キノの旅
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アニメ
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ゲーム |
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テンプレート:Infobox animanga/Footer 『キノの旅 -the Beautiful World-』(キノのたび ザ・ビューティフル・ワールド)は、電撃文庫から刊行されている時雨沢恵一のライトノベル、またこれを原作とするアニメ、ゲーム、ドラマCD作品。
概要
第6回電撃小説大賞に応募され、最終選考に残る。電撃小説大賞は長編と短編を一括募集する賞だが、本作は応募時点で連作短編の形を取っていた。受賞からは漏れたものの、2000年3月に『電撃hp』Vol.6に全編が掲載され、その後、文庫本化。シリーズ累計で770万部を超える[1]電撃文庫の大ヒットシリーズのひとつである。
2001年12月にはラジオドラマ化、2003年4月よりテレビアニメとして全13話が放送され、後にDVD化。2005年には映画化もされた。本編には書かれていない別ストーリーを書いた絵本(ビジュアルノベル)も存在する。また、2003年からゲーム(PlayStation 2)も発売されており、2009年には電撃文庫のキャラクターが多数登場するニンテンドーDS用ゲーム『電撃学園RPG Cross of Venus』にも参加している。
短編連作の形式がとられており、「-the Beautiful World-」という副題の付いた作品が2012年10月時点において、第16巻まで発売されている。『このライトノベルがすごい!』2006年度第2位。
2006年7月、時雨沢恵一自身によるパロディ本『学園キノ』が発売された(詳細は後述)。
角川つばさ文庫から、『キノの旅』に新たに短編の書きおろしを収録した『角川つばさ文庫版 キノの旅』が2011年7月より刊行。小中学生が読みやすいように配慮されており、1巻巻末にはキノとエルメスが対話している新規のあとがきが収録された。
内容
旅人のキノが相棒でモトラドのエルメスと旅をしながら、様々な国を巡るという短編、1話完結型のファンタジーである。キノとエルメス以外にも、「師匠と相棒」「シズと陸」が主人公となる話があり、稀にこの3者以外が主人公の話もある(具体的なことは#各話一覧や下記参照)。基本的にはキノら旅人が、毎話、独特の制度や技術、価値観を持つ国家や国民と関わるというストーリーで、そこに寓話の要素を持つ。本作はライトノベルにおける「寓話的異世界物語のさきがけ」であると評するものもいる[2]。
作者は、松本零士の『銀河鉄道999』がこの作品の根源にあると語っている。[3]
- キノの話
- 本編。キノとエルメスが旅をする話。一部にキノが師匠の下で修行していた時代の話が含まれる。
- 師匠と相棒の話
- 若い頃の師匠の話で、時系列的にはキノの話よりかなり過去にあたる。一部はキノの回想や話に重ねる展開をする。
- 初出は2巻口絵「狙撃兵の話」。
- シズと陸の話
- 1巻「コロシアム」から後の話で、主に陸視点で書かれている。キノの話とほぼ同じ時系列に位置し、しばしばキノが登場する。8巻「船の国」にてティーが加わる。1巻「コロシアム」の話の直前の話として6巻「祝福のつもり」がある。
- 初出は2巻の終わり「続・絵の話」。
- その他の話
- キノが旅先で出会った人の過去や、フォトの話など。
本作はあとがきに趣向を凝らしており、「本編の話のパロディ的な構成」「本文中で突然、短編の一つのような形で書かれている」「真っ赤な嘘のあらすじ(後にこれが『学園キノ』として書籍化)」などがある。また、作者自身があとがきを本編の前に読むため、基本的にあとがき内でのネタバレはしない。
世界設定
物語の世界は、様々な都市国家が散在する架空の世界である。国はそれぞれまったく異なった文化や文明を持っており、社会体制や技術レベル、国民の価値観など千差万別である。例えば原始的な国家もあれば、近未来的な技術を保有する国家も存在する。国の大きさも様々であるが、原則として城壁に囲まれていることは共通であり、城壁には堅牢であったり、形だけの境界線または城壁自体無いなど、その国の性質が表されていることもある。また国同士の交友関係も様々であり、友好な国同士もあれば戦争中の国同士もあり、あるいは存在が他国に知られていないという国もある。すでに滅亡し、残骸しか無い国や、比較的新しい国も存在する。また、作中に国名や地名が登場することも少なく、原則としてタイトルの「○○の国」という、その国の性質を表したものしかない。
一方で国の外は盗賊や獣などがいる無法地帯である。旅人や商人など、国の外を行き来する者は大抵何らかの武装をしていることが多く、しばしば話の主題となる。また、球体の惑星上であることが作中で示されているが、「天体としての世界」をさす固有名詞はなく「この惑星」などと呼ばれている。
人間以外のものが喋ったり、人間並に思考したりすることがあり、エルメスは空を飛ばない二輪車のモトラド、陸は犬でありながら話すことができる。ただし、一部そのような存在がいるということであって、全てのモトラドや犬が喋れるというわけではない。しかしながら、そのような存在に初めて直面した場合でも、簡単に受け入れられる。それらの具体的な理由や設定については特に明かされておらず、エルメスが喋る理由は「おしゃべりだから」だということになっている。
登場人物
担当声優は特記ない限りテレビアニメ版のキャスト。
主要登場人物
- キノ
- 声 - 前田愛 / 久川綾(ラジオドラマ・電撃文庫 FIGHTING CLIMAX)
- 本作の主人公。エルメスと行動を共にする旅人で、旅の目的は特に無い。年齢は10代半ば。
- 黒い短髪に大きな瞳の整った顔つきをしており、一見すると少年にも見える少女。華奢な体格ながら運動神経は抜群で特にパースエイダーの才能に優れている。1つの国には最大3日間滞在というルールで、各地を旅している。
