カシオペヤ座
カシオペヤ座(Cassiopeia)は、北天に見られる星座。カシオペア座とも呼ばれる。トレミーの48星座の1つ。
5個の2, 3等星がローマ字のWの形に並ぶ。周りには、他に明るい星が無いので、比較的探しやすい。ポラリス(現在の北極星)を探すために用いられる。
北極に近い地方では、現在、この星座は一晩中見える周極星となる。
もし、ケンタウルス座α星から地球と太陽を見るならば、その位置はカシオペヤ座にあるように見えるはずである。
主な天体
恒星
テンプレート:See also α星、β星、γ星の3つの2等星がある[1][2][3]。
- α星:シェダルは、オレンジ色の巨星[1]。
- β星:カフは、恒星時を計るためのおおざっぱな指針としても使われる。ほぼ赤経 0h に位置するため、この星が子午線上にある場合、恒星時は0時となる。
- γ星:ツィーは、特有の変光星である。視等級は1.6~3に変わる。γ星は連星であると考えられ、伴星は中性子星であると考えられる。これは最も明るいX線連星である。ほかに肉眼で見えるX線星の連星はない。
- δ星:ルクバーは、2.66等星の白色準巨星。
- ε星:セギンは、3.35等星の青色巨星。主要5星の中で一番暗い。
以上5つの星が、カシオペヤの独特な「W」字を形成する。
星団・星雲・銀河
カシオペヤ座は、超新星残骸を2つ持っている。
- SN 1572:1572年にティコ・ブラーエが観測した超新星の名残りで、「ティコの星」の名前で知られる。
- カシオペヤ座A:強力な電波源となっている。元の星は計算上1667年ごろ爆発したと推測されているが、その光が届かなかったためか発見の記録はない。
由来と歴史
古代アラビアでは、「ヘナで染めた手」と呼ばれていた。ヘナ(マニキュアの顔料)で爪を染めた女性の五本の指に見えることを由来とする呼称である [4]。
神話
カッシオペイア(カシオペヤ座)は、エチオピア王ケーペウス(ケフェウス座)の妻で王妃であり、アンドロメダー姫(アンドロメダ座)の母親である[5][6]。自慢好きの王妃で、カッシオペイアが「自分の美貌はネーレーイス(海のニュムペー)に優る」と自惚れたことに腹を立てたネーレーイスたちがポセイドーンに訴えたところ、ポセイドーンはエチオピアに海の怪物ケートス(くじら座)を遣わし、災害を引き起こした[5]。ケーペウスが神託を立てたところ、災害を止めるにはアンドロメダーをケートスに生贄として捧げなければならないとのことだった。神託に従ってアンドロメダーは生贄に出されたが、勇者ペルセウス(ペルセウス座)によって助けられた[5][6]。
カシオペヤ座は北半球の大部分の地域では水平線下に没することがない。これは、ポセイドンが彼女が海の下に降りて休息する事を許さず、為に彼女は常に天空を巡り続けているからであるという。
呼称と方言
テンプレート:See also その特徴的なWの形から「錨星」「山形星」などの呼称が伝わっている。
日本では、かつて、カシオペイア座と呼ばれた時代(英語の綴り読みより)がある。 現在、混乱をさけるため、教科書では「カシオペヤ座」に統一されている。