ギラ・ドーガ

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ギラ・ドーガ (GEARA DOGA) は、アニメーション映画機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』を初め、小説およびOVA機動戦士ガンダムUC』などの宇宙世紀を舞台とする「ガンダムシリーズ」作品に登場する架空の兵器

新生ネオ・ジオン軍の汎用量産型モビルスーツ (MS)。

当記事では、各作品に登場する派生機についても記述する。

機体解説

テンプレート:機動兵器 シャア・アズナブル率いる新生ネオ・ジオン軍の主力機。第一次ネオ・ジオン抗争終結後にアクシズ残党が持ち出した原型機をベースに、アームレイカー操縦桿の採用など操作・制御系の修正を経て完成した。アナハイム・エレクトロニクス社グラナダ工場で100機程度が生産され、U.C.0093年の第二次ネオ・ジオン抗争時に指揮官機10機を含む82機が実戦投入された。

本機は、可変機構や大出力火器、サイコミュ・システムの採用などで複雑化していたMSの傾向に一石を投じるべく、一年戦争時の名機ザクIIのコンセプトである「人間の機能を拡大した汎用性の高い機動歩兵」を志向して設計された。外観もザクの特徴を踏襲しており、右肩に固定式のシールド、左肩にスパイクアーマーを配した左右非対称の形状を持つ。さらに、同じくザクIIを参考としたマラサイザクIII の設計をも取り入れられている。第一次ネオ・ジオン抗争時代の設計であるため構造的な古さは否めないが、その基本性能はU.C.0090年代以降の地球連邦軍主力機ジェガンに匹敵し、堅実な造りからくる運用の容易さもあってパイロットや整備員たちからの信頼も厚い。

従来のジオンの伝統にならい、指揮官やエースパイロット用の機体の頭部には一本角のブレードアンテナが設置され、個人の裁量で機体の改造や専用カラーへの塗装が認められている。中でも有名なのが、レズン・シュナイダーが搭乗する青い機体である。

通常の指揮官機のほかにも、通信機能・アビオニクス強化型の箱形モジュールを頭部に追加・改修した「ボックス・ヘッド」も存在する。さらに、長距離砲「ランゲ・ブルーノ砲」を搭載した重武装仕様など、兵装違いのバリエーションも複数存在。

また、バックパックのデザインは、ムック『ガンダムセンチュリー』にザクII のオプションとしてイラストが掲載された長時間行動用冷却タンクと同一である。専用のマインレイヤー(機雷投下)装備型のバックパックも存在する[1]

武装

ビーム・マシンガン
縦2列の銃口を持つ基本武装。実体弾のマシンガンのようにペレット状のビームを高速射出するほか、通常のビーム・ライフルとしても使用可能。銃身下部にはグレネード・ランチャーが設置されている。レズン・シュナイダー機などの中隊長機が使用する指揮官用のものもあり、一般機のものに比べて高出力・長射程となっている[1](グレネード・ランチャーは装備されていない)。Eパックは腰側面のラックに装備。
ビーム・ソード・アックス
腰部に懸架される接近戦用武装。柄の上部と側部の二か所にビームの発生器を持ち、剣状・斧状・ピック状の3形状のビーム刃を使い分けることができる。溶接作業用のツールとしても転用される。
シールド
マラサイのシールドのように、可動する大小2枚の装甲板をつなげた形状をしている。裏面には各種武装を複数懸架可能。なお、右肩のシールドは機体の一部という扱いのため、武装には含まれない。
シュツルム・ファウスト
一年戦争時代から使用されている、使い捨ての簡易式ロケットランチャー[2]。シールドに最大4基懸架され、その状態での使用も可能。
グレネード・ランチャー(シールド用)
シールドの小型装甲板裏に連装2基懸架されているマルチランチャー。煙幕用のスモークディスチャージャーなど、複数の弾種が存在する。

劇中での活躍

『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では主要な戦闘シーンにほぼ登場し、連邦軍のMS部隊と交戦する。レズン機は部隊の先頭に立ってロンド・ベル隊の旗艦ラー・カイラムに肉薄するが、チェーン・アギが操作する対空銃座からの攻撃を受け撃墜される。

