月号 | 第62話 | さらば、神・栗 | 1983年12月号 |
第31話 | ロートル無頼 | 1980年4月号 | 第63話 | 1984年2月号 | |
第32話 | さらば、わが友よ | 1980年11月号 |
書誌情報
いずれも小学館より発行。
- 少年サンデーコミックス版
- 1980年3月15日発行、ISBN 4-09-120421-X
- 1980年5月15日発行、ISBN 4-09-120422-8
- 1980年8月15日発行、ISBN 4-09-120423-6
- 1980年11月15日発行、ISBN 4-09-120424-4
- 1981年2月15日発行、ISBN 4-09-120425-2
- 1981年4月15日発行、ISBN 4-09-120426-0
- 1981年6月15日発行、ISBN 4-09-120427-9
- 1981年11月15日発行、ISBN 4-09-120428-7
- 1982年4月15日発行、ISBN 4-09-120429-5
- 1983年1月15日発行、ISBN 4-09-120430-9
- 1983年7月15日発行、ISBN 4-09-120516-X
- 1984年4月15日発行、ISBN 4-09-120517-8
- 少年サンデーコミックスワイド版
- 1991年6月15日発行、ISBN 4-09-122711-2
- 1991年8月15日発行、ISBN 4-09-122712-0
- 1991年9月15日発行、ISBN 4-09-122713-9
- 1991年10月15日発行、ISBN 4-09-122714-7
- 1991年11月15日発行、ISBN 4-09-122715-5
- 小学館文庫版
- 1997年1月17日発行、ISBN 4-09-193061-1
- 1997年1月17日発行、ISBN 4-09-193062-X
- 1997年3月15日発行、ISBN 4-09-193063-8
- 1997年3月15日発行、ISBN 4-09-193064-6
- 1997年5月16日発行、ISBN 4-09-193065-4
- 1997年5月16日発行、ISBN 4-09-193066-2
- 1997年7月17日発行、ISBN 4-09-193067-0
イメージアルバム
- 『ファントム無頼 オリジナル・アルバム』
- レーベル:東芝EMI
- LP版 1985年8月31日発売 LC28-5003
- CD版 1986年2月1日発売 LD32-5003
- 音楽:渡辺博也、歌:ロブバード(1、2、10) / 山際祥子(4、6) / 柿沢美貴(8)、演奏:ソニック・エンジェルス
- 収録曲
- PHANTOM LOVER
- 野生の翼
- スカイ・ファイター
- 愛に帰りたい - Flight to Your Heart -
- ウィング・マーク
- LADY BIRD
- 新撰組680
- いつだって Wait for You
- 三連星
- STAND-BY(FOR THE PEACE)
- ※なお、「愛に帰りたい」のアンサーソングが「いつだってWait for You」である。
- 作者の新谷かおるは、アルバムが出るに当たって「自衛隊だから、君が代を収録するんだろうか」というコメントを残している。
模型
模型メーカーのハセガワのキャラクター関連商品専門ブランドのアクトハセガワから、同社の1/72スケールのF-4EJ(凹モールドの新キット)にデカールを追加したキットが発売された。
2004年、タカラから発売された食玩「ワールドウイングスミュージアム2 F-4ファントムIIには、公称の7種以外にシークレットアイテムとしてファントム無頼バージョン(680号機)が存在した。造型は海洋堂が担当した。
現実の680号機
航空自衛隊ではF-4EJの機体番号は301から440までの140機分となっており「F-4EJの680号機」は存在しない。連載当時、小松基地第205飛行隊にF-104J「56-8680」が所属していたが、1980年に事故で抹消となった。F-104退役後はT-4に割り当てられ、T-4「25-5680」が、入間基地航空総隊司令部飛行隊所属の後、奇しくも現在百里基地第305飛行隊に連絡機として配備されている。