- 基本的に白いシャツの上に黒のジャケット、さらにその上に初代キノの茶色いコートを羽織っているが、旅先の気候に合わせて臨機応変に変える。ただ、動きにくい服装は避けている。銃器は師匠のもとから勝手に持ち出した大口径のリボルバーと「優しい国」にてパースエイダースミスと名乗る老人より譲り受けた小口径の自動式拳銃、「英雄達の国」にてもらったライフルの三丁がある。名前はそれぞれ、カノン、森の人、フルート。また銃の仕組まれたナイフなどを全身に隠している。
- 銃撃の腕前以外にもナイフ術など、戦闘・サバイバル技術は非常に高く、常に状況を俯瞰し、頭の回転も早い。多人数の大人の男を相手したり、多少、不利な状況でも難なく制してしまう。また、旅人の心得として現実主義的な価値観を持ち、生きるために必要ならば手段を選ばないこともある。自分から厄介ごとに関わることは避けており、仕事に見合うだけの報酬や見返りがなければ動かないが、約束を守る義理堅さもある。訪れた国の内情に深入りすることも避けており、自らの生き方を否定されても反論しない。ただ「食事」と「タダ」に弱く、特に美味しい食事のためなら、多少ルールを曲げても厄介ごとに関わることがある。一方で依頼で殺すはずだったサラをさり気無く助けたり、さくらを救えなかったことに落ち込むなど不器用な優しさと少女故の脆さも持っている。他にもかつて自分に生きる道と時間をくれた初代キノに感謝と強い想いを抱いており、ある国で初代キノに関して誹謗中傷のデタラメを書いて成り上がったジャーナリストに対して、報復自体にメリットはないにもかかわらず、そのジャーナリストが社会的な地位を失うように計らったこともある(「ジャーナリストの国」)。
- 生まれは12歳になると大人になる手術を受ける国。宿屋を経営する両親と暮らし、髪を伸ばした女の子らしい格好をしており、一人称も「私」である。この時の本名は不明(後述)。手術が行われる数日前に旅人のキノ(初代)と出会う。彼と接したことによって手術にわずかな疑問を持ったため、国のルールとして親に殺されそうになったが、キノが自らの命を犠牲に庇い、彼が修理したエルメスに乗って国を飛び出した。そこでキノと名乗り始める(1巻「大人の国」)。その後、とりあえず何処かの国へ行こうとして迷った森に住んでいた師匠と出会い、彼女から銃器や旅の心得を学ぶ。そして十分なスキルを得た後、エルメスと共に旅に出る(2巻「砂漠の真ん中にて」)。
- 名前の由来は「映画(もしくは映画館)」を意味するドイツ語[4]の「Kinematograph」(Kinoと略される)[5]から。本来別の作品に使われる予定だった。また、キノという名前は、初代キノが由来で本名は別にある。ある紅い花の名前とされているが、作中で明かされることなく通常「×××××」と表示される。本人は嫌な悪口にもなるという理由で嫌っており、もうほとんど思い出せないとも述懐している。
- ちなみに注射が苦手で、何度さされても慣れないとの事。
- エルメス
- 声 - 相ヶ瀬龍史 / 野田順子(ラジオドラマ)
- キノの相棒。言葉を話すモトラド(二輪車)。
- キノの乗物兼話し相手。言葉を話せるが、それ以外は普通の二輪車で自律走行することはできない。性格は軽妙で人懐っこいが、シリアスな場面でも冗談を言うため、キノから怒られることもある。科学知識が豊富で計算速度も早いほか、人間のそれを遥かに凌駕した視力を持つ[6]。
- 他にも様々な知識を持っているが、よく変な間違い方をした慣用句や諺を使い、キノにツッコミを入れられている。もっともキノがツッコミを入れないと不思議がるなど、わざと間違えているようである。
- また「モトラドには"カン"というものがない」というが、どういった意図かは判然としない。
- 元は「大人の国」のスクラップで、初代キノに修理された。その後、現在のキノの国外脱出を手伝い、そのまま相棒となった。エルメスという名は、初代キノの昔の友人が由来であり、脱出後にキノに名付けられた。
- モデルはブラフ・シューペリア SS100。アニメ版では実際のエンジン音が使用された。名前の由来はギリシャ神話のヘルメスから[4]。
レギュラーキャラクター
- シズ
- 声 - 入江崇史
- 定住できる国を求めて旅をする青年。緑色のハイネックセーターを着用し、腰には日本刀。黒髪長身でスリムな容姿。
- 本作の登場人物にしては温厚篤実で慈悲深く、人助けになるなら無償であっても積極的に引き受ける。そのような性格や優しそうな外見の一方で、切れ味の鋭い日本刀を武器に、20人程度の盗賊団を1人で倒すなど超一流の剣術の達人である。弾道を読んで銃弾を刀身で弾くことができ、ほとんどの銃器はシズに対して効果がない。刀以外にも閃光玉などの扱いにもなれている。また、いざという時は自分達の身を守ることを優先し、敵を殺すことをも厭わぬ冷徹さを見せることもある。
- 生まれはある豊かな王国の王子であったが、父が当時の王であった祖父を殺して王位を簒奪し、シズも国を追放される。7年後、父王の暴政によって荒廃した祖国に復讐のために舞い戻り、王が開催するコロシアムに優勝して父を殺そうと計画する。しかし、決勝戦でキノに敗れて父もキノに殺されてしまう(1巻「コロシアム」)。その後、定住する国を探すために陸と共に4輪バギーで旅を始める。しかし、定住しようと決めた国は国民に受け入れられないか、その国の実態を知って諦めることが多い。
- 陸
- 声 - 大塚芳忠
- シズと共に旅をする白い犬。人語を話す。シズが主人公となる話では語り手になることが多い。
- シズとの出会いといった関係は不明であるが何らかの恩義を感じており、「シズ様の忠実なる下僕」を名乗る。犬ながら冷静な思考を持ち、丁寧な口調で話す。いつも楽しく笑っているような顔をしているが、単なる生まれつきで自分でよく言及するほど困っている。
- シズを助けた事もありキノに対しては好意的だが、エルメスとの仲は非常に悪い。後に仲間になったティーについては、当初はシズを傷つけた過去から快く思っていなかったが、段々と仲間と認めるようになる。
- 『学園キノ』によれば、モデルは作者の友人の飼い犬のサモエド。名前も同じ。
- ティー(ティファナ)
- 声 - 能登麻美子
- 「船の国」でシズと出会い、共に旅をすることになった少女。雪のように白い髪に緑色の瞳を持つ。
- かつて船の国に搭乗した夫妻の旅人に捨てられた赤子で、船の国を支配していた塔の主に育てられた。名前のティファナは、かつて「船の国」に現在の国民の先祖を乗せて漂着した漂流船の名前。船の国が長く持たないことから、シズは塔の主よりティーを託される。同じく滞在していたキノとエルメスや国民たちと共に、船の国が沈没する前に陸に降りたが国民たちは陸を選ばず船の国に戻った(後に船の国は沈没する)。
