機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91
テンプレート:Infobox animanga/Header テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Novel テンプレート:Infobox animanga/Manga テンプレート:Infobox animanga/Footer 『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』(きどうせんしガンダム シルエットフォーミュラきゅうじゅういち)は、アニメ及びその関連作品「ガンダムシリーズ」の一つで、1992年に発表されたプラモデル(ガンプラ)企画、漫画及び小説作品である。
目次
概要
アニメーション映画『機動戦士ガンダムF91』及びテレビアニメ『機動戦士Vガンダム』に対するモビルスーツバリエーションの一つに当たる作品。大きく2章に分かれる。なお、プラモデルの正式名称は『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 IN U.C.0123』である。
なお、本作は企画時においては『F91-MSV』と呼ばれていた。これは講談社の雑誌「ガンダムマガジン」で展開される予定だった企画『F91-MSV』(機動戦士ガンダムF91モビルスーツバリエーション)と同じタイトルであり、企画が二転三転した事を表している。また、プラモデルにおける主人公機シルエットガンダムの商品名がガンダムRXF91となっている事も本作のタイトルがなかなか決まらなかった事を暗に示している。
第一章 シルエットガンダム編
通常、『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』といえばこちらを指す事が多い。バンダイ(後にメディアワークスに移った)の漫画誌(雑誌扱いではなかった)「MS SAGA」で漫画が、バンダイの雑誌「模型情報」で小説が連載された。漫画版は後にメディアワークスで単行本化されているが、連載版と単行本版ではラストシーンが異なる。また、ホビージャパンの雑誌「ホビージャパン」において『F91-MSV』のタイトルで模型連載が行われた。キャラクターデザインは『機動戦士ガンダムF91』の作画監督を務めた小林利充。
物語
サナリィ製小型モビルスーツに遅れを取ったアナハイム・エレクトロニクス社は、失地回復の為、非合法諜報活動を含む新型モビルスーツ開発計画「シルエットフォーミュラプロジェクト」 (SFP) を極秘裏に発足。地球連邦軍パイロットであるトキオ・ランドールは、これにより完成した3機の試作機の一つRXF-91シルエットガンダムのテストパイロットとしてアナハイム試験艦ブレイウッドに派遣され、月の裏側の暗礁宙域・ゼブラゾーンでの実動試験に参加する事になる。
数ヶ月に及ぶスケジュールも残すところ後一週間と迫った、宇宙世紀0123年2月18日。トキオ搭乗のシルエットガンダムとケビン・フォレスト搭乗のRGM-111ハーディガンは、模擬戦中に所属・機種不明のモビルスーツと遭遇、攻撃を受け交戦に入ってしまう。
ゼブラゾーン事件
宇宙世紀0123年2月18日、アナハイム・エレクトロニクス社が開発したシルエットガンダムの機動テストをゼブラゾーンにて極秘裏に行っていた試験艦ブレイウッドの所属MSが、所属不明の部隊(クロスボーン・バンガードのダーク・タイガー隊)と接触・交戦したのを皮切りに発生した一連の事件。ネオ・ジオン残党の掃討作戦にまで発展した紛争は、ダーク・タイガー隊の事実上の壊滅、地球連邦軍の戦艦エイジャックスの轟沈という結末を招いた。
後にこの事件は、地球連邦軍の一部の官僚とクロスボーン・バンガードのジレ・クリューガー大佐によって仕組まれていた事が明らかになった。最終的には双方の共謀で、連邦軍のバズ・ガレムソン大佐率いるエイジャックスの部隊に、ブレイウッドとダーク・タイガー隊を始末させる手筈になっていた。しかし、ネオガンダム2号機をブレイウッドのメンバーに奪取されるなど、予想以上の抵抗に遭い、計画は頓挫。同年2月23日、ガレムソンは戦死し、エイジャックスは轟沈するなど、連邦軍の部隊は殆ど全滅した。
コスモ・バビロニア建国戦争が勃発したのは、事件終息からわずか3週間後のことであった。
主な登場人物
なお、声優は『SDガンダム GGENERATION』シリーズのものである。
アナハイム・エレトロニクス社
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- 声:中原茂
