キョロちゃん
キョロちゃんとは、森永製菓の菓子・チョコボールのマスコットキャラクターである。鳥がモチーフであり、公式設定では「架空の鳥」とされている。キャラクターデザインに同存化表現を取り入れ、横向きだが目が正面に2つ並んでいるのが特徴。
来歴
1967年に登場。元々、テレビアニメ『宇宙少年ソラン』のチャッピーをマスコットとした「チョコレートボール」が発売されていた。しかし売り上げが伸びなかったこともあり、同アニメの放映終了と同時にマスコットをオリジナルに、商品名も「チョコボール」に変更することとなった。
キョロちゃんの生みの親は、当時森永製菓の製品企画部に在籍していたデザイナーの増田高美(ますだ たかよし)である。増田は1930年静岡県生まれ、静岡県立静岡高等学校を卒業後、東京藝術大学の図案科に進学。大学卒業と同時に森永製菓に入社している。キョロちゃんアニメ化の際に、テロップではキョロちゃんを愛する友の会会長として紹介された。
登場した頃は、おまけの「まんがのカンヅメ」及び「おもちゃのカンヅメ」の方に人気が集まり、人気が出なかった。1987年にキョロちゃん主演のコマーシャルが放送され、人気も集まるようになる。とんねるずの歌うCMソングも一世を風靡した。テレビCMには、クレイアニメ、着ぐるみのほか、ペギー葉山、田中星児、リサ・ステッグマイヤーなどが出演した。
1991年には「キョロちゃん」の名前がパッケージに印刷され、同年に発売されたキョロちゃんのぬいぐるみはチョコボールを超える売上を記録した。
1998年に、小学館の発行する学習誌などにキョロちゃんが登場する生活マナー指導の1コマ漫画『みんなもキョロちゃんになろう!』が掲載されていた。主な登場キャラクターは「良い子」の「キョロちゃん」と、本作オリジナルキャラクターである「悪い子」の「グレちゃん」。その他、いちごキョロちゃんも登場した。
1999年より、キョロちゃんを主人公としたテレビアニメ『キョロちゃん』が放送された。さらに、これのコミカライズ版が『ちゃお』と『別冊コロコロコミック』(共に小学館)で連載されたことがある。
2003年以降、森永製菓主催で、毎年『キョロちゃん夢ファンタジーシアター』というイベントが開催されている。
またJR東日本・田町駅構内には、2006年10月までキョロちゃんグッズを中心に森永製品を扱うキヨスクである『キョロスク』が設置されていた。これは森永製菓の本社が田町駅前にあることから、JR東日本と森永製菓のタイアップにより設置された。
2006年に、横浜市、東京都、盛岡市、仙台市、川崎市、千葉市、大阪市、福岡市で発行されている「防災のしおり」に、キョロちゃんが起用された。
2009年からは、チョコボールのベルマークにキョロちゃんのイラストが描かれるようになった。
2013年3月に約半世紀ぶりにデザインを変更、現行よりも縦のサイズが小さくなり丸みを帯びたデザインになる[1]。
テレビアニメ
漫画
- 玉井たけし『キョロちゃん』(てれびくんコミックス、小学館のカラーワイド)
- 鈴木伸彦『フシギなフシギなおかしキャラキョロちゃん クエッ!』(てんとう虫コミックス)
ゲーム
- キョロちゃんランド
- 1992年にファミリーコンピュータ用とゲームボーイ用に、ヒロより「キョロちゃんランド」というタイトルで発売された。内容は海外で発売された「Castelian」というゲームのキャラクターをキョロちゃんに変更しただけのもので、チョコボールとは何の関連性の無い中にキョロちゃんというシュールな世界感となっていた。パッケージが森永製菓のチョコボールの外箱を模したデザインとなっていた。なお本来はちいさいブタのキャラだった。またキョロちゃんランドとなる前はそのままキャッスリアンの名で発売予定で広告も配布されており、キャラも海外版とは違って騎士のようなキャラに変更されていたが没となっている。
- ポケットキョロちゃん
- キョロちゃんのプリクラ大作戦