劇中終盤では、戦闘を放棄して地球に落下しつつあるアクシズを押し返そうとするジェガンとジムIIIの姿を見て、多くのギラ・ドーガが武器を投げ捨て落下阻止に協力する。

漫画『機動戦士ガンダム ギレン暗殺計画』では、白い塗装と「SHIELD OF ZEON」のマーキングが施された機体が、ネオ・ジオン旗艦レウルーラの直衛機として登場する。

『機動戦士ガンダムUC』ではネオ・ジオン残党軍「袖付き」の機体として登場。両手首付近に「袖付き」所属であることを示すエングレービング風の装飾が施され、後継機のギラ・ズールとともに第一線で運用されている。

漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』では、ネオ・ジオン残党村に住む少女レイラ・ラギオールが、トキオ・ランドールたちをガレムソンの再来と誤解し、村に配備されている機体を持ち出して彼らに襲いかかる。

漫画『新MS戦記 機動戦士ガンダム短編集』に収載された『THE DOG OF WAR U.C.0092』では、オデッサにあるマ・クベ鉱山基地跡に埋蔵されている核兵器を回収するため、地球に降下するブラウン小隊の機体として登場。隊長のフレデリック・F・ブラウン大尉機のみ「ボックス・ヘッド」タイプの指揮官仕様となっている。

ゲーム『機動戦士ガンダム外伝 ミッシングリンク』では、ヴィンセント・グライスナー搭乗機として宇宙世紀0090年でのある任務でトラヴィス・カークランドの搭乗のΖII、クロエ・クローチェ搭乗のトーリスリッターと共にアンネローゼ・ローゼンハイン搭乗のクィン・マンサと交戦する。

バリエーション

AMS-117B ドーガ
原型機。MS-07B グフの後継機で、設定のみ存在するAMS-117Xの陸戦型とされる。
AMS-119 ギラ・ドーガ重装型
1988年発売のムック『機動戦士ガンダム MS大全集』での明貴美加による描き下ろしイラストが初出で、その後『CCA-MSV』に分類されている。巨大な2基の燃料タンクと長距離砲「ランゲ・ブルーノ砲」をバックパックに装備する重装仕様。そのほかの仕様は一般機と同じ。ランゲ・ブルーノ砲は、のちに改良されて後継機のギラ・ズールにも装備された。『機動戦士ガンダムUC』では、通常機とともに「袖付き」の所属機として登場する。
明貴のイラストでは、左腕が輪郭線のみで描写されている。メディアワークス『データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』ではこれを「左腕が排除され、メガビームキャノンに換装された」と記述している。
AMS-119S ギラ・ドーガ改
プラモデル『1/144 ギラ・ドーガ』取扱説明書が初出で、その後『CCA-MSV』に分類されている。ギラ・ドーガ(サイコミュ試験タイプ)と同時期に開発された指揮官用の高性能機。装甲をガンダリウム合金に変更して強度を40パーセント向上、アビオニクスの大部分を新規部品に変更したことで、全体の性能が向上している。α・アジールの開発が決定されたことで本格生産は見送られ、試作機の製造のみにとどまっている。
AMS-120X テンプレート:Visible anchor
プラモデル『1/144 ヤクト・ドーガ(クェス・パラヤ専用機)』取扱説明書が初出で、その後『CCA-MSV』に分類されている。ファンネルを装備したサイコミュ・システム対応機。高い火力を持つ反面、運動性に難があったため、のちに欠点を改善した後継機ヤクト・ドーガが開発された。
AMX-121 クエル・ドーガ[3]
『模型情報1989年3月号』43頁が初出。漫画『ダブルフェイク アンダー・ザ・ガンダム』の機体として扱われている(GジェネレーションFなどでの扱い)が、作中には未登場の機体。『模型情報1989年3月号』には「軽量型のドーガ」とのみ記載されており、デザイナーの福地仁によれば、本編に登場したクォータースーツ「メラ・ドーガ」を設定する以前に考えていた機体であったとされる[3]。『GジェネレーションF』の解説によるとギラ・ドーガ系の機体であり、戦術の幅を広げるため同時代では珍しいヒート・ナイフを装備しているとされている。
AMS-119 ギラ・ドーガ改(シド機)
漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場。連邦軍が接収したギラ・ドーガを独自に改修した機体。上記の「AMS-119S ギラ・ドーガ改」とは別物である。ジェガンのパーツが多数使用されており、外装が大幅に変化したほか、性能も向上している。メインカメラはモノアイからゴーグルセンサーへと変更された。ガンダムF902号機を奪われたシド・アンバーが代替の乗機として使用し、機体の奪還作戦に参加する。