- 連邦軍より出向しているテストパイロット。21歳。ガレムソンの元・部下。
- ガレムソン等によるゲーム同然のネオ・ジオン残党狩りを拒み、対立した過去がある。
- モビルスーツのパイロットとしては優秀で、シルエットガンダム、ネオガンダムの操縦を行った。
- また、アイリスの危機を感じ取る等、ニュータイプの素養をのぞかせる事もあった。
- ガレムソンとの一件の後、政府や軍の方針に嫌気が差し、軍を辞める。
- アイリス・オーランド
- 声:深見梨加
- 「アイスドール」の異名を持つシルエットガンダム担当のエンジニア。20歳。
- 若いながらもクールでインテリなプロフェッショナルだが、意外と年頃の可愛げのある部分を持っており、
- レイラが連邦軍人に両親を殺された事を聞いた際には涙を流しながら彼女を抱きしめる等、包容力のある面も持つ。
- テストパイロットだった父を9歳の誕生日に事故で亡くしている。血を見ると気を失う。
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- 声:難波圭一
- ブレイウッドの若きテストパイロット。19歳。連邦軍で訓練を受けた過去があるが、かなりの軍人嫌い。しかしトキオだけはその限りではない。
- 最初はクロスボーン・バンガードとの戦いに恐怖していた。
- ハーディガンに搭乗。
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- 声:大川透
- ブレイウッドのベテランテストパイロット。52歳。実は30年前の若い頃にネオ・ジオンの兵士として、
- ギラ・ドーガに搭乗し戦っていた。Gキャノン・マグナに搭乗。
- アイトール・ホルスト
- 声:牛山茂
- 元・連邦軍軍人(階級は大佐)。55歳。ブレイウッドの艦長を務める。
- 小心とも取れるほど慎重派だが、時として大胆な行動を取る事も出来る。
- この時代の連邦軍人としてはまともな思考の持ち主であると言える。
- アルバート・エルゼナー
- 声:大山高男
- ブレイウッドのチーフエンジニア。42歳。
- アイリスの父とも懇意であり、彼の死後はアイリスの父親代わりとなっていた。
- MSから戦艦まで博識。
地球連邦軍
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- 声:池田勝
- トキオの元・上司。35歳。階級は中佐から大佐に昇進。陰湿かつ残忍な性格をした人物で、
- 既に禁止されていたネオ・ジオン残党狩りを自身の快楽の為に行い、それを拒否したトキオを蔑む。
- かつてゼブラゾーンに訪れ、残党狩りの名目でレイラの両親を殺した。
- トキオのパイロットとしての腕は認めているようで、復隊させてネオガンダムのパイロットを務めさせようとした。
- ネオガンダムの1号機に搭乗する。
- ドーフマン
- 声:天野由梨
- ガレムソンの副官を務める女性軍人。階級は大尉。ガレムソンの悪事に進んで加担。
- ブレイウッドを修理するついでに時限爆弾を仕込むなど、かなり手の込んだ事をしてくる。
- ウェンツェル
- 地球連邦軍大佐。ガレムソンに命令を下していた黒幕の一人。
- アナハイム、サナリィはおろかクロスボーン・バンガードともパイプを持つ。
クロスボーン・バンガード
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- 声:稲葉実
- クロスボーン・バンガードのMS部隊、ダーク・タイガー隊の指揮官。「焔の虎」の異名を持つエースパイロットでもある。
- 厳格であるが指揮官としては優秀な能力を持ち、部下想いでもある。ザビーネ・シャルの竹馬の友。
- モーリス・オバリー
- 声:野島裕史
- ダーク・タイガー隊所属のMSパイロット。19歳。若さ故に、感情的になったり、血気に走ってしまう所がある。
- 機密保持の為に、ガレムソンに殺されてしまう。
- デナン・ゾンに搭乗するも、当初は正体を隠す為に、モノアイの偽装が施されていた。
ネオ・ジオン残党
- レイラ・ラギオール
- 声:原えりこ
- ネオ・ジオン残党の少女。18歳。12歳の頃に、ガレムソンの残党狩りによって両親を亡くしている。
- トキオたちをガレムソンの再来と誤解し、残党村のギラ・ドーガを持ち出して襲いかかる。
- 後に和解し、以後トキオ達と行動を共にする。後にシルエットガンダムに搭乗する。
- 委員長
- ネオ・ジオン残党の代表。アナハイム側のカール達による保護勧告を拒否した。
- また、かつての同胞であるカールに真相を話した。
