ズンドコ節

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

ズンドコ節』(ズンドコぶし)は、日本歌謡曲の楽曲のひとつである。ヅンドコ節と表記されることもある。

海軍小唄

元々、『ズンドコ節』は『海軍小唄』(かいぐんこうた)と呼ばれていた。軍歌のひとつといわれることもあるが、実際のところは戦地に赴く男たちの本音を歌った流行歌のようなものである。まんだらけは炭鉱や漁港で歌われていたリズムを元に門司区出身の学生M・K氏が福岡県にて在学中に作曲したものと推定している[1]1945年頃に流行った曲である。

作詞・作曲者が不詳であり権利上の問題が発生しないため、多くの歌手によってリメイク版が製作されている。なお、リメイク版の多くは七五調の歌詞となっている。

ズンドコ節(街の伊達男)

戦後まもなく田端義夫により『ズンドコ節(街の伊達男)』としてリリースしたものがヒットする。この時初めて『ズンドコ節』の名前が付く。田端のエレキギターによるリードギターと伴奏のアコースティックギターの二本の演奏によって歌われている。演奏は当時流行していたブギのリズムに乗った軽快かつブルーステイストに溢れたもので、それ以前の流行歌におけるギター演奏にはないポップな感覚があり、日本ポップス史の観点から見て特筆すべきものである。田端は四国への巡業のため大阪天保山から乗り込んだ連絡船の中で、闇屋が歌う歌に感銘を受け、それをブギにアレンジして昭和22年(1947年)に吹き込んだ。歌詞の内容は『海軍小唄』を当時の伊達男の恋に置き換えている。

東京ズンドコ節

1951年7月に安城美智子鈴村一郎によってリリース。

ズンドコ桜

『ズンドコ桜』は、『ズンドコ節』の変形のひとつである。1952年4月に田端義夫と安城美智子によってリリース。

  • 作詞:大高ひさを
  • 作曲:不明
  • 編曲:倉若晴生

アキラのズンドコ節

1960年小林旭がカバー。『海から来た流れ者』シリーズの第2弾『海を渡る波止場の風』のテーマ曲として誕生した。歌詞は大きく変わり、曲のテーマは「若い男女の恋物語」となった。

元々は小林の『アキラの鹿児島おはら節』のB面曲であったが、こちらのほうがヒットした。

お座敷ズンドコ

朝丘雪路が『お座敷ズンドコ』としてカバー。オムニバスCD『スタコイ・ポップスVol.2』収録。

ドリフのズンドコ節

テンプレート:Infobox Single 「ドリフのズンドコ節」は、ザ・ドリフターズの楽曲で、3枚目のシングル。1969年11月1日にリリースされた。

解説

  • 「海軍小唄」(かいぐんこうた)と呼ばれていた「ズンドコ節」を、ザ・ドリフターズがカバーしたもので、テンプレート:要出典。テーマは小林旭と同じく「若い男女の恋物語」だが、原曲の「海軍小唄」の歌詞も6番(ほぼ原曲の1番である)をはじめとして所々に使われている。
  • 1番から6番まであり、1番を加藤茶,2番を仲本工事,3番を高木ブー,4番を荒井注,5番をいかりや長介,6番をメンバー全員で歌っている(6番に入る前に、いかりやが「元歌!」と叫んでいる)。
  • 1970年の『第12回日本レコード大賞』で「大衆賞」を受賞、またこの年から始まった『日本歌謡大賞』の「放送音楽賞」も受賞した。
  • 志村けんがドリフターズに加入後「志村けんバージョン」も発売(シングル「ゴーウェスト」のB面に収録)されたが、CD『ドリフだヨ!全員集合(青盤)』のライナーノーツによると、この「志村けんバージョン」は、荒井注がソロを担当している4番だけを志村に差し替えて編集した以外は1969年版と全く同一の録音であるという。
  • この他、「ズンドコ節(海軍小唄)」という題名で、元の歌詞通りに歌っているバージョンも存在する。アレンジは同じ。4番まであり、4番は1番と同じ歌詞。「ドリフのズンドコ節」とは違い、全て全員で歌っている。このバージョンは、最近発売されたCDでは、2008年10月22日に発売された「ドリフの軍歌だよ 全員集合!!」に収録されている。

収録曲

  1. ドリフのズンドコ節 (3:02)
    作詞:不明(補作詞:なかにし礼) 作曲:不明 編曲:川口真
  2. 大変うたい込み (3:10)
    作詞:なかにし礼 日本民謡 編曲:川口真

カバー

八田英士のズンドコ節 「さすらい」

1970年代八田英士(元・永田英二)によって、『さすらい』というタイトルでリリースされたシングル。

零心会のズンドコ節

1986年零心会によるカバー。テレビドラマ『ザ・ハングマンV』のエンディングテーマ。

T-BACKSのズンドコ節~お花見編~

1994年T-BACKSによるカバー。

きよしのズンドコ節

2002年氷川きよしがカバー。歌い出しは、小林旭のものに似ている。曲のテーマは当初「若い男女の恋物語」にする予定だったが、氷川と作詞者・松井の意向で急遽「故郷にいる母親への思い」が3番として追加された。オリコン週間チャートで最高5位の大ヒットとなり、この年以降全国の盆踊り大会で使われている。

福岡ソフトバンクホークス細川亨が「きよしのズンドコ節」を埼玉西武ライオンズ時代から登場テーマ曲として使用している。

2002年の第53回NHK紅白歌合戦にはパパイヤ鈴木とおやじダンサーズと一緒に登場。2008年の第59回NHK紅白歌合戦は自身初の大トリとしてこの曲を歌った。

その他

脚注

  1. まんだらけズンドコ節 - YouTube しかしこれまでこの有名な曲の作者が どこの誰だかはわかりませんでした 今回まんだらけがカバーすることにしたとき そこを調べてみました 作者は当時22歳のM・Kさんという学生さんでした 出身は門司で 福岡の学校にいっている時にこの唄を作っています
  2. 『たけしのズンドコ節』の着うた配信がスタート! みんなで♪ズンズンズン ズンドコ たけし♪、テレビ朝日(ドラえもん公式サイト)、2014年6月13日。

外部リンク

テンプレート:リダイレクトの所属カテゴリ テンプレート:氷川きよし