下記の2機はPS3版『機動戦士ガンダムUC』に登場。

AMS-119C テンプレート:Visible anchor

テンプレート:機動兵器

シナンジュ・スタインを強奪する時にフル・フロンタルが搭乗していた機体。機体色は淡赤となっている。ギラ・ズール用のビーム・マシンガン(センサー追加仕様)を装備している。
元々はバリエーション機への改修による部品の耐久数値を検証するための実験機で、性能向上型とうたわれたが、過度な強化により機体バランスが著しく狂い、本来は予備パーツとして解体されるはずであった[4]。だが、フル・フロンタルの搭乗により「赤い彗星の再来」を印象付けることとなった。
U.C.0094年にはバド・パンセリノス少尉を搭乗者として、リバウと共にオーストラリア東部に降下している[5]
AMS-119 ギラ・ドーガ(アンジェロ・ザウパー機)
シナンジュ・スタインを強奪する時にアンジェロ・ザウパーが搭乗していた機体。機体色は紫で、ブレードアンテナは未装備。
ランゲ・ブルーノ砲を装備した重装仕様となっている。


ギラ・ドーガ強行偵察型
PCゲーム『SDガンダムウォーズ』に登場。スペースサイド軍所属のゲームオリジナルMS。

下記の8機種はホビージャパン別冊『HOW TO BUILD GUNDAM WORLD 5“MOBILE SUIT GUNDAM NEW GENERATION”』に掲載された模型作例のオリジナル機。

AMS-119A1 ギラ・ドーガ(陸戦用重装型)
AMS-119D デザート・ドーガ
AMS-119E ギラ・ドーガ海兵隊仕様
AMS-119F シュツルム・ドーガ
AMS-119M マリン・ドーガ
AMS-119N レーテ・ドーガ
総帥専用機として開発されたが、要求性能を満たせなかったため、のちにヤクト・ドーガやサザビーの原型機として転用される。
AMS-119R ベルター・ドーガ
レズン・シュナイダー専用MS。ドーベン・ウルフジ・Oの後継機種。
AMS-119V パンツァー・ドーガ(ギラ・タンク)
雑誌掲載時にはギラ・タンクだったが、別冊収録に合わせ現在の名称に変更された。

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ギラ・ズール

テンプレート:機動兵器

『機動戦士ガンダムUC』に登場。フル・フロンタル率いるネオ・ジオン軍残党「袖付き」の主力機。

生産はギラ・ドーガと同じくアナハイム社のグラナダ工場で行われた。

名目上は新型機とされているが、実際はムーバブル・フレームなどの大部分のパーツをギラ・ドーガから流用した改修機に過ぎない。これには、第二次ネオ・ジオン抗争で疲弊した組織の財政事情が多分に反映されている。

コクピットも、従来のOSを使い回すためにギラ・ドーガと共通構造となっており、当時の連邦軍では採用が中止されたアームレイカー式操縦桿を引き続き採用。一方で、ギラ・ドーガの売りである高い汎用性も受け継がれており、部材単位の更新もあって基本性能は当初の予定よりも向上している。

シャア・アズナブルというカリスマを失い低下した組織の求心力を高めるべく、その外観は名機ザクII に似たオーソドックスなジオン・スタイルでまとめられている。

ギラ・ドーガと同じく、指揮官機の頭部にはブレードアンテナが設置され、カラーリングや各種装備は、階級や個人の裁量である程度の変更が可能。胸部と手首付近には「袖付き」の名の由来であるエングレービング風の装飾が施されている。

武装(ギラ・ズール)