プラモデルシリーズ
- 1/100 RXF-91 ガンダムRXF91(シルエットガンダム)
- 1/100 RXF-91A ガンダムRXF91改(シルエットガンダム改)
- 1/100 RX-99 ネオガンダム
- 1/100 RGM-111 ハーディガン
- 1/100 F71B Gキャノン・マグナ
- 1/100 XM-07G ビギナ・ゼラ
書誌情報
- 漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』(作画:やすだひろし、1992年 - 1995年、MS SAGA (バンダイ→メディアワークス))
- 単行本 全1巻完結 (1996年、電撃コミックス(メディアワークス)) ISBN 4-8402-0480-2
- MS SAGA連載時と単行本ではラストページが異なる。
- 小説『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 IN U.C.0123』第一章 シルエットガンダム編 (著:サンライズ企画部、1992年 - 1993年 模型情報(バンダイ))
- 未単行本化
第二章 クラスターガンダム編
『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91』の第二章としてプラモデルが発売され、講談社の雑誌『コミックボンボン』増刊号で漫画が掲載された。
本作は『機動戦士Vガンダム』の放送が決まったため、『機動戦士ガンダムF91』と『機動戦士Vガンダム』の間をつなぐために急遽設定された作品である。そのため、上記のシルエットガンダム編とは全く異なる話であるにもかかわらず、独立した商品名が与えられておらず、物語も序章で終わっている。
岩村俊哉による漫画作品は『機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ フォーミュラ91の亡霊』のタイトルで、「コミックボンボン」1993年春の増刊号に掲載された。その後単行本化や再録などは行われていなかったため、入手は非常に困難であったが、2006年に講談社コミックス『ガンダム短編集2』にて収録された。
物語
地球連邦軍のモビルスーツパイロット、ウォルフ・ライル少尉は、サナリィの命により、ザムス・ガル先頭部分ガル・ブラウの破壊によってバグの脅威が消滅したフロンティアIに潜入。サナリィの極秘資料を抹消し、コア・ファイターを奪還した。そのコア・ファイターの中で受けた次の命は暗礁空域にあるプレゼントを受け取り、クロスボーン・バンガードの追撃から脱出するというものだった。
その最中、クロスボーン・バンガードの警備隊に発見され、追撃を受けたウォルフは暗礁空域に到達。そこで発見した物は、なんとクラスターガンダムであった。意を決したウォルフはコア・ファイターとクラスターガンダムを合体させる。クロスボーン・バンガードの警備隊はウォルフのクラスターガンダムをガンダムF91と誤認して総崩れとなり全滅。ウォルフは無事脱出した。
地球連邦軍に帰還したウォルフの報告を受け、ウォルフの上官は、「これからはコア・ファイターそのものがガンダムと呼ばれる時代がくるかもしれない」という予測を立てた。
主な登場人物
地球連邦軍
- ウォルフ・ライル
- 腕は良いが連邦軍きっての問題児といわれているMSパイロット。階級は少尉。
クロスボーン・バンガード
- ガンマッド
- クロスボーン・バンガードのMS部隊、死神三銃士(デス・ガンズ)の指揮官で階級は少佐。ゲーム感覚で捕虜を殺し、味方にも銃を向けることからクロスボーン軍内からも忌み嫌われている存在。しかし、パイロットとしての腕は確かのようで、三位一体攻撃「トリプルシュート」なる技を持つ。
- イアン
- 死神三銃士のMSパイロットで階級は中尉。女性ながら好戦的で残忍な性格。
- ドドンガ・ドン
- 死神三銃士のMSパイロットで階級は中尉。見るからに巨漢な体躯ではあるが、デブと呼ばれることを嫌う。
プラモデルシリーズ
- 1/100 F90Y クラスターガンダム
書誌情報
- 漫画『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 IN U.C.0123(クラスターガンダム編)』(作画:岩村俊哉、1993年、コミックボンボン増刊号 (講談社))
- 単行本 ガンダム短編集2 『機動戦士ガンダム シルエットフォーミュラ91 フォーミュラ91の亡霊』(2006年、Gレジェンドコミックス(講談社)) ISBN 4-06-372178-7