- それを見てシズはティーも船の国に戻りたいのだろうと思い親切心からそれを言うが、居場所が無く戻りたくないティーはその言葉に激高し、持ってたナイフでシズを刺してしまう。我に気付いたティーはシズが持ってた手榴弾で自殺を図るが、キノが手榴弾を撃ち飛ばして事なきを得る。そして腹部を刺されながらも立ち上がったシズがティーに謝り、一緒に旅をしようと言う。その後はシズの傷をキノが手当てし、キノとエルメスに別れを告げてシズと陸はティーと旅を続ける。
- とても無口で滅多に喋らず、表情にも乏しい。しかし、発言する時は短いながらもはっきり喋り、聡明なシズでも考えつかなかったことを示唆することがある。このときのセリフはすべてひらがなになっている。また、陸はその発言のタイミングがわからないと述べている。
- 戦闘するタイプではないが手榴弾を気に入っており、よく手に持っている。後にシズが仕事の報酬で貰ったグレネードランチャーを貰う(10巻「ティーの一日」)。
- 登場時から着ている、肘当ての縫い付けられた長袖シャツと半ズボン、肘当てと同じ素材の膝当てという服装を気候が許す限り着ている。常時着用しているマフラーは長くなった陸の毛を刈ったものと赤の毛糸を織り交ぜて作ったもの。
- 「むかしの話 -Tea Talks-」では、旅人と女の子と白い犬の旅の話をする、ティーの成長した姿と思われる老婆が登場している。
- 名前の由来はメキシコにある町の名前から[4]。
- 師匠
- 声 - 昔・渡辺明乃 / 今・翠準子
- 名前は不明[7]。キノや相棒の男から師匠とだけ呼ばれ、地の文でも「師匠」「女性」と表記される。キノに戦闘や銃器の訓練、旅の心得などを教えこんだ女性。若い頃は金と欲のためにボロボロの小さな黄色い車に乗って旅をしていた。彼女が主人公ではない話でも、キノが昔に師匠から聞いた話として登場することがある。
- 一見物静かな妙齢の女性で、表向きはお世辞や当たり障りのない言動をとるが、戦闘の腕は非常に立ち、冷静で頭も切れ、知識も豊富。欲望に忠実で、儲けになりそうな話には積極的にかかわり、自身の利益を最大にするためなら不道徳なことも平然と行う。逆に利益にならないことには消極的になる。結果として、彼女に関わった人たちからは恨まれたり感謝されたりと、評価は一定しない。
- 年を取ってからは森の中で1人で暮らしていた。銀色の長い髪を後ろでまとめた老婆で、祖国を出て森に迷い込んだキノを家に住まわせ、銃器の扱いや旅の心得を教え込む。若い頃の旅の話もキノにしており、キノには他人に自分のことを聞かれても白を切るようにと注意している。
- ちなみにオバケや幽霊の類が苦手で、それらが絡むとたとえ儲けに繋がることであっても早々に退散する。
- 相棒
- 声 - 千葉進歩
- 若い頃の師匠と共に旅をしている男。名前は不明。劇中では「少し背の低いハンサムな男」とまず紹介され、以後単に「男性」「男」などと主に呼称されている。
- 見た目は飄々とした優男で、師匠と比べると善人にも見えるが、本性は彼女と大差がない悪辣な人物。師匠を「師匠」と呼び、一応弟子という体裁をとっているが、特に何か教わっているわけではない。もともと銃器の扱いや格闘センスは師匠と出会った時から非常に高く、また、師匠には及ばないものの広い知識を持ち、思考も早い。
- 元はとある国の賞金首で、山賊の一員(曰く「楽な山賊ごっこ」)となっていたところを、山賊の壊滅を依頼されアジトを襲撃した師匠と出会う。銃整備の心得があることを売り込んで、師匠の相棒となる(6巻「長のいる国」)。銃以外にも機械整備の心得を持ち、また様々な用途を想定した暗殺用の道具一式を所持するなど、経歴に謎が多い。
- 2巻の「優しい国」では老人の姿で出ており、愛用していた銃と同じものをキノに渡した。
- 基本的に師匠には敵わないが、霊感が強いことからオバケや幽霊が苦手な師匠をからかうことがある。
- フォト
- 12巻「雲の前で」(また直接登場しないが3巻「雲の中で」)に登場する少女。「フォト」という名前は15巻「フォトの日々」で決まる。17歳。
- ある宗教国家の生まれ。奴隷として売られた先の30人規模の商隊から理不尽な扱いを受けていたが、彼らが誤って毒草を食べ全滅したことで自由を得る(「雲の前で」)。誠実な子で、商人達に殺されかけていたにも関わらず、彼らの死の責任が自分にあると思い悩むほど。当初は死にたがっていたがソウと出会い、生きていくことを決める。
- その後、商隊のトラックを運転して近くの国にたどり着き、その国の責任者の計らいもあってその国の国民となる。トラックの商品を売って大金を得るが働くことを望み、やがて趣味の写真撮影がそのまま仕事となる。
- 奴隷になった際に生来の名前を失い、定住後にソウから新しい名前を付けてもらうが、「フォトグラフ(写真)」から「フォト」と呼ばれるようになりそちらが名前として定着する(「フォトの日々」)。
- ソウ
- フォトと出会った喋るモトラド。
- 商隊のトラックに積まれていたモトラドで、商隊全滅後に絶望するフォトに話しかける。知識に乏しい彼女に助言し助けようとするが、バカ正直な彼女に戸惑うことも多い。能天気なエルメスに比べると、ガラが悪く、性悪的な思考をするが、あくまでフォトの為にアドバイスしている。
- モデルはホンダ・モトコンポ。
その他の登場人物
作者の意向により、主要登場人物とレギュラーキャラクター以外のキャラクターには名前が設定されていない場合が多い。
- キノ(初代)
- 声 - 井上和彦
- キノが旅に出るきっかけとなった男性。その名前や「1つの国には3日滞在」というルールなど、キノが影響を受けた人物。
- 当時11歳であったキノ(当時の名前は不明)が住む国にやってくる(1巻「大人の国」)。そこで、見つけた故障したモトラド(後のエルメス)を修理しつつ、滞在先の娘であった今のキノに旅の話をしたりして仲良くなる。その影響で大人になる手術に懐疑的になった今のキノが、国のルールで殺されそうになったところを庇い、死亡する。
- 原作では挿絵は無く、容姿に関しては文中に「背が高くて痩せた旅人」とあるのみ。アニメと『電撃学園RPG Cross of Venus』では眼鏡をかけ、ゲームでは目が隠れた姿で登場する。
- 戦車
- 声 - 立木文彦