基本構造が共通であるため、上記のギラ・ドーガ用武装やバックパックなどはほぼすべて使用可能。

ビーム・マシンガン
ギラ・ドーガと同じく銃口からペレット状のビームを連射する。銃床にはアドオン方式のグレネードランチャーを装備可能。バナナマガジンになり弾数が増加した。照射時間の切り替えで2パターンの射撃モードに対応する。また、オプションとして本体のセンサーとリンクした丸型の追加センサーを装備可能。Eパックは腰に3 × 2セットマウントされる。
ビーム・ホーク
腰に懸架される接近戦用武装。上部と側部にビーム発生器を持ち、斬撃用のホーク・モード、刺突用のパイル・モード、または両者を併用することが可能。
ハンド・グレネード
MSの腕を使って投擲される標準的な武装。磁気・接触・時限・熱探知など複数のモードで反応する信管をセット可能。
シュツルム・ファウスト
グリップ・サイトを追加し命中精度を向上させた改良品を採用している。
シールド
一般機は右肩にザクと同様の固定式シールドを装備。親衛隊の機体はギラ・ドーガのシールドと同形状の改良タイプを装備する。キュアロン機はラプラスでの戦闘時に両方を装備し、合計8本のシュツルム・ファウストを装備する。
ランゲ・ブルーノ砲・改
重装型ギラ・ドーガの主兵装を宇宙戦用に改良した物[6]。砲の大出力をまかなうため、運用時は専用ジェネレーターと2基のプロペラント・タンク、1基のスタビライザーを取り付けた重装型バックパックに換装される。フロンタルの護衛を主任務とする親衛隊仕様機に優先的に配備された。

親衛隊仕様機

フロンタル直属の親衛隊に与えられたカスタム機[7]。正確には、一般機は初期設計の一部を簡略化した廉価版であり、この親衛隊仕様こそが初期案に最も近いギラ・ズール本来の姿である[8]。両肩がスパイクアーマーに換装されているほか、各部の装飾がより広範囲かつ華美になっている。

高機動を誇るフロンタルのシナンジュに追従すべく、推力面を中心とした強化が施されている。バックパックはギラ・ドーガの物をベースに比推力を改善した大容量タンク内蔵型に換装され、大腿部スラスターには高機動型ザクIIに似た増加装甲がかぶせられている。特権的な優遇措置が認められている親衛隊の機体らしく、改造や武装選択の自由度は一般機よりも高い。

劇中では、セルジ機はユニコーンガンダムのビーム・マグナムの至近弾により誘爆し、キュアロン機もラプラス跡での戦闘でビーム・サーベルに貫かれ撃墜される。OVA版Ep6においては、ネェル・アーガマに残された機体が鹵獲機とされ、太股にオレンジのラインを施し、頭部にはガランシェール隊のマークが大きく描かれている。

アンジェロ・ザウパー専用機

親衛隊隊長であるアンジェロ・ザウパーの専用機。紫を基調としたカラーリングが施され、バックパックはランゲ・ブルーノ砲・改と接続された重装型に換装されている。状況によっては、ビーム・ショット・ライフルを装備することもある。

ラプラス跡での戦闘でユニコーンガンダムに挑むも返り討ちにあい、小説版では両腕と頭部を、OVA版では四肢を切断される。


クラーケ・ズール

テンプレート:機動兵器

漫画『機動戦士ガンダムUC バンデシネ』に登場。サイコミュ高機動試験用ザクのコンセプトをU.C.0096年の技術レベルで再現した機体で、親衛隊仕様機を母体として開発された。

通常の腕部を残したまま肩部にメガ粒子砲を内蔵した有線式遠隔兵器となる大型の腕部を追加、下半身は機体名称にある「タコ」を想わせる8本の大推力スラスターユニットに換装。その加速性能や機動性は巡航形態のデルタプラスに追従可能なものとなっている。機体本体以上の大きさを持つ、長距離航行用の大型プロペラント・ブースターを背部に装着する場合もある[9]

本機はほぼ技術試験機であったが、当初からデータ収集が即実戦データとなることを前提として開発され、アンジェロ・ザウパーがテストパイロットとなり、機体色を紫としている。アンジェロが本機のテストパイロットとなったのはローゼン・ズールへの機種転換を円滑に行うためであったともされている[10]

