機動戦士ガンダムF90

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テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer機動戦士ガンダムF90』(きどうせんしガンダムエフきゅうじゅう)は、アニメ作品群「ガンダムシリーズ」の一つで、1990年バンダイから発売された一連のプラモデルによる企画、およびそれを元にして発表された漫画などの作品群の総称。

概要

アニメーション映画機動戦士ガンダムF91』におけるMSVの一つに当たり、映画の公開(1991年3月)に先駆けて前史として発表された。企画が立ち上がった経緯は商品(ガンプラ)展開上の繋ぎのためでもあるが、『ガンダムF91』が従来の作品から年代も設定も異なる内容であったため、同時に世界観設定上でも間を埋めることを目的として展開された。

『ガンダムF91』の新たな設定であるモビルスーツ(MS)の小型化に対し「宇宙世紀0111年(『ガンダムF91』の物語の12年前)に、それまで大型・高性能・複雑化という観点で進化を続けていたMSという兵器体系を、原点に返る意味で小型高性能な機体に作り変える」という設定が加えられている。それまでのモビルスーツの平均的な全長は18mから25mほどだったのに対して15mほどの平均全長になっているため、F90やF91のシリーズでは100分の1スケールプラモデルの大きさが、それまでの144分の1スケール相当となっている(この改変には、「18mクラスの巨体では人間キャラと同一画面に入りきらず、画的に「共演」が難しい」という製作サイドの事情もあった)。

当初はガンダムF90のデザインや一部の装備類が発表されたのみであったが、『ガンダムF91』の企画が進展していくにつれて時代背景などが発表され、またガンダムF90を主役機とする複数の物語が展開されていった。

アニメ映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の時代から27年後、『ガンダムF91』の3年前となる宇宙世紀0120年の物語は、「サイバーコミックス」(以降SC)、「SDクラブ」にて漫画『機動戦士ガンダムF90』として掲載された。SC版は第23~30号に連載され、その後それらをまとめた単行本がバンダイ出版課から発売され、後にメディアワークスから復刻されている。SDクラブ版はSC版を低年齢向けに作り直したもので、登場人物は異なるが物語は基本的に同じ。SDクラブ第15号、第17号~第20号まで連載されたが、雑誌休刊のため未完に終わり、単行本化されていない。

SC版の戦後となる宇宙世紀0122年の物語は、スーパーファミコン用ゲームソフト『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』として発表されている。登場人物を除く多くの設定がSC版から引き継がれており、またガンダムF90の新たな装備類などが設定された。

プラモデルシリーズをはじめゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズや資料集などでは、主に登場機体について、SC版およびSDクラブ版と『フォーミュラー戦記0122』の他にバンダイ発刊の雑誌「B-CLUB」誌上で連載された『月刊MSジャーナル』で設定されたものを含めて『機動戦士ガンダムF90』として扱われている場合が多い。

漫画『機動戦士ガンダムF90』(サイバーコミックス版)

物語導入部

宇宙世紀0120年、過去の動乱が過ぎ去り平穏な日々が続いていたこの時期に、地球連邦軍第13実験戦団は次期主力MSとして開発されたサナリィ製MS「F90」2機のテストを行っていた。そのテストの最中に旧ジオン軍のMSそのままの形をした謎のMS集団が現れ、F90二号機が強奪されてしまう。第13実験戦団は、本来の第13独立機動艦隊として、F90を強奪した組織の本拠とされる火星へ赴く。