1999年2月11日にトミー(現タカラトミー)よりプレイステーション用として発売。 横スクロールアクションでステージを進んでいきプリクラを集めていく。
- LCDゲーム
- 2000年にゲームセンターのプライズゲーム用の景品として発売された小型の液晶ゲーム。内容は落ちてくるチョコボールを受け取るだけのシンプルなもの。
- キョロちゃんアプリ
- 2010年に8月23日より、iOS(iPhone/iPod touch向け携帯アプリ)用のアプリを無料配信中。ミニゲームの他に時計や方位磁石などを収録。
絵本
- 「キョロちゃんの本」シリーズ(岩崎書店)
- しあわせなキョロちゃん ISBN 4-26-504531-6(ISBN 978-4-26-504531-0)
- 座右のキョロちゃん ISBN 4-26-504532-4(ISBN 978-4-26-504532-7)
- CDなキョロちゃん ISBN 4-26-504533-2(ISBN 978-4-26-504533-4)
- つれてってキョロちゃん ISBN 4-26-504534-0(ISBN 978-4-26-504534-1)
- LOVE LOVEキョロちゃん ISBN 4-26-504535-9(ISBN 978-4-26-504535-8)
- キョロちゃんの防犯ブザー ISBN 4-26-504536-7(ISBN 978-4-26-504536-5)
遊び本
- 「キョロちゃんとあそぼう!」シリーズ(主婦と生活社)
- キャラクターデザインはテレビアニメ版に準じており、テレビアニメに登場したパチクリ、クリン、ミッケンが登場する。
- キョロちゃんとあそぼう!たのしいおりがみ ISBN 4-39-112414-9(ISBN 978-4-39-112414-9)
- キョロちゃんとあそぼう!たのしいあやとり ISBN 4-39-112350-9(ISBN 978-4-39-112350-0)
キョロちゃん体操
2002年5月15日に東京プリンの歌うCMソング『だから今だけ クエッ!クエッ!!クエッ!!!』を使った体操『キョロちゃん体操』のVHSとDVDがエイベックスのcross aレーベルから発売された。振り付けを担当したのはパパイヤ鈴木。
その他
- 〈ファイナルファンタジーシリーズ〉のマスコットキャラクター・チョコボは、キョロちゃんをモデルとしたキャラクターである。『チョコボの不思議なダンジョン2』では、「チョコボのチョコボール」なる限定タイアップ商品も登場している。
- バラエティ番組『とんねるずのみなさんのおかげです』のコーナードラマ『仮面ノリダー』では、キョロちゃんのパロディとして「チョコ玉男」(演・石橋貴明)というキャラクターが登場したこともある。
- 「オリジナル」のキョロちゃんには手・羽がないが、漫画『みんなもキョロちゃんになろう!』のキョロちゃんには羽が、アニメ版のキョロちゃんには手がある。
- 栃木県の小山工場の正面前には、身長3.2メートル、体重250キログラムの、FRP製の「ジャンボキョロちゃん」が飾られている。
- 森永製菓には「キョロちゃんファンクラブ」のWebサイトがかつてあり、ゲームやダウンロードグッズ、ブログなどがある。その中の「お助けキョロちゃん」では、本物のキョロちゃんを自宅や学校、商店街などに呼ぶことができて、色々なお手伝いをしてくれるコーナーがあった。東日本大震災以降休止中であるが、現在は被災地の子どもたちに、お菓子と笑顔を届ける活動をしている。その模様は、ホームページの社会貢献活動コーナーで紹介されている。
- 森永製菓には「チョコボール」のWebサイトと「キョロちゃんズ」のWebサイトの二つがある。
- 福島中央テレビ[ゆるキャラ万博2014]にスペシャルゲストとして登場した。
脚注
- ↑ キョロちゃんデザイン変更 半世紀ぶり 新旧どっちだ? - 朝日新聞,2013年2月27日