- 9話「本の国 -Nothing Is Wriiten!-」、6巻「戦車の話」、9巻「続・戦車の話」に登場する浮遊戦車。リフターという装置で浮遊して行動する。エルメスと同じく、独立した思考を持ち人語を話す。
- 乗員の戦車長(人間)と共に戦場を駆けていたが、(キノと出会う)半年前の戦闘で戦車長は戦死してしまう。戦車長が死ぬ前に残した「色が黒くて、砲塔の右脇に3本の紅い縦線があって、左側に獏の絵が描いてある戦車を探し出して破壊すること」を目的に1台で旅をしている(「戦車の話」)。その後、故障して動けなくなったところを整備工の心得がある男の子と女の子と出会い修理してもらうが、そこで標的の戦車は、他ならぬ自分自身であったことを知る(「続・戦車の話」)。
- モデルはメルカバ Mk 2だが、主砲が200mm滑腔砲となっている、太陽光発電によって動力を得ているなどの相違点がある。また、優秀な光学センサーを有している。
- さくら
- 声 - 八武崎碧(現・悠木碧) / 佐藤朱(ドラマCD版)
- 「優しい国」に登場。観光ガイドを目指す宿屋の娘。名前が花に由来する点やそれをもじったあだ名を嫌う様子は、キノに幼少期を思い出させた(ちなみにキノの両親も安宿を経営していた)。
- イーニッド
- 3巻「終わってしまった話」に登場する10代の少女。大人になった現在は作家。
- 一人前の海賊になるための試験として、キノに海賊行為を働こうとしたが逆に倒される。これがきっかけで海賊を辞め、海賊を秘密裏に支援している国で普通の人となり、現在は作家として活躍している。
- 『学園キノ』の3巻に「イーニッド・スミス」という名前の少女が登場する。
- イナーシャ
- 声 - 川澄綾子(劇場版) / 春日清花(ゲーム版)
- 5巻「病気の国」に登場。国に広まる伝染病にかかっている少女。未開拓の地で開拓をしている少年と文通しており、元気になったら彼に逢いたいと願っている。
- 「病気の国」のその後の話が黒星紅白の画集に掲載されている。
- ラファ
- 声 - 川澄綾子
- 6巻「祝福のつもり」に登場。三つ編みの少女で7人姉弟の最年長。貧富の差の激しい国の最下層出身。貧しさから逃れるため、シズに自分を買ってくれるよう頼み込む。名前の由来は、パレスチナ・ガザ地区にある町の名前から[4]。彼女の「祝福」は、死を覚悟して殺伐としていたシズに生来の穏やかな気質を取り戻させる事となった。
- PS2版の特典「いろいろな話」において、シズに取り憑いている事が判明する(なぜか肩に負担が掛かっていると悩んでいたシズだが、師匠の相棒の男にラファが取り憑いているのが理由と言われ、「このままでいいか」と納得する)。
ゲームの登場人物
- セイ
- 声 - 浪川大輔
- ゲーム版第2作の主人公。燃料の豊富な国[8]出身。初代キノの故郷で買い揃えたため、格好や服装もキノとほぼ同じ。パースエイダーの腕はそれなりにあるが、キノからすれば大したことはないという。
- 過去にセイが住む村に初代キノが訪れたことがあり、初代キノと出会ったのがきっかけであらゆる人生観が変わった。「キノという名前の旅人」を探すため相棒のモトラド・ジャンと旅をしており、2代目キノのことを「他人の名前を騙っている」と思っているが物語が進むにつれ、2代目キノのことを知りたくなっていく。全く返事をしてこないジャンにいつも話しかけており、「ジャンと旅をしている」ことをいつも強調している。
- ジャン
- 声 - 相ヶ瀬龍史
- セイの相棒。昔からセイの持っていたモトラド。名前が無かったため、可哀想に思った初代キノが思い付きで付けた。セイ曰くとても無口で、旅の間話しかけられても反応せず、返事は全て「……」である。1度だけセイが「そうだね」と返事を感じたことがある。
パースエイダー
作品中に登場するパースエイダーとは銃器のことである。語源は英語のpersuader(説得する人[物]、(俗)ピストル等、脅しに用いる物)である。パースエイダーは実在の銃器をモデルにしている。しかし、異世界が舞台なので原則実名は出さない。
- カノン
- 先込め式44口径。元々は師匠の愛銃であり、キノが師匠の家を飛び出して旅に出る際に、予備の1丁を師匠から譲り受けた(キノは勝手に持ち出したといっている)。装弾数が少なく再装填に時間が掛かるが威力が高く、またパーカッション式であるためいざという時に弾丸を自作できるという利点がある。
- 森の人
- 左利き用となっており、左手用のグリップパネルが装着されている。22口径LR弾を使用するため殺傷能力は低いが装弾数が多く、また、競技用のためレーザーサイトが使用可能であり高い命中精度を誇る。師匠が旅をしていた頃の弟子の男が使用していた銃でもあり、キノは旅の途中で立ち寄った国の老人からこの銃を譲り受けている(II巻「優しい国」)。
- フルート
- 本来の名称は「五二式国民ライフル分解型」。キノがとある射撃が盛んな国に立ち寄った際に譲り受けた物。ボルト・アクション式で前部と後部に分割することが出来、持ち運びしやすい構造をしている。サプレッサーを装着することも可能。
- これは電撃劇場文庫(電撃文庫ムービーフェスティバル記念の限定品)の中で作者自身が述べている。初期の設定ではキノは「二式テラ銃」をモデルとするパースエイダーも所有していたというが、これとはまったく異なるものになっている。
この他『電撃学園RPG Cross of Venus』ではゲームオリジナル技としてポンプ式ショットガン(この世界の名称は不明)を持つ。
学園キノ
『学園キノ』(がくえんキノ)とは時雨沢恵一自身によるセルフパロディ本である。IV巻のあとがきに書かれた嘘ネタが発端となっている。電撃hp公式海賊本『電撃ヴんこ』で掲載された後、『電撃h』&『電撃p』、『電撃hPa』に続編が掲載され、電撃文庫で単行本化された。
「キノの旅・宇宙編」に続く「学園編」という想定で始まるが、本書のあとがき、カバー折り返し、オビなどで「あくまで本編とは無関係なお遊び」であることが強調されており、「キノの旅のファンは絶対に読んではいけない」「読むな危険」とも書かれている。各種設定、キャラクターの性格などは本編とは別物。作品全体の雰囲気も『キノの旅』と完全に異なっており、ライトタッチの非常に明るいノリでまとめられパロディネタも豊富である。銃火器、乗り物などは『キノの旅』に比べて明確な名称で登場する。また、銃火器の設定、操作、作動方式などの著者曰く「鉄砲描写」などが『キノの旅』に比べマニアックで、多種にわたる専門用語やパロディなども多く出るので、知識のない人にはついていけない箇所が多い。それらは著者曰く、「『キノの旅』の方は担当に書き換えさせられた」ためとのこと。