主な登場人物

なお、声優は『SDガンダム GGENERATION』シリーズのものである。

地球連邦軍

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声 - 関俊彦
本作の主人公で、サナリィ所属のテストパイロット。Fシリーズが次期MSに採用されると、実験部隊として地球連邦軍の第13実験戦団に編入される。サナリィ所属のため階級は名目上少尉
宇宙世紀0120年10月28日、2機あるサナリィの新型MS、F90の一号機のテストをしていた彼は、オールズモビルの襲撃を受け、二号機を強奪されてしまう。ジョブ・ジョンの根回しで罪に問われることはなかったが、オールズモビルを追うためにF90の奪還およびジオン残党の掃討作戦に参加させられてしまう。
アドミラル・ティアンムを旗艦とした第13実験戦団は本来の第13独立機動艦隊に戻り火星へ向かったが、火星戦闘空域内にて、ボッシュが叛乱を起こし、艦を制圧。F90と艦隊丸ごとをオールズモビルの兵力に組み込もうとしたが、デフの独断により降下船単独で火星に降下。シドの協力の下、オプション兵装を複合させたF90にて敵本拠地に侵入した。オールズモビル基地内でボッシュが乗る改修された二号機と交戦し、擬似人格コンピュータ「Type-A.R」の力も借りて2号機を撃破。その後、彼らは降下船で火星から脱出した。
昔からMS好きを自覚しているが極度の軍人嫌いでもある。そのため、軍ではなく、サナリィのテストパイロットとして契約した経緯があり、軍に編入された際、テスト中にその事で愚痴をこぼしていた。
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声 - 井上和彦
サナリィ所属のテストパイロット。Fシリーズが次期MSに採用されると、実験部隊として第13実験戦団に編入される。サナリィ所属のため階級は名目上少尉。
デフと共にF90の2号機のテストをしていたが、オールズモビルの襲撃を受け、元々エンジンが不調だったこともあり2号機を強奪されてしまう。ジョブ・ジョンの根回しで罪に問われることは無かったが、オールズモビルを追うためにF90の奪還およびジオン残党の掃討作戦に参加させられてしまう。
ボッシュが叛乱を起こした時、デフの独断により降下船単独で火星に降下。
デフと共に敵本拠地に侵入するものの、ボッシュが乗る改修された2号機の奇襲を受け、機体は大破。しかし、自身はほぼ無傷で生き残り仲間との合流に成功する。
性格は楽観的。更にジオン系であるAMS-119 ギラ・ドーガ改に乗り換えても素直に「ジオン系はいい」と興奮していた。降下シミュレーションは苦手としていたらしい。
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声 - 水谷優子
本作のヒロインで連邦軍の女性MSパイロット。戦術情報局所属のエリート士官。デフ、シドとチームを組み、STガンに搭乗してガンダムF90の実戦テストを行っていたが、オールズモビルの襲撃を受けた際にガンダムF90の2号機は強奪され、その後オールズモビル掃討任務のため、彼女も第13独立機動艦隊に所属することになる。航海中に受けた機動爆雷に不信を抱き、内通者の可能性を見出すが艦長のノヴォトニーはそれに取り合わなかった。
火星でのオールズモビル掃討作戦中にボッシュ大尉が叛乱を起こす中、彼女の乗る降下船が攻撃を受けた際には、デフの言葉を信じ半ば強行に火星へ降下する。その後、追撃のMS隊の攻撃を受け、乗機のSTガンは中破、彼女は捕虜になってしまう。オールズモビル基地が崩壊を開始した際に開放され、逃げ出す際にシドと、その後デフとも合流、降下船で火星を離脱した。
ジョブ・ジョン
声 - 龍田直樹
アニメ『機動戦士ガンダム』のキャラクター。一年戦争時代にホワイトベースのクルーとしてアムロ・レイと共に戦った経歴を持つサナリィの幹部。現在はF90の開発責任者である。ノヴォトニー以下が混乱しているさなか、冷静かつしたたかに振舞っていた。

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グッテンバイガー教授
Fシリーズの開発担当者。「教授」とあるからにはサナリィ社外からの協力スタッフと思われるが、作中では名前が語られるのみで登場しておらず、詳細は不明。
ノヴォトニー
声 - 菅原淳一
デフたちが乗艦したアドミラル・ティアンムの艦長で黒人系。火星に派遣された第13独立機動艦隊の艦隊司令も兼ねる。冷静沈着に振舞うが、実戦経験の乏しさなどから失態が多く目立ち、挙句の果てに味方もろとも核攻撃を行おうとした。そのため、艦内の乗員らと対立した所を火星独立ジオン軍の兵器オリンポスキャノンの直撃を受け轟沈、戦死した。
エリク
アドミラル・ティアンム所属のMSパイロット。ジェガンに搭乗。
マーク
アドミラル・ティアンム所属のMSパイロット。ジェガンに搭乗。