百里基地所属の第302飛行隊が2010年の百里基地航空祭において、F-4EJ改のインテークに神田・栗原の680号機と同様の新撰組のダンダラ模様をペイントした特別塗装機を飛行させた。
似た世界観を持つ作品
- 小説『ゼロと呼ばれた男』(鳴海章、1993年) - 空自F-4パイロットが中東で活躍するなど、『エリア88』と『ファントム無頼』を思わせるキャラクターや雰囲気を持つ。また『原子力空母信濃』シリーズでは、『ファントム無頼』の影響でF-4が活躍する小説を書いたと本人が明言している。
- ゲート 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり(柳内たくみ) - 自衛隊が、ファンタジー世界で活躍する作品。この作品にて「神子田」「久里浜」という神田と栗原を如実に思わせる描写のF-4パイロットが登場する。但し階級は佐官。この作品の設定年代が2010年台のため、年齢も本作の年代設定から経た相応の年齢描写と階級になっている。この作品でも両人の駆るファントムの機番は680番で、僚機が320番となっている。漫画版ではそれに合わせたかのように中年期に入った神田と栗原にしか見えない容姿となっており、ファントムの尾翼にもダンダラ模様がある。
関連作品
- ホールドアップ! - 武論尊原作・弓月光作画による婦人警官アクションラブコメ漫画。同じ原作者の縁で、元F-15パイロットのヘリ操縦士・栗田(外見は栗原二尉のパロディキャラ)が登場する。「栗田」操縦士はF-15DJで後席搭乗中に対空砲で撃墜され、首相の別荘に落下した連帯責任により自衛隊をクビになった後、民間企業に転職した。
- 暴走ホリック(つっぱり中毒)- 新谷かおる著:戦場ロマン・シリーズ8巻『複合戦線』に収録。文庫版には収録されていない。郵便局の配達用赤カブVSスカGのレースを取り扱う。主人公の郵便配達員:小林 旭(神田)、喫茶店マスターのテツ(栗原)※ともに暴走グループ「青騎士」の元リーダー・現リーダー、小林の妹の彼氏:ベンこと勉(エリア88のシン)、勉の姉:小夜子(鷹子)、その他「青騎士」メンバー:名無し(エリア88のサキ、ミッキー、グレッグ、フーバー、神崎)、郵便局上司:太田司令という、スターシステムを目一杯生かした豪華キャストで描かれている。なお、主人公の愛飲するのは(神田が好む)大盛りアイスコーヒーではなくレモンティーである。
- ゲーム『スーパーロボット大戦Z』で、男性主人公が『宇宙大帝ゴッドシグマ』のジュリィ野口に会った際、「戦闘機のナビゲーターか?」と尋ねるシーンがある。ゴッドシグマのキャラクター原案は新谷かおるが担当しており、ジュリィと栗原の顔が酷似している他、「ファントム無頼」の本編中にも基地祭の景品としてゴッドシグマの玩具の箱が登場している。。
脚注
テンプレート:Asbox- ↑ 作中の世界観における日本は基本的に世間が自衛隊を受け入れきっており、否定的な思想を持っている人物は殆ど登場しない。
- ↑ それに合わせてか垂直尾翼の両側と左右のインテークに赤いダンダラ模様が描かれている。
- ↑ 神田が官舎で洗濯中に、洗濯物が洗濯機から飛び出るほど洗濯機が大暴れをしたらしく、その時から洗濯機を怖がっている。
- ↑ 「日本国自衛隊は実戦未経験。戦場帰りの自分たちには勝てない」と断言する対戦相手への返答とみられる。これ以前にアメリカでアグレッサー部隊のゲストとして参加した演習では、F-15のコクピット前面風防にペイント弾を容赦なく浴びせている。これは、その時に搭乗していた機体が爆装機なので機動力が大きく劣化し、更に機体自体が空中分解の危機を孕んでいたなど悪条件が重なっており、一刻も早く着陸する必要があったため。相当焦っていたらしく、意図せずして飛行コース上のF-15全機に勝利している。
- ↑ 栗原のファンの女の子から納豆を大量に送り届けられたことがある。最終的には結婚しようと決意するまでになるが、彼女との死別により悲恋で終わっている。
- ↑ 三沢基地との描写もあるが、『好敵手・栗原』でのセリフから、栗原が千歳→三沢と異動したとも考えられる。