人物、自治体、組織、機関、会社、商標、建築物等の名前は実在のものを出している(神奈川県横浜市、文部科学省、自衛隊、ホンダ・オデッセイ等)。
あとがきは作者時雨沢恵一と雨沢恵一(あまさわ めぐみはじめ)の対談方式となっており、本編同様ネタバレを含むのを避けている。雨沢恵一は紹介文によると作者とは「まったく関係のない赤の他人」であり「決してコピー人間ではない」と記されている。時雨沢曰く「ツンデレ美少女」。元々は「電撃hp」において、時雨沢の名前が「雨沢恵一」と誤植されたのをネタにしたもの。第1巻では地の文を書くため本文に登場もした。
作者曰く、同一作者による同一シリーズの世界最長(ギネスブック掲載)を目指し、2449巻まで続けるつもりという。
舞台
木乃が通う学園は全寮制で、神奈川県横浜市に存在[9]しており、最寄り駅は大船駅に近いJR京浜東北線の駅であり、根岸線である[10]。
学園は魔物にや一部、サモエド仮面などにより度重なる戦闘の被害を受けているが。周囲はすっかり慣れてしまっており、学校側が魔物出現時のマニュアルを決めたり、魔物にならないよう注意の張り紙があったり、生徒たちも魔物が出現しても平然と避難したり、テスト中に魔物が出現した場合、テストがやり直しになったりすることから出現を幸運に感じたりする者もいる。また、学園の建物そのものにも防弾ガラスや対爆シャッターなどの魔物対策がされている。
基本的に舞台は学園。第3話では大部分が北海道を、第6話では鎌倉近辺および秋葉原を、番外編は商店街を舞台としている。
学園キノ の登場人物
- 木乃(きの)
- 「キノ」が立ち寄ったとある惑星の自称女神の呪いにより擬似人格を植えつけられた姿。どうやら「木乃」は名字[11]。
- 高等部1年生。北海道からやってきた。プラスチック製モデルガンの引き金を弾く事によって、謎の美少女ガンファイターライダー・キノに変身する。略称「謎のキノ」だがキノはこう呼ばれるのを嫌がる。腰には変身後は魔物を元の姿に戻せる「ビッグカノン〜魔射滅鉄〜」に変化するモデルガンと、大量の銃や手榴弾が詰まったおばあちゃんにもらった緑のポーチをつけている。変身の掛け声は「フローム・マイ・コールド! デーッド・ハーンズ!」。変身時には魔法少女のような変身バンクが入るが、変身後の服装は変身前とほとんど変わらない。
- 「キノ」と同じく食欲旺盛だが、寝起きが悪く、明るく喜怒哀楽の感情が豊かな性格。自分のことは「わたし」と言っている。エルメスに嫌なことを言われると彼を遠くにブン投げることもある。エルメスによれば、「食べることと、寝ることしか考えていない」らしく、地の文でも魔物と対比して「どちらが主人公だかわからない」と言われているほか、魔物退治の動機が「学食のカレーうどんのため」だった事もある。
- 静は嫌いではないがサモエド仮面は大嫌い。陸太郎は大嫌いだがワンワン刑事は嫌いではない。特技は「射撃・大食い」で、初期の頃は食べ放題の店を荒らしていた。
- エルメス
- 木乃が持つ、緑色の革と黄色い金属で出来た携帯ストラップ。赤いボディに紫色の燃料タンクのオフロードバイクに変形する。ストラップの姿を取っている原因は、とある惑星の女神にスクラップにすると脅された時に「できればストラップがいい」と答えたため。バイクへの変身は自身の意思で自由自在で木乃の要請を断ることもある。変人が多い中でほぼ唯一の常識人なため、作者は活躍させられないのが悩みだが諦めていると語っている。特技は「早寝早起」。時折描写に矛盾があると書かれる[12]が、頑張れば自分で動くこともできる。実際に漫画版のおまけに空中を漂う場面があるが詳細は不明。
- 静(しず)
- 「シズ」が自称女神に擬似人格を植えつけられた姿。
- 高等部3年生。常に刀を腰に差し、眉目秀麗・成績優秀・スポーツ万能のモテモテな男。そんな大人びた雰囲気から留年し続けて現在は20歳を過ぎているとの噂がある。基本的には「シズ」と同じ性格。「サモエド仮面変身セット」を用いて純白の正義の騎士・サモエド仮面に変身(扮装)するが、変身すると決めた時から人格が一変し異常にハイテンションな変態と化す。サモエド仮面はサモエド仮面αなど名前の後に文字が付くことがある。なお、サモエド仮面が登場するときはなぜかいつも前を(ジョンさんがいいと言っていたが、実際はカールと呼んでいる)純白のハトがスローで通り過ぎる。
- サモエド仮面は謎のキノに気があるようだが、いつも謎のキノの魔物退治を援護のつもりで邪魔をするため、大変嫌われている。
- 栄養素オタクで、戦場伝説にも詳しい。引用はミンメイ・リパブリッシング・カンパニー。
- 特技は銃弾を剣ではじくことと、銃弾をトマトで受け止めることと、シルク製マントで銃弾を防ぐこと。
- なぜかティーに対して強烈なトラウマがあり、姿を見かける度に悲鳴を上げて全身が震えて動けなくなる上に、腹部にナイフで刺されたような激痛が走り、栄養素のことすら話すことが出来なくなる。
- 犬山・ワンワン・陸太郎(いぬやま・ワンワン・りくたろう)
- 「実は四大魔王宇宙のスパイだった」陸が人に変身した姿。この名前は人型形態の時に名乗った名前である。
- 木乃のクラスに来た転校生を演ずる。白髪の美少年。その美貌は一目でクラスのほとんどの女子を虜にした。木乃に猛烈なアタックを繰り返しているが、ことごとく無視されている。転校してくる前はベルギーにいたようなことを何度かほのめかしている。
- サモエド仮面(他)を静だと知っていて、何らかの恨みがあり隙あらば静を倒そうとする。静に止めを刺そうとした時「おさげの彼女が待っている」と語った。復讐に関する本をボロボロになるまで愛読している。
- ワンワン刑事(ワンワンでか)
- 黒ずくめのサングラス少年。白髪を後ろでまとめている。誰かさんにそっくりだが、正体は一応不明ということになっている。
- 特技は、銃を乱射しながら(ただし狙いは正確)回転円舞する「銃七乗の拳法」。“銃とこの拳法で戦闘能力が7倍に引きあがる”が名前の由来で、この拳法を世界で最初に確立、記録として残したのは聖徳太子(将禿対死)とのこと。木乃とはちょっといい雰囲気?