火星独立ジオン軍

メンバーの多くは40年前に地球を追われたジオン公国軍の残党とその子孫であり、高齢化が進んでいた。

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声 - 中田譲治
地球連邦軍第13実験戦団の実験部隊隊長で大尉。第二次ネオ・ジオン抗争の際に連邦軍のモビルスーツパイロットとして、ロンド・ベルの救援のためアクシズへ向かい、アムロ・レイと共にアクシズを押し返そうとした。そしてその際、νガンダムから放たれた光を見、ガンダムの力に魅せられた彼は、自らの物にする為にオールズモビルとの内通を開始した。
そして、ガンダムF90のテスト中、オールズモビルに襲わせ「Type-C.A」が搭載されたガンダムF90二号機の強奪に成功した。
第13独立機動艦隊が火星へ向かう途中、機動爆雷を艦艇にあてさせタイムスケジュールを狂わせることに成功し、火星で大きなトラブルがあった場合帰還不能な状態に追い込んだ。
火星上にてオールズモビルの強襲に乗じ作戦を決行、叛乱を起こし、旗艦を制圧した。その後脱出し、火星へ降下、奪ったガンダムF90二号機の改造機に搭乗し、シドのギラ・ドーガ改、エリクのジェガンを撃墜した。その後、デフのガンダムF90一号機と交戦し敗北、戦死した。
ベイリー
火星独立ジオン軍の士官で階級は少佐。火星上での戦闘でナヴィのSTガンを中破させ、捕虜として連行した。
RFギャン・パイロット
火星独立ジオン軍に所属するパイロット。名前、階級共に不明であるが、ベイリーと対等以上の口を利いているあたりから、佐官以上の階級があることを窺わせる。RFギャンに搭乗し、火星上でデフのF90一号機と交戦した末に戦死している。

登場兵器

代表的な資料集であるメディアワークス『MS大全集』シリーズなどで、『機動戦士ガンダムF90』『機動戦士ガンダムF91 フォーミュラー戦記0122』の機体として、以下のものを扱っている[1]

  • ガンダムF90
漫画、ゲームともに主役機として登場するF90の1号機。
  • ガンダムF90火星独立ジオン軍仕様[2]
オールズモビルに改造されたF90の2号機。漫画『機動戦士ガンダムF90』に登場し、ゲームには登場しない。
  • ガンダムF90 II
オールズモビルから奪取した2号機を改修した機体。設定のみが存在し、漫画にもゲームにも登場しない。後年の『F90』を扱ったゲームや、漫画『機動戦士ガンダム クライマックスU.C. 紡がれし血統』に登場している。

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このほかに、上記資料に掲載されていない機体も存在し、いずれも漫画に登場する。

また、F90の設定中に登場する以下の機体は詳細な設定が存在しており、一部資料に掲載されている。

MSA-120

テンプレート:機動兵器 F90の機体設定や関連する年表などに記載されている機体。次期主力MS開発計画においてアナハイム・エレクトロニクスが試作した機体で、アナハイム社ZIONIC事業部が担当した。宇宙世紀0111年10月に行われたコンペにおいて、サナリィのF90との模擬戦に大敗し、採用は見送られたとされている。

設定画とスペックは『サイバーコミックス』NO.024のカラーページに掲載された。その設定では対ビーム兵器用に機動性と耐弾性を高めるため、エネルギーCAPの新技術で瞬間的に出力を倍加する「メガブースト」と、「蒸発式アップリケアーマー」が採用されており、武装の「ハイインパクトガン」は「ミノフスキークラフト利用擬似重力兵器」と記述されている[3]。他の後発資料では、このMSA-120はヘビーガンの改良発展型にすぎなかったとの指摘もされている[4]。なお、この機体は特定の作品に分類されていないが、講談社の『総解説ガンダム辞典Ver.1.5』で「F90の設定」として掲載している。


プラモデルシリーズ

  • 1/100 F90 ガンダムF90 A・D・Sタイプ(コンバーチブル)
  • 1/100 F90P ガンダムF90 Pタイプ
  • 1/100 F90V ガンダムF90 Vタイプ
  • 1/100 F90IIL ガンダムF90II Lタイプ

脚注

  1. 『MS大全集2013[+線画設定集]』に基づく。
  2. 火星独立ジオン軍仕様は『MS大全集2013[+線画設定集]』では白黒ページにのみ掲載されている。
  3. バンダイ『サイバーコミックス』NO.024。
  4. バンダイ『スーパーMJ・機動戦士ガンダム・最新MS造型資料集』79ページのネオガンダムの解説中での言及。

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