『UC バンデシネ』においてはパラオ攻略戦に参戦。その後のラプラス史跡での戦闘でユニコーンガンダムとの交戦でばらばらに切断されている。

アニメ版の外伝漫画『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』においても、アンジェロによって運用はされていた、とある[11]。ローゼン・ズールの存在を知らない賊によって「新型」と誤認されて奪われそうになっており、その際スポッターにより運用されている[11]


ローゼン・ズール

テンプレート:機動兵器

第一次ネオ・ジオン抗争に投入された試作機ハンマ・ハンマのコンセプトを昇華させ、ギラ・ズール親衛隊機をベースに開発された機体。コクピット周辺にシナンジュ用の予備パーツのサイコフレームを配したサイコミュ搭載機でもあるが、準サイコミュ兵器も組み込んでおり、サイコミュ技術のハイブリット・タイプとして完成した。

下半身はほぼ改修前のギラ・ズールと共通だが、腕部は巨大な三又のクロー・アームに換装され、頭部は機体名の由来であるバラの花びら状の装甲板に覆われている。武装もハンマ・ハンマを踏襲しており、腕部は3連装メガ粒子砲を内蔵した準サイコミュ兵器「インコム」として射出され、3門のメガ粒子砲を内蔵した専用シールドを装備。

背部コンテナには、対サイコミュ用特殊デバイス「サイコジャマー」と呼ばれる花びら状の遠隔操作端末を6基内包している。この装備は、八面体のサイコフィールドを形成して敵機を閉じ込め、その範囲内でのサイコミュ兵器を無効化する機能を持つ。フル・サイコフレーム機であるユニコーンガンダムには特に有効な装備であり、NT-Dシステムの発動を阻害する働きを見せる。

本機の最適化作業は親衛隊のゼクスト少尉と、彼の機付長スポッターの手によって行われている[11]

設定デザインは、ハンマ・ハンマを参考にカトキハジメが手掛けている。『機動戦士ガンダムΖΖ』に登場するハンマ・ハンマを、カトキ流に再構築すれば面白いのでは?との福井晴敏の打診にカトキが応える形で生み出された[12]

武装(ローゼン・ズール)

3連装メガ粒子砲
両腕のクロー・アーム中央に配備され、インコム・システムによってオールレンジ攻撃が可能。
シールド(有線式シールド・ユニット)
シールドには中央部にIフィールド・ジェネレーターを内蔵し、3門のメガ粒子砲が配されており、Iフィールドは防御機能だけでなく、3門それぞれのメガ粒子砲を偏向させての拡散照射が可能[13]
また最終決戦時には、先の戦いで欠損した右腕補修のため、もともと装備案の一つであった有線式遠隔装置を内蔵した「有線式シールド・ユニット」として換装された[14]。シールド・ユニット換装後もインコムで撃ち出すことが可能で、拡散メガ粒子砲によるオールレンジ攻撃を仕掛ける事が出来る[15]
サイコジャマー
背部コンテナに格納された、バラのような形状の特殊デバイス。対象の機体を中心とした陣形を組み、その領域内のサイコミュ機能を完全に遮断する。全身をサイコフレームで構成する対ユニコーンガンダム戦を想定した“切り札”として開発された。


ゼー・ズール

テンプレート:機動兵器

ネオ・ジオン残党軍が開発した水陸両用MS。ギラ・ズールをベースに、各種水中用装備(バラスト・タンク、ハイドロジェット推進器など)を装着している。両前腕には片方3枚刃のヒート・クローを装着し、手持ちのヒート・ナイフを合わせて4枚の爪を形成している。バックパックにはシーリングした銃器コンテナを装備している。

ダカール侵攻においてその中心人物であるマハディ・ガーベイと、MAシャンブロの支援に3機が提供された。海中でアクア・ジム数機を撃破した後に、ナイジェル・ギャレット率いるトライスター隊との交戦によって2機が破壊される。残る1機はトリントン基地襲撃に参加し活躍するが、その後の行方は不明。