- おばあちゃん
- 木乃の祖母。北海道在住。美老婆銃士ヴァヴァア・ザ・スーパーに変身する。サモエド仮面曰く「その戦力は米海兵隊一個師団に匹敵する」らしい。伝説の谷越え2キロ狙撃を成功させた人。作者曰く、「銃刀法」で縛れるわけがない人。
- かなりノリが良くて明るいが、お化け話は大嫌いで聞くとマシンガンを乱射してしまう。15歳くらいの頃にはすでにフランス外人部隊に所属しており、その後も各地で武勇を轟かせていた(見かけたら直ぐに逃げることとも言われている)。サモエド仮面曰く「映画にもなっている」とのことであり、国内外で何度も映画が制作されている。映画のタイトルには、必ず「ヴァヴァア」が含まれる。
- 黒島 茶子(くろしま ちゃこ)
- 学園キノ第2巻より登場。20代前半の女性で、英語教師の補充要員として登場。雪のように白い髪に緑色の目をしており、非常に陽気で良く喋る。陸太郎を一目で気に入り、授業は彼の頭に顎をのっけながら行っている。「すぐやる部」を学園長に頼み込んで設立したが、その際に何らかの重要な書類をちらつかせて脅迫している。部員は強制入部の木乃・静・陸太郎。体育館を壊したためすぐに廃部となったが、第3巻で復活した。
- 教師は仮の姿であり、その真の姿は日本政府が対魔物用に結成した特殊部隊・KAEREの隊長であるが、隊員諸共に情けないほど弱い。危機にさらされるとティーに変身し、手榴弾投擲の達人となる。
- もともとは孤児であり旅人に助けられて一緒に旅をしていたが、この国で別れたという過去を持つ。
- ティーは本編とほぼ同様、無表情で寡黙な子供として登場。複数のマークII手榴弾を使って互いの爆破や衝撃を相殺させ自分の周囲だけ被害が届かないようにする「相殺爆発波」を会得している。また、往復ビンタを2秒で200回ほど叩ける。
- サモエド仮面に何らかの恩義を感じており、彼を心配したり助けたりするが、当の本人からは恐れられている。また、なぜかよくワンワン刑事の背中に飛びつき、頭に顎を乗せたり頬ずりしたりする。ワンワン刑事がサモエド仮面に殺意を向けるとより激しく頬ずりする。
- KAERE(カエレ)
- 日本政府が組織した対魔物特殊部隊。名称は「Kill Attack Enemy React Element」の略で、受ける声援も「カエレ!」となる。自衛隊や警察の精鋭から構成されているが、魔物には手も足も出ず、戦闘よりも黒子姿ですぐやる部の手伝いをしている事の方が多い。しかし、他にこの種の部隊が無い為、「世界最強の対魔物部隊」となっている。
- 隊員は黒い戦闘服か黒子の衣装を着ており、「佐藤」「鈴木」「高橋」といった偽名を使っている。武器はS&W M5906と89式5.56mm小銃、閃光手榴弾など。移動には引っ越し業者に偽装したトラックを使用する。
- イーニッド・スミス
- 学園キノ第3巻に登場。金髪ロングヘアー、エメラルドグリーンの瞳の白人の少女。アメリカ合衆国の大企業CEOの娘で、アメリカから学園に来た短期留学生。日本のアニメ大好きなオタク。来日した際には学園への寄付がされたという。
- 先祖はイングランド出身のプライベーティアで、アルマダの海戦に参加したという[13]。
- 相当なお金持ちで、送迎車はレクサス LS600hL、横浜ランドマークタワー内のスイートルームに宿泊。彼女の周囲はお目付け役の執事ジョンソン、専属メイド、ボディーガードが固めている。
- エリアス
- 学園キノ第4巻に登場。非常に物知りで、ケネディ大統領暗殺の真犯人も知っている。
- 沙羅
- エリアスと同様、学園キノ第4巻に登場。
- 魔物
- 四大魔王宇宙が人間を変化させ、暴れさせた怪物。魔王の手下達がなんらかの手段(契約書・キャッチセールスまがいなど)によって、人間を「魔の誘い」に乗せることで誕生する。主に身長3mほどの獣のような姿をしており、体から無数の化け物を作り出す事が可能。また、強さは魔物になった人間のものに比例するらしく、魔物になっても人間の意識をある程度保っているケースもある。魔物を人間に戻すためには、謎のキノが持つ「ビッグカノン〜魔射滅鉄〜」の銃弾を魔物に撃ち込む以外方法はないが、魔物化した人間が自発的に元に戻った事もある。
- 多くは学園に現れる(学園の生徒が魔の誘いに乗る)ことが多いが、最近は生徒の多くが魔の誘いに乗らないため、外部の人間が魔物になることも多い。
- 化け物
- 魔物の体毛から生まれる魔物の手下。一度に大量に出現する事がほとんどで、魔物によっては統率のとれた行動をとる。倒されると灰になる。
- 麻生 タロー(あそう タロー)
- 学園キノ第3巻で登場。登場時は(注:第92代内閣総理大臣。空を飛ばないものだけを指す)という注釈が挿入された。「閣下」と呼ばれることを嫌悪する。鎌倉時代に書かれたという古文書の予言により、黒島茶子に木乃たちの身辺を監視させ「謎のキノ」や魔物との関係について調査させている一方で、黒島茶子の正体に感づいている。
- なお、第3巻あとがきで作者の時雨沢に対し、雨沢が「雑誌に掲載される前に職を失っているかと思った」という指摘をしていた。
既刊一覧
『キノの旅 -the Beautiful World-』シリーズ
『キノの旅 -the Beautiful World-』シリーズのプロローグとエピローグはタイトルが同じで、必ず時系列が逆になった連続した話でサブタイトルはaとbが付く。8巻はプロローグとエピローグのタイトルが異なるが、同じく連続した話であり、サブタイトルの記述法は他と同じである。
- 各話の「PR」はプロローグ、「EP」はエピローグ、「F」は「フォトの日々」の略。
- 背景色、登場人物の記号については下記参照。
キノが主体 | K = キノ&エルメス |
師匠が主体 | L = 師匠 / M = 相棒 |
シズが主体 | S = シズ&陸 / T = ティー |
フォトが主体 | F = フォト&ソウ |
キノ・師匠・シズの内の2者以上が主体または登場 | |
その他(レギュラー以外が主人公の話など) |
キノの旅 -the Beautiful World- シリーズ | 初版発行日付(発売日) | ISBNコード | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1 | テンプレート:Hidden begin
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2000年7月25日付 | ISBN 4-8402-1585-5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
2 | テンプレート:Hidden begin
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2000年10月25日付 | ISBN 4-8402-1632-0 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
3 | テンプレート:Hidden begin
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2001年1月25日付 | ISBN 4-8402-1709-2 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
4 | テンプレート:Hidden begin
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2001年7月25日付 | ISBN 4-8402-1844-7 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
5 | テンプレート:Hidden begin
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2002年1月25日付 | ISBN 4-8402-2013-1 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
6 | テンプレート:Hidden begin
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2002年8月25日付 | ISBN 4-8402-2155-3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
7 | テンプレート:Hidden begin
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2003年6月25日付 | ISBN 4-8402-2386-6 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
8 | テンプレート:Hidden begin
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2004年10月25日付 | ISBN 4-8402-2832-9 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
9 | テンプレート:Hidden begin
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2005年10月25日付 | ISBN 4-8402-3172-9 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
10 | テンプレート:Hidden begin
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2006年12月25日付 | ISBN 4-8402-3580-5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
11 | テンプレート:Hidden begin
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2007年10月25日付 | ISBN 978-4-8402-4025-3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
12 | テンプレート:Hidden begin
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2008年10月10日付 | ISBN 978-4-04-867263-4 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
13 | テンプレート:Hidden begin
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2009年10月10日付 | ISBN 978-4-04-868068-4 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
14 | テンプレート:Hidden begin
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2010年10月10日付 | ISBN 978-4-04-868967-0 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
15 | テンプレート:Hidden begin
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2011年10月10日付 | ISBN 978-4-04-870962-0 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
16 | テンプレート:Hidden begin
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2012年10月10日付 | ISBN 978-4-04-886980-5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
17 | テンプレート:Hidden begin
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2013年10月10日付 | ISBN 978-4-04-866021-1 |
その他
学園キノ シリーズ | 初版発行日付(発売日) | ISBNコード | |
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1 | 学園キノ | 2006年7月25日付 | ISBN 978-4-8402-3482-5 |
2 | 学園キノ2 | 2007年7月25日付 | ISBN 978-4-8402-3908-0 |
3 | 学園キノ3 | 2009年6月10日付 | ISBN 978-4-04-867840-7 |
4 | 学園キノ4 | 2010年7月10日付 | ISBN 978-4-04-868644-0 |
5 | 学園キノ5 | 2011年7月10日付 | ISBN 978-4-04-870690-2 |
その他 関連書籍・単行本など | 初版発行日付(発売日) | ISBNコード | |
キノの旅 -the Beautiful World- 劇場の国 -KINO- | 劇場限定販売 | ||
キノの旅 -the Sigsawa's World- | 『電撃文庫MAGAZINE』Vol.1 2008年5月号付録 | ||
キノの旅 the Beautiful World 『わたしの国 -Own Will-』 | 2008年1月10日付 | ISBN 978-4-8402-4080-2 | |
学園キノSpecial | 『電撃文庫MAGAZINE』Vol.5 2009年1月号付録 | ||
角川つばさ文庫版 キノの旅 | 初版発行日付(発売日) | ISBNコード | |
1 | キノの旅1 -the Beautiful World- | 2011年7月15日付 | ISBN 978-4-0463-1170-2 |
メディア展開
ラジオドラマ
電撃大賞にて2001年12月に「人の痛みが分かる国」、「絵の話」、「レールの上の三人の男」、「本の国」を放送。CD化の際に「魔法使いの国」、「優しい国」が追加された。
アニメ
テレビアニメ
2003年4月から7月に全13話がWOWOWノンスクランブルで放送された。また、2007年2月から4月にTOKYO MXで一部の話が放送された。現在はDVD全6巻が販売されている。
主人公・キノ役を担当した女優の前田愛と最終話のゲストヒロイン・さくら役を担当した悠木碧(当時は「八武崎碧」名義で出演)の両名にとって声優デビュー作となった。
テレビアニメ化記念として、オリジナル短編アニメDVD&ブックレット『キノの旅 〜とっておきの話〜』が発売された。
劇場アニメ
2005年2月19日、『キノの旅 何かをするために -life goes on.-』がユナイテッドシネマとしまえんにて単館上映。同年3月30日発売のDVDビジュアルノベル『キノの旅 旅人の話 -You-』の限定版DVD内にこの収録。後に、単品DVD化の際に「塔の国 -Free Lance-」を収録。