OVA版では、トリントン基地襲撃において2機が参戦。シャンブロとともにトリントン基地へ向かう途中に、海中で2機のアクア・ジムを撃破する。その後、ザク・マリナーやカプールらとともにトリントン湾岸基地に上陸。水中用装備を外した後、基地に配備されていたジムIIらと交戦。当初はジオン残党軍らとともに連邦側を圧倒するも、バイアラン・カスタムによって2機とも撃破される。

武装(ゼー・ズール)

ビーム・マシンガン
シーリングされた銃器コンテナに収納された専用携行火器。ギラ・ズールのものと違いセンサーがオミットされているほか、Eパックの形状が短縮マガジンのように短い。ギラ・ズール同様アドオン方式のグレネードランチャーを銃底に装備可能。水中ではビーム収束率を高めた偏向射撃モードへ切り替えが可能。
ヒート・ナイフ
セラミック高分子化合物で形成された携行装備。刃の部分のみが赤熱し最小効率で最大の威力を発揮することが可能。通常は腰部のシース(鞘)に収納される。
ヒート・クロー
前腕部に装着される近接戦闘装備。使用時には3枚のブレードが前方に展開する。ヒート・ナイフ同様刃の部分のみに限定し赤熱する。

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メッサー

テンプレート:機動兵器

小説『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』に登場した、反地球連邦政府組織「マフティー・ナビーユ・エリン」の主力量産機。ジオン系の機体で、重装甲とモノアイが特徴。側頭部には3基のバルカンが装備され、地上戦では右肩のスパイク付きシールドで敵MSを吹き飛ばすことができる[16]。小説中で全編に渡って活躍し、サブフライトシステム「ギャルセゾン」との連携によって空中戦も行った。

小説版のメカニックデザインは森木靖泰。のちに『閃光のハサウェイ』が『SDガンダム GGENERATION-F』に登場する際に藤田一己の手によるデザインに変更された。

なお、小説では開発元は不明だったが、『GジェネレーションF』以降の設定ではアナハイム社が開発したとされている[17][18]。特にギラ・ドーガ系をベースにしているとの説を掲載している書籍もあり、アナハイムのテロ組織への関与を見せないよう外装には手を加えているとの推測がされている[19]

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オールズモビルシリーズ

漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場する機体群。火星独立ジオン軍がギラ・ドーガの技術を使用し、外装を一年戦争時代のジオン軍のMSを模した外装に施している。 後述するRFシリーズとは違う外装を持つ。

RFシリーズ

ゲーム『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』に登場する機体群。ギラ・ドーガの技術を使用し、外装を一年戦争時代のジオン軍のMSを模した外装に施している。 テンプレート:Main

脚注

テンプレート:Reflist

関連項目

テンプレート:宇宙世紀

テンプレート:Gundam-stuben:AMS-119_Geara_Doga
  1. 1.0 1.1 プラモデル「1/144 ギラ・ドーガ」取扱説明書より。
  2. 作品系列上では本作が初登場で、以後一年戦争を舞台にした後発作品に導入された。
  3. 3.0 3.1 『模型情報1989年3月号』43頁。
  4. 『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルス 1』112頁。
  5. 『機動戦士ガンダムU.C.0094 アクロス・ザ・スカイ』より。
  6. テンプレート:Citation
  7. テンプレート:Citation
  8. 『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルス 1』71頁。
  9. 『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルス 1』73頁。
  10. 『機動戦士ガンダムUC プリズマティック・モビルス 1』74頁。
  11. 11.0 11.1 11.2 『ガンダムユニコーンエースVol.5』掲載『機動戦士ガンダムUC 『袖付き』の機付長は詩詠う』より。
  12. 『ガンダムエース』2010年2月号より。
  13. プラモデル『HGUC 1/144 ローゼン・ズール』取扱説明書より。
  14. プラモデル『HGUC 1/144 ローゼン・ズール episode 7 Ver.』取扱説明書より。
  15. 小説『機動戦士ガンダムUC』 第9巻 97ページ。
  16. 諸設定は『閃光のハサウェイ(上)』13ページより。劇中では地上でしか運用していないが、宇宙用バーニアについての説明もある。
  17. 『GジェネレーションF』プロフィールモードの解説。
  18. 『機動戦士ガンダム MS大全集 2003』110頁。
  19. 『機動戦士ガンダム MS大全集 2009』272頁。