2007年4月21日、電撃文庫ムービーフェスティバルの上映作品の1つとして劇場アニメ第2作『キノの旅 病気の国 -For You-』が『灼眼のシャナ』・『いぬかみっ!』と同時上映で公開された。
スタッフ
- 監督 - 中村隆太郎(テレビアニメ、劇場版第2作)、渡部高志(劇場版第1作)
- 脚本 - 村井さだゆき(テレビアニメ、劇場版第1作)、小中千昭(劇場版第2作)
- キャラクター原案 - 黒星紅白
- キャラクターデザイン - 須賀重行(テレビアニメ、劇場版第1作)、伊藤良明(劇場版第2作)
- プロップデザイン - 近藤高光、川原智弘 (#7、#9-#13)、渡部高志 (#8)
- 美術監督 - 番野雅好(テレビアニメ)、武藤正敏(劇場版第1作)
- 色彩設計 - 西表美智代
- 撮影監督 - 大庭直之
- 編集 - 今井剛
- 音響監督 - 鶴岡陽太
- 音響制作 - 楽音舎
- 作画監督 - 松本文男・松本卓也
- 総作画監督 - 須賀重行(テレビアニメ)
- 絵コンテ・演出 - 中村隆太郎・小林孝嗣(テレビアニメ)、渡部高志(絵コンテ、劇場版第1作)・工藤進(演出、劇場版第1作)
- アニメーション制作 - A.C.G.T.(〜劇場版第1作)→ シャフト(劇場版第2作〜)
- 企画 - GENCO
- 製作 - 『キノの旅』製作委員会(テレビアニメ)、『キノの旅』とっておきの話の会(劇場版第1作)、劇場版『キノの旅』製作委員会(劇場版第2作)
主題歌
- オープニングテーマ「all the way」
- 作詞 - 何茶李、作曲・編曲 - Sin、歌 - 下川みくに
- エンディングテーマ
テレビアニメ各話リスト
話数 | サブタイトル[14] | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 元となった原作 |
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1 | 人の痛みが分かる国 -I See You.- | 村井さだゆき | 中村隆太郎 | 中村隆太郎 | 松本文男 | 初巻 第1話 |
2 | 人を喰った話 -I Want to Live.- | 小林孝嗣 | 松本卓也 | II巻 第1話 | ||
3 | 予言の国 -We NO The Future- | 中村隆太郎 | 小林孝嗣 | IV巻 第4話 | ||
4 | 大人の国 -Natural Right- | 小林孝嗣 | 松本文男 | I巻 第5話 | ||
5 | レールの上の三人の男 -On the Rails- | 中村隆太郎 | I巻 第3話 IV巻 第5話 | |||
6 | コロシアム(前編) -Avengers- | わだへいさく | 小林孝嗣 | 大森英敏 | I巻 第4話 | |
7 | コロシアム(後編) -Avengers- | 平田豊 | 伊藤良明 | |||
8 | 魔法使いの国 -Potentials of Magic- | 佐藤卓哉 | えんどうてつや | 宮田奈保美 渡部高志(メカ) |
II巻 第3話 | |
9 | 本の国 -Nothing Is Wriiten!- | 江島秦男 | 増谷三郎 松本文男 |
II巻 第8話 VI巻 第6話 | ||
10 | 機械人形の話 -One-way Mission- | わだへいさく | 小林孝嗣 | 松本文男 福世孝明 |
III巻 第4話 | |
11 | 彼女の旅 -Love and Bullets- | 中村隆太郎 佐藤卓哉 |
橋本巨樹 | 福世孝明 増谷三郎 |
VI巻 第1話 | |
12 | 平和な国 -Mother's Love- | 中村隆太郎 | 江島秦男 | 津元美尾 司下由紀子 |
I巻 第6話 | |
13 | 優しい国 -Tomorrow Never Comes- | 佐藤卓哉 わだへいさく 中村隆太郎 |
小林孝嗣 | II巻 第8話 |
DVD
- 短編アニメDVD&ブックレット キノの旅 〜とっておきの話〜
- キノの旅(1) the Beautiful World
- キノの旅(2) the Beautiful World
- キノの旅(3) the Beautiful World
- キノの旅(4) the Beautiful World
- キノの旅(5) the Beautiful World
- キノの旅(6) the Beautiful World
ゲーム
- 『キノの旅II -the Beautiful World-』
- 2005年12月1日、PS2用ゲームソフトとして発売された。全11話+α収録。
- 2007年3月8日、同ソフトのベスト版発売。[17]
- 『電撃学園RPG Cross of Venus』
- 2009年3月19日、DS用ゲームソフトとしてアスキー・メディアワークスから発売。本作が登場するほか、木乃がキノの変身という形で出演する。また、予約特典小説『電撃学園RPG文庫』に書き下ろし『ゲームの国 -Save Your Life!-』を収録。
- 『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』
- 2014年春よりアーケードで稼動予定の対戦格闘ゲーム。本作からはキノがサポートキャラクターとして参戦する。
ビジュアルノベル
- ビジュアルノベル『記憶の国 -Their Memories-』
- 2003年12月3日発売(ISBN 978-4-8402-2525-0)
- ビジュアルノベル『旅人の話 -You-』
- 2005年3月30日発売(ISBN 978-4-8402-2897-8)
- ビジュアルノベル 『わたしの国 -Own Will-』
- 2007年12月25日発売(ISBN 978-4-8402-4080-2)
コミカライズ
電脳桜蛙団作画で電撃G's Festival! COMICVol.10~13、電撃G's magazine 2010年12月号~2102年6月号に学園キノのコミカライズを連載。
- 2011年2月26日(ISBN 978-4-0487-0330-7)
- 2011年10月27日(ISBN 978-4-0487-0987-3)
- 2012年6月27日(ISBN 978-4-0488-6649-1)
脚注
外部リンク
テンプレート:時雨沢恵一- ↑ 「第20回電撃大賞」小説大賞、イラスト大賞、学校大賞の3部門で、史上最多応募総数7,523作品!アスキー・メディアワークス、2013年6月7日
- ↑ 榎本秋『ライトノベル文学論』2008年10月、NTT出版、ISBN 978-4-7571-4199-5。
- ↑ 電撃徒然草第23回
- ↑ 4.0 4.1 4.2 4.3 キノの旅XIIIのあとがきp253より
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 夜間の上ある程度距離があるにも拘らず、目にした人物の細かい特徴や瞳の色までも識別できる程。
- ↑ 11巻のあとがきで、作者はファーストネームは決めていると述べている。
- ↑ 奴隷のように何年か働かされるが、勤労の果てに多額の報酬が返って来るという、観光者の少ない国。
- ↑ 第3話
- ↑ 『学園キノ3』 p.119より
- ↑ 学園キノ3巻より
- ↑ 学園キノ3巻、p.57
- ↑ 本文中、アルマダの海戦は1588年で、関ヶ原の戦いの2年前と書かれている(学園キノ3 p.93-94